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『Vivid World(ビビッドワールド)』レビュー:前作超えの中毒性! 無限のパーティビルドが誘う“冥界”の沼【電撃インディー#1176】

文:電撃オンライン

公開日時:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、11月5日にSteamで配信が開始された、アソビズムが贈るPC(Steam)用パーティー構築型ローグライクゲーム『Vivid World(ビビッドワールド)』のレビューをお届けします。

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 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!


伝説のパーティ構築型ローグライク『ビビッドシリーズ』待望の新作が登場!

 「あともう1回だけ……」その“もう1回”が止められなくなる、時間泥棒なゲームはお好きですか?

 2021年に、その絶妙なゲームバランスと中毒性で多くのプレイヤーを虜にした『Vivid Knight(ビビッドナイト)』。その待望の完全新作が、ついに登場しました!

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 その名も『Vivid World(ビビッドワールド)』。

 前作の“パーティ構築型ローグライク”という核となる面白さはそのままに、新たな舞台、新たなシステムをひっさげて帰ってきました!

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 今作の舞台は、悪魔が支配するという“冥界”。前作のポップでファンタジーの雰囲気とは打って変わって、ちょっぴりダークでミステリアスな雰囲気が漂います。主人公は宝石術を操る少女“レムリア”。彼女と共に、未知なる冥界のダンジョンへと挑むことになります。

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 基本的なゲームシステムは、ダンジョンを進みながら“宝石”になったキャラクター(ユニット)を集めてパーティを構築し、敵と戦う“オートバトル形式”です。

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 “ローグライク”と“オートバトル”という、今や鉄板ともいえる組み合わせですが、『ビビッドワールド』はその深みが他の作品とは一線を画しています。

 本記事では、前作プレイヤーである筆者がガッツリとハマってしまった本作の魅力を、「パーティビルドの深さ」と「戦略的なバトル」の2点に絞って、熱く語らせていただきます!

沼要素が格段にアップ! 無限のシナジーを生むパーティビルド

 本作の最大の魅力は、なんといっても「パーティビルド」の奥深さです。

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 ダンジョンでは、敵を倒したり、ショップを訪れたりすることで、新たな“宝石(キャラクター)”を手に入れることができます。

 頭を悩ませるのが、この宝石の集め方!

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 まず基本となるのが“強化”。同じ宝石を3つ集めると、より強力な上位の宝石へとランクアップします。単純にステータスが上がるだけでなく、アビリティが解放されることもあり、パーティの主軸となる宝石は積極的に強化していきたいところ……しかし、ただ強化すれば良いというわけではないのが、このゲームの面白いところ。

 次に重要になるのが“シナジー(相乗効果)”です。

 宝石にはそれぞれ「クラス」や「属性」のようなものが設定されており、特定の組み合わせをパーティに揃えることで、強力なバフ(強化効果)が発動します。

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 例えば、「戦士」の宝石(赤色)を3体集めれば「パーティ全体の攻撃力アップ」、あるいは「ヒーラー」の宝石(緑色)を3体集めれば「戦闘開始時に体力回復」といった具合です(※これらは筆者の分かりやすいイメージです)。

 また特定の2体のキャラクターによって発動する「ユニオンスキル」も存在します。キャラクターの組み合わせはダンジョンごとに変化し、スキルの内容も2体のシンボルに応じて異なるものとなるので……シナジー要素はかなり奥深いです。

 この「強化」と「シナジー」が、常にプレイヤーに悩ましい選択を迫ります。

 「今、この宝石を強化したい! でも、新しい宝石を手に入れて、あのシナジーを発動させたい……!」

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 さらに、本作ではこのビルドの悩ましさを加速させる新要素が追加されました。それが「オーブ」です。

 「オーブ」は、各キャラクター(宝石)に個別に装着できる装備品のようなもの。単純なステータスアップだけでなく、「通常攻撃時に追加ダメージ」や「戦闘開始時にシールドを張る」など、特殊な効果を持つものも多数存在します。

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 これにより、「同じシナジーを狙ったパーティでも、オーブの構成次第でまったく異なる戦い方ができる」ようになりました。

 前作でも十分奥深かったパーティビルドが、「オーブ」の登場によって文字通り“無限”の広がりに進化しています。

 そして、忘れてはならないのが「リソース管理」のシビアさ。ダンジョンで手に入るお金(リソース)は有限です。宝石はショップで“売買”が可能。

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 「この宝石は今のパーティには不要だから売ってしまおう」「今は弱いけど、将来的にあのシナジーのキーになるから買っておこう」

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 こうした取捨選択が、ダンジョン踏破の鍵を握ります。あまりに欲張りすぎて、目先の強化やシナジーばかりを追い求めていると、リソースが枯渇し、あっという間に冥界の悪魔たちに飲み込まれてゲームオーバーなんてことも。

 この「計画性」と「その場のアドリブ」が絶妙に絡み合うリソース管理こそ、ローグライクゲームの醍醐味。前作以上に深みを増したパーティビルドに、筆者の「もう1回!」は止まりません!

プレイヤーの介入が鍵を握る「戦略的オートバトル」

 「オートバトルって、パーティを組んだら、あとは眺めているだけじゃないの?」

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 そう思われる方もいるかもしれません。しかし、『ビビッドワールド』のバトルはひと味違います。

 確かに、戦闘が始まれば宝石たちは自動で戦ってくれます。しかし、プレイヤーは「ジェム」と呼ばれるアイテムを駆使して、戦闘を強力にサポート(介入)することができるのが本作の特徴!

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 この「ジェム」こそが、本作のバトルを「戦略的」たらしめている最大の要因です。

 ジェムには、敵に直接ダメージを与えるもの、味方を回復するもの、敵の行動を妨害するものなど、さまざまな種類があります。

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 そして、今作でさらに進化したのが、この「ジェム」の運用です。

 なんと、ジェム同士を「組み合わせる」ことで、新たな効果を発揮させることが可能になりました。さらに、ジェムに「秘められた力を開放する」といった新システムも……!

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 強力なジェムは、ここぞという場面で使いたい切り札。しかし、温存しすぎれば、その前にパーティが壊滅してしまう可能性も……。

 「この強敵には、温存しておいた“あの”ジェムを叩き込む!」
 「まずい、前衛が崩れそうだ! 回復のジェムと防御のジェムを組み合わせて、なんとか耐えしのぐ!」

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 オートで進行するバトルの中で、刻一刻と変わる戦況を読み、どのタイミングで、どのジェムを切るか。この瞬時の判断が、プレイヤーの腕の見せ所です。

 どれだけ完璧なパーティビルドができたと思っても、バトル中のジェム運用を間違えれば、格下の敵に思わぬ苦戦を強いられることもあります。逆に、多少ビルドがうまくいかなくても、ジェムの力で強引に突破できることも。

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 「パーティビルド(事前戦略)」と「ジェム運用(戦闘中の戦術)」、この2つがガッチリと噛み合った時の達成感は、本作ならではのものです。序盤からヒリヒリとしたバトルが楽しめます!

正統進化を遂げた「パーティ構築型ローグライク」の傑作

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 『ビビッドワールド』は、前作『ビビッドナイト』が持つ「手軽に遊べるのに、奥深い」というコアな面白さを見事に受け継ぎ、正統進化させた傑作だと感じました。

 「オーブ」システムによるパーティビルドの無限の広がり。そして、「ジェム」の組み合わせによって戦略性を増したオートバトル。これらが前作以上に高いレベルで融合しており、「自分だけの最強パーティを構築する」という楽しみを、心ゆくまで味わうことができます。

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 また、今回は深く触れませんでしたが、舞台となる「冥界」の謎や、宝石となったキャラクターたちのバックボーンを描くストーリーも、ダンジョン探索のモチベーションをさらに高めてくれます。

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 彼らとの絆を深め、その秘密を解き明かし、共に冥界に迷い込んだ同級生たちを救っていくのも、本作の楽しみの一つです。

 前作のファンはもちろんのこと、前作をプレイしていなくても「ローグライクが好き」「パーティビルドやシナジーを考えるのが好き」「戦略的なオートバトラーを遊びたい」という方にも、心の底からおすすめできる一本です。

 ただし……くれぐれも時間管理にはお気をつけて。気がつけば夜が明けていたなんてことも……。冥界のダンジョンには要注意!

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