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『Log.in』クリア後レビュー。佐藤がんばれがんばれSATO。佐藤応援型コンテンツと化した国産デスクトップ探索型アドベンチャー【ほぼ週刊電撃スタッフコラム:オッシー】

文:オッシー

公開日時:

※この記事には『Log.in』の重大なネタバレがありますので、ご注意ください。

 みなさんこんにちは。先日、秋葉原のホラーインディー限定イベント「DreamScape#4」に行ってきたのよ。会場は右も左もぜーんぶホラーインディー。最高だったわ。ホラー配信でプレイしていたタイトルの作者さんにも会える貴重なイベント。

 普段、あんまり制作者に会いたいとかは思わないけど、今回のレビュータイトル『Log.in』は、あまりに好みだったので、作者さんに会えてご満悦。そんなミーハーオッシーがコラム36回目をお送りします。

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 このコラムでは、狂ったようにプレイしている日々のゲーム体験や、ゲーム以外の趣味である映画鑑賞などで摂取したエンタメコンテンツを、短文レビュー形式でお送りしています。今回は超ネタバレ注意報。できるだけぼやかすけど。

パソコンの中身を他人に見られることほどキツイことはない!


タイトル:『Log.in』
プレイ状況:Steam版 全エンディングクリア済み

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 いやー、ホラーインディー配信で何気なく購入してプレイしたんだけど、めちゃくちゃアタリだった!

 ゲームとしては『Her Story』とか『Among Ashes』、最近だと『No Players Online』みたいな、パソコンのデスクトップ上で色々と操作して進行していくアドベンチャーゲーム。スマホ画面だと『Replica』とかね。

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▲とにかくデスクトップにファイル置きまくる人いるよねー(筆者です)。

 こういったゲーム、正直大好きなのよ。だって実際にPCの前で操作しているわけだから、メタ視点というか、没入感が違うよね。この手のゲームは本当に芸が細かいのが多くて、メールとかWebサイトとかかなり作り込まれている。そういった職人芸を見ているだけで感動しちゃう。特にインターネット老人会の筆者ぐらいの年齢には刺さりまくる。

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▲このシンプルな電話アプリとか懐かし。

 映画でも『search/サーチ』っていう映画がほぼ全編PCの画面だけで進行するのよ。行方不明の娘を探す話なんだけど、結構この作品も影響を受けている気がした。

 ということで、今回の『Log.in』。PCにログインする場面から始まるんだけど、基本的には終始PCのデスクトップしか描写されない。PCにはかなり多くの動画やら画像やら、謎のアプリやらが大量に入っていて、それらを見ていくと、なんと
女性が監禁されているライブ画像が見つかる。プレイヤーはPCの中のデータやソフトを駆使して、その女性を助けられるのか⋯⋯というのがゲームのあらすじ。

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▲あまり動かなかったからライブカメラだってしばらく気づかなかった。

 面白いのは、
ゲーム内時間がリアルタイムで進む仕様になっていて、特定の時間になると監禁された女性が殺されてゲームオーバーになる。そしたらリセットされて、また最初からなんだけど、ゲーム内のメモ帳(普通にテキスト入力できる)だけは引き継げる。なので、プレイヤーの記憶とメモ帳で周回して謎に迫っていく感じ。

 これがとにかく秀逸で面白い。情報はかなり色々なところに散らばっていて、例えばローカル上では削除されているファイルを、クラウドで復元するソフトを使って見る、みたいな手順を踏まないと見つからないケースもある。それも周回でリセットされちゃうので、その復元された情報をメモっておかないと、また同じ手順を踏まないといけないわけ。

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▲筆者のメモ。見た目であだ名つけるヤツぅー。そして分からなくなるヤツぅー。

 なので、仕事してるのかっつーくらい、大事そうな情報をメモ帳にコピペしていくんだけど、持ち前のズボラさを発揮して、テキトーにカテゴライズせずにコピペするもんだから、メモ帳見ても意味が分からなかったりしたのよね。これは性格出るわ。

 そんな感じで、PCを漁っていくと、どうやらこのPCの持ち主が自称アーティストのマッシュルームカットの佐藤くんだということが分かってくる。だって、
SATOとデザイン文字が入っている意識高い系な感じの自撮り写真とか、自作のポエムとかボロボロ出てくるからね! 作曲している時の鼻歌音声データとかも出てくる。ふんふんふーん、つって。大学生くらいで意識高い系アーティストを目指す感じの解像度が高すぎて最高。ニヤニヤしちゃう。

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▲これが俺達のSATOの最高にカッコイイジャケ写だぜ!

 段々と全体の輪郭が見えてくると、佐藤くんが自分のMVを撮ろうとしたのが分かる。でも当然お金は無いので、彼女やその友達、知り合いに声がけして、無償で演者として出てもらっているわけ。古民家風ハウススタジオを借りて、自主制作MVの撮影をしてるんだけど、それが細切れになった動画データとか、写真データで何となく全体が見えてくる仕様になってる。

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▲スクリプト(台本)とか編集ソフトとかもあって雰囲気抜群。

 でも、それだけだとミステリーとして簡単すぎるので、ミスリードさせる素材もいっぱいあって、プレイヤーの推理を惑わせるんだよね。
ピースを組み合わせてしっかり推理する感じがかなり楽しい!

 ちょっと難しすぎて、思考の袋小路に迷い込むことも多々ある。でも救済措置があって、PCを深いところまで探索すると手に入るコインを使用してヒントが見られる機能が実装されている。これがヒントというより、ほぼ答えだったりするので、周回プレイでコインを集めてクリアするのも可能。ヒントも項目ごとにオープンできるので、どうしても分からない謎だけ答え合わせする、みたいな使い方ができて親切。

 最初は佐藤くんが怪しいのよ。だって佐藤くんのPCだからね。でもミステリーあるあるだけど、最初に怪しいのは大抵犯人じゃないよね。でも、佐藤くんのPCで、PCの前にいるのも佐藤くんっぽい。PCのインカメラを起動できるんだけど、それに佐藤くんらしきマッシュルームがしっかり映っているからね。

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▲インカメに映りしマッシュ佐藤。

 なのに犯人が佐藤くんじゃないのはなんで⋯? と悩むところから、色々な謎が解けてくる感じは鳥肌立った。ネタバレは避けるので、ぜひプレイしてみて欲しい。佐藤くんが犯人じゃないのはネタバレしちゃってるけど。正直スマン。

 実はさ、周回プレイ前提なのに、途中で飛ばせない演出が入るのよ。最初は良かったんだけど、周回するのにちょっとウザいなーと思ってた。インディーだからしゃーなしとか思ってたんだけど、実はその演出自体が謎を解く手がかりになっていたんだよね。これは見事だった。

 最終的には、佐藤くんに彼女の監禁場所を伝えることで、どうなる⋯となるけど、佐藤くんは自宅のPC前にいるので、監禁場所に間に合うのか⋯? というハラハラドキドキのサスペンス展開。思わずSATOコールしちゃうよね。果たしてオレ達の佐藤くんは犯人とのフィジカルバトルに勝利できるのか。ぜひみなさんの目で確かめていただきたい。

 しかし佐藤くん、黒歴史確定ポエム書いたり、正体の分からない犯人に対して「who are you?」とか画面いっぱい書いちゃう辺り、だいぶガイアがオレに囁いてる系でもある。どんまい。

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▲狂おしいほどwho are you ?
とにかくめっちゃオススメ! これだけ凝った作りなのに、めっちゃ安いのよ。作者さんに聞いたら、本作が商業作品第一号なんだって。将来有望すぎる。ぜひ次回作も期待しております! なのでみんなで買って佐藤くんを応援しようぜ!

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▲まもりたいこの笑顔。

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