電撃オンライン

『Exoborne』レビュー。プレイヤーや敵がうろつく危険地帯を強化スーツと立体的な移動で快適に探索。自由かつ適度なシビアさがクセになる新PvPvE脱出シューターを遊んでみた【TGS2025】

文:キック一郎

公開日時:

 2025年9月25~28日に開催される“東京ゲームショウ2025(以下、TGS2025)”のLevel Infiniteブース(ホール2 S03)では、ゲームスタジオSharkmob ABが開発する新作オープンワールド脱出シューター『Exoborne(エグゾボーン)』の試遊版が出展されています。

[IMAGE]

 本作は、自然災害によって荒廃した世界で脱出をかけて戦う、TPSタイプの“エクストラクションシューター”です。人間の動作をアシストする全身装備型の強化スーツ“Exo-Rig(エグゾリグ)”をまとい、絶えず変化し続ける過酷な気候の中で、敵勢力や他チームのプレイヤーとの駆け引きを味わえます。

 本記事では、Level Infiniteブースでの試遊をもとにしたプレイレポートをお届けします。
[IMAGE][IMAGE]
▲左から『Exoborne』のブース遠景、“Exo-Rig”の搭乗フレームを再現したモデル。

フィールド移動の爽快感とシビア過ぎない脱出難度が心地よい【Exoborne】

 今回のブースでは、試遊台ごとに使える“Exo-Rig”の種類が固定されていました。一定時間の浮遊が可能な“ケストレル”、ダッシュから派生アビリティで範囲攻撃ができる“コディアック”、不可視のステルス状態になれる“ヴァイパー”の3種類から、1回の試遊ごとに1種類を操作できます。

[IMAGE]

 各“Exo-Rig”は固有のアビリティが設定されており、その効果に応じてロールがわかれているようです。“ケストレル”が索敵や遠距離からの援護役、“コディアック”がタンクとしての前衛役、“ヴァイパー”がステルスによる斥候や裏取り役、といった役回りになっていました。

[IMAGE]

 プレイを始めると味方プレイヤー2人、自キャラクターを含めて計3人でチームを組み、空中を進む輸送機からゲームスタート。短めのフリーフォールとパラシュートを駆使して地上に降り立ち、現地で集めた物資を持ち帰ることを目標にプレイサイクルが進んでいきます。

[IMAGE][IMAGE][IMAGE]

 フィールドでは、同じく降り立った他チームのプレイヤーとの遭遇に加えて、事前に配置されているCPU敵キャラクターとの交戦も発生します。

[IMAGE]
▲倒した敵からは武器、弾薬、バッグなど、あらゆるアイテムを持ち去ることができます。
[IMAGE]
▲フィールドはかなり広めに感じました。ミッションやCPU強敵の出現場所などが各地に分散しているので、接敵の頻度は周りかた次第で大きく変化しそうです。
 アビリティにはクールタイムがあって連発できないようになっているので、本作のバトルは非常にオーソドックス。TPSでの腰だめで撃ったり、サイトをのぞき込んで狙い撃ったりを駆使して、銃撃によるわかりやすいダメージレースがくり広げられます。

 敵からの獲得以外にも、フィールドでは随所でコンテナに入った装備や資源などが手に入るので、交戦を避けてアイテム集めに専念することもできると思います。

 フィールド内における基本的なプレイサイクルは、アイテム集め→事前に指定された地点に移動→1分ほどで回収に来る輸送機に搭乗→脱出、といったもの。比較的シンプルな流れをくり返すようでした。

 その一方で、本作では各ロール共通のキャラクターアクションに独自の魅力が詰まっています。

 高所からの落下時はもちろん、地上でのダッシュ中でも、タイミングよく連続でジャンプコマンドを使えば、すばやくパラシュートを展開し、勢いよく空中に舞い上がれるため、非戦闘時の移動は非常に快適です。

 本作のパラシュートジャンプは勢いよく前に進んでいくので爽快感があります。地上から飛び立った場合でも、かなり長い距離を飛べるので、初プレイ時には思わず「おお!」という声が漏れてしまいました。

[IMAGE]

 そのうえ、遠距離の構造物にフックをかけて加速できるグラップリングが各ロールに共通で用意されていたので、グラップリング→パラシュートジャンプ→グラップリングのクールタイム終了→グラップリング→パラシュートジャンプ、というルーティンをくり返し、1km以内の距離なら、アっという間に移動することができました。

 ちなみにパラシュートジャンプ中は、銃を撃つことができず、それなりに無防備な時間が続いてしまうため、裏取りなどの明確な戦略がないようなら、特に戦闘中に乱用するのは危険な気も……。

 とはいえ、パラシュートを閉じれば自由落下に移行し、そのタイミングだと射撃はできます。慣れたプレイヤー同士なら飛び上がったり急降下したりしながら撃ち合うこともあり得そうです。

 また、車両系の乗り物も確認できたので、非交戦時間を限りなく短くすることも、逆に交戦を避けてすばやく撤退することも、プレイスタイルに応じて自由自在。

[IMAGE]

 さらに安全地帯が円形にせまくなっていくシステムではなく、脱出シューターでよく採用されている“一定時間が経過すればどんな状況でも即ゲームオーバー”のシステムなので、プレイヤー同士の過度な競争が抑えられているようでした。

 なお、TGS2025の試遊版では、制限時間が短めでしたが、正式サービス時にはおおよそ30分を予定しているとのこと。

 ほかにも本作の特徴的な要素として、脱出しやすいという点が挙げられます。

 フィールド内の要所にあるビーコンを起動すれば、プレイヤーが乗って脱出できる輸送機がやってきます。この輸送機は、同一箇所のビーコンでもクールタイムが終われば何度も呼び戻せるので、無理に争って脱出せずとも、他チームのプレイヤーが脱出したのを見てから安全に逃げ切ることもできました。

[IMAGE]

 最後の1チームまで戦い続けるバトルロイヤル形式の作品群とは違い、本作は連戦を制するよりも、いかにちょうどいいタイミングで脱出できるかが問われるようです。

カジュアルな操作と重みのある駆け引きを往復する撃ち合い


 TGS2025での試遊時には、フレンドリーファイアはなく、チームメンバー同士で協力しやすい仕様になっていました。

 また、持ち帰った資源などで銃器をカスタマイズできるのですが、初期装備のアイアンサイトのままでも、腰だめ撃ちのTPS射撃なら敵に当てやすく、本作は装備が整っていない状態でも比較的戦いやすい作品だと言えるでしょう。

[IMAGE]

 キャラクターの動作も、前述のジャンプによって縦方向に激しいときもありますが、パラシュート展開中は銃を撃てない制約があるため、機動力と攻撃力のバランスが取れているよう(エイム力が高いプレイヤーの落下射撃を除く)に思えます。

 一方、横方向の動きはスライディングがあるものの、エイム中の横歩き速度は機敏ではないので、いわゆる「キャラコンの差で当たらない!」というような事態には陥らず、装備を整えた側が安定して勝ちやすい設計になっていました。

 “Exo-Rig”という視覚的に派手なSF要素を持ちつつも、アビリティクールタイムの兼ね合いもあってか、意外に積み重ね重視の撃ち合いが展開される印象です。よく言えば重厚感がある駆け引き、人によっては地味だと感じる場合もあるかもしれません。

 そんな所感に反して、今回の試遊には1点だけ明らかに強すぎる仕様が……。“ヴァイパー”のステルスアビリティを使うには、ゲージ消費が必要なのですが、この消費が非常にゆるやかであり、ゲージもいつの間にか回復しているため、あまりにも自由にステルスが使えてしまいます。

 プレイヤー側はステルス迷彩の光の揺れを視認できますが、敵のCPUキャラはまったく反応しないので、透明化→近距離ショットガンでワンショット瞬殺→透明化の強行動をくり返すだけでCPUをせん滅できてしまいました。

[IMAGE]
▲この手のジャンルでもっとも無防備になるアイテム獲得時にすらステルスが発動します。
 対CPUという視点では、ほかの“Exo-Rig”に比べて“ヴァイパー”が、あまりにもローリスクハイリターンのように感じました。

 しかし“Exo-Rig”は、フィールドで集めたアイテムを使ってアビリティを追加できるようなので、ゲームサイクルが進んだ後では、“コディアック”の派手なスキル攻撃や“ケストレル”の速すぎる浮遊射撃が飛び交う未来もあるかもしれません。

 公式Xなどでプレイテストへのサインアップ方法が告知されているので、ぜひ気になる方は今後のテストで実際にアビリティを追加して、どのような戦闘がくり広げられるかを確かめてみてください。

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります