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ドラマ『アンチヒーロー』3話感想と考察。国会議員の息子が起こした傷害事件で被告を断罪する明墨。彼は本当は“ヒーロー”?(ネタバレあり)

文:電撃オンライン

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 TBS系列にて毎週日曜日21時より放送中のドラマ『アンチヒーロー』の感想と考察を紹介します。

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“アンチ”な弁護士は正義か悪か――!?


 有罪率99.9%と言われる日本の刑事裁判において、たとえ犯罪者である証拠が100%揃っていても、無罪を勝ち取る“アンチ”な弁護士の活躍を描いた『アンチヒーロー』。

 長谷川博己が演じる本作の主人公は、まさにヒーローとは言い難い、“殺人犯をも無罪にしてしまう”限りなくダークで危険な人物。

 そんな彼を通し、“正義とは何か?” “世の中の悪とされていることは、本当に悪いことなのか?”を問いかける本作。

 スピーディーに展開する逆転リーガルエンターテインメントがいよいよ放送開始。事前情報のほとんどない状態で始まった物語の感想を、今後の考察も含めで紹介していきます。

『アンチヒーロー』第3話 感想

新たな事件に挑む明墨たち


 前回、町工場で起きた殺人事件を担当し、検察側が示した証拠を覆したことで、見事無罪を勝ち取った明墨たち。

 しかし、無罪にした緋山は、やはり殺人を犯している可能性が高いことがわかり、同じ事務所の赤嶺は、明墨のやり方に対して疑問を持つようになります。

 殺人犯を無罪にしてしまう明墨は、弁護士として規格外の有能さを持つということでもあります。勝つためには、グレーなことも平気でやるということもわかりました。

 一方で赤嶺はそうしたやり方に反発しています。2人は同じ事務所の弁護士ながら、対立する関係となっていくのでしょうか。

 そして今回描かれるのは、国会議員の息子が起こした傷害事件。その調査を進めるうちに、赤嶺は被告の富田が最初から犯人だと決めつけてかかります。

 というのも、以前に富田は同じような事件を起こしており、父親がお金で事件をもみ消していたのです。そのとき、冤罪をきせられた男性の弁護をしていたのが、赤嶺だったのです。

 しかも富田の父親の圧力で、彼は事務所を辞めさせられていました。彼は今も、冤罪となった男性の再審を諦めていません。

決定的証拠のドライブレコーダーの行方


 今回も、父親がお金で目撃者を買収し、ウソの証言を行った。そう確信して調査する赤嶺は、事件当日、付近にパイプ工事の作業車が停まっていたことを見つけ、その車両のドライブレコーダーにたどり着きます。

 しかしそのドライブレコーダーは、明墨によって回収されたあとでした。やはり明墨の方が一枚上手なんですね。このことを明墨に詰め寄りますが、明墨はあっさりその映像を見せてくれるのでした。

 しかしそこには、赤嶺が期待していた証拠は映っていませんでした。明墨は、第一発見者が真犯人であるという推理を赤嶺に聞かせ、最初から富田を犯人と決めつけていた彼を責めます。

 初っ端から敵対している感じの2人ですが、この人間関係は面白いですね。かなりギクシャクしている感じが出ていて、ドキドキします。まだ、どちらが正しいかわからないもどかしさも心地いい。

 ただ明墨の第一発見者真犯人説は、辻褄はあっているように思えます。なんとなく、彼は本当に犯人ではない流れですが、ミスリード感がプンプンしますね(笑)。しかし今回は暴行なので、毎回殺人犯を無罪にするというわけではなさそう。

裁判での痛快な逆転劇


 そして裁判では、件のドライブレコーダーが、検察側の証拠として提出されます。その映像は、なんと、富田の犯行の可能性を示すものでした。赤嶺が事務所で見ていた映像と違っていたのです。

 これで一気に富田が犯人である可能性が高くなりました。そしてここでさらに、決定的な証拠映像が出て、いよいよ富田が犯人で間違いないという流れに。

 弁護士側としては負け濃厚ですが、明墨はオーバーな演技のあと、彼が犯人であるという可能性を示唆し、弁護を降りるとまでいうのでした。

 この2つ目の決定的証拠は、なかなか痛快でした。これを出されたら、もう言い逃れできないというもので、しかもその映像が撮られるよう、裏で手引きしていたのが明墨だったのです。ここは明墨の狡猾さや用意周到さがよくわかる場面でした。ついでに、“本当はいい奴”の可能性もでてきましたね。

 長谷川博己さんの負け濃厚の表情も良かった! 演技の下手な人の演技をする演技が上手い(笑)。

 ちなみに赤嶺が事務所で見た映像は偽物だったのですが、それをわざわざ赤嶺に見せた理由は何だったのでしょうか。やはり彼の暴走を止めるためだったのですかね。

『アンチヒーロー』第3話 考察


 前回とは異なり、今回は犯人を無罪にするのではなく、ちゃんと有罪に導きました。ついでに国会議員のである彼の父親の罪も暴きました。

 それは赤嶺の思った通りだったのですが、彼は最初から決めつけて動いていたので、それを諫めるため、明墨は証拠の映像の加工を行ったのかもですね。

 ちゃんとクロをクロとしたことで、またわからなくなってきました。本当は“アンチヒーロー”ではなく、正しい判断ができる人なのではないかと。

 そうなると、前回無罪にした緋山も、実は本当に無罪という可能性もでてきました。公式サイトの人物紹介でもほかのゲストとは明らかに格上扱い(ここから推測するのはちょっと反則ですが)なので、今後また出てきそうです。

 また、明墨が以前は検事だったことも判明。獄中にいる男性との関係は、弁護士としてではなく、検事として関係した人だったのかも知れません。

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