電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、9月17日にSteamにて配信が開始される、ダンクハーツのPC(Steam)用マルチエンディング型謎解きアドベンチャー『雑音系少年少女』を先行プレイレビューします。
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なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
『雑音系少年少女』は、ゲームではなく体験そのものだった
「もし、忘れてしまいたい過去と、もう一度向き合うことになったら?」
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誰しも心の奥底に、そっと蓋をして鍵をかけた記憶の一つや二つはあると思います。本作『雑音系少年少女』は、そんな人間の心の最も繊細で、触れることすらタブー視されがちな領域に、静かに、しかし鋭く切り込んでくる作品です。
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最初に抱いたのは“ポップでスタイリッシュな謎解きアドベンチャー”という印象でした。しかし、物語を進めるにつれて、その印象は良い意味で何度も裏切られることになります。これは単なるゲームではありません。記憶を失った少年少女たちの心の旅路を通して、プレイヤー自身の内面と向き合うことを強烈に促す、一種の“体験”そのものでした!
本記事では、そんな『雑音系少年少女』が持つ、抗いがたい魅力の数々を余すところなくお伝えしていきたいと思います。
ようこそ、心の迷宮へ。似て非なる“東京”で紡がれる物語
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物語の幕開けは、見慣れているはずなのに、どこか歪で奇妙な都市空間“雑音スクランブルシティ”。そこで記憶を失った6人の少年少女たちが、ほぼ同時に目を覚ますところから始まります。
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彼らがいる場所は、高層ビルが立ち並び、ネオンが煌めく、現代の渋谷によく似た街。人々の喧騒は不気味なほどの静寂に包まれています。なぜ、彼らはここにいるのか? なぜ、記憶を失っているのか? そして、この街の正体とは一体何なのか?
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本作は、主人公である少女“歪空絶那(ゆがみぞら ぜな)”をはじめとする6人の視点を通して、この街に隠された自分たちの過去の記憶の断片“ノイズの欠片”を集め、この世界からの脱出の糸口を探っていくことになります。
本作の最大の特徴は、人の心の奥深くに潜む、贖罪だと思います。謎解きによって物語が進展し、そして物語の深層に触れることが、次の謎を解くための鍵となる。この二つが有機的に絡み合い、螺旋を描くようにプレイヤーを物語の核心へと引きずり込んでいく感覚は、まさに新感覚のアドベンチャー体験が味わえます!
本作の魅力である“ビジュアル”を語るには外せない登場人物たち
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共通の危機を前に集った6人の少年少女たち。彼らは決して聖人君子などではなく、それぞれが現代社会を生きる我々にも通じる、複雑で生々しく、とても重い悩みを抱えています。
色彩豊かで一目でわかるビジュアルに加え、登場人物たちはそれぞれ強烈な個性と人間性を持っています。その魅力と危うさが、物語の中で複雑かつ美しく絡み合っていくのが特徴。そんな登場人物たちを一人ひとり紹介していきます。
色彩豊かで一目でわかるビジュアルに加え、登場人物たちはそれぞれ強烈な個性と人間性を持っています。その魅力と危うさが、物語の中で複雑かつ美しく絡み合っていくのが特徴。そんな登場人物たちを一人ひとり紹介していきます。
●歪空絶那(YUGAMIZORA ZENA)
『特撮好きなツンドラ系少女』ゼナ
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本作の主人公。ぶっきらぼうな言動とは裏腹に、強い意志を秘めた少女。
記憶を失っているにもかかわらず、「シングルマザーである母親を助けに行かなければ」という強迫観念にも似た使命感に突き動かされ、誰よりも早く脱出への道を模索し始めます。
彼女が身に纏うジャケットは、愛してやまない特撮ヒーローのグッズ。そのヒーローへの憧れが、彼女の行動原理、そして物語の根幹に深く関わっていくことになります。一見するとクールですが、その内面には熱い正義感と、母親への深い愛情が燃えている。筆者イチオシの彼女になります。
●崩月慈來(HOZUKI ITSUKI)
『妬みに苛まれた少年』イツキ
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常に何かに苛立ち、周囲に棘のある言葉を投げかける少年。
運動も勉強もそつなくこなす万能タイプですが、彼が最も得意とするのはゲーム。しかし、彼の上には常に「完璧な秀才の兄」が存在し、その影に苦しめられてしまいます。
拭いきれない劣等感と嫉妬心は、やがて彼の心を蝕み、取り返しのつかない過去の引き金になった……のかもしれません。彼の怒りの根源に触れた時、プレイヤーの心も蝕んできます。
●桐島朋夏(KIRISHIMA HONOKA)
『強がり疑心暗鬼少女』ホノカ
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オレンジの髪飾りと、自分らしく改造した制服が目を引く、派手な見た目の女子高生。
誰に対しても壁を作り、簡単に人を信用しようとしません。その態度の裏には、かつて「親友」と信じた少女と共に強姦事件に巻き込まれ、自分だけが逃げ出してしまったという壮絶な過去が影を落としています。彼女の強がりは、脆く壊れやすい心を守るための鎧なのかもしれません。
誰に対しても壁を作り、簡単に人を信用しようとしません。その態度の裏には、かつて「親友」と信じた少女と共に強姦事件に巻き込まれ、自分だけが逃げ出してしまったという壮絶な過去が影を落としています。彼女の強がりは、脆く壊れやすい心を守るための鎧なのかもしれません。
●清水佳弦(SHIMIZU KAITO)
『自己肯定感皆無少年』カイト
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顔の左側にある大きな痣を隠すかのように、派手な髪色とアクセサリーで自身を装飾する少年。
しかし、その挑戦的な見た目とは真逆で、性格は極度に消極的かつ内向的。対人関係が苦手で、自分の感情をうまく言葉にできず、難解な「詩」で表現しようとします。
かつて、そんな自分を唯一受け入れてくれたバンドマンに裏切られた過去が、彼の心を固く閉ざしてしまいます……。
しかし、その挑戦的な見た目とは真逆で、性格は極度に消極的かつ内向的。対人関係が苦手で、自分の感情をうまく言葉にできず、難解な「詩」で表現しようとします。
かつて、そんな自分を唯一受け入れてくれたバンドマンに裏切られた過去が、彼の心を固く閉ざしてしまいます……。
●円堂陽縁(ENDO HIYORI)
『嘘つき動画投稿者の少女』ヒヨリ
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東京生まれにもかかわらず、なぜかエセ関西弁を話す不思議な少女。
その正体は、多くのファンを持つ人気の動画投稿者。しかし、彼女は悪意なく、人の気を引くため、その場を丸く収めるためにつかなくてもいい嘘を重ねてしまいます……。
その小さな嘘が積み重なった結果、多くのファンを深く傷つけてしまった過去に苛まれています。承認欲求と自己欺瞞の間で揺れる姿は、SNS時代を生きる我々にとって他人事とは思えないリアリティのある存在です。
その正体は、多くのファンを持つ人気の動画投稿者。しかし、彼女は悪意なく、人の気を引くため、その場を丸く収めるためにつかなくてもいい嘘を重ねてしまいます……。
その小さな嘘が積み重なった結果、多くのファンを深く傷つけてしまった過去に苛まれています。承認欲求と自己欺瞞の間で揺れる姿は、SNS時代を生きる我々にとって他人事とは思えないリアリティのある存在です。
●堕花想征(OCHIBANA SOTO)
『お節介焼き愚直少年』ソウト
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主人公のゼナと同じ場所で目を覚まし、以降、彼女を何かと気にかけ、サポートしてくれる心優しい少年。
困っている人を放っておけない、まさにお節介焼きな性格の持ち主。しかし、その優しさは、幼い頃に病気の幼馴染を救えなかったという、深い後悔と無力感から来ています。誰かを助けたいという彼の願いは、果たして自己満足なのか、それとも本物の救済なのか……。
困っている人を放っておけない、まさにお節介焼きな性格の持ち主。しかし、その優しさは、幼い頃に病気の幼馴染を救えなかったという、深い後悔と無力感から来ています。誰かを助けたいという彼の願いは、果たして自己満足なのか、それとも本物の救済なのか……。
●スペクター(SPECTRE)
『ひょうきんな街の監視者』スペクター
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突如として少年少女たちの前に現れる、マスコットのような謎の存在。
ひょうきんな態度で彼らに接し、この“雑音スクランブルシティ”からの脱出を阻止しようとします。「街から無理やり出ようとすれば“リセット”が訪れる」と警告する彼の目的は一体何なのか。敵なのか、味方なのか、それとも……。物語の鍵を握るトリックスターです。
ひょうきんな態度で彼らに接し、この“雑音スクランブルシティ”からの脱出を阻止しようとします。「街から無理やり出ようとすれば“リセット”が訪れる」と警告する彼の目的は一体何なのか。敵なのか、味方なのか、それとも……。物語の鍵を握るトリックスターです。
謎解きが物語を、物語が謎解きを深化させる3つのゲームシステム
本作のゲームプレイは、大きく分けて「探索」「ノイズ」「絶対対話」という3つのパートで構成されています。これらは単独で機能するのではなく、相互に影響を与え合いながら、プレイヤーを物語の深みへと誘うという、全てに無駄がないシステムになっています。
其の一:探索 ~歪んだ都市に散らばる記憶の欠片~
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プレイヤーが最初にすること、それはこの歪な迷宮都市“雑音スクランブルシティ”を探索すること。一見すると何の変哲もない子ども部屋、逆さまにぶら下がる無数の人形、散乱するカバンなどの荷物たち。画面の隅々までが調査対象であり、そこには登場人物たちの失われた記憶の手がかり「ノイズの欠片」が隠されています。
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探索パートの魅力は、その圧倒的な密度にあります。調査できるオブジェクトが膨大で、クリックするたびにキャラクターたちの細やかな反応や、世界の謎に関するヒントが返ってきます。単にアイテムを探すだけでなく、アイテム同士を組み合わせたり、壁に書かれた暗号を解読したりと、その種類は40種以上にも及ぶので、次はどんな謎解きがあるんだろう? という楽しみも味わえます。
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周囲の環境すべてがヒントになりうるという緊張感と、ひらめき一つで道が開ける快感は、謎解きファンにはたまらないものがあります。探索を通じて彼らのトラウマを少しずつ理解していくと、それに応じて迷宮自体も心の傷のように形を変えていくという演出も、物語への没入感を一層高めてくれます。
其の二:ノイズ ~目を背けたい過去との対峙~
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探索で手に入れた「ノイズの欠片」を組み合わせることで、キャラクターたちの封印された過去の記憶、すなわち“トラウマ”が蘇ります。この「ノイズ」パートでは、彼らが何を経験し、何に傷つき、何を忘れたがっていたのかが、断片的な映像や会話劇として再生されます。
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しかし、それは決して甘美な思い出などではありません。嫉妬、裏切り、後悔、自己嫌悪……。目を背けたくなるような生々しい感情の奔流が、プレイヤーにも突きつけられます。このパートは、プレイしていて精神的に“しんどい”と感じる瞬間が多く、心をかなり抉られてしまいました。
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ですが、この辛さを乗り越えなければ、物語の核心にはたどり着けないようになっているのがかなり憎い。そして、この追体験で得た情報こそが、迷宮の新たな謎を解くための重要なヒントとなるので、キャラクターの何気ない一言や、過去の風景に映り込んだオブジェクトが、次のステージのパスワードになっているなど、ストーリーと謎解きが見事に連動しているので、トラウマから目を背けることができません!
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其の三:絶対対話 ~トラウマを“覆す”ための最終弁論~
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そして、本作を唯一無二の作品たらしめているのが、この「絶対対話」システム。記憶を取り戻し、迷宮の謎を解き明かしたその先に待ち受けるのは、脱出を阻む、自分自身の心の闇が具現化した存在との対話になります。
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一般的なアドベンチャーゲームであれば、ここでトラウマを「受け入れる」「乗り越える」といった結論に至ることが多いと思います。しかし、『雑音系少年少女』は違います。集めた証拠や記憶を突きつけ、相手の矛盾を論破し、過去の解釈そのものを“覆していく”という、味わったことのないストーリー展開を繰り広げてくれます。
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「本当に、あの時ああするしかなかったのか?」「別の選択肢はなかったのか?」という鋭い問いを突きつけ、凝り固まった過去の認識を打ち砕いていく。このプロセスは、まるで法廷での最終弁論のようなスリルと緊張感に満ちています。
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そして、対話の末に、登場人物たちが過去の呪縛から解き放たれ、新たな一歩を踏み出す瞬間のカタルシスは、言葉では言い表せないほどの体験でした。最後の最後まで展開が読めない、二転三転するストーリーは圧巻です。
ポップな色彩で描かれる“心の闇”。アートが物語る没入体験
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本作のビジュアルを一言で表すなら、“ポップな絶望”と言えます。登場人物たちの心の傷が具現化した迷宮は、飛び散るペンキ、歪む光と影、無機質なモザイクなど、シュールでサイケデリックなアートで構成されています。
トラウマを思い出せば思い出すほど、彼らの心がえぐられていくのと同期するように、迷宮の風景はより歪に、より荒廃していきます。この、キャラクターの内面と世界のビジュアルが完全にリンクする演出は、プレイヤーの没入感を極限まで高めてくれます。
トラウマを思い出せば思い出すほど、彼らの心がえぐられていくのと同期するように、迷宮の風景はより歪に、より荒廃していきます。この、キャラクターの内面と世界のビジュアルが完全にリンクする演出は、プレイヤーの没入感を極限まで高めてくれます。
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しかし、特筆すべきは、その色使いです。テーマは非常に重く、ダークであるにもかかわらず、画面を構成する色彩は驚くほどポップで鮮やか。この絶妙なカラーバランスのおかげで、物語がどれだけ暗い方向へ進んでも、不思議と“希望”の光が失われることがありません。また、プレイヤー視点でも、暗すぎない画面は探索のしやすさに繋がり、ストレスなくゲームプレイに集中できるというメリットもありました。
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そして、何よりキャラクターデザインが秀逸です。6人の主要人物は、髪型、服装、アクセサリーの一つ一つに至るまで、彼らの個性や内面を雄弁に物語っています。誰一人としてキャラクター性が被ることなく、プレイしているうちに必ず誰かに感情移入し、“推し”ができると思います。
ただし、覚悟してください。推しを作れば、その子の最も辛い過去を、我が事のように体験することになります。その痛みは計り知れません。しかし、だからこそ、彼・彼女が救われた瞬間に訪れるカタルシスは、とてつもなく大きく、心に深く刻まれます!
これは、あなたの心と向き合う物語
『雑音系少年少女』は、単なる謎解きアドベンチャーゲームの枠に収まる作品ではありません。これは、記憶とトラウマを巡る、重厚で繊細な人間ドラマであり、プレイヤー自身の心に静かに問いを投げかけてくる、鏡のような物語です。
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40種以上の歯ごたえのある謎解き、周回プレイを前提としたマルチエンディング、そして何よりプレイヤーの心を揺さぶり続ける深遠なストーリー。ゲームとしてのボリュームも申し分なく、コストパフォーマンスという点でも非常に満足度の高い一本と言えるでしょう。
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骨太な謎解きや脱出ゲームが好きな方、先の読めないサスペンスフルなストーリーを求める方、登場人物の心の機微を丁寧に描いた作品に浸りたい方、そして、“本当の自分”と向き合う覚悟がある、すべての方へ『雑音系少年少女』を、強く、強くお勧めします!
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ぜひ、彼らと共に雑音に満ちた心の迷宮を彷徨い、その先に待つ真実と、胸を打つカタルシスを体験してください! 『雑音系少年少女』を終わらせたときに、自分自身の心の中にも、新たな光を見出すことになるはずです。
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