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『終末トレインどこへいく?』6話ネタバレあり感想。実はかわいいだけじゃなかったポチさんの活躍にびっくり。ついに静留と葉香の喧嘩別れの原因も明らかに

文:米澤崇史

公開日時:

最終更新:

 2024年5月6日(月)に放送されたTVアニメ『終末トレインどこへいく?』6話“そんなにひどいこと言ったかな”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『終末トレインどこへいく?』6話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。 [IMAGE]

小学生時代と正反対になった静留には大きな挫折の経験がありそう【終末トレインどこへいく? 6話】

 いままで恒例だった、アバンでの過去回想なしでスタートした第6話。吾野を出て結構な距離を旅してきたので大分今更感もありますが、これまで一緒に旅をしてきた電車が"アポジー号”と命名されるという一幕もありました。

 同時に、実は葉香が宇宙に詳しかったという意外な情報から、今まであまり気にされていなかった「なぜ一人で池袋に行ったのか」という疑問が、撫子たち3人の間で再び湧き上がることに。

 どうにか誤魔化そうとする静留でしたが、撫子の迫力の前に根負けし、今まで回想シーンにも出てきていた、静留と葉香の最後のやりとりがついに明かされました。個人的に、5話のボスとの会話から葉香のしたいことに対して静留が否定的なことを言ってしまったんだろうな……という予想していて、内容的にはほぼ的中という感じでした。


 宇宙に関係した仕事がしたいと打ち明ける割に、そこに至るまでの具体的なビジョンがほとんど考えられていなかったり、葉香の認識がかなり甘そうだったので、現実的な視点で物言いたくなってしまう静留の気持ちはある程度分かります。これが小学生ならともかく、静留も葉香ももう高校生なので、将来の進路を真剣に考えないといけない時期ですしね。

 とはいいつつ、最初はちゃんとブレーキを掛けながら喋っていたのに、話している内に止まらなくなり、葉香の夢を全否定してしまう言い方をしたり、明らかにショックを受けた様子の葉香にさらに追い打ちをかけるなど、「静留ちゃんが悪いと思う」という玲奈の感想は至極もっともだと思います。


 一方、その後撫子たちと口論になって電車を飛び出すくだりで、2話でもあった撫子たちとの喧嘩や今回の葉香との回想しかり、静留ってかなり頭に血が上りやすく、その上勢いで行動しちゃうタイプなんだな……という印象を受けました。

 ただ、これは本人もまだ気づいてないんじゃないかと思いますが、あそこまで強く葉香の夢を否定したのは、きっと彼女と離れたくないという気持ちがあったんだと思うんですよね。子供っぽいところは多いけど、一つ一つの行動の理由は結構しっかりと理解できるキャラクターでもあると感じました。

 やたらと自分や葉香が“普通”であることを強調していたのは少し引っかかったところ。回想シーンの感じだと、小学生時代の静留は自信満々でその気になれば何でもできるって感じのことを言っていたにも関わらずあの発言でしたから、静留の中で一度何か大きな挫折の経験があったんじゃないかという気がしています。

まさかの本物のゾンビが登場。断片的な池袋の情報が気になる【終末トレインどこへいく? 6話】

 勢いのまま電車を飛び出した静留でしたが、しばらくして頭が冷えたのか、結構あっさりと戻る決意を固めますが、案の定道に迷ってしまいました。東吾野のキノコ人間の回がほぼゾンビパニック展開だったので、まさかここにきて本当のゾンビそのものが出てくるのは予想外でしたね。

 しかし静留がある程度ゾンビと戦えるのはともかく、ゾンビに容赦なく襲いかかるポチさんは今まで完全な癒やし存在だった分ギャップがありすぎました。最初の嘔吐も含め、何かの影響を受けて普段より凶暴になっているそうなんですが、それが一帯のゾンビの誕生にも繋がっているんでしょうか。


 一方の撫子たちは、久しぶりに黒豹キャラバンのお兄さんと再会を果たします。ここ数話で7G事件以降の世界がいかにヤバいかが見え始めてきたので、キャラバンの物々しい武装にもちょっと納得。ここに来るまでにも何かに襲われたのか、側面に矢のようなものが大量に刺さりっぱなしになっているのが恐ろしいですね……。

 池袋についての噂では、「引き伸ばされて看板にされる」「茶碗蒸しにされて蒸される」など、気になるワードも飛び出していました。また、スワン仙人がいっていた西武池袋線の沿線以外のエリアがないという話も、あながち間違いではないという可能性も出てきました。逆に、スワン仙人はなぜそれを知っていたのかという疑問も出てきますが。

 静留がゾンビになった可能性に怯える玲美と撫子と晶とのやりとりは、最初何を話しているのか謎でしたが、次第に「何があっても友達でいられるのか」という静留と葉香の話にシフトしていったことで納得。喧嘩別れしてしまったあの二人を助けるという方向性で3人が一致団結したので、あとは静留さえ覚悟を決めてくれれば、葉香に会うための準備が整うような気がします。


 一方、ゾンビに捕らえられてしまった静留は、渡りゾンビたちの女王を名乗る黒木と出会います。西武池袋線の沿線の土地にしか行けないのなら、ゾンビが腐らないように移動してもあんまり気候は変わらない気もするんですが、それも7G事件の影響で各地の気候差も大きくなっているんでしょうか。ポチさんがゾンビの腕を食べなかったのはちょっと安心です(その前にゾンビを頭だけにしていましたけど)。

 なお、今回は駅に着かなかったので正確な位置が分からなかったんですが、水島監督によると5話の稲荷山公園駅から武蔵藤沢、狭山ヶ丘、小手指、西所沢、所沢と一気に進み、その次である秋津駅と清瀬駅の間の位置くらいには到着しているようです(静留がゾンビに向けて言った「清瀬のもんか」も、地元の人間かどうかの問いだったんでしょう)。


 アニメの話数もちょうど折り返しですが、物理的な距離も折り返しくらいの位置に差し掛かっているようで、少しずつ旅の終わりも見え初めてきた寂しさもありますね。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース

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