TOHO Gamesが手がけ、全世界450万DLを突破したスマートフォン向けゲームアプリ『ゴジラバトルライン』(以下、『ゴジバト』)は、自分だけのチームを編成して全世界のプレイヤーとオンラインで戦う、リアルタイムストラテジーゲームです。
配信開始から5周年を迎える本作で、新企画“GODZILLA RE:BOOT MONSTERS”が始動します。第1弾となるのは、『ゴジラVSビオランテ』と『ゴジラVSデストロイア』に登場した怪獣の再構築。デザインを手がけたのは、シリーズに長く関わるレジェンド・西川伸司氏で、“ビオランテ・ハーベスト“と“デストロイア(超ドラゴン体)“は、5月29日18:00に実装予定となっています。
配信開始から5周年を迎える本作で、新企画“GODZILLA RE:BOOT MONSTERS”が始動します。第1弾となるのは、『ゴジラVSビオランテ』と『ゴジラVSデストロイア』に登場した怪獣の再構築。デザインを手がけたのは、シリーズに長く関わるレジェンド・西川伸司氏で、“ビオランテ・ハーベスト“と“デストロイア(超ドラゴン体)“は、5月29日18:00に実装予定となっています。

- なぜ今、リブートなのか。
- 原典をどう再構築したのか。
- そして、2体の魅力はどこにあるのか。
そんな“GODZILLA RE︓BOOT MONSTERS”について、デザイナーの西川伸司氏と、開発担当の佐藤僚祐氏(東宝)が語ります。
“生き物をデザインする仕事”は、あまりないこと
──西川先生は『ゴジラVSビオランテ』でデザイナーとして参加されて以来、長くシリーズに関わってこられました。これまでのお仕事を振り返って、怪獣という存在の変わらない魅力はどこにあると思われますか?
西川
怪獣の魅力は、いろいろな方面から考えられますが、自分の場合はとくにデザインという部分を中心に関わってきました。そういう意味で言うと、怪獣は生き物なんですよね。生き物をデザインする仕事というのは、おそらくほかにあまりないと思っています。
メカデザインはいろいろあって、そういうものは実際に作られることもありますが、生き物をデザインするのは、もっとバイオテクノロジーが進めばあるのかもしれませんが、なかなかありません。元々生き物が好きだったこともあって、非常に面白いですね。
怪獣はいろいろな理屈を超越したところに存在しているので、怪獣を使わないと描けない物語やテーマがたくさんあると思うんですね。それがいろいろな作品がある中でも、廃れずに独自のスタンスを持ち続けているポイントかなと思っています。
──実際にいそうだなと想像されているのか、それともいないものを作ってやるぞと思われているのか、どちら寄りの考えでしょうか?
メカデザインはいろいろあって、そういうものは実際に作られることもありますが、生き物をデザインするのは、もっとバイオテクノロジーが進めばあるのかもしれませんが、なかなかありません。元々生き物が好きだったこともあって、非常に面白いですね。
怪獣はいろいろな理屈を超越したところに存在しているので、怪獣を使わないと描けない物語やテーマがたくさんあると思うんですね。それがいろいろな作品がある中でも、廃れずに独自のスタンスを持ち続けているポイントかなと思っています。
──実際にいそうだなと想像されているのか、それともいないものを作ってやるぞと思われているのか、どちら寄りの考えでしょうか?
西川
両方ですけど、まず“いそうなもの”を作っても仕方がないので、“こんなのは普通にはいないだろう”というところから始まるんです。それをいかに“いそうに見せるか”が一番面白いところですね。
──佐藤さんは“怪獣のここが一番かっこいい、譲れない”という“怪獣観”はありますか?
──佐藤さんは“怪獣のここが一番かっこいい、譲れない”という“怪獣観”はありますか?
佐藤
ゴジラで言うと、絶対的であることがかっこよさになっているかなと思っています。作品によって敵っぽくも味方っぽくも描かれたりしますが、作品の中でどうしようもない、抗えない存在というのがゴジラのかっこよさかなと。それを『ゴジバト』というゲームの中で表現することが、譲れない部分ですね。
どの怪獣も矮小化しない。毎月実装の難しさ
──『ゴジバト』は怪獣や兵器が入り乱れる3分間のバトルが魅力です。原作らしさを表現するために、開発として“やらないこと・守ること”はありますか?
佐藤
矮小化につながるような表現をゲーム内でしないこと。お客様それぞれに好きな怪獣がいてファンが付いているので、ゲーム内での強さを完全に平等にというのはバランス調整が難しいのですが、平等に扱うことを大事にしています。
怪獣にはそれぞれの特徴があります。ゴジラだったら熱線で破壊表現を、ラドンだったら羽で滑空するからほかの怪獣のスピードを上げるような性能を、というように、原作と矛盾しない範囲でゲーム内の魅力を出してあげる。これはなるべく気をつけているところです。
──毎月怪獣を実装されていますよね。
怪獣にはそれぞれの特徴があります。ゴジラだったら熱線で破壊表現を、ラドンだったら羽で滑空するからほかの怪獣のスピードを上げるような性能を、というように、原作と矛盾しない範囲でゲーム内の魅力を出してあげる。これはなるべく気をつけているところです。
──毎月怪獣を実装されていますよね。
佐藤
バランスとしては加速度的に難しくなっています。新しい怪獣を実装することで、ほかの怪獣との組み合わせで予期しない仕組みが作れてしまわないか、というのは重々気をつけてはいます。それでも“こういう使い方をするとめちゃくちゃ強くなる”というのを、お客様が発見されることもあります。
組み合わせはどんどん増えますし、ゲーム内の性能もプラスオンされていくのは、スマホゲームの宿命ではあります。それをきっちりコントロールするのが楽しさにつながると思っているので、がんばらないとな、と。
──プレイヤーから強さに関する要望というのは、どのくらい来るものなんですか?
組み合わせはどんどん増えますし、ゲーム内の性能もプラスオンされていくのは、スマホゲームの宿命ではあります。それをきっちりコントロールするのが楽しさにつながると思っているので、がんばらないとな、と。
──プレイヤーから強さに関する要望というのは、どのくらい来るものなんですか?
佐藤
“強すぎる”も“弱すぎる”も、どちらもめちゃくちゃ来ます(笑)。昔からプレイをしてくださっているお客様からは、初期の怪獣をもっと強くしてほしいという声もいただきます。
このゲームは2021年6月に配信を開始しましたが、お客様が一気に増えたのは2023年11月でした。これは『ゴジラ-1.0』の公開時期で、その後の『ゴジラxコング 新たなる帝国』のタイミングで海外のお客様も増えていきました。ですので、そのタイミングでプレイをスタートした方々は昔のユニットを持っていない場合もあります。お客様それぞれで使いたいユニットが違うと思いますので、いろいろなご要望をいただくのは当然ですよね。
このゲームは2021年6月に配信を開始しましたが、お客様が一気に増えたのは2023年11月でした。これは『ゴジラ-1.0』の公開時期で、その後の『ゴジラxコング 新たなる帝国』のタイミングで海外のお客様も増えていきました。ですので、そのタイミングでプレイをスタートした方々は昔のユニットを持っていない場合もあります。お客様それぞれで使いたいユニットが違うと思いますので、いろいろなご要望をいただくのは当然ですよね。
──怪獣の総量が増えると1体あたりの獲得確率が下がりますから、運営しながらすべての怪獣をケアするのはたいへんだと思います。1体1体に応援するファンもいるでしょうから。
佐藤
僕はラドンが好きなのですが、ラドンを『ゴジバト』内で一番強くするのはこのIPの世界観として違うなという葛藤がありつつ、僕やほかのラドンファンのみなさまが楽しく使えるぐらいには強くしたい。お客様も各々好きな怪獣に対してそう考えていらっしゃると思うので難しいのですが、(バランス調整を)必死にがんばっています。
450万DLの理由は“こういう怪獣まで出してくれるんだ”というマニアックさ
──450万DLを突破された中で、長く支持されている理由はどこにあると思いますか?
佐藤
運営やバランスは、お客様にご指摘をいただきながらブラッシュアップしている部分が大きいです。それが理由というよりは、“こういう怪獣も出してくれるんだ”というところが、『ゴジバト』のお客様には受けている要素だと感じています。
例えばYouTubeに動画が残っているガイガンレクスや、漫画『ゴジラ ギャラクシーオデッセイ』に出てくる怪獣を実装するとか。そのほか、映画では長尺で映像が見られていない怪獣を実装したり、轟天号という兵器を実装したり。怪獣以外にも幅を広げていくマニアックさを、お客様に一定評価いただけた結果かなと考えています。
──5周年でリブート企画が始動した背景を教えてください。
例えばYouTubeに動画が残っているガイガンレクスや、漫画『ゴジラ ギャラクシーオデッセイ』に出てくる怪獣を実装するとか。そのほか、映画では長尺で映像が見られていない怪獣を実装したり、轟天号という兵器を実装したり。怪獣以外にも幅を広げていくマニアックさを、お客様に一定評価いただけた結果かなと考えています。
──5周年でリブート企画が始動した背景を教えてください。
佐藤
5年も続いた中で、お客様に何かを還元したいなという気持ちがずっとあって、どうすればいいかを考えていたんです。そんななか、2025年11月の“ゴジラ・フェス 2025”で、生賴範義先生のポスターに描かれているメカゴジラを、西川先生にご協力いただいてゲーム内に実装したんですね。
映像もない、1枚絵しか残っていないメカゴジラだったのですが、お客様の反応がすごくよくて、熱量もぐっと上がったんです。きっちりとした準備としっかりした設定を用意したことで、お客様もポジティブに受け取ってくれました。
であれば、既存の怪獣をリブートして、現代に蘇らせる企画を『ゴジバト』で実施しようと。長く遊んでくれているユーザーに“『ゴジバト』を遊んでいたおかげで、新しい怪獣をいち早く知れた”、“誕生の瞬間を目撃した”というプラスアルファの価値を提供できるんじゃないか、と考えました。それで西川先生にご相談させていただきました。
──93年に映画でメカゴジラが出てきたときは、社会現象のような盛り上がりでした。あの驚きを現代に蘇らせる、という感じでしょうか。
映像もない、1枚絵しか残っていないメカゴジラだったのですが、お客様の反応がすごくよくて、熱量もぐっと上がったんです。きっちりとした準備としっかりした設定を用意したことで、お客様もポジティブに受け取ってくれました。
であれば、既存の怪獣をリブートして、現代に蘇らせる企画を『ゴジバト』で実施しようと。長く遊んでくれているユーザーに“『ゴジバト』を遊んでいたおかげで、新しい怪獣をいち早く知れた”、“誕生の瞬間を目撃した”というプラスアルファの価値を提供できるんじゃないか、と考えました。それで西川先生にご相談させていただきました。
──93年に映画でメカゴジラが出てきたときは、社会現象のような盛り上がりでした。あの驚きを現代に蘇らせる、という感じでしょうか。
佐藤
はい。『ゴジバト』でやることで、ゲームで勝つ・負ける以外の価値、ゴジラの歴史に名を刻む怪獣の誕生に自分が立ち会うという体験を、価値にできないかなと思いました。
“設定・見栄え・かっこよさ”三点を担保できるのは西川先生しかいない
──今回、西川先生にオファーされた決め手はどこでしたか?
佐藤
じつは、西川先生は『ゴジバト』をすごく遊んでくださっているんですよ。本当にコアな遊び方をしてくださっているユーザーの1人なんです。
──ぜひ詳しくお伺いしたいです。
──ぜひ詳しくお伺いしたいです。
佐藤
毎日プレイしていただいているなかで、ゲームへの理解度もすごく高くて。『ゴジバト』はゲーム内では上から見下ろす映像が大半になるので、上からの見栄えもモデル自体の見栄え、どちらも重視しなくてはいけません。
そこまで理解されたうえで、“この怪獣がお客様にきちんと受け入れられるにはどういう設定がいいか”というところまで踏まえて考えてもらえているんです。設定とゲーム内の見栄えとデザインのかっこよさ。この3つを全部担保できるのは西川先生だなと。
──西川先生は依頼を受けたときのお気持ちを教えてください。
そこまで理解されたうえで、“この怪獣がお客様にきちんと受け入れられるにはどういう設定がいいか”というところまで踏まえて考えてもらえているんです。設定とゲーム内の見栄えとデザインのかっこよさ。この3つを全部担保できるのは西川先生だなと。
──西川先生は依頼を受けたときのお気持ちを教えてください。
西川
最初は「お、ついにこういう依頼が来たんだな」というところが大きかったですね。映画に出た怪獣にプラスアルファをしたり、発展させたりする機会って、なかなかありませんから。映画の場合はやはり1本で終わってしまうので。
とくにビオランテは誕生からもう30年以上、40年近く経っていますし、新たな魅力を加えられる機会というのは貴重ですよ。しかもゲームというところが、ほどよく良かったですね。自分勝手にやるわけでもないですが、オリジナルの世界観に縛られすぎているわけでもない。そのあたりがいい塩梅にできそうだなと。
──最初の打ち合わせから、西川先生のデザインのスピードや作業量に驚かれたとか。
とくにビオランテは誕生からもう30年以上、40年近く経っていますし、新たな魅力を加えられる機会というのは貴重ですよ。しかもゲームというところが、ほどよく良かったですね。自分勝手にやるわけでもないですが、オリジナルの世界観に縛られすぎているわけでもない。そのあたりがいい塩梅にできそうだなと。
──最初の打ち合わせから、西川先生のデザインのスピードや作業量に驚かれたとか。
佐藤
そうなんです、本当に驚きました。
西川
別に常々考えていたわけではなくて、お話をいただいてから考えたんですけど、それでもボコボコボコとアイディアがいくつか湧いてくるぐらい、自分の中で思うところはあったんだろうなと。
デザインはトータルバランスがあるので、描きながら考えるとバラバラになってしまうんです。だから、スピード感が大事で、ファーストインプレッションをそのまま形にしています。1つの絵にすべてを入れ込もうとするのではなくて、アイデイアごとにバンバン上げていくほうが、デザインもぶれないんです。違う要素はちゃんと違うデザインとして複数提示するようにしていました。
デザインはトータルバランスがあるので、描きながら考えるとバラバラになってしまうんです。だから、スピード感が大事で、ファーストインプレッションをそのまま形にしています。1つの絵にすべてを入れ込もうとするのではなくて、アイデイアごとにバンバン上げていくほうが、デザインもぶれないんです。違う要素はちゃんと違うデザインとして複数提示するようにしていました。
佐藤
ものすごい早さで、無茶なお願いしているなと思いながら打ち合わせさせていただきました。「このイラストは1月末までに三面図を」とお話したんですが、とくにビオランテのデザインが難航しました。何度もお打ち合わせしたなかで、着地点が見つかった瞬間にババッと描いていただけました。これがプロの仕事か、と唸らされましたね。
西川
『平成・VSシリーズ』のゴジラは、そういう現場だったんですよね。時間がないのは当たり前で、毎年1本映画を作るなかで、デザインにかけられる時間は短いんですよ。監督の意向をいかに汲み取って納得してもらえるものを出すかが重要でした。だから、描いては見せ、描いては見せて近づけていくしかないんです。
意識的にチャレンジしないと、昔のものに引っ張られる
──既存の怪獣を再構築するのは、ファンの記憶や過去の名作と向き合う作業です。原典に対して、チャレンジャーとしての冒険心とリスペクト、どちらを優先されましたか?
西川
意識としてはチャレンジですね。自分は元の怪獣も好きですから、リスペクトや尊重したい気持ちはもちろんあります。むしろ意識的にチャレンジするぐらいの気持ちでないと、どうしても昔のものに引っ張られてしまうんです。
“ここはこういうもんだよね”、“ここは変えたくないな”というベースがあったうえで、それにも増して魅力的な要素を加えられるか、違う魅力を発見できるかというところは意識しました。
ファン1人1人にその怪獣を大切にしている思いがあるので、“この部分を大事にしている”というのを、デザインだけではなくて設定も含めてちゃんと示す。それでも100%の賛同は得られないかもしれませんが、自分勝手な考えだけで描いているわけではありません。
ただ調整するような意識だけで描いてもおもしろいものにはならないので、最初はチャレンジングを意識して作成します。そこからどのように整えていくかという感じでしょうか。
“ここはこういうもんだよね”、“ここは変えたくないな”というベースがあったうえで、それにも増して魅力的な要素を加えられるか、違う魅力を発見できるかというところは意識しました。
ファン1人1人にその怪獣を大切にしている思いがあるので、“この部分を大事にしている”というのを、デザインだけではなくて設定も含めてちゃんと示す。それでも100%の賛同は得られないかもしれませんが、自分勝手な考えだけで描いているわけではありません。
ただ調整するような意識だけで描いてもおもしろいものにはならないので、最初はチャレンジングを意識して作成します。そこからどのように整えていくかという感じでしょうか。
──『ゴジバト』だからこそ自由にやれた、というところはありましたか?
西川
両面ありますね。ゲームだから堅苦しく縛りをつけるでもなく、一方でゲームの使い勝手や見栄えを考えると、映画の設定や自分の思いだけにとらわれてもつまらないですから。これもバランスですね。
──ビオランテ・ハーベストと、デストロイア(超ドラゴン体)について、核にした原典の要素と、大胆に再構築されたポイントを教えてください。
──ビオランテ・ハーベストと、デストロイア(超ドラゴン体)について、核にした原典の要素と、大胆に再構築されたポイントを教えてください。
西川
この2体は、デザインの発想からして正反対なんです。デストロイアはコンセプトを決めた時点でほぼ形が決まるレベルだったのに対して、ビオランテは“どう作ってもいい”からこそ“どう作っていっていいかわからない”というところがありました。
ビオランテはオリジナルがある意味すでに完成形で、それを発展させていく必要がありました。設定的にはだんだん進化していく怪獣で、映画で植獣形態と言われるものは最終形態として終わっているんですが、もっと進化する可能性はあっただろうなと。
その発想で考えるなら、ビオランテはどんどんゴジラに近づいていく、よりゴジラに近い体型になる、というのがオーソドックスな考え方です。とはいえ、ゲーム的にはそれではおもしろくありません。この特殊な体型だからキャラクター性が際立っているのに、2本足のゴジラ型にしてしまったら埋もれてしまう。であれば、別方向の進化を考えなければと。
足がかりになったのは、生賴範義先生が『ゴジラVSビオランテ』のポスターに描かれていた、巨大なバラの花の絵でした。あのイメージを、もう一度この最終形態のビオランテに持たせて、花びらを付けてしまおう、と。
ただこれは葛藤があった部分でもありました。最初にビオランテをデザインしたとき、川北紘一監督から“花びらはいらない”という条件を提示されていたんです。それまでに何年も試行錯誤されたなかで、“花びらを付けているから飛躍できないんだ”というところに監督が到達されたんだと思いますが、それを私が復活させていいのか、と。
そこを消化する足がかりとして、生賴先生のポスターのイメージを取り込むことを落としどころにしたんです。ビオランテらしいフォルムを保ちながら、内部的にもっとゴジラ要素が強まっていく方向に持っていこう、と。
ビオランテの中のゴジラというものが膨れ上がっていて、ゴジラの皮膚が見えたりしているんですよ。さらに、熱線に弱かったビオランテに、自身が熱線を吐く力をゴジラの力として与えました。ただ口から出るんじゃなくて、ビオランテの中のゴジラの口が熱線を吐くんです。見た目はビオランテ、中身はゴジラ。そういう設定を作って、この形に落とし込みました。
ビオランテはオリジナルがある意味すでに完成形で、それを発展させていく必要がありました。設定的にはだんだん進化していく怪獣で、映画で植獣形態と言われるものは最終形態として終わっているんですが、もっと進化する可能性はあっただろうなと。
その発想で考えるなら、ビオランテはどんどんゴジラに近づいていく、よりゴジラに近い体型になる、というのがオーソドックスな考え方です。とはいえ、ゲーム的にはそれではおもしろくありません。この特殊な体型だからキャラクター性が際立っているのに、2本足のゴジラ型にしてしまったら埋もれてしまう。であれば、別方向の進化を考えなければと。
足がかりになったのは、生賴範義先生が『ゴジラVSビオランテ』のポスターに描かれていた、巨大なバラの花の絵でした。あのイメージを、もう一度この最終形態のビオランテに持たせて、花びらを付けてしまおう、と。
ただこれは葛藤があった部分でもありました。最初にビオランテをデザインしたとき、川北紘一監督から“花びらはいらない”という条件を提示されていたんです。それまでに何年も試行錯誤されたなかで、“花びらを付けているから飛躍できないんだ”というところに監督が到達されたんだと思いますが、それを私が復活させていいのか、と。
そこを消化する足がかりとして、生賴先生のポスターのイメージを取り込むことを落としどころにしたんです。ビオランテらしいフォルムを保ちながら、内部的にもっとゴジラ要素が強まっていく方向に持っていこう、と。
ビオランテの中のゴジラというものが膨れ上がっていて、ゴジラの皮膚が見えたりしているんですよ。さらに、熱線に弱かったビオランテに、自身が熱線を吐く力をゴジラの力として与えました。ただ口から出るんじゃなくて、ビオランテの中のゴジラの口が熱線を吐くんです。見た目はビオランテ、中身はゴジラ。そういう設定を作って、この形に落とし込みました。
対してデストロイアは、“キングギドラの因子を取り込んだデストロイア”という設定を思いついた時点で、ほぼ形は決まりました。ただ三本首に羽というキングギドラの個性が強すぎて、中途半端なデザインだと全部キングギドラに見えてしまいます。そのなかで、いかにデストロイアらしさを残すかに注力しました。
それと、映画に登場した完全体という最強形態の座を、ゲームの怪獣があっさり奪うようなことはしたくありませんでした。三本首だとどう見ても強く見えてしまうので、羽を“飛翔体”という1つ前の段階のデストロイアをベースに、そこから枝分かれした進化、という設定にしました。
最初は普通の足のないカニのようなデザインで描いたのですが、怪獣好きとしては、ゲームのほうとのすり合わせで、もっとかっこよくしたいという意向を受けました。
佐藤
初稿でいただいたデザインも、デストロイアとキングギドラを掛け算するというコンセプトがぱっと見てわかるし、これをブラッシュアップしようとなったのですが……野望としてフィギュアを出したいなと思ったんですね。
これだけかっこいい怪獣なので、“東宝30cmシリーズ”で出すところを目標にしたいと思って(笑)。それなら足があってどっしりしたほうがよりかっこよくなるだろうなと。そこのブラッシュアップだけお願いさせていただきました。
これだけかっこいい怪獣なので、“東宝30cmシリーズ”で出すところを目標にしたいと思って(笑)。それなら足があってどっしりしたほうがよりかっこよくなるだろうなと。そこのブラッシュアップだけお願いさせていただきました。
西川
怪獣にとってフィギュアは大事ですからね(笑)。今の怪獣好きにも、フィギュアが出て1人前みたいなところはありますしね。
推しポイントは“熱線を吐くワクワク感”で“四枚羽はじつは手”
──西川先生的に“ここを見てほしい”という推しポイントは?
西川
ビオランテに関しては、口の中の口から熱線を吐くというのがポイントですし、そのために発光部を調整しています。元のビオランテは発光部がお腹にあるので、(ゲーム上の視点である)上から見ると見えなくなってしまいます。それを見えるように調整しました。
花びらも、生賴先生のポスターのギザギザの花びらを、もっとゴジラの背びれのようにしたら、熱線を吐くときに光るのは理にかなっているよね、と。その熱線を吐くに至るワクワク感みたいなものを感じてもらえたらいいですよね。
あと、歳を取って緑じゃなくて茶色くなっているところもポイントです。薔薇ですけど、歳を取るってことは木になるってことだろうなと。キャラクターは多少の形の違いより色の違いのほうがインパクトがあるので、半分茶色に、上半身と下半身でも色を分ける構成にしました。
デストロイアは、手があるんですよ。キングギドラには手がありません。最初はデストロイアが持っているハサミのような手を付ける想定でしたが、少しうるさいなと思ったんです。最終段階で、4枚ある羽の後ろの2枚が手、という構成に変更しました。これによって、飛んでいるときは飛翔体的な4枚羽、歩くと手として使う、という意外性が出せたんです。
──西川先生のデザインから、3Dモデルや攻撃モーションに落とし込む際、一番難しいのはどこですか?
花びらも、生賴先生のポスターのギザギザの花びらを、もっとゴジラの背びれのようにしたら、熱線を吐くときに光るのは理にかなっているよね、と。その熱線を吐くに至るワクワク感みたいなものを感じてもらえたらいいですよね。
あと、歳を取って緑じゃなくて茶色くなっているところもポイントです。薔薇ですけど、歳を取るってことは木になるってことだろうなと。キャラクターは多少の形の違いより色の違いのほうがインパクトがあるので、半分茶色に、上半身と下半身でも色を分ける構成にしました。
デストロイアは、手があるんですよ。キングギドラには手がありません。最初はデストロイアが持っているハサミのような手を付ける想定でしたが、少しうるさいなと思ったんです。最終段階で、4枚ある羽の後ろの2枚が手、という構成に変更しました。これによって、飛んでいるときは飛翔体的な4枚羽、歩くと手として使う、という意外性が出せたんです。
──西川先生のデザインから、3Dモデルや攻撃モーションに落とし込む際、一番難しいのはどこですか?
佐藤
例えばビオランテだと、顔周りのバラがやや肉付きよく見えるんですよね。本当は生賴先生のポスターにあるようなバラの質感を表現したいですし、上から見たときのかっこよさも担保したい。紫色の背びれの部分が、まだモデルだと弱いなという印象もありました。
これを設定から乖離しない範囲で表現するために、少し嘘をつく必要があります。その範囲をどう設定するかが、『ゴジバト』でモデル化するうえでの肝かなと。インタビュー時点では、まだ最終調整中なのですが、ここは難しいなと思っているところです。
これを設定から乖離しない範囲で表現するために、少し嘘をつく必要があります。その範囲をどう設定するかが、『ゴジバト』でモデル化するうえでの肝かなと。インタビュー時点では、まだ最終調整中なのですが、ここは難しいなと思っているところです。
西川
紫はもう、極端に言えばメタリックの紫を吹くぐらいの鮮やかさがあってもいいと思っています。
佐藤
色味も変更するかもしれないですし、背びれが今は縦に生えているんですが、横に角度をつけて紫の見える面積を増やすとか。角度と色味の調整で、画角ごとの印象の差が出ないようにしたいですね。
デストロイアのほうは、攻撃のエフェクトをどれだけ派手にするかとか、必殺技のかっこよさをどこまで突き詰めるか、というところが調整ポイントですね。
──こういった調整はどれぐらいまでされるんですか?
デストロイアのほうは、攻撃のエフェクトをどれだけ派手にするかとか、必殺技のかっこよさをどこまで突き詰めるか、というところが調整ポイントですね。
──こういった調整はどれぐらいまでされるんですか?
佐藤
実装の2週間くらい前までは揉んでいます。モデルの見た目もゲーム内の強さも並行で見るためです。“ゴジバトサミット”という配信番組を実施するのですが、その前日までバランス調整していたこともあるくらい、難しいユニットはギリギリまで調整を続けますね。
──ハーベストと超ドラゴン体というネーミング、印象的ですね。
──ハーベストと超ドラゴン体というネーミング、印象的ですね。
西川
名前はデザイン画を出すときに、私が適当に書いて出していました。
佐藤
デザインが変わるたびにいろいろな案をいただいたなかで、ビオランテについてはチーム内で会話して、“ビオランテ・ハーベスト”という響きのかっこよさで決めました。
西川
自分的にはハーベストはほのぼの系の響きだと思うんですが(笑)。
佐藤
そうですよね(笑)。“超ドラゴン体”のほうは、完全体という映画との並びを意識して西川先生に考えていただきつつ、定常的に呼ぶ名前なので、かっこよさと呼びやすさを大事にしました。
西川
キングギドラとは言わないけど、ファンならなんのことを言っているかわかる、というあたりを狙ったところです。
妄想が加速する夢のマイデッキ
──お2人が今回のリブート2体を編成した最強デッキを作るとしたら、どんな組み合わせがよいと思いますか?
西川
難しいですね。今8つデッキを作れるんですが、そのうち1つは“マイデザインデッキ”にしているんです。自分がデザインした怪獣だけのデッキで、強さもバランスも考えていないやつなんですけどね。
佐藤
この2体ともゲーム内ですごく活躍できる性能にはしているので、どのデッキでも使えると思いますし、僕は基本的にラドンを入れるのを信条にしているので(笑)。
『ゴジバト』内でのラドンは、味方の怪獣の移動速度を上げる性能を持っているので、ビオランテとデストロイアを進軍させながら、後ろからラドンで加速させて一気に試合を決める、というのは試したいですね。
『ゴジバト』内でのラドンは、味方の怪獣の移動速度を上げる性能を持っているので、ビオランテとデストロイアを進軍させながら、後ろからラドンで加速させて一気に試合を決める、というのは試したいですね。
西川
このビオランテがテケテケ歩いたら面白い(笑)。
佐藤
早歩きするみたいな。それがちょっとかわいさでもあったりするんですけど(笑)。
──お2人それぞれ、個人的に一番好きな怪獣を教えてください。
──お2人それぞれ、個人的に一番好きな怪獣を教えてください。
西川
自分の場合、“好き”というのは難しいんですよね。自分が関わったものは、単純に“好き”というのとはちょっと違う思い入れになるので。“好き”って、子どもの頃に好きだったものがピュアな好きだと思うんです。だから私は、ちょうど小学校低学年ぐらいのときに出会ったヘドラやガイガンが好きかなぁ。
自分が関わったものは、思い出はあるけど“好き”で選ぶのは、なかなかに難しいものがありますね(笑)。
──親心みたいな感じでしょうか。
自分が関わったものは、思い出はあるけど“好き”で選ぶのは、なかなかに難しいものがありますね(笑)。
──親心みたいな感じでしょうか。
西川
そうですね。人気が出るといいなと。『ゴジバト』でよく使っているのは鎧モスラなんですが、これも自分のデザインで、非常に気に入っているんです。ビオランテと3式機龍がツートップかもしれないですけど、それに次ぐぐらいには気に入っています。
私はあまり戦略を練らないで戦う人間なので、素早く突っ込んで体当たりしてくれる鎧モスラはシンプルに好きです。よく防がれますけど(笑)。
私はあまり戦略を練らないで戦う人間なので、素早く突っ込んで体当たりしてくれる鎧モスラはシンプルに好きです。よく防がれますけど(笑)。
佐藤
僕は『ゴジバト』内では、やっぱりラドンですね! 戦い方が変わるユニットというゲーム性能的な理由もありますけど、味方のスピードを変える、テンポを変えるという特殊な役割を持っているところに惹かれて。
あとは、ゴジラ(2016)第2形態ですかね。デフォルメされた姿が一番かわいいという変な理由なんですが、第2形態のスマホスタンドを家で使ったり、LINEスタンプを使ったりしているうちに愛おしくなってきて(笑)。『シン・ゴジラ』自体ももちろん好きですよ!
あとは、ゴジラ(2016)第2形態ですかね。デフォルメされた姿が一番かわいいという変な理由なんですが、第2形態のスマホスタンドを家で使ったり、LINEスタンプを使ったりしているうちに愛おしくなってきて(笑)。『シン・ゴジラ』自体ももちろん好きですよ!
西川
ラドンで高速移動する第2形態。
佐藤
ありですね!
西川
やられに行くのか(笑)。
佐藤
進化待ちしないんだ、みたいな(笑)。
ファンと一緒に育てる怪獣 ── 5周年の先へ
──最後に、5周年を迎える『ゴジバト』のプレイヤー、そして全世界の特撮ファンへメッセージをお願いします。
佐藤
みなさんが日々プレイしてくださっているおかげで5周年を迎えることができました。この5周年から“GODZILLA RE:BOOT MONSTERS”という企画をスタートします。この2体を終点としているわけではなくて、継続的にやっていきたい企画なので、「こういう怪獣で見たい」という声もぜひいただきたいです。
これまで『ゴジバト』を触ってこなかった方でも、ゴジラが好きで、ビオランテやデストロイアが好きな方には、2体の新しい姿を見ていただく機会として、『ゴジバト』に入ってきていただきたいなと思っています。
この秋から来年以降にもゴジラの映画が立て続けに公開されて、ゴジラ自体が盛り上がっていくと思うので、『ゴジバト』もその盛り上がりにあやかりながら、いろいろなコンテンツを追加・改善しながら、6周年、7周年以降を目指して運営していきます。これからも、日々プレイしていただけるとありがたいです。
これまで『ゴジバト』を触ってこなかった方でも、ゴジラが好きで、ビオランテやデストロイアが好きな方には、2体の新しい姿を見ていただく機会として、『ゴジバト』に入ってきていただきたいなと思っています。
この秋から来年以降にもゴジラの映画が立て続けに公開されて、ゴジラ自体が盛り上がっていくと思うので、『ゴジバト』もその盛り上がりにあやかりながら、いろいろなコンテンツを追加・改善しながら、6周年、7周年以降を目指して運営していきます。これからも、日々プレイしていただけるとありがたいです。
西川
私も、最初に1周年のイラストを描かせてもらって以来なので、まる4年プレイしていることになります。こういうリブート怪獣が出てきたことで、『ゴジバト』というコンテンツが、ゴジラというIPの中で、新たな魅力を発信していける場として機能していってほしいですね。
スーツや映画などで登場する怪獣たちは、その時点で確固たる存在ですが、ゲーム発のこういう怪獣たちは、もっとふわっとした生まれ方な気がします。ファンの方々が愛着を持ってプレイしていくことで、シリーズに定着していってくれるのかなと。そういうキャラクターだと思っているので、ぜひ一緒に育てていけたらとなと思います。
スーツや映画などで登場する怪獣たちは、その時点で確固たる存在ですが、ゲーム発のこういう怪獣たちは、もっとふわっとした生まれ方な気がします。ファンの方々が愛着を持ってプレイしていくことで、シリーズに定着していってくれるのかなと。そういうキャラクターだと思っているので、ぜひ一緒に育てていけたらとなと思います。
リブートモンスターズ設定画
2体のリブートモンスターズの設定画を公開。西川氏のこだわりが詰まった貴重なイラストとなっています。
ビオランテ・ハーベスト








デストロイア超ドラゴン体












