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【ほぼ週刊電撃スタッフコラム:オッシー】『スパロボY』のジェットジャガーでまさかの釘宮病発症。『MGSΔ』でエヴァの胸とラーメンばっか見てるスネーク。Netflix『エマ』は意外とシスターフッドもので胸熱

文:オッシー

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 みなさんこんにちは。タイトルが多すぎて久しぶりに睡眠時間削ってゲーム。学生の時は余裕だったのに、年取ると眠くてすぐ寝落ちしちゃう。でも一旦強烈な眠気を我慢するか仮眠とると意外とその後長時間いけたりするよね。多分カラダはボロボロ。でもゲームは辞められないゲームジャンキーオッシーがスタッフコラム15回目をお送りします。

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 このコラムでは、狂ったようにプレイしている日々のゲーム体験や、ゲーム以外の趣味である映画鑑賞などで摂取したエンタメコンテンツを、短文レビュー形式でお送りしています。今回はゲーム編と映画編とドラマ編です。
ネタバレ全開閲覧注意!

ホラーゲームにつきまとう追いかけっこ不要論の是非

タイトル:『禁足地 ‐青鬼の窟‐』
プレイ状況:Steam版 未クリア

 ホラー配信でプレイ。サイドビューの探索ホラーゲーム。

 雰囲気はかなり良くて、薄暗い廃校内を懐中電灯片手に探索するのが怖くて楽しい。全体的に暗めに設定してあって、懐中電灯の光が当たったところだけがはっきり見えるようになっているので、影になっているところに何かありそうな演出が効果的になっている。

 3Dホラーゲームだと暗いとイライラすることも多いけど、2Dだと気にならないどころか良演出になるんだなと再認識。おそらく情報量の差なんだろうね。3D探索ゲームは調べられる範囲が広いから、暗いとライトを当てて探す範囲が広いとイライラしてくる。一方、2Dサイドビューだと上下くらいしか無いので見逃すことも少ないし、(明るければ見える)主人公の背後が見えなくて良い感じに恐怖を演出できるのよ。

 音も結構良い感じに仕事してる。廃校の古くなった廊下を踏みしめる音とか、何かが地面に落ちる音とか、雰囲気でるでる。童歌もかなり印象的だった。

 というように、全体の雰囲気が良い分、正直メインモンスターの青鬼があまり噛み合ってない気がした。青鬼といえば、ずんぐりむっくりした図体で追いかけてくる有名なホラーアイコンではあるが、様々な作品で見慣れているせいか、正直あまり怖くはない。それが廊下の先からドンドン追いかけてくるので、恐怖の対象というよりはただの障害に思えてきてちょっと残念。『クロックタワー』のシザーマンは音も相まって(明るい屋敷内でも)あんなに怖いのに。

 ストーリーは過去のアーカイブから考察していく感じだけど、こちらも過去からのいわくが色々とあってかなり好み。バディ人形のこまりも多分だけど重要なキャラの転生体っぽい。これ絶対最後エモいやつやんけ。時間見つけて最後までやろう。

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▲暗がりの先に血のついたバケツが。こういうのでいいんだよ。
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▲数ある青鬼作品の中では出色の怖さだと思うが、怖さよりウザさが上回ることも。

なんなら突撃系Youtuberより体張ってるまであるオカルトライター

タイトル:『連呪』
プレイ状況:PS5版にてプレイ 未クリア

 こちらもホラー配信にてプレイ。『流行り神』など良質ホラーゲームを出している日本一ソフトウェアのホラータイトル。『流行り神』は旧三部作信者。ゆうか編のランダム出現幽霊の演出が大好きなので、本作にも期待。

 主人公はオカルトライターで、ウェブメディアに記事を書いて生計を立ててるっぽいイケメン。所属している編集部が、最近は競合メディアに押されているらしい。オカルトメディアなんてニッチなところに競合なんてあるのか? と思わなくもないけど、趣味ベースの小規模なニッチメディアって結構あるよね。

 エライことに、主人公の所属する編集部は、こたつ記事はNGで心霊スポット直取材至上主義、さらに被り厳禁でネタが競合メディアに先に出たら記事公開を取りやめるという徹底ぶり。別に切り口変えれば被ってもええやんもったいない、とゲーム系メディアの筆者は思うのだが、ニッチな分、そういうメディアの矜持みたいなもんがあるのかね。

 そんなこんなで、スクープ求めて突撃取材をした主人公は、案の定呪われることに。いわんこっちゃない。その呪われ方法は、勝手にスマホにインストールされたアプリを開いたから。ITリテラシー息してない。いつの間にか情シス怖い話になっとるやんけ。

 でもなんか主人公が達観しているというか、あんまり悲壮感がない。「やっぱり呪われちゃったかー」みたいなノリ。こいつ強えな。主人公がそんなノリだから、ついつい周りの人もそのアプリの動画見ちゃって呪われちゃうの。いわんこっちゃない。歩く呪いインフルエンサーやんけ。

 そうして主人公は呪いを解くために、呪いゲージと闘いながら謎を解くために探索していくのだった……。具体的には、霊にダイレクトアタック食らったり、探索に時間がかかったりすると、ドンドン呪いの印が広がっていって、最終的には死に至る。普通のゲームだったら、死に至る前に謎を解くしかない…、となるんだけど、本作は違う。呪いを抑える方法があるのだ!

 その方法とは、「オカルト記事を書いて公開し、たくさんいいねをもらうこと」。なんでやねん。実況配信のコメントでは、「呪いを記事によって拡散したから分散して呪いが弱まったのでは」とあって感心したが、それはそれでまずいのでは。メディアとしての矜持は、読者の安全を担保する方には機能しないのね。

 そんなツッコミどころはありつつも、霊を(呪いの)カメラアプリで激写することで霊ポイント(正式名称はしらん)を貯めて、死者の残留思念的なのを見ることでストーリーを進めていくのは結構楽しい。霊ポ(霊ポイント)を貯めるのにガンガン墓地を歩いて激写しまくる主人公のたくましさよ。

 心霊スポットも、墓地から廃屋、廃病院など雰囲気バッチリ。ストーリーもしっかりしていて、とあるカルト教団やら死者蘇生やらが絡んできて大好物。良作のかほりがする。

 ということで、今日も主人公は歩く呪いインフルエンサーとして呪いを拡散しまくるのだった。ぜひこのコラム記事もいいねしてほしい。


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▲いいねの数が私を軽くする。

やっぱりアクシズ落とすのって権力者の夢なんやなって


タイトル:『スーパーロボット大戦Y』
プレイ状況:PS5版 2周クリア トロフィーコンプリート済み

 最近、ゲーム時間がかかりすぎて寝不足なのは間違いなくこの『スパロボY』のせい。一周目すべてのミッションをクリアして70時間、二周目はメインだけ攻略して10時間。トロコンの為にMXP貯めるのに5時間で正味85時間ぐらいプレイした。楽しかったけど疲れた……!

 『スパロボ30』から結構経っていたのもあり、久しぶりのスパロボ。『30』とシステムは近しい(ミッション選択式)ものの、細かいところが結構変わっていて新鮮。

 一周目はHARDでプレイしたのだが、結構敵が固くて驚く。また敵味方ともに命中率が高めに設定されていて(体感)、リアル系が被弾しやすい調整になっていた。おかげでビルバインなどのオーラバトラーやガンダム系、マクロス系はオートだとヒヤヒヤで、最終的にはハイブリッドアーマー積んでガチムチリアルロボにしていた。

 一方、スーパーロボット系は硬めなので、安心して前線に出せてゴリ押しバンザイ。久しぶりのライディーンや初参戦のダイナゼノン辺りは火力もあるし硬いしで重宝していた。特にダイナゼノンは最終的にカイゼルグリッドナイトになって精神コマンドも勇気と愛がどっちも使えたりと強い&便利で最高。

 今作は原作未見が多かったので、どれも興味深かったが、特にイチオシは『ゴジラSP』のジェットジャガー。『ゴジラSP』はNetflixで最初の方だけ見ていたものの、途中でリタイアしたのを今更ながらに思い出す。だって全然ゴジラ出てこないんだもん。そういえば有人ジェットジャガーでラドンと戦ってたわーと思いながら、『スパロボY』でジェットジャガーを使ったら……なんかジェットジャガーからくぎゅの声がするんですけど!

 え、原作では有人だし、ガガピーくらいしか音出してなかったような? と思ってプレイしながら『ゴジラSP』を流し見していたら、途中からAI搭載無人機になって釘宮ボイスのジェットジャガーになるのね。びっくり。原作も最後まで見たら滅茶苦茶面白かったし、ゴジラとジェットジャガーガチバトルになるし、ジェットジャガーPPもスパロボで完全再現されてるしで……最高の体験だった! こうやってスパロボから原作に入って、またスパロボでの再現度合いで感動するの、いつの時代も素晴らしいサイクル。『スパロボ64』でジャイアントロボを知って、レンタルビデオで原作見たの思い出したわ。

 そんなこんなでストーリーもメチャ長だったので省くけど……ひとつ言えることは、みんなアクシズ落としたがりすぎる。複数ルートがあるんだけど、どのルートでも誰かしらが最後の方でアクシズ落としを画策する。今回はシャア(というかネオ・ジオン)が味方だから、シャアじゃない誰かがアクシズ落とすのよ。やっぱり権力持つとアクシズ落としたくなるのかね。

 まあ気持ちは分からないでもない。やっぱアクシズの形ってなんか変化球投げたくなるというか、握りやすそうだもんね。バカリズムのネタでやってほしい。

真のヒロインはエヴァなのかザ・ボスなのかオセロットなのか


タイトル:『メタルギア ソリッド デルタ: スネークイーター』
プレイ状況:PS5版 ザ・ソロー撃破までプレイ

 アーリーアクセスで手を出したものの、『スパロボY』が出てしまった為に未クリア。ようやくスパロボが終わったのでクリア目指してプレイ中。

 『MGS』シリーズは、『1』・『PW』・『4』・『5GZ』・『5PP』をプレイしていて、『3』は未プレイだった。ほうぼうから最高傑作は『3』と聞いていたので、この機会に履修すべしと早速プレイ。なので原作との比較はできまへん。

 『MGS』自体がかなり久しぶりのプレイだったので、手探りで進める。開始数分で出会った敵兵を華麗にCQCでぶちのめすものの、このままだとまた起き上がってしまうらしい。起こして降伏させるべしとカミさん(『3』は原作履修済み)からアドバイスがあったので、色々と試したもののよく分からず、めんどくさくなってサバイバルナイフで永遠の眠りについてもらった。これでノーキルクリアは無理になったので、晴れて殺戮ショーの開幕や! 

 ステルスという言葉を知らない野蛮人として、出てくる敵も非戦闘民も皆殺しプレイで満喫。非戦闘民つっても警報鳴らすから死んでどうぞ。おかげで、研究所も変装ナニソレオイシイノ状態で迷作服で突撃して殺しまくる。おかげで何度も変装しないと進めないところでゲームオーバーになったわ。気づいたら変装対象の高官殺しちゃってるの。隠れてろや。

 いや、これでも『5』ではかなりフルトン回収頑張ったのよ。フルトン回収システムが無いのが悪い。

 『MGS』シリーズのストーリーもかなりうろ覚え。『5』のビッグボスの前の話だっていうのは知ってる。というか『5』でちょいちょいザ・ボスの思い出的なやつ出てたし。あとエヴァって『4』にも出てた気がする。あとオセロットはシリーズ皆勤的な感じで出てたはず。というかオセロットってリキッドに乗っ取られてたよね? とにかく、すべてがあやふやな感じでプレイしていたが、MGSタイムラインでは最古の話なので、なんとなく楽しめた。リボルバーオセロットがリボルバー使い出したのって、これが原因だったんだ! とかね。

 エヴァも美人でエロいし、パラメディックは面白いし映画好きで趣味合いそうだし、キャラが立っていていいね。でも一番スネークに執着してるのはやっぱりオセロットなんだよな。シリーズ通して因縁の相手って感じで良かった。

 いつも通り、ふざけた要素もたくさんあって良い。ムービーシーンで視点変えられるとカミさんに教えてもらって試したら、エヴァのパイオツかラーメンしか見て無くて笑った。いやまあエヴァもあんだけ胸元はだけてたら見ちゃうけども。これも男のSAGAか……。

 ちな大虐殺プレイしていたせいか、ザ・ソロー戦でめちゃくちゃ幽霊出てきて焦った。あれノーキルプレイだと誰もいないんだよね。控えめにいって地獄。自業自得だけど。フルトンが無いのが悪い。

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▲エヴァのパイオツしか目に入らないスネーク。すねえええく!
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▲パイオツ以外は大体食べ物。性欲と食欲。あと睡眠欲(ザ・ソロー戦)。


 
次はドラマ&映画編。ネタバレ注意!


韓国版『全裸監督』かと思ったら全然違った


タイトル:Netflixドラマ『エマ』

 Netflixの新着で出てきたので視聴。韓国の実在した官能映画を題材にしたドラマらしい。日本でも『全裸監督』でAV業界をテーマにしたやつ流行ったし、面白そうやん!

 かなり浅い知識だが、韓国は儒教文化なので、基本ポルノはNGだったはず。きっとそんなお上との軋轢や当事者の葛藤を描く作品なんだろうな、と思っていた。『全裸監督』も規制との闘いみたいなとこあったしね。

 まあ確かに、そういった要素もある。検閲でモロ乳は見せられなくなったり、馬は性的ワードなんでNGになって、『愛馬夫人』の漢字が使えなくなって、大麻を愛する『愛麻夫人』になったりね。そっちのがヤバいやんけ。

 主人公は、既に認知のある大女優。集大成的に『エマ夫人』の主役に挑戦するが、事務所の社長といざこざあり、主役のエマ夫人は新人女優になり、主人公はサブの友人役になる。主人公は納得できないが、事務所と搾取契約結んでしまっているので逃れられない……という導入。

 当然、主人公と新人女優はいがみ合う関係になるが……その後、色々とあり、ライバルではありつつ、お互いを認め合うようになる展開。その色々も、今日本でも話題の上納文化に関するものが大きく、タイムリー。舞台はかなり昔の韓国なのに、こういうところって変わんないんだなとちょっとげんなり。

 ただ、主人公とライバルが最終的にはシスターフッド的になり、口ではキツイことを言いつつ、共に不正に立ち向かう感はとても良かった。ラストの映画賞受賞式典で、貶められて新人賞を逃した新人女優が、主人公の受賞を確信しているシーンとかぐっときた。結局、主人公も謀られて受賞を逃すものの、一計を案じて最後に上納文化を糾弾するスピーチは盛り上がった。その後の逃亡劇では、新人女優が馬に乗って助けにきて、街なかを馬に乗って二人で駆け抜けるのは非現実的だけどクライマックスって感じがして大変に良き。

 基本的に、主人公の大女優がいい奴なんだよな。陰で上納されてた新人女優を守ったり、事務所社長の隠し名簿で上納の証拠を見つけて、他の搾取されている数多の女優の為に憤って立ち上がったりね。とても良いドラマだったので、Netflix入っている方はぜひ!

キミがMならボクは007


タイトル:Netflix映画『木曜殺人クラブ』

 老人ホームのばあさんとじいさんがハッスルして事件を解決するミステリー映画。安楽椅子探偵的なのかと思ったら、結構アクティブに現場に行ったりするハッスルばあさん。

 老人ホーム内の趣味会的な感じで、実際にあった殺人事件を検証したり考察したりして(暇をつぶして)いる主人公たち。元精神科医や元活動家、元刑事などもいる。新たに医学的な知識が必要になり、元看護師のおばあさんを勧誘する。

 ところが、老人ホームのオーナーが殺されるという事件が起き、さらに老人ホームを解体する話も出てきて……木曜殺人クラブのメンバーがその解決に翻弄する、という筋書き。

 いやー、こういうジジババが昔取った杵柄でぶん殴る系の映画は大好きなんだけど、これも面白かった!

 木曜殺人クラブでもメインのおばあさんがいるんだけど、明らかに他とは異質で、最初は元の職業を明かしていない。ただ最初から匂わせてはいて、案の定、元MI6のスパイだったのね。ちなみに、元活動家のおじいさんはピアース・ブロスナン(この映画では実は元スパイとかでは無い)。もうこのメインばあさんがMに見えてくる。

 メインの木曜殺人クラブのメンバーにはそれぞれ家族がいて、それも密接に関わってくる。メインのMI6ばあさんの旦那は認知症で記憶が怪しいんだけど、やけに鋭くて、それこそ安楽椅子探偵ばりに聞いた情報だけで謎を解き明かす。まあでもすぐに記憶が飛んじゃうんだけど……。でもこの旦那とMI6ばあさんの馴れ初めとかも知りたくなった。スパイファミリーだったのでは説。

 他にも、新人の元看護師ばあさんの娘が実業家で最後老人ホームを買い取ったり、元活動家じいさんの息子が容疑者だったりと、色々絡み合って脚本の妙が感じられた。

 トリックがどうこうという話ではないし、軽妙な掛け合いもあり、サクッと見られる良作。これもばあさん同士のシスターフッド的な要素もあり、長年連れ添った夫婦の愛とかもあり、こういうのってええなぁと実感できる。疲れが溜まってきた木曜の夜に肩の力を抜いて観るのにぴったり。

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