Edifier Japanが日本国内向けにワイヤレスイヤホン『EvoBuds』の販売を先月開始しました。
これは、アプリと連携することで外国語翻訳も可能にする製品。オーディオ機器としてはLDAC HDオーディオデコードに対応し、インナーイヤー型イヤホンとしては大型の13mmダイナミックドライバーを搭載しています。
これは、アプリと連携することで外国語翻訳も可能にする製品。オーディオ機器としてはLDAC HDオーディオデコードに対応し、インナーイヤー型イヤホンとしては大型の13mmダイナミックドライバーを搭載しています。
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近年はワイヤレスイヤホンも多機能化の一途を遂げ、単なる音響機器には留まらなくなっています。しかし、ワイヤレスイヤホンの本質はやはり「音楽を聴いた際の快適さ」です。この記事では『EvoBuds』の実力を検証していきたいと思います。
AI翻訳機能の利用もできる!
『EvoBuds』は1万円を切るワイヤレスイヤホンです。
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近年では低価格帯製品でもアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能が当たり前のものとなり、その上でドライバーの大型化・高性能化も進んでいます。Bluetoothも最新のバージョンが搭載されるように。
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『EvoBuds』は周辺からの雑音を最大38dB軽減するANC機能を備えつつ、13mmのダイナミックドライバーを内蔵しています。対応コーデックはLDACとSBC。iPhoneで利用できる高品質コーデックAACがないのは気になりますが、このあたりで音質にどのような影響が及ぶのかはまた後で検証したいと思います。
この製品はアプリ『EDIFIER ConneX』と接続することで、AI翻訳機能を利用できます。対応言語は21。スマホを使った相互会話も可能で、言語別のデータセットをダウンロードすればオフラインでも活用できます。
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ただし、これはどちらかといえばアプリの機能によるもので、『EvoBuds』そのもののパフォーマンスとはあまり言えない気もします。この記事では、あくまでも『EvoBuds』の実力に迫っていきます。
耳の構造を検知する「適応型ノイズキャンセリング」
『EvoBuds』のANC機能は「適応型ノイズキャンセリング」。何と、耳の構造と装着状態を自動検知してその都度調整する仕組みです。
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この製品はいわゆる「インナーイヤー型」のイヤホンですが、非常に装着しやすい印象が見受けられました。筆者の右耳は、いわゆる「餃子耳」。そんな耳にも苦痛なくすっぽり収まってしまいます。そして、各人の耳に合わせてANC機能を自動調整し、環境音を確実に遮断してくれます。
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『EvoBuds』の連続再生時間はANC機能をオンにしている場合は5時間+20時間の合計25時間。ANC機能をオフにしている場合は7時間+28時間の合計35時間です。これは今日びのワイヤレスイヤホンの水準程度と言えるものではないでしょうか。
Bluetoothのバージョンは6.1、デュアル接続対応機能も有し、マイクは合計4基内蔵されています。ビジネスシーンでも十分に使えるはずですが、ここはやはり音楽を聴いてみたいと思います。
「ブラジルの声」を聴いてみる
今回、筆者が『EvoBuds』のレビューのために聞いてみるのはブラジルのシンガーソングライター、ミルトン・ナシメントの『Vera Cruz』。この曲自体はモダンジャズのライブでもよく演奏されていますが、今回聴いたのはミルトンが1968年に出したアルバムの収録曲で、iPhone 16eを用いた鑑賞です。
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「ブラジルの声」という異名のあるミルトン・ナシメント。恐ろしく伸びのある澄んだ声、大らかさ・爽やかさの塊とも表現すべき音色を横隔膜から発することができる人物です。
彼の『Vera Cruz』は、とにかくいろんな人に聴いていただきたい名曲。もしかしたら、大抵の人が人生のどこかで耳にしたことのある曲ではないでしょうか。
そんなミルトンの『Vera Cruz』を『EvoBuds』で鑑賞してみると……低音がとんでもなく強い! どうしてこんなに低音ばかりがドンドンと前面に出ているのか。ベース音がこちらの鼓膜を容赦なく揺らし、ミルトンの声が目立たなくなってしまうほど。
これはどうやら専用アプリ『EDIFIER ConneX』で操作できるイコライザーの問題で、デフォルトでは「低音ブースト」になっている模様。
筆者はすぐさま「ボーカル」にします。これで確かにミルトンの声が前に出てくるようになったのですが……それでもまだ低音が強い! こんなにはっきりとした音質的特徴を持つワイヤレスイヤホンは、正直まだ出会ったことがありません。
「ジャズの女王はベース」と考えている人にとっては、もしかしたらこれ以上ないワイヤレスイヤホンではないでしょうか。
ここに技術的進化の象徴あり!
そんな『EvoBuds』の価格は8,980円。1万円以下でこのような製品を購入できる時代になったということで、ワイヤレスイヤホンの進化を改めて実感せずにはいられません。
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2010年代の低価格帯ワイヤレスイヤホンは、「音質」というものがありませんでした。出てくる音はコピー用紙に鉛筆で殴り書きしたような単純な絵に過ぎず、ベース音は辛うじて聞こえる……という代物です。
それから10年もしないうちに、鼓膜を強く打ち鳴らすだけのパワーを持ったドライバーが内蔵され、さらに実用的なANC機能が搭載されるようになりました。
『EvoBuds』は「ここに技術的進化の象徴あり!」と堂々掲げることができる製品です。