三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。
何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ……」と愕然とするような記憶が残りがちでして。
そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、2007年にPC向けに公開された見下ろし型シューティングゲーム『Bloodmasters』になります。
何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ……」と愕然とするような記憶が残りがちでして。
そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、2007年にPC向けに公開された見下ろし型シューティングゲーム『Bloodmasters』になります。
思い出コラムを読む“ゲーム”という概念すら知らないままプレイ。初めてのシューティングは、ひたすら落下し続けるだけだった
自分が初めて触ったPCゲームとして、今でも記憶に残り続けている作品があります。それが、この『Bloodmasters』でした。
本作は、プレイヤー同士が撃ち合う見下ろし型のシューティングゲーム。私がプレイしていたのは、自分以外が全員敵で、倒されてもすぐにリスポーンできる、カジュアルなモードです。
今思えば、チーム戦ではなかったのは本当に幸いでした。
当時の私は4歳。”ゲーム”という概念すら、まだよく分かっていません。
きっかけは父のPC。父が離席している間に、プレイ中だったPCゲームをこっそり触ったのが始まりです。
敵に倒されると負けることも、落下するとやられてしまうことも分からない私は、あろうことか、いきなりプレイヤーのいる戦場へ向かいました。
当然、まともに操作できるはずがありません。4歳児にPvPの戦場は、当たり前に厳しすぎる!
今ではPCゲームを遊ぶうえで、WASD移動はかなり基本的な操作。しかし当時初めてPCを触った私は、キーボードの左側にあるキーでキャラクターを動かすという発想すらありませんでした。
移動っぽく見える矢印キーを押してみたり、父の見よう見まねでマウスを動かしてみたり、手当たり次第にキーを叩いてみたり。しばらくは、その場でマウスを振り回しているだけだった気がします。
本来は敵と撃ち合うゲームのはずなのに、それ以前にまともに歩けない。リスポーンするたびに、まっすぐステージ外の奈落へ進んで、そのまま落下する。また復活しても、意図しない方向へ進んで落ちる。
それでも、不思議と退屈ではありませんでした。
マウスを動かすと向きが変わることも、キーを押すとキャラクターが動くことも、当時はまだいまいち分かっていませんでした。敵を倒せたわけでも、ルールを理解していたわけでもありません。ただ、手元で何かをすると画面の中でも何かが起きる。それだけで、当時の私には十分すぎるほど面白かったのでしょう。
そんなふうに、ほとんどゲームプレイになっていない状態で遊んでいるところを、父に見つかりました。普通ならやめさせられるところだと思います。
しかし父は、注意するどころか、むしろ嬉しそうにしていました。そのまま、マウスの動かし方や、キーボードでキャラクターを動かす方法を教えてくれたことを覚えています。
最初は奈落に落ち続けるだけでしたが、父は私と一緒に遊べることを喜び、おさがりのパソコンとアカウントまで用意してくれました。
それからは毎日父と遊びながら操作を覚え、少しずつ他プレイヤーも倒せるように! 海外のプレイヤーから、ここではちょっと書きづらいようなリアクションがチャットで飛んでくる程度にはなりました。
チーム戦ではなくて本当によかった。落下しては復活し、また落ちる。その失敗を、誰かに迷惑をかけずに何度も繰り返せたんですよね。
初めてのゲームで強く残っている思い出が、敵を倒したことではなく、ひたすら奈落へ落ち続けたことだった。ゲーマーの原体験としては、かなり不格好だったと思います。
けれど、何も分からないまま触って、失敗して、すぐに復活して、また試してみる。その繰り返しの中で、私は”自分の操作でゲームが動く”楽しさを知ったのだと思います。
『Bloodmasters』で落ち続けた時間は、ゲームとしては失敗の連続でした。けれど私にとっては、PCゲームにハマる入口として、妙にはっきり覚えています。