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アニメ『呪術廻戦』55話(3期8話)感想。日車があまりにも日車すぎてすごい。過去からの変わり方に夏油を思い出した(ネタバレあり)

文:Ak

公開日時:

 TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」55話“東京第1結界②”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」55話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。[IMAGE]

日車があまりに日車すぎる! 狂気と生真面目さを感じさせる杉田智和さんの演技がすげえ【アニメ呪術廻戦感想】


 ついに待望の日車登場回! アニメ化すると魅力が増しそうという点で、死滅回游編では楽しみな回のひとつでしたね。日車役を杉田智和さんが演じるという事前情報もあって、期待値マックスでした。

 先週放送された“閑話(総集編)”のラストでもチラ見せされていましたが、虎杖を見るときの日車の視線の動き方が、完全に“イッちゃってる”って感じがして怖かった……!


 淡々と自分の境遇を語る日車の痛々しさと怖さが、杉田さんの厚みのある演技のおかげで倍増していました。弁護士の相談料の件で虎杖をからかったところは、ふざけるのに慣れていない生真面目な人が無理やりオチャラけていることが声から伝わってくるのが見事です。

 視聴者目線では日車の過去を見てからのこのシーンだったので多少怖さは薄まったとはいえ、初見だったら怖くてしょうがないでしょうね。ふつうに会話できている虎杖がすごい!

日車の過去回想は見ていて辛い…でも法廷アニメも見てみたい気がする!【アニメ呪術廻戦感想】


 日車の過去回想は、どこまでいってもやりきれない感じで見ていて辛い。アニメ『呪術廻戦』のちょっと邦画っぽいというか、高級感のある演出が、法廷の空気感や日車の絶望感、無力感をうまく伝えてくれていました。

 日車が担当していた容疑者の少年・大江圭太くんが最初に有罪扱いされていたのは、推定無罪が基本とはいえ状況証拠がそろいすぎてて、しかも逃げたのがまずかったんでしょうね。


 「どう考えても無罪は無理」と言っていた日車の助手・清水さんの言い分が大分正しい気がします。それがひっくり返った過程は流石にアニメ(原作でも)では省略されていましたが、じっくり見てみたかった気もします。日車と清水さんの掛け合いが楽しく、これはこれで1本法廷アニメが作れそう!

 国選弁護人は金にならないと聞いたことがあるので、日車は使命感を優先して弁護士をやっているクチでしょうね。震災支援金がなだれ込んでいるとか、不可解なルールを強いられているとか、大江くんの職場であるNPO法人はかなりうさんくさいです。このあたりが逆転無罪に関わっている気もしますが……事件の真相は本作の本筋には関係ないとはいえ、気になるところ。

 一審で逆転無罪を勝ち取ったあと、大江くんとの会話シーンでの「すぐ控訴してくる」のポーズと浴槽に漬かっているときのポーズが被っているのは、日車がここから変わってしまったという意識的な演出でしょうね。「有罪無期懲役」という文字が出てから、日車の声のトーンが一気に変わってしまったのが、アニメならではの演出で痺れます。

 とくに新しい証拠がないのに判決が覆る、というのはなかなか理不尽な気もしますが、現実でもこういった裁判はままあるものなのでしょうか。日車の主観的観測が入っていると思いたいですが……。

日車の変わりようには夏油の闇堕ちを思い出す【アニメ呪術廻戦感想】


 理不尽な事態にあって自分の正義がゆらいだところに、手っ取り早い問題解決手段として呪術=暴力を手にしてしまったことで、ああいった凶行に出てしまったのはある種の悲劇ではありますね。

 判決そのものよりも、まともな審理を行わずに判決を出したことに理不尽を感じていたのでしょう。だからこそ、強引な手段によって“やり直し”を行ったのでしょうし。


 裁判での日車の凶行は視聴者目線だとちょっと爽快ですらありますが、日車の正義的には暴力による解決は望んでいなかったような気もします。正義というより、掟=ルールといったほうがよさそうですが。

 死滅回游、というか呪術のルールに厳格な点が日車の正義とかみ合ったせいで、スムーズに呪術師として目覚めてしまったのかもしれません。いろいろなかみ合わせが上手くいかなかった、あるいは上手くいきすぎたせいで凶行に走ったという点では、少し“懐玉・玉折”編での夏油の闇堕ちを思い出しましたね。あるいはあの場にも虎杖がいてくれたら、何か違っていたんでしょうか……。


 日車の式神はおそらく“不変の掟”の神であるテミスをモデルにしているのでしょう。一般的なテミスの像が目を閉じているのは“何にも左右されず掟に従う”ためであると聞いたことがあるので、式神の目がふさがっているのも同様の理由だと思われます。日車が掌印なしで領域展開できているのは、あのガベル(木槌)が掌印の代わりになっているということなのでしょうか。

 式神の姿からも、ろくに審理を行わずに判決を下した法廷に対しての怒りが感じられる……! たぶん、何もなかったら日車はあのまま呪詛師まっしぐらだったんでしょうね。


 一方で伏黒はレジィと邂逅。改めて見てもすげえ恰好してますね。本誌で最初に見たときはトゲトゲでも着ているのかと思ってて、次週でレシートだと分かったときは地味に衝撃でした(笑)。

 虎杖VS日車ももちろん要注目ですが、伏黒VSレジィもかなりのナイスバウトだったので、来週はアニメでそれが見れそうでワクワクです!


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