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『ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ』シリーズ随一の地味な能力、だがそれがいい。だって私もその能力持ってる(と思ってる)から! 今なら2,244円で楽しめる【メモリの無駄づかい】

文:電撃オンライン

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 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ(私)、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、PS4で発売されたアドベンチャーゲーム『ライフ イズ ストレンジ』について語らせていただきます。

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『ライフ イズ ストレンジ』シリーズ随一の地味な能力の主人公。


 『ライフ イズ ストレンジ』シリーズは、超常的な能力を持った人物が登場します。『ライフ イズ ストレンジ』は主人公のマックスが時間を巻き戻せる能力を、『ライフ イズ ストレンジ 2』は主人公の弟・ダニエルが車や家さえ吹き飛ばせるほどの念動力を持っています。そしてこの『トゥルー カラーズ』は、主人公のアレックスが能力者。その能力はというと……“感情の色が見える”能力です! 地味! 場合によっては読み取った感情を取り込むこともできるのですが……、過去作の能力者と比べると、正直ぱっとしない印象でした。いかにも怒ってる人を見て、あの人のオーラは怒りの赤と表示されても、まぁ……わかるし……、自分もその能力持ってるし! アレックス、なんだか身近な存在。なんて思っていたりもしました。

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▲本作の主人公・アレックス。落ち着いているけどコミュ力は高め。

 しかし、いざゲームを始めてみると言葉とは裏腹のキャラがいたり、何よりも心の声が聞こえるのが強い! 自分も能力持ってるなんて、思い上がっていてすみませんでした。

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▲再開を喜んでいるのに悲しいオーラの兄。そばにいてあげられなかった後悔の気持ちからでした。

 さらには、物に残された感情を読み取る事もできるんです。この能力で、小さな町で起こった悲劇の真実を突き止めることになります。マックスとダニエルが派手すぎただけで、アレックスも十分凄い能力者でした。というか、精神的に一番辛い能力な気がします。強すぎる感情は勝手にアレックスに伝わってしまうし。聴きたくない心の声に耳を塞いでも、どうにもならないのはしんどい……。

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▲強い怒りに当てられたアレックスがとった行動に、初対面のキャラもドン引き。

 プレイしているうちに、自分もたいへんなのに町の人々のメンタルを気遣うアレックスがどんどん好きになりました。眼鏡キャラが好きなこともあり、個人的にはシリーズで一番好きな主人公かも。

山奥の町での穏やかな生活に癒される


 アレックスは8年間のグループホームでの暮らしを終え、兄のゲイブの住む山奥の町“ヘイブン・スプリングス”で新たな生活を始めることになります。新たな町での暮らしにワクワクするのは、アレックスもプレイヤーも一緒です。学生として寮生活を送っていたマックスや、逃亡生活をしていたショーンとダニエルと違い、拠点となる広くて綺麗でオシャレな自分の部屋をもらって、テンションが上がります。自分もここに住みたい!

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▲バーの2階にある風呂・キッチン付きの広々ワンルームを与えられるアレックス。屋上テラスもあります。最高!

 小さな町ではありますが、景観が美しく、メインストリートにはレコードショップや花屋にレストランなどさまざまなお店が並び、観光地に来た気分。チャプターが進むにつれ、お店の場所やそこで働く人々とも仲良くなり、すっかり町の一員に。過去作では感じなかった“ここで暮らしてるんだ”という気持ちになりました。

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▲ネコチャンが居るし、DJブースもあるレコードショップ。こちらのショップ店員は『ビフォア ザ ストーム』にも登場するステフ。この画像にもよく見ると猫が居ます。

 “ヘイブン”という名前に『2』をプレイしたことのあるプレイヤーなら、嫌な思い出が頭をよぎったり、お兄ちゃんの彼女が働いているハーブ屋が“シルバードラゴン”という尖った店名で、それは……なんていうか大丈夫なおハーブ? と不安になったりしました。過去作は治安が悪いものが多いから……。

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▲町のメインストリート。ウィンドウショッピングも楽しい。

いつもの町が違って見えるLARPが超楽しい!


 マップ移動が少なく、ストーリーの舞台は小さめな本作ですが、筆者が一番思い出深いのは中盤で行われるLARP(ラープ)というイベント。初めて耳にしたのですがLive Action Role Playingの略で、要はリアル体験RPG。アレックスは勇者セイノア(イーサンという少年)と旅する吟遊詩人となり、国に迫る脅威を倒す旅に出るという設定で、ヘイブン・スプリングスを冒険します。

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▲町の人々もみんなノリノリ。

 いつもの道にモンスターに扮した人物がいたり、アイテムが落ちていたりと、見慣れた町なのに新鮮で楽しい! 

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▲モンスターがいるので、もちろん戦闘もあります。アイテムをあまり拾わず連戦したら、けっこうたいへんでした。
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▲このイベントのMVPだと思うライアン。好感度が上がりました。

良かれと思って選んだ選択が良いとは限らない伝統は健在


 アレックスの能力で、悲しみや怒りを引き受けることができるわけですが、その感情を取り除くことがのちのち思わぬ形で返って来る時があります。終盤でアレックスと住人たちの関係総まとめのようなシーンがあるのですが、途中の選択肢によってはガラリと人物に対しての印象が変わりました。先に良い印象を見てからだと、けっこうショッキング。一番最後の大事な選択も、自然と違うものを選びたくなる結果となりました。この最後の選択、過去作では少しの間プレイをやめて、唸り声を上げるほど悩むことがあったのですが、本作では自然な流れで悩まず選ぶことができたのが、自分的には驚きでした。

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▲悲しみや怒りに寄り添うのが吉か、そっとしておくのが吉か……。

 エンディングは大きく分けて2つありますが、どちらを選んでも満足感があり“自分で選ぶから 少し人生を好きになれる”というキャッチコピーに偽りなしでした。『トゥルー カラーズ』は比較的に穏やかな気持ちでプレイできます。シリーズ恒例の犠牲者は出ますが、圧倒的に少ないし。

 ちなみに、7月2日23:59までは70%オフの2,244円で購入可能! シリーズ未プレイの方や、辛い決断に迷いたくない方は、まずは本作からプレイするのもおすすめです。

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