かつてフィーチャーフォンで配信されていたゲームアプリを、当時のまま忠実に再現してNintendo SwitchやSteamで遊べるようにする復刻プロジェクト“G-MODEアーカイブス”。その中でも、アトラスが手がけたタイトル群はひときわ異彩を放っています。

『真・女神転生(メガテン)』シリーズや『ペルソナ』シリーズといったビッグネームの外伝作品から、知る人ぞ知るシミュレーションRPGまで、配信済みラインナップはなんと全10タイトル。いずれもフィーチャーフォンでしか遊べなかった幻の作品ばかりで、これまでプレイする手段がなかったファンにとってはまさに朗報です。
本稿では、G-MODEアーカイブス+で配信中のアトラスタイトルをシリーズごとにまとめて紹介します。
さらに、配信決定が発表された最新作『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー A's TEST Server完全版』をひとあし先にプレイさせていただきましたので、最速レビューもあわせてお届けします!
G-MODEアーカイブス+って?
本プロジェクトは、ジー・モードが展開するフィーチャーフォンゲームの復刻企画です。ジー・モード自社の作品を復刻する“G-MODEアーカイブス”に加え、他メーカーのタイトルを復刻する“G-MODEアーカイブス+”というブランドも存在します。アトラスのタイトルは、このG-MODEアーカイブス+から配信されています。

フィーチャーフォン時代のゲームは、端末の世代交代やサービス終了とともに遊べなくなってしまったものがほとんど。とくにアトラスのタイトルは、携帯電話という限られた環境の中でも妥協なく作り込まれた良作ぞろいで、もう遊べないことを惜しむ声が多く聞かれていました。
それが今、現行ハードでいつでもプレイできるようになったのですから、本当にありがたい限りです。
それでは、G-MODEアーカイブス+のアトラスタイトルをシリーズごとに紹介します。
仲魔と旅するファンタジーな『メガテン』
最初に紹介するのは、『女神転生外伝 新約ラストバイブル』シリーズです。『新約ラストバイブル』、『新約ラストバイブルⅡ 始まりの福音』、『新約ラストバイブルⅢ 夢幻の英雄』の3部作で、いずれも2007年~2010年にかけてフィーチャーフォンで配信されたRPGです。
『女神転生外伝 ラストバイブル』シリーズは、同作のディープな世界観にファンタジーのテイストを加えた外伝的シリーズ。ゲームボーイやスーパーファミコンで展開されていましたが、“新約”はフィーチャーフォンのみで配信された完全オリジナル作品です。

第1作の舞台は、百年の周期で魔王が復活する悲劇の星“ガレリア”。主人公は救世主“ガイアマスター”の候補生として、仲魔を引き連れて世界を救う旅に出ます。

第2作『始まりの福音』は、疫病と魔獣がはびこる絶望の星“ホルス”が舞台。圧政を敷く狂王カインと、それに抗う聖王アベルというふたりの王が民に「福音の子 光と共に現れ 世界に変革をもたらすであろう」と宣言。この言葉が、ある少年の運命を動かすことに……。
シナリオのボリュームは前作の倍以上に増え、魔獣にアクセサリーを装備させるなどシステム面も大幅に進化しました。

完結編となる第3作『夢幻の英雄』の舞台は、かつて平和だったものの魔獣が現れ始めた惑星“ダミール”。魔獣の襲撃で人々が疲弊したとき、魔獣を引きつける謎の腕輪“COMP”と出会う主人公。自らの運命と向き合い、COMPの正体を知るために旅立ちます。3作とも単体で楽しめる独立したストーリーですが、続けてプレイするとより深く味わえる構成になっています。

敵として出現した魔獣と交渉する“仲魔システム”や“魔獣合体”などおなじみのシステムが搭載されており、ファンタジー色が強めながらも紛うことなき『メガテン』。フィーチャーフォン向けとは思えない濃密さで、コアなファンからの評価も非常に高いシリーズです。
『女神転生外伝 新約ラストバイブル』
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続いては、『ペルソナ』シリーズから2タイトル。『ペルソナ3 アイギス THE FIRST MISSION』と『女神異聞録ペルソナ 異空の塔編』です。

『アイギス THE FIRST MISSION』は、『ペルソナ3』に登場した人型兵器・アイギスが主人公の3DアクションRPGです。舞台は1999年の屋久島にある桐条エルゴノミクス研究所。

アイギスの機体番号“七式”の演習中にある事件が発生し、『ペルソナ3』本編では語られなかったアイギスの過去が明かされていきます。シリーズおなじみの“ペルソナ”システムも健在。アイギスを強化しながら、島に発生したシャドウと戦っていきます。

一方、『女神異聞録ペルソナ 異空の塔編』は、1996年にプレイステーションで発売された『女神異聞録ペルソナ』の外伝的作品。原作本編の事件を乗り越えた直後、暴走したシステムの影響で主人公たちは異空間に落ちてしまいます。

そこは悪魔が支配する世界。主人公たちは無事に元の世界へ戻ることができるのか……。PS版で好評だった“悪魔交渉”などのシステムを継承しつつ、本作独自のシステムも搭載。パーティが全滅すると所持金や所持アイテムをすべて失うスリリングな仕様で、『女神異聞録ペルソナ』の世界をまた違った角度から楽しめます。
どちらも本編ファンなら見逃せない、知られざる物語が詰まった作品です。
『ペルソナ3 アイギス THE FIRST MISSION』
マイニンテンドーストアページはこちら『女神異聞録ペルソナ 異空の塔編』
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『魔神転生 blind thinker』は、1994年にスーパーファミコンで発売されたシミュレーションRPG『魔神転生』シリーズの外伝にあたるタイトルです。

舞台は20XX年、新時代の象徴“NEO TOKYO”。失踪した父が残したリストモバイルにインストールされていた“悪魔召喚プログラム”を手に入れた主人公の物語が描かれます。
ゲームは“ストーリーパート”と“バトルパート”の2部構成で進行。バトルパートではシミュレーション形式の戦闘が展開されます。
敵ターンと味方ターンを繰り返し、移動して敵を攻撃するほか“悪魔召喚”、“悪魔交渉”、“悪魔合体”といったシリーズならではのコマンドが使用可能です。

本作の大きな魅力は、マルチシナリオを採用していること。ゲーム途中の選択によって展開が変わるため、遊ぶたびに新しい物語が楽しめます。
さらに、条件を満たすと隠されたシナリオもプレイ可能。独特のダークな世界観とやり応えのある難易度は、まさに『魔神転生』の血筋を感じさせるものです。
『魔神転生 blind thinker』
マイニンテンドーストアページはこちらヴァルハラに響く鎮魂歌『真・女神転生』
『真・女神転生』の名を冠するフィーチャーフォンオリジナル作品は、2本配信されています。『真・女神転生-20XX』と『真・女神転生 東京鎮魂歌』です。

『真・女神転生-20XX』は2004年にフィーチャーフォンで配信されたRPGで、『真・女神転生II』に登場する近未来都市“TOKYOミレニアム”内のヴァルハラ・エリアが舞台となっています。
幼少期の記憶がなく、ただ強さだけを追い求めているスラムの少年が主人公。悪魔を召喚する携帯端末“COMP”を手に入れ、悪魔のはびこるエリアへと足を踏み入れた主人公は、記憶を失った謎の少女と出会い……。

“仲魔システム”、“悪魔合体システム”はもちろん、フィーチャーフォンでは初の試みとなる“属性システム”も搭載。行動によって主人公の属性がLAW、CHAOS、NEUTRALに変化し、エンディングが分岐します。さらに本作独自の“剣合体”システムにより、悪魔と剣、あるいは剣と剣を合体させることも可能です。

一方、『真・女神転生 東京鎮魂歌』は2007年配信のオリジナルRPG。クリスマスイブに彼女とデート中だった主人公の携帯電話に、謎のファイル“D.I.O.System”が届きます。その直後、東京上空にミサイルが飛来し、街は一瞬にして崩壊。悪魔がはびこる世界で生き延びるサバイバルが始まります。

“悪魔交渉”、“悪魔合体”、“属性”といった王道システムに加え、過去に仲魔にした悪魔を再召喚できる“悪魔召喚”システムや、経験値を得て仲魔がレベルアップする育成要素も追加されています。
2本ともフィーチャーフォン専用作品でありながら、『真・女神転生』の世界にズブッと踏み込める良作です。
『真・女神転生-20XX』
マイニンテンドーストアページはこちら『真・女神転生 東京鎮魂歌』
マイニンテンドーストアページはこちら『ステラデウス』の戦闘のおもしろさを知るきっかけとなる作品
最後に紹介するのは、『ステラデウス』シリーズの2タイトル。『ステラデウス 漆黒の精霊』と『ステラデウス 錬金術の時間』。

原作の『ステラデウス』は、2004年にプレイステーション2で発売されたシミュレーションRPGです。

フィーチャーフォン版の『漆黒の精霊』は、原作でキャラクター育成の場として用意されていた“試練の洞窟”にスポットを当て、戦闘のおもしろさを凝縮した作品。完全オリジナルシナリオで全50ステージが楽しめます。AP(アクションポイント)を使用して行動を選択し、戦略的に敵のせん滅を目指します。

続編の『錬金術の時間』は、『漆黒の精霊』の後日から物語がスタート。こちらも完全オリジナルシナリオの全50ステージ構成です。

本作では、原作で好評だったふたつの戦闘システムを搭載。“RAPシステム”は、戦闘中の行動が他のキャラクターのターンや行動順に影響を与える仕組みで、先を読んだ立ち回りが求められます。
もうひとつは“EZシステム”。キャラクターの周囲に“エフェクティブゾーン”と呼ばれる効果範囲が発生し、その範囲内にいる味方にはプラス効果や連携技が発動するというもの。味方の配置がそのまま戦略になる、奥深いバトルが楽しめます。
『ステラデウス 漆黒の精霊』
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眠れる名作、いよいよ浮上!
ここまで、G-MODEアーカイブス+で配信中のアトラスタイトル10作を紹介してきました。ですが……これだけでは終わりません。新たなアトラスタイトルの復刻が発表されているのです!

そのタイトルは、『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー A's TEST Server完全版』。2004年にプレイステーション2で発売された『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー』をベースに、2007年にフィーチャーフォン向けに配信された完全オリジナルのRPGです。Nintendo SwitchとSteamでの配信が決定しており、配信日は続報待ちとなっています。

原作『アバタール・チューナー』は、人が悪魔に変身して互いを喰らい合うという衝撃的な世界観で話題を呼んだ作品。本作はその世界観を継承しつつ、3Dグラフィックを再現したビジュアルと書き下ろしのオリジナルシナリオで物語が展開します。
今回、配信に先駆けてプレイする機会をいただきましたので、序盤のレビューをお届けします!
喰らわなければ生き残れない
物語は、記憶を失った主人公が見知らぬ場所で目を覚ますところから始まります。近くでは少女が暴漢に襲われており、助けようとした主人公の体は突如変化。悪魔のような姿に変身して敵を倒します。

しかし、戦闘が終わっても“飢え”がおさまらず、助けたはずの少女にまで襲いかかりそうになります。悪魔化のリアルを突きつけられているような場面ですね……。

しかし、少女が唄い始めると不思議なことに主人公は正気を取り戻します。ここで互いの名前が判明。主人公はサーフ、少女の名はセラ。セラもまた名前以外の記憶がなく、気が付いたらこの建物にいたと言います。
自分たちがなぜここにいるのか、記憶を失った原因は何なのか。ふたりは答えを求めて行動をともにし、建物からの脱出を目指すことになりました。


窓の外にはビルが建ち並ぶ現代的な風景が広がっているものの、状況や世界観はまだ見えてきません。襲い来る悪魔と戦いつつ先へ進むと、建物内にはふたり以外にも人がいることがわかります。
同じように迷っている者や、情報を教えてくれる者……さまざまな出会いがあります。ますます、ここがどんな建物なのか……謎です。

途中で出会うアルジラという不思議な女性からは、一番上まで登らないと脱出できないという情報を得ます。さらに、あたり一帯を仕切っているミックという人物が、上へ向かう者の邪魔をしているとのこと。
サーフは悪魔化する力でなんとか敵を退けていますが、アルジラはどれほど苦戦してもかたくなに悪魔化を拒んでいます。事情は不明ですが、悪魔に変身して戦うことへの嫌悪感が、彼女の言動からひしひしと伝わってきました。

先へ進み、邪魔をしてきたミックの部下を倒して話を聞き出すと、衝撃の事実が判明します。ミックは、アルジラが悪魔化を拒んでいることにつけ込み、悪魔化抑制剤があるという嘘を吹き込んでいたのです。
嘘を信じたアルジラは、ミックらの思惑通りに建物の中を突き進んでいると思われます。

サーフとセラは、アルジラをミックから救い出すことができるのか。そして、彼らはなぜこの状況に置かれているのか……。冒頭から引き込まれる展開が続きます。
属性を突けば道は開ける
バトルは、敵と交互に行動するターン制。本作の核となるのは、原作から継承された“プレスターンバトル”です。敵の弱点属性を突く、もしくは攻撃がクリティカルになると連続行動が可能になるシステムで、『真・女神転生IV』の“ニヤリ”に近い感覚と言えばピンとくる方も多いのではないでしょうか。

逆に、敵の攻撃がクリティカルだった場合には敵側が連続行動してくるため、一気に体勢を崩されかねません。属性の把握とHP管理、このふたつが攻略のカギを握ります。


戦闘技能の習得には“マントラ”というシステムを使います。建物内に点在する赤い“小カルマ端末”からマントラを取得し、サーフにセットしておくと、バトルで得られるAPがたまっていく仕組みです。
たとえば“炎魔曼斗羅”からは火炎魔法スキル、“護法曼斗羅”からは回復魔法スキルが習得可能。マントラがMAXになるとAPが取得できなくなるため、こまめなつけかえが重要です。

とくに優先して習得したいのが“デビルアナライズ”。敵の弱点属性を把握できるこのスキルがあるとないとでは、バトルの効率がまるで変わってきます。
弱点を突いて連続行動を重ねる快感と、逆に敵に弱点を突かれたときの緊張感。ほどよい難易度のヒリヒリ感と達成感が同居する、アトラスらしいバトルが楽しめます。
とにかくマップを埋めたい!
探索面では、一度通った場所のマップが自動的に描かれていくオートマッピングシステムが搭載されています。フィーチャーフォン向けRPGでありながら、3Dダンジョン探索の醍醐味がしっかり味わえるのはうれしいところ。
アトラスファンの中には、すみずみまで探索する地図埋め好きな方が多いのではないでしょうか。
アトラスファンの中には、すみずみまで探索する地図埋め好きな方が多いのではないでしょうか。


マントラから習得したスキルは“セット”しておくことで戦闘中に使用でき、一部は移動中にも使えます。ただし、セット数には限りがあるので、フロアに多く出現する敵の弱点属性に合わせてまめに付け替えるのがおすすめ。この手間がまた楽しいんですよね。限られた手札でどう攻略するか、頭を使うおもしろさがあります。

悪魔に変身して喰らい、唄で正気を保ち、塔を登る。『アバタール・チューナー』ならではの独特の世界観が、フィーチャーフォンの小さな画面の中にもしっかりと息づいています。配信日の発表が待ち遠しい1本です。
すべてのアトラスファンへ
以上、G-MODEアーカイブス+で配信中のアトラスタイトル10作と、配信予定の注目タイトル『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー A's TEST Server完全版』を紹介しました。
配信中の10タイトルはいずれも1,800円(税込)。Steamでは10タイトルをまとめたバンドル『「G-MODEアーカイブス+」ATLUSコレクション』も販売されています。
小さな携帯電話の中に詰め込まれたゲームが、画面が大きくなっても変わらず楽しいのがすごい。
『メガテン』ファン、『ペルソナ』ファン、そしてアトラスのゲームが好きなすべての方に、ぜひ手に取っていただきたいラインナップです。ガラケーがなくなるとともに一度は失われてしまった名作を、今こそ体験してみてはいかがでしょうか。
配信中の10タイトルはいずれも1,800円(税込)。Steamでは10タイトルをまとめたバンドル『「G-MODEアーカイブス+」ATLUSコレクション』も販売されています。
小さな携帯電話の中に詰め込まれたゲームが、画面が大きくなっても変わらず楽しいのがすごい。
『メガテン』ファン、『ペルソナ』ファン、そしてアトラスのゲームが好きなすべての方に、ぜひ手に取っていただきたいラインナップです。ガラケーがなくなるとともに一度は失われてしまった名作を、今こそ体験してみてはいかがでしょうか。