電撃オンライン

『プラグマタ(PRAGMATA)』レビュー:忙しい展開がクセになる考えられた戦略性。ディアナちゃんの無垢さに庇護欲爆発!?

文:電撃オンライン

公開日時:

最終更新:

 カプコンより4月17日に発売予定のPlayStation 5、Xbox Series X|S、PC(Steam)、Nintendo Switch 2用ソフト『プラグマタ(PRAGMATA)』。おじさんと謎の少女が織りなす完全新作SFアクションアドベンチャーのレビューをお届けします。

未知の素材で構成された3Dプリンター技術が発展した近未来SF【プラグマタ(PRAGMATA)レビュー】


 本作は近未来の月面を舞台にした世界観と、子どもがちょっとニガテなおじさんと正体不明の高性能金髪少女型アンドロイドの奇妙なバディで展開するTPSタイトル。


 物語は月面基地の異常を調査しに来たヒュー・ウィリアムズたち調査隊が、月震と呼ばれる月で起こる地震によって部隊がバラバラになり、ヒュー自身も重症を負うところから始まります。そんな彼を助けたのが、宇宙服なしでは活動できないヒューとは真逆で、長い金髪をなびかせ裸足で基地内を歩き回る少女・ディアナでした。


 ディアナはかなり高性能のアンドロイドのようで、基地内を徘徊する敵アンドロイド"ボット"をハッキングすることで弱体化することができます。さらに、周辺のスキャンやデータの読み取り、施設や装置へのアクセスなど"ボット"とは一線を画す力でヒューを助けてくれます。


 ただ、そんな高性能さとは裏腹に見た目と言動はまんま小学校低学年の女の子。"ボット"が無機質、無表情なロボットということもあり、表情豊かで無垢な、それこそ小学生らしい「なんで?」「どうして?」が次々と湧いてくるような姿と高性能アンドロイドというギャップが非常に面白い! 異常事態の起きている月での目的も忘れ、ディアナちゃんをどこか愛でたくなる雰囲気が終始ありました。彼女のために頑張ろう! というやる気。そして庇護してあげたくなる親心。ま、性能的にはヒューがディアナちゃんに守られる側なんですけどね。


 ちなみに、本作には"ルナフィラメント"と呼ばれる物質を使った高性能3Dプリンターが当たり前に存在しており、地球製のさまざまなものが"ルナフィラメント"を介して再現されているのもユニーク。建物やツールをはじめ、植物や食べ物まで再現できるようで、月にいることも忘れてしまうほどさまざまなシチュエーションに遭遇しました。


 無機質な施設内だけではなく、再現されたタイムズ・スクエアや森林を冒険できるので次のエリアがどんなところかの楽しみもありましたね。その中でも細かい再現だなと思ったのが、プリンターの生成エラーでズレの生じたものの数々。そういえば月でなんらかの異常事態が起きていたから調査に来たということを思い出させるような異常性の表現としてかなり好きです。


 またエリアの至るところで職員が残したログを見ることができます。それを読み込んでいくと「ルナフィラメントで作られた食べ物は美味しいけど、味に深みがない」的なことが書かれていたりして、便利な代物だけど隙があるところにリアリティを感じる点も、新作タイトルながら作り込まれてるなぁと感じました。

忙しから楽しい!! どの敵からハッキングするかが重要となる抜群の戦略性【プラグマタ(PRAGMATA)レビュー】


 本作の要でもあるアクション体験は、ありそうでなかったシューティング×パズルとなっており、敵に大ダメージを与えるにはハッキングが必須というルールが存在しています。正確には敵に照準を合わせると"ハッキングパネル"が開き、緑色のパネルに向かって一筆書きでマスを進めることで敵の装甲が開き、弱点に攻撃が通りやすくなるという流れ。


 このハッキングには敵の装甲を開かせる以外にも、飛んでくるミサイルをハッキングすればそのまま返したり、特別なノードを通過してゴールに到達すれば敵の防御力が下がったり、スタンしたり混乱したりと、状態異常を引き起こすトリガーになっているのもポイント。とくに状態異常を発生させる"ハッキングノード"は戦略性にかなり奥行きがある印象で、いろいろな攻略法が考えられていて楽しい要素でした。


 最初はハッキングの解き方に手間取りましたが、すぐに慣れていきます。ですが、慣れてきた頃には敵が当たり前のように複数になっていき……。"ハッキングパネル"の形も敵によって変わるし、敵もジャミングで簡単には解かせないように小細工してきたり。進めば進むほど戦況がたいへんになるのですが、この絶妙な忙しさがとんでもなく楽しい!!


 正面突破で敵を倒してもいいのですが「どの敵からハッキングすれば楽になるのか」を瞬時に考えながらパズルを解いて、次の敵を確認して撃って避けてと戦ってる瞬間がものすごく充実しているというか。“困難な状況を頑張ってるオレ!感”があって気持ちいいんですよね。

 また、そんな忙しさを予期してかディアナちゃんが敵の行動に対して「ジャンプして!」とか「ミサイル来るよ!」と随時教えてくれるんですよね。視覚情報はもちろん、音声情報もかなり助かりますし、重要なんだなって改めて思いました。あと何より可愛いです、声が。


 ヒュー自身は、自動給弾機能付きのハンドガンや範囲内の敵の動きをスタンさせる武器、ショットガンのように至近距離で絶大な破壊力を持つ武器など、さまざまな射撃武器を装備できます。ただ、装備がスロット制でカテゴリ別になっており、例えばショットガンだけをたくさん携行する、ということはできません。また装弾数も3発や5発と少なめなので、基本的にハンドガン以外は使い捨てで戦うゲーム性となっています。


 要するに弾を拾うサバイバル系ではなく、持っている武器をどんどん使い捨てて全力でエリアを突破するような感覚。この、残弾数が決まっている武器の使い方とハッキングによる手順や戦略性も相まって、「どの敵からハッキングをして、最適な武器を選択していくか」の思考プロセスの楽しさが本作ならではの体験だったなと思います。


 とくにボス戦は単純にハッキングして弱点を狙うだけでなく、ちょっとしたギミックを解くことも必要になるので、一筋縄では行かない感じがまた楽しませてくれます。そのギミックがだんだんとレベルアップしていきますし、思いがけない武器が有効だったりするのもポイント。いろいろと試す楽しみがありますし、答えが1つではないためやり応えを感じましたね。

地球の記録で成長していくディアナを見守れる拠点【プラグマタ(PRAGMATA)レビュー】


 基本的には、各エリアの最奥にはボスがいて、撃破すると次のエリアに行ける流れ。基地内には拠点と呼ばれるセーフゾーンもあり、ここではスーツやハンドガン、ディアナの性能を強化できる要素や集めた"ルナフィラメント"を消費して武器や新しい"ハッキングノード"を生成したりとステータス強化やカスタマイズが行えます。


 前述の通り武器は使い捨てで、エリア内で拾うのが基本ですが、生成した武器は拠点で装備してからエリア探索に向かうことが可能になります。また各エリアには"エスケープハッチ"という拠点直結のファストトラベルがあるので、武器がなくなったらいったん拠点に戻って装備を整えてから再探索。という流れがだんだんとできてきて、最初から全力で戦えるようになるのもポイントです。


 また、各エリアには地球の遊び場や施設などを再現した"リードアースメモリ"というアイテムが存在し、滑り台や風船などで拠点が飾られていきます。これが、このアイテムでディアナちゃんが喜ぶ喜ぶ! 高性能アンドロイドだけど中身は本当に小学生のようで、純粋に楽しむ様子に思わず笑みがこぼれちゃいます。もはやこの姿が見たいがために"リードアースメモリ"を集める意欲が湧くほど。


 ちなみに拠点ではディアナちゃんと会話できますが、かなりパターンが多く、さらにエリアの探索度や物語が進むごとに会話も増えていくのでちょこちょこ帰って会話するだけでも楽しいです。おまけに仲良くなるとお絵描きをプレゼントしてくれたりする健気な姿も見られるので、なんかもうがっつり感情移入しちゃって最後どうなっても泣く姿しか想像できなくなります。


 なんならハッキングに失敗してディアナちゃんが一瞬だけ感電してる素振りを見るだけでも、強い罪悪感に苛まれます。それほどまでに可愛らしく無邪気なディアナちゃんに心奪われるゲームでもあるのです。

 最初は人型"ボット"ばかりだったのに、だんだんとドローンタイプや重装甲型、そしてステルスを持つものまで幅広い種類の敵が登場。もちろん、ハッキングを解くパターンもさまざまでずっと楽しませてくれます。敵にパズルのようなハッキングを仕掛ける新たな体験と、限られた武器を駆使する戦略性が合わさった『プラグマタ(PRAGMATA)』。


 ひげもじゃのおじさんと可愛らしい少女のギャップ満載のタッグが月でどうなるのか。ぜひその目で確認してください。

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この記事を共有

公式SNS