2024年5月27日にサービス終了を迎えた全方位にハマる! ギリギリアクションRPG『キュービックスターズ(キュビスタ)』。そのメインストーリー集をお届けします。
この記事では、第五章“天界の惑星”8話“第三の厄災”~“片翼の双子たち”を掲載します。
この記事では、第五章“天界の惑星”8話“第三の厄災”~“片翼の双子たち”を掲載します。
第五章 天界の惑星 8話
8話 第三の厄災
ホームズ:……さて。一応聞いておくけれども、この現象はここらへんの地域では普通のことだったりするのかい?
メタトロン:全然まったく、そんなことはないなの。
ホームズ:空間の歪みか何かだろうか。光が屈折しているように見えるね。端が見えないから、かなり大きな壁に見えるけど。
サンダルフォン:うーん……。厄災が関係してそうではあるんだけど……。
ホームズ:悩んでいる時間もないことだし、実際に調べてみるとしよう。異論はあるかい?
メタトロン:賛成。中に入るなの。
サンダルフォン:あっ! 待ってメタお姉ちゃん! 一緒に行こ!
ホームズ:この壁は、触っても特に感触がないみたいだね……。中はどうなっているのかな?
ホームズ:……なるほど。中は真っ暗だ。おそらく外からの光を遮断しているのかな?
ホームズ:二人とも! 周囲の様子は……。
ホームズ:……おや? メタトロン? サンダルフォン?
ホームズ:……返事がない。ふむ。この状況は……。
ホームズ:どうやら、新たな難事件に遭遇してしまったようだね。
サンダルフォン:くぅっ……!?
???:はぁー……。そんな逃げ回らないで欲しいんですけど……。
???:絶対に逃がさないよ。
サンダルフォン:あなたたち……いったい……!
???:シェリダー様の白き翼……ラフライフ。
???:同じく、シェリダー様の黒翼、バラチアル!
サンダルフォン:天使と悪魔……!? どうして……!
ラフライフ:……はぁ。あなたたちっていつもそう。見た目や生まれで判断して……ヘラっちゃうんですけど。
バラチアル:可哀想なラフ姉……。大丈夫だよ、ラフ姉を傷つける者は、ボクがみんなやっつけちゃうから。
サンダルフォン:ぐっ……! この子たち……強い!
暗闇の中の希望
ホームズ:薄暗くはあるものの、足元が見えないほどではないね。……そしてさきほどからの地形の連続……。
ホームズ:どうやら物理法則が歪められているようだ。……とはいえ、私の推理が正しければもうそろそろ……。
???:あなた……何者!?
ホームズ:おや? その姿は……。
???:この空間を作り出したのは、あなた……ではなさそうね。それにしては落ち着いているようだけど……。
ホームズ:……背中に羽を持ち、この状況に困惑している。こちらを発見しても、すぐに攻撃してくるわけでもない。つまり……。
ホームズ:君がウリエルだね? はじめまして。私の名はホームズ。探偵だ。メタトロンとサンダルフォンの双子から君の事は聞いているよ。
ウリエル:探偵……?
ホームズ:ああ、気にしなくていい。挨拶はあとにしよう。私の予想だと、君が健在ということは、あの二人の方が窮地に陥っている可能性があるからね。
ウリエル:メタトロンとサンダルフォンに何かあったの……!?
ホームズ:あくまでも可能性があるというだけだよ。この状況を打開する為に、もう少し詳しく周囲の状況が知りたい。君は、明かりとか持ってないかな?
ウリエル:明かり……? こんな風に、光で辺りを照らす事ならできるけど……。
ホームズ:へぇ、素晴らしい。
ホームズ:……なるほど。君はちょっとここで待っていてくれ。
ウリエル:は、はぁ……。
ウリエル:……変わった人ね……。
ホームズ:――よし! 推理通りだ!
ウリエル:えっ!? ど、どうして行った方向と逆側から!?
ホームズ:その説明は少し長くなるね。この辺の景色はループしているようだからここまで歩幅で距離を測ったりして正確な位置関係を計測してたんだ。
ウリエル:景色が……ループ……?
ホームズ:そう。おそらく今は敵の術中だ。入り口となるこの空間の最端と、敵が守る厄災の中心部を守るように、二重の空間を歪める障壁が発生している。それによって私たちはここに閉じ込められているんだ。
ホームズ:そして詳細は省略するが外からの見え方から障壁は球状と予測できる。ということは、空間の内側で発生するループポイントも内円の円周上の出来事と考えるのが合理的だ。敵の目的としてもね。
ウリエル:えっ……と……?
ホームズ:あとは簡単さ。 仲間が無作為に動くと仮定した場合は障壁上で停滞している可能性が高いから、任意のポイントを二箇所抽出して距離と角度からラジアンを算出すればその円弧をなぞる事により――。
ウリエル:――ちょっ、ちょっと待って!? もう少しわかりやすく教えてくれると助かるんだけど……!
ホームズ:ああ、すまない。 そうだね……簡潔に言うと……。
ホームズ:――謎はすべて解けた、という事だよ。
ラフライフとバラチアル
サンダルフォン:うぐっ……!!
ラフライフ:もう降参? ……見逃してなんてあげないけど。
バラチアル:悪いやつはやっつけないとね!
サンダルフォン:どうして……こんなことを……! クリフォトが復活したら、世界は……!
ラフライフ:滅んだら……なんだって言うの?
サンダルフォン:え……?
ラフライフ:わたしとバラを見捨てた世界なんて……いらないんだよね。
バラチアル:……そうだね。誰もボクたちのことを助けてくれなかった。どんなに声をあげても、手を差し伸べてなんてくれなかった。
ラフライフ:そんな世界……滅んじゃった方がいいでしょ?
バラチアル:悪魔と天使の双子でも……どんな人も受け入れてくれるような……! そんな世界をシェリダー様が作ってくれる。
サンダルフォン:この子たちは……。
バラチアル:行くよ! ボクたちの絶望と憎しみを――!
サンダルフォン:――ごめん、メタお姉ちゃん……!
バラチアル:えっ……!? この力は……!?
???:サンちゃんの声……聞こえたなの。
サンダルフォン:……メタお姉ちゃん!
メタトロン:サンちゃんを傷つけるやつは……許さない!
メタトロン:――全権執行なの!
ラフライフ:これは……。
メタトロン:契約の天使メタトロン……我が名において今ここに、冥約と聖約を執行する!
ラフライフ:しまった……『空間の拒絶』の力が……!
バラチアル:ラフ姉! 今助け――!
ウリエル:――正義の光よ!
バラチアル:うぐっ……!?
バラチアル:ボクの『光の拒絶』まで……! どうしてこんな……!
ウリエル:広範囲の光の遮断による目眩ましと、範囲は限定的なものの強力な空間の歪みの力によるコンビネーションか……。
ウリエル:たしかに良い連携ね。お互いの弱みを補い合ってるわ。
メタトロン:でも……種さえわかればこんな子ども騙し、どうとでも対処できるなの。
バラチアル:……うるさい! ボクとラフ姉は、二人なら最強なんだ!
ラフライフ:そう……わたしたちは、あなた達なんかに絶対に負けない……。わたしとバラは二人で一つ……。
メタトロン:……最強とか、そんなのどうだっていいなの。
メタトロン:サンちゃんは私が守る。その為なら、命だって惜しくないなの。
サンダルフォン:私もだよ! メタお姉ちゃん!
ウリエル:サンダルフォン、メタトロン、援護するわ! あなたたちの絆、見せてあげなさい!
サンダルフォン:オッケー! リクエストに応えて、私とメタお姉ちゃんのとびっきりを見せてあげる!
サンダルフォン&メタトロン:(二人)世界の繋がりを拒絶なんてさせない(なの)※なのはメタトロンのみ(二人)あ、ハモっちゃった♪ ふふふっ♪
片翼の双子たち
サンダルフォン:希望の音色よ!
バラチアル:――ラフ姉っ! 下がって!
バラチアル:う……ぐ……!
ラフライフ:……バカ。私はもう、戦えないっていうのに……。
バラチアル:ラフ……姉……。
メタトロン:……大人しく投降するなら、二人の命の安全は保証するなの。
サンダルフォン:……もう勝てないことはわかってるでしょ?
ラフライフ:……はぁ。これだから……あなたたちは。
ラフライフ:いつだって……強者の理屈。……本当、もう……やだな……。
バラチアル:ラフ姉、大丈夫……ボクはいつだって……ラフ姉と一緒だから……。
ウリエル:自分たちの剣で……!
ラフライフ:……私とバラは全てを奪われた……。けど……これ以上は何もあげないから……。
バラチアル:ラフ姉……ずっとずっと……一緒だよ……。
ラフライフ:ええ……。いい子……バラ……。ずっと……いっ……しょ……。
サンダルフォン:……そんな……。こんなのって……。どうして……。
ホームズ:気持ちというのは、本人たちにしか分からないさ。……なんとも、感情というのは難しいね。
ウリエル:……あなたたちのせいじゃないわ。
メタトロン:……封印するなの。
メタトロン:無事に封印できたなの。
ウリエル:……良かった。
ウリエル:ありがとう、二人とも。助けに来てくれて。……それに名探偵さん。あなたがいなかったら、合流できなかったわ。
ホームズ:どういたしまして。スリリングな謎だったよ。
サンダルフォン:……さて封印も完了したし、ビナー様の所に報告に行かなくちゃ!
メタトロン:案内するなの。
ウリエル:ええ、他のみんなも無事だといいけど……。