電撃オンライン

【ほぼ週刊電撃スタッフコラム:オッシー】さーて、今週のクリア後感想まつりは『アウターワールド2』『まだ猫は逃げますか』『ワンス・アポン・ア・塊魂』と、色々な意味でヤバいFMVの4本です

文:オッシー

公開日時:

※この記事には『アウターワールド2』『まだ猫は逃げますか』『ワンス・アポン・ア・塊魂』『甜心帝国』の重大なネタバレがありますので、ご注意ください。

 みなさんこんにちは。遅れに遅れて前回から間が空いてしまいました。コラムタイトルに「ほぼ」って付けていて本当に良かったわ。それもこれもやりたいゲームがあり過ぎるのよ。『ドカ食い大好き望月さん』風に言うと、「あるのがいけない! あるのがいけない!」ってこと。軽めに終わるインディーゲーム挟んで緑化運動しなきゃ……なオッシーがスタッフコラム25回目をお送りします。

[IMAGE]

 このコラムでは、狂ったようにプレイしている日々のゲーム体験や、ゲーム以外の趣味である映画鑑賞などで摂取したエンタメコンテンツを、短文レビュー形式でお送りしています。今回もゲームのみ。映画も観てるけど、書ききれない! ゲームだけで4タイトルもある。できるだけ短文でいきたひ。オールネタバレ注意。

おばさんのお墨付き。クレアおばさんが『クッキークリッカー』で宇宙を覆うほどの数のクッキー焼いたのかと思ったわ

タイトル:『アウターワールド2』
プレイ状況:PS5版 クリア済み

[IMAGE]
▲一番目立つムーンフェイスは頭装備なので、これ被って世界救ったわ。

 実は『1』は未プレイ。『マスエフェクト』とか『フォールアウト』、『ボーダーランズ』は好きなので、絶対に好きだと思ってはいたものの、タイミング合わずにプレイしてなかったのよ。なのでいきなり『2』からプレイ。

 主人公は地球議会と呼ばれる組織の所属。『マスエフェクト』に近い感じかな。それが独裁国家の護国帝政府のコロニーに調査に行くところから始まる。この護国帝政府はザ・ディストピアな管理社会。常に他者を監視していて、なにかやらかして密告されて評点が下がるとマインドリフレッシュ施設送りになって『時計じかけのオレンジ』されちゃうのよ。ただ、宇宙は広くて、末端の方になると統制が効いて無くて、護国民も割と自由に活動していたりして、変にリアルだった。

 それに対して、
自由資本主義を掲げる勢力の名称が“おばさんのお墨付き”。おばさんって誰や。いや誰かは分かるのよ。クレオおばさん(前作で出てきた人らしい)って人がボスで、組織名が“おばさんのお墨付き”。いやいやいや、もっとあるでしょう。“おばさん共和国”とか“チームおばさん”とかさぁ。……まあそれも大概だけど、お墨付きってなんやねん! ってかクレオおばさんって名前も凄い。クッキー焼いてるやつの親戚みたいやん。

 とまあ名前はアレだけど、おばさんのお墨付きは自由資本主義なので、割と自由。でもその代わり格差社会で実力主義なので、虐げられている人々もいっぱいいる。

 もう一つは昇華律団で、ファンキーな髪型をしたおばさんが統治している宗教団体っぽい勢力。
こっちもおばさんやないかい。こちらは護国帝国から分派したこともあり、割とお固め。研究者集団的な感じで、統治するというよりは、真実の探求が目的っぽい。人によっては、真実の探求の為に倫理観がバグっていたりするやべーやつもいるので侮れない。だからお墨付きもらえなかった説。

[IMAGE]
▲ファンキーな髪型というか被り物おばさん。この世界はおばさんの癖が強すぎる。

 その他、商人集団とか難民勢力とかもあって、宇宙は広い為、とにかくこのゲームは分岐が物凄い。それに伴ってテキスト量が恐ろしいほどにある。途中で読むの放棄したレベル。だってアーカイブとかも細かい字でびっしり書いてあるんだもん……まともに読んでたら数カ月かかるわ。

 そんで選んだ選択肢によって物語がかなり分岐していく。先程いったどの勢力に属するかもそうだし、細かいところでは強敵との戦闘を口先だけで回避したりもできる。セーブデータ取っておいて色々な結末見よう、みたいなレベルではない。筆者も最初はサブクエ取り逃がしたくないな~とか思ってたけど、早々と無理に気づいて、思うがままに進めることにした。それも人生よ。

 最終的には、日和見主義者していたのにも関わらず、昇華律団に与することになってしまった。そうすると、おばさんのお墨付きは敵になるので、おばさんのお墨付き勢力の集落とか近寄っただけで攻撃してくる。悲しいけど、やられたらやりかえすが宇宙の真理なので、集落根絶やしにするよね。

 基本的に善人プレイなので盗んだりはしないんだけど、向こうから撃ってきたら倒すしか無いし、倒したら身ぐるみ剥ぐしか無いし、(店主が殺されて)無人になった商店からは略奪するしかないよね。宇宙ってコワイ。

 戦闘は結構難易度高めで、序盤は苦戦することもあったけど、暗号キーで手に入れる弾薬ローダーという武器を取ったら世界が変わった。本作は武器ごとに使用する弾薬が細かく設定されていて、短弾とか小型弾、長弾とかいっぱいある。それが弾薬ローダーは、どういう理屈かしらんけど、すべての弾薬が使える。結果、リロードも不要で連射しまくれるし、弾切れもほぼ無い。これを取ってからはストレスフリーでクリーチャーやら仇やら敵対兵士やらを一網打尽にできるのでめちゃ楽しかったです。『バイオハザード』の無限弾取った感じ。戦闘に困っている人は、頑張ってこれを取ったらいいと思うよ。

なーななななななななーなかたまりだまっしー!

タイトル:『ワンス・アポン・ア・塊魂』
プレイ状況:PS5版 クリア済み

 実は
『塊魂』シリーズめっちゃ好き。初代からプレイしているけど、音楽やアートワーク、世界観が素晴らしいのは言うまでもない。しかし一番素晴らしいのはゲーム性だと思う。

 ゲームの楽しさって、障害を乗り越えて達成感を得るところだと思うんだよね。RPGもそうじゃん。苦戦していた敵をレベル上げて無双できるようにするところが楽しいのよ。

 『塊魂』のゲーム性が素晴らしいのは、そのサイクルがワンゲームにすべて内包されているところだと思うわけ。最初は小さいものしか巻き込めず、大きなモノには弾かれ、ストレスが溜まる。でも小さいものを集めていくと、徐々に大きなモノも巻き込めるようになっていく。大きなモノを巻き込むと、効率よくさらに大きなモノを巻き込めるようになる。最終的には、すべてをストレスフリーで巻き込める……カ・イ・カ・ン。

 『ドラクエ』も同じじゃん? スライム倒して300年もいいけど、ちょっと背伸びして自分が倒せるギリギリの敵を倒せると効率よく強くなれる。そういった試行錯誤のサイクルが、『塊魂』はワンプレイで味わえるんだよね。これは革命的だと初代をやった当時感動すら覚えたわ。

[IMAGE]
▲島とか巻き込めるようになると楽しすぎる。

 といった『塊魂』がまさかの新作で出るなんて! ありがとう、そしてありがとう。

 内容はアイテム要素が入ったり、タイムスリップしていろんな時代のステージがあったりと進化はありつつも、根幹のシステムは変わらないので安心。飽きさせないように、“〇〇だけを集める”とか趣向を凝らしたステージがいっぱいあるけど、やはりシンプルに塊を大きくするステージが好き。特に最後の方の、街とか島とか巻き込めるようなサイズになるのが一番面白いのよね。

 ストーリーはいつも通り王様がめちゃくちゃやって王子が尻拭いするところは変わらずだけど、王様の過去の行動が美化されたり、王妃が結構やんちゃしてたのは面白かった。『塊魂』のストーリーはこういうので(が)いいんだよ! 

[IMAGE]
▲王様は相変わらず滅茶苦茶言うけど、それが『塊魂』なんだよなって。

 
『塊魂』といえば音楽だけど、今回も最高だった。個人的には「な~なななな~」でお馴染み曲の聖歌隊みたいなアレンジが好き。パトラッシュが天に召されそうな雰囲気で尊すぎる。頭から離れなくて、ついつい口ずさんじゃうの良い音楽の証拠よね。

パパン動きがキショいけどネコチャンに優しくてホッコリするんよ

タイトル:『まだ猫は逃げますか』
プレイ状況:クリア済み 実績全解除済み

 小説『近畿地方のある場所について』で一躍有名になった、背筋先生のシナリオを搭載したネコチャンホラゲー。そんなの面白いに決まってる。

 ちなみに
『近畿地方~』も大好きだけど、背筋先生で一番好きなのは『汚れた聖地巡礼について』。『近畿~』よりなんか画が想像できて怖かったし面白かった。

 さて、ゲームに戻るけど、猫視点のステルスアイテム集め&脱出ゲーム。

 とある母娘が実家に戻ってきて、祖母と暮らしているっぽい民家がすべて。外に出たりはしない。

[IMAGE]
▲序盤はまだ明るい民家なんだけど、音が不穏でグッド。

 間取りがそれぞれステージになっていて、障害物があったり、ワープゾーンがあったりする。ゲーム性的には『SIREN』が一番近いと思う。結構ステルス難度は高めで、テレビを付けて音で敵を誘導したりする辺りは『SIREN』思い出した。押入れに隠れたり。

 各ステージでアイテムを規定数集めて脱出ポイントに到達すると次に進める。アイテムは記憶(アーカイブ)になっていて、それを集めると、ストーリー背景が見えてくる感じの作り。ストーリーはさすが背筋先生で、
短編ながらミスリーディングや伏線もあってかなり良かった。

[IMAGE]
▲アイテムを取った時のストーリーが怖い。

 アイテムは規定数(4つ)でクリアは出来るものの、それ以上のアイテムが各ステージにあって、全部集めてクリアすると真エンディングが見られる造り。ただ、ステージ中にチェックポイントは無く、アイテムを全部見つけてもゴールする前に捕まると最初からなので、ステルス苦手マンである筆者はちょっとしんどかった。ステージセレクトで、該当のステージを何回もリトライした。筆者は次男だけど諦めないでやりきる事が出来た。

 筆者以上のステルス苦手マンもたくさんいると思うので、難易度イージーか、チェックポイント機能はあっても良かったかもね。あと一人称なのでゲーム中はネコチャンが見られないのも残念。TPS視点でネコチャン見ながらプレイもしたかったわ。

 とはいえ、短編小説を読んでいるような感覚で、しっかり背筋節(って書くと身体の部位みたいやな……)を味わえるゲーム、ということで良作認定! ぜひみんなやろう。KADOKAWAに貢献しよう。

■電撃インディー配信のアーカイブはこちら

あまりにもヤバ過ぎると逆に面白く書けないんやなって

タイトル:『甜心帝国』
プレイ状況:C、Dルートクリア済み

 いやー、これは言い訳から入って言い訳で終わるんだけどさぁ。次にFMV配信でやるゲーム探してたわけ。そんで見つけたわけ。どえらい設定のタイトル。それがコレ。

 まず概要欄からコピペするけど、主人公の設定が

 「あなたは体は大人だが、SBからは1歳の子供として認識されており、スマイリーとスピリットの養子となっている。 誰もがシステムの取り決めに納得しているこの時代に、皇帝レベルの潜在的な赤ん坊という最高の待遇を享受できるのだから、カッコイイとしか言いようがない。」

 
体は大人。設定は1歳。素質は皇帝レベル。見た目は子供の短パン名探偵もびっくりの超(謎)スペック。

 こんなんもう既に面白いやん。FMVゲーム(実写恋愛ゲーム)で主人公赤ちゃん設定とか、それ大人のビデオの保育士モノで生徒が全員園服着たオッサンのそれやん。

 さらにそれだけじゃない。攻略(?)対象の女の子が、母親、父親、伯母さん、乳母型ロボット、役場の受付のねーちゃん、役場のなんかエライ人。母親と伯母さんでもまあまあヤバいけど、父親(女の子)はヤバない? もうなんか新しい性癖に目覚める前に困惑しすぎて付いていけない。

 まあ実際にプレイしたら、全然恋愛ゲームじゃなかった。家族の絆というか、管理社会ディストピアの悲哀というか、伯母さんのお尻というか……もうワケワカメ。

 プレイする前は、なんなら「この一本だけで今週のコラム書けるわ」と自信満々だったのに、プレイ後はこれを面白く書ける自信が無くて正直しんどい。なんなのこの感情。

 しんどいけど、今回も恒例の(今回はマジモンの)イカれたバンドメンバーを紹介します……。

林玲玲

[IMAGE]
▲正統派美少女アイドル風ママン。

 主人公の母親。知能レベルはかなり高いが、この世界における“低知能”の層にいる。この世界は知能レベルによって身分が異なる階級社会なのよ。低知能階級は労働が制限されたり子供を持てなかったりするらしい。なんか深い設定な気もするけど、あんまり表現されてないのと翻訳が微妙で正直わからん。

 ちなみに主人公は1歳だけど“皇帝級”なので物凄い才能を持っているらしい。
でも小学生レベルの算数問題やっただけで皇帝とか言われても、この世界の知能レベルが不安になるだけなんだが。大丈夫かSB帝国。

 話は戻って、ママンはなんか意識高い感じの映画監督も昔やっていた。
お尻が本体の妹がいる。

 本作のメインキャラの一人で、ほぼママンとパパンしか話に絡んでこない。1歳の赤ちゃん(大人)を相手に玩具であやしたり、ミルクを差し出すとき、彼女たちがどんな心境だったのか、インタビューしたい。自分だったらオッサンに良い子良い子するとか笑うわ絶対。

 そう考えると、『龍が如く』のイメクラ赤ちゃんプレイ組長を思い出す。あれは(良い意味で)ヒドいエピソードだった。オムツのポリマーで粉雪して感動させるとか天才の所業すぎる。

シャオ・シャオ

[IMAGE]
▲この見た目でお父さんなの脳ミソバグる。

 
主人公の父親。生物学的には女性。社会学的には男性なんだって。意味がわからない。

 物語の真の主人公とも言える存在で、物語の根幹は彼女の社会的な登録を男性から女性に変えること。その目的の為に、家族が一丸となって頑張る話なのよ。

 管理社会における登録は絶対で、修正は困難。それを修正する為には、社会的な地位を上げたりする必要がある。その為に、結構オツムの弱めなパパンを家族みんなで応援する。小学生の算数どころか、幼稚園児並みの問題をやってるレベルなんだよな……そりゃAIに管理されるわ。

 ぶっちゃけ、FMV脳の筆者から見ても、作中で一、二を争う美女。めっちゃ可愛い。ただ可愛いけど父親。最終的に登録が変更されて女性になるけど、それでも母親なのよね。マジでどんな気持ちで接すればいいか分からない。しんどい。

ウェイウェイ


 主人公の家に派遣されてきた乳母型ロボット。

 ただ
見た目は普通の人間でロボット要素皆無。というか実際、機械の身体じゃ無いらしい。鉄朗に謝れ。

[IMAGE]
▲前衛的な乳母やな。

 一番低い階級から人間階級に戻る際に仕事が出来るようにロボット試験を受けて乳母ロボットになったらしい。何を言っているか分からねーと思うが、オレもわからねー。

 ママンとパパン以外では一番出番が多いが、乳母的なことはあんまりせず、家事とかやっている。メイドロボじゃん。

 最終的には、ビジュアル系ロックバンドの意識高い系MVみたいな感じで、漢字を書き連ねた紙を身体にまとわせてポーズを取るところがハイライト。何を言っているかわからねーと思うが以下略。助けて。

ジャ・ジャ・ジャ

[IMAGE]
▲愛嬌もあって可愛いのに出番は少ない。SB帝国は美人を無駄遣いすんな。

 昔この子の名前みたいな流行語あったよね? お団子ヘアーが似合いすぎててめちゃめちゃ可愛い。

 主人公一家が通う役場的な施設の受付嬢。かと思いきや、なんか意外とエライらしい。あと知能レベルも高いらしい。割と主人公一家に肩入れしてくれるいいヤツ。ただ出番が少なすぎる。もう家族ごっこはいいからこの子と普通に恋愛したかった。

秦青青

[IMAGE]
▲この容姿でタモリ倶楽部ばりにお尻を振ったらアカデミー賞穫れますわそりゃ。

 ママンの妹。つまり
主人公の伯母さん。映画女優? で世界最大の映画賞的なのを受賞した大スター。

 
映画賞を総ナメにした代表作は“私のお尻はあまりきれいじゃない”。なんやねんそのタイトル。作中でこの映画をちょっと見れるのだが、タモリ倶楽部のオープニングを延々見せられる感じ。ずーっと伯母さんがお尻をフリフリしているのを延々と見せられる。いやでも貴女のお尻は結構きれいですよ。

 個人的には一番好みの顔立ち。作中唯一のセクシーキャラでクセも強い良キャラなので、もっと活躍して欲しかったが、いかんせん全然出てこない。だから美人を無駄にしすぎだつってんのSB帝国は!

オペレーター


 最後にしか出てこないし、ホラー映画に出てくる貼り付いたような笑顔だけど不気味な雰囲気を漂わせる友達のお母さんみたいで正直触れたくない。筆者は過去に似た顔の人にトラウマを植え付けられた記憶を封印している可能性がある。

[IMAGE]
▲なんとなく不安になる表情してない?

 こんなに面白そうな(ネタにできそうな)ゲームなのに面白くできない自分の未熟さがツラい。というかこんな美人揃いなのにこんな訳わからん設定にする意味あったのか。普通にジャジャジャちゃんとシャオシャオちゃんどっち攻略しよっかなーで良かったのでは。
制作者の頭の中を覗いてみたいけど覗いたら帰ってこられない可能性が高い。私は今日も絶望しながら虚空に向かって呟くのだ。「レイレイとシャオシャオって上野の双子パンダの名前やんけ……」と。完。


■電撃インディー配信のアーカイブはコチラ

【最大7万円OFF】マウスコンピューターで、ハロウィーンセール開催中!(PR)

マウスコンピューター公式通販サイトでは、お得なハロウィーンセールが11月19日(水)10:59まで開催中!
ゲーミングPCやクリエイターPCなど厳選されたノートパソコンやデスクトップパソコンの人気製品が最大7万円オフで購入できるチャンスです!

キャンペーン期間:2025年11月19日(水)10:59まで

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります