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レビュー:荒廃した世界で魔女がキャンプ旅をする『ハイク ノーザンライツ』は謎と癒しに満ちたイチオシ作品。2Dで描かれる7人の少女もかわいい!【電撃インディー#1120】

文:あまも

公開日時:

最終更新:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、アカツキゲームスとアニプレックスの2D見下ろし型アクションRPG『HYKE:Northern Light(s)(ハイク ノーザンライツ)』のレビューをお届けします。

※プレイはSteam版です。また、Xboxコントローラーを使用しています。

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 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!


母を探して禁域を巡る、可憐な魔女たちのキャンプ旅【HYKE:Northern Light(s)】


 本作は、魔女のハイクが母を探し、各地でキャンプをしながら旅をするアクションRPGです。

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 幼い頃にいなくなってしまった母親を探して旅をしていたハイクたちは、ある日突然ラジオから聞こえてきた謎の声に導かれ、“禁域”に足を踏み入れます。そこには、禁域を守護する役目を持った“メテオス”と呼ばれる魔女が存在し、彼女たちとの邂逅を通して、ハイクは母親や自分自身について知ることになります。

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 果たして過去に何があったのか。ハイクの母親はどこにいるのか。そんな謎とともに、切なくも心温まるストーリーが描かれます。

 アクションパートはオーソドックスな見下ろし型2Dアクションですが、使用できるキャラクターが多く、多彩な戦闘と適度な探索が味わえます。

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 さらに、本作にはキャンプ要素も存在し、料理やキャンプの設営、本編では語られないキャラクター同士の掛け合いなどが楽しめ、つかの間の癒しを与えてくれます。

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 ストーリーについては、ぜひご自身で体感してほしいので、今回はキャラクターごとに味わいの異なる戦闘と、キャンプパートの癒しについてお伝えできればと思います。

ジャンルすら変わりそうなほど戦闘スタイルの異なる7人のキャラクター【HYKE:Northern Light(s)】


 本作のアクションパートにおける最大の魅力は、なんといっても使用できるキャラの多さと、それに付随する戦闘の多様さです。

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▲いつでも別のキャラに交代可能で、ハイタッチとともに一言声をかけて交代します。

 各キャラクターの特徴がかなり尖っており、操作するキャラクターを変えるたびに別ジャンルのアクションゲームをプレイしているのでは?と感じてしまうほど、戦闘スタイルが異なります。

 そんな中、筆者がメインで使っていたのはリコとマザーブレインの2人。

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 リコは一見お調子者のギャルに見えますが、肝が据わっていたり、価値観が普通ではない個性豊かなキャラクターが揃う中で、良い意味で普通のリアクションをしてくれる、いわゆる常識人枠です。

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▲他のみんなは関心がないのか、リコだけが海に感動しています。

 戦闘においては、攻撃によって体力を回復する通常状態と、体力を消費して変身し桁外れな火力を出す「ウサのん」状態を切り替えて戦う、体力管理が重要なキャラクターです。

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▲ウサのんの見た目はちょっと不気味ですが、めちゃくちゃ頼りになります。

 ヒットアンドアウェイを徹底するテクニックが求められますが、その分、攻撃力は群を抜いて高く、その辺の雑魚はもちろん、ボスすら一瞬で倒してしまうほど。

 その火力だけでも十分気持ちいいのですが、筆者の一番気に入っているポイントは、時間を遅くしてその間無敵になる魔法“あたしタイム!”が使えること。

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▲“あたしタイム!”を発動した様子。時間は短いですが、その効果は絶大です。

 この魔法は変身していない状態でしか発動できませんが、発動後に変身することが可能で、どんな強敵でも一方的に殴り倒すことができ、無類の爽快感を味わえます。

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 もう一人のマザーブレインは、旅の途中で仲間になるキャラクターで、かなり人間らしい思考をする魔女ロボット。魔力で駆動する銃火器やドローンを駆使する戦闘スタイルを持ち、なんとマザーブレイン使用時はアクションのジャンルがツインスティックシューターに変わります。

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▲他のキャラはXボタン(マウスは左クリック)で向いている方向に通常攻撃を出しますが、マザーブレインは右スティックを傾けた方向に弾を発射(マウスは発射方向を決めてから左クリック)します。

 通常攻撃にも弾薬の確保やリロードが必要という制限がかかりますが、遠距離から攻撃できるため、慣れてしまえばどんな状況でも安定した戦いが可能です。筆者はツインスティックシューターのゲームをよくプレイしているので、手馴染みがよく、基本はマザーブレインを愛用していました。

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▲囲まれると厄介ですが、一方向に敵が固まっている場合は、そこ目がけて弾を撃っているだけで殲滅できます。

 他にも、状況に合わせた攻撃属性で戦闘をコントロールするキャラや、相手の攻撃をタイミングよくガードする“パリィ”によって自身の攻撃を強化する、死にゲーのような戦闘が楽しめるキャラなど、さまざまな戦闘スタイルが揃っているので、きっとお気に入りのキャラが見つかることでしょう。

キャンプ好きでも、そうでなくてもきっと癒される旅の休息【HYKE:Northern Light(s)】

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 ハイクたちは各地でキャンプをしながら旅しており、各ステージの合間にはキャンプパートが存在します。このパートでは、ステージ選択やキャラクターの強化はもちろん、料理やハウジングといったキャンプそのものを楽しむことができます。

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▲ステージ選択画面も現地の地図風でかわいらしい仕上がりです。
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▲キャラクターの強化では、ステージ内で拾ったアイテムを使って攻撃力を上げたり、新しい魔法を覚えたりすることができます。

 料理は、使用する食材と調理器具の組み合わせで作れる料理が決まっており、自分でレシピを見つけることも、街でレシピを購入することもできます。

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▲食材と調理器具を選んだらレッツ調理!組み合わせを間違えると、真っ黒なアレが完成します……。

 料理にはそれぞれバフがあり、ステージ攻略を有利にする効果もありますが、それ以上に飯テロとしての威力がハンパではありません。

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▲バフには、最大体力や攻撃力、防御力を上げるものなど、さまざまな効果があります。

 ドット絵で表現されたおいしそうな見た目はもちろん、スキレットやホットサンドメーカー、ダッチオーブンなどキャンプギアで調理される様子がリアルに描かれており、大自然の中で食べるキャンプ飯の特別感が伝わってきて、食欲がかき立てられます。

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▲普段の生活でもなじみ深いハンバーグですが、スキレットにのっているだけでなぜこんなに美味しそうに見えるのでしょうか。
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▲色鮮やかな見た目と、ホットサンドメーカーをフライパン代わりに使っているこの感じ、たまりません。

 ハウジング要素では、ステージやサブクエストの報酬で手に入るテントや机などのキャンプギアを配置し、自分好みのキャンプサイトにすることができます。自分がカスタマイズしたサイトで、ハイクたちがゆったり過ごしている様子を眺めるのは、まさに“チル”の一言。もちろん、その様子を写真に収めることもできます。

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▲キャンプギアを置ける範囲は限られていますが、置いてあるものはすべて自由に配置できます。
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▲引きで全体を撮るもよし、寄りで各キャラクターにフォーカスするもよし、好きなシーンを切り取りましょう。

 さらには、ゲーム内の音楽を自由に鑑賞できる機能やタイマー機能も完備されており、ハイクたちのキャンプを作業のお供にすることも可能です。

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▲お気に入りのBGMで優雅なチルタイムを過ごしましょう。

 このように、多彩なスタイルが楽しめる戦闘と、合間に挟まる癒しのバランスがちょうどいい本作。サブクエストや収集要素などのやり込み要素もあり、今回あまり触れなかったストーリーも終盤にかけての盛り上がりが熱く、全体を通してのクオリティが高い作品です。

 ぜひ皆さんも、ハイクたちのキャンプ旅に癒されながら、母親を探す物語の結末を見届けてみてはいかがでしょうか?

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