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『ソニックレーシング クロスワールド』レビュー。シンプルだけど極めがいがあるレースシステム。違和感バリバリの春日一番も『ソニック』の世界に違和感なく溶け込む

文:電撃オンライン

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 セガより9月25日発売予定のNintendo Switch2/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Steam/Epic Games用ソフト『ソニックレーシング クロスワールド』。

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 『ソニック』シリーズのキャラがマシンに乗って順位を競うレースゲームです。『ソニック』シリーズだけではなく、セガの人気タイトルのキャラなどもゲスト参戦する6年ぶりの新作となっています。

 そんな本作は8月20日~24日にドイツで開催されたgamescom 2025に出展。そこでは一般とメディア向けにバージョンが違う試遊版がプレイできました。本稿ではそのメディア向けの試遊版をレビューします。

シンプルだけど極めれば大きな差が出るレースシステム【ソニックレーシング レビュー】


 そもそも、『ソニック』シリーズといえば、ソニックを始めとしてキャラたちが高速でステージを走るイメージ。なので、レースゲームのように速さを競うタイトルは相性がよさそうに思えます。

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 まずは純粋にレースを楽しむために4ラウンドをプレイして、各ラウンドの順位に応じたポイントの合計で最終的な順位を決めるグランプリをプレイ。本試遊版では参戦が発表されている『龍が如く』シリーズの春日一番、初音ミクも使用可能。ということで、2人を使用してみました。

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▲ほかの『ソニック』シリーズのキャラ同様に2人にもオリジナルのマシンが用意されています。
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 なんか『ソニック』シリーズのキャラたちに紛れて、春日一番がいる違和感のあるビジュアルだけでおもしろいですね。マシンなどを選択すれば、グランプリの開幕です。

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▲ライバルとして選ばれたキャラはほかのNPCよりも強力なことが多いです。
 まずはスタートダッシュを決めて序盤戦を有利にしたいところ。カウントダウンが“2”になった瞬間にアクセルを踏み込む……というのはお約束(?)ですが、本作ではゲージとして可視化されているので、そのタイミングがかなりつかみやすいです。

 ただ、何度も挑戦したのですが、うまくスタートダッシュを決められませんでした。自分の不器用さが恨めしい。

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▲アクセルを止めるとゲージが減少したので、もしかしたらアクセルのボタンを押したり、離したりしてゲージを調節してもスタートダッシュを決められるのかも。
 『ソニック』シリーズのタイトルらしく、コース中にはリングが落ちており、入手した個数に応じて最高速度が速くなる仕組み。誰かがリングを取ったとしても、同じ場所に短いスパンで復活するので、リングをまったく集められないなんてことはなさそう。

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 ただ、これだけでレースに勝てるかといえば微妙なところ。1位を目指すならアイテムがかなり重要になってきます。アイテムボックスに触れれば、ランダムでアイテムを入手でき、2個までストックできます。

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 アイテムには一時的にマシンを加速させるものやサイズを巨大化させるもの、敵を追尾して攻撃するものなどかなり種類が豊富。覚えきれないと思うくらい多いです。もちろん、ほかのキャラも使用してくるので、さまざまな種類のアイテムが何個も飛び交う状況になることも多く、カオスな環境でのレースが楽しめます。

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▲アイテムがヒットした際にはどのアイテムが誰に当たったかが表示されます。
 そんな環境だからこそ、あまり大きな差が付きにくく、1位だったとしても1回アイテムをぶつけられると6位くらいになったり、反対に8位くらいから1個のアイテムを使うだけで上位陣に一気に追いつくことも。最初から最後まで気が抜けないですし、一発逆転のチャンスがあり続けます。

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 テクニックとしてはエアトリックとドリフトが重要。基本なうえ、NPCもばんばん使うので、使えないとレースで取り残されてしまいます。

 エアトリックはマシンが浮いている場合、スティックを上下左右に入力するとその向きにマシンが回転。成功していれば着地時にブーストがかかります。ちょっとした段差で浮いたときにもエアトリックができるので、やるとやらないでは大きな差が生まれます。

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 マシンの向きを操作しているつもりが、いつの間にかエアトリックをしていたなんてことがあるくらい入力が簡単。デメリットもなく、意識しなくても発動するのは楽でいいですね。ただ、意識して操作しないと回転数が少なく、ブースト時間で差がついてしまいます。

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▲回転数が多いとブーストの時間も長くなります。
 ドリフトはカーブを曲がる際に駆使したいテクニック。曲がりやすくなるのはもちろん、ドリフトをしていた時間はゲージが溜まり、本数に応じてブーストがかかります。ドリフトがないと曲がり切れないようなカーブの数も多く、急なドリフトほどゲージが早くたまるので、積極的に使用したいです。

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▲ドリフトゲージは最大で3本まで溜められます。
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▲空中でドリフトも可能。地上よりもふわふわしているような操作感でスピードが出すぎると少し操作が難しいです。だからこそ、使いこなしたい!
 水上ではドリフトがジャンプ変わります。少し跳ねるくらいなのですが、ジャンプしないと取れない絶妙な位置にリングやアイテムがあるので、地味に見えてかなり重要です。それにエアトリックもできるので……じつはかなり重要なのでは?

 このような感じで操作はシンプルですが、突き詰めれば1つ1つのアクションで差が生まれるようになっています。

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 最初は操作のアシスト機能を付けていたので、そのおかげでこんなにもレースが楽しめているのかと思い、アシストなしにしてみましたが、プレイフィールはそこまで大きくは変わらず。アシスト機能は、がっつりアシストしてくれるような感じではなさそうです。あくまで、ちょっとした補助くらいの気持ち。

 本当は最初からアシストなしにしたかったのですが、本作はマシンが陸上、空中、水上にいる場合で操作方法が異なります。さすがに初めてプレイするときくらいはアシストに頼りたくなったというわけです。

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 実際にプレイしてみるとそんなことはありませんでした。操作方法が変わるといっても、ベースはありつつ、マシンがいる場所に応じてできることが少し切り替わるくらいなので、すぐに覚えられます。具体的には水上ではドリフトのかわりにジャンプ、空中を飛行しているときにはエアトリックがなくなるくらい。

 操作のベースがシンプルでわかりやすいですが、ある程度練習すれば差を付けられるテクニックなど単純にはならないようになっています。

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▲それまでのレースであまり結果が良くなくても、最終レースではポイントが上がり、逆転しやすくなります。
 レース部分だけではなく、アイテムで攻撃したり、誰かのアイテムに被弾したりするとリアクションで音声が流れます。さらに春日一番と初音ミクはレースに勝利後のBGMが『ソニック』シリーズのキャラとは違ったものになっていました。ともすれば気付かないかもしれない細かいところまで力が入っています。

 さらに、ほかに『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』からジョーカーも参戦しますが、これらのキャラもBGMが違うものに設定されているかもしれませんね。

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▲何回かプレイしてグランプリで優勝できました。

他プレイヤーとのバトルやタイムを突き詰めるタイムトライアルなどレース以外の要素も充実【ソニックレーシング レビュー】


 ほかのプレイヤーやNPCとのレースではアイテムでプラスの影響もあれば、妨害もされるので純粋なタイムでいい結果を残すのは難しいですが、ほかのキャラがいないタイムトライアルなら単純にタイムだけにこだわれます。

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 タイムトライアルではほかのキャラを妨害するようなアイテムは不必要ですが、加速関連のアイテムしか出ないのもうれしいところ。とくに設定で変更するわけではなく、最初からそういう設定になっているので、思い立ったときに好きなキャラやマシンで挑戦できます。

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▲加速するダッシュパネルに乗ったときのリアクションがかわいい。
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▲ラストにはタイムだけではなく、ランクも表示されます。もう少しでAランクだったのか。
 グランプリやタイムトライアル以外にほかのプレイヤーとの対戦などが楽しめるレースパークもあります。こちらはさまざまなルールのもと、チーム単位での勝利を目指すモードです。

 例えば、リングの取得数も競う“グループ リングヒット”、アイテムをぶつけあう“2グループ アイテムヒット”、さらに自身でルールを決められるカスタムマッチなど。

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 どのルールも通常のレースに加えて、何かしらのルールが加えられる形。さらにそのルールの条件を満たすとチーム全員が加速するゲージも追加されています。“グループ リングヒット”ならチームの誰かがリングを取得するとゲージが溜まっていき、溜まりきるとチーム全員が加速します。

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▲一気にゲージが溜まって思わぬタイミングで加速することもありました。加速はうれしいけどそれで操作を誤ってコースアウトするとすごく悲しくなります(笑)。
 それにチーム制なので、いくら自分が頑張ったとしてもほかのメンバーの成績が振るわないと負けてしまうことも。今回はNPCとチームを組んでのプレイでしたが、マルチプレイでするのならかなり盛り上がるのは間違いありません。

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▲レース中にチームメンバーの順位が表示されているので、連帯感をがっつり感じられます。
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▲ボーナスの結果でスコアが加算。これがレースの順位以上に大事かも。
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マシンやガジェットカスタムで走りやすさを追求【ソニックレーシング レビュー】


 各モードで使用するマシンはスピードやパワーなどのタイプが振り分けられており、そのタイプ通り得意なことが違い、タイプ内でボディやタイヤなどパーツを組み合わせて、自由にマシンを作れます。

 カラーリングもキャラをイメージしたようなカラーだけではなく、細かな色合いまで設定して、オリジナリティのあるマシンでレースが可能。

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▲ステータスという形で数値化もされているので、パーツごとの差がわかりやすい。
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▲性能とは関係ないクラクションの音も変えられるようです。
 まずはどのタイプにするかパワー系だとほかのマシンとぶつかったときに吹っ飛ばされないですが、そのぶんスピードは控えめ。スピードだとその反対というように、どのタイプにも一長一短があります。

 パーツごとに性能が変わってくると、特化型にしてもいいですし、バランスをマイルドにした平均型もできるというわけです。同じバランス型だったとしてもタイプによって微妙に数値が異なるので考えだすときりがありません。

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▲個人的にはボードのような見た目が好き。
 さらに6枠の中で任意の効果を持つスキルを組み合わせられるガジェットカスタムも含めると選択肢は無数にあります。

 スキルには所持できるリングの最大数を増やすものやエアトリックのスピードを速くするものなどがあります。所持できるリングの最大数を増やせば最高速度が速くなりますし、エアトリックのスピードを上げればわずかな時間しか浮いていないときでも、エアトリックを決めてダッシュできます。

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 ただし、スキルの効果によって何枠を使うか決まっているので、あれもこれも入れられるというわけではありません。3枠のスキルなら2個しか付けられませんが、1枠のスキルなら6個付けられます。これが悩ましい。

 どのスキルもマシンの性能だけでは足りない部分を伸ばしたり、補うようなものが多いのでセットで考えたくなります。マシンとガジェットのカスタマイズを行ったり来たりして決めきれません。

 ただ、どちらもカスタマイズした組み合わせは保存できるので、何パターンか作ってみて実際にレースで使用してから調整するのも簡単です。これはすべてのモードで使えるので使うキャラや遊ぶモードごとに別々のものを作っておいてもいいかもしれません。

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 シンプルな操作性+アシスト機能で誰でもプレイしやすい本作。プレイしていて大きな差が付きにくいバランスになっており、最初から最後まで白熱したレースが楽しると感じました。

 『ソニック』シリーズ以外のキャラもただゲスト的に参戦しているのではなく、専用マシンやBGMなどが用意されていて、お祭り的な側面も感じられます。レースだけではなく、アイテムをぶつけ合う対戦などほかの遊び方があるのも、お祭り感に拍車をかけています。

 今回プレイできたのは一部のモードやキャラだけなので、まだ見ぬ部分にどのようなものがあるのかと思うとわくわくします。8月29日からはオープンネットワークテストが開催され、ジョーカーも登場するので、気になった方は参加してみてください。

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