2024年5月27日にサービス終了を迎えた全方位にハマる! ギリギリアクションRPG『キュービックスターズ(キュビスタ)』。そのメインストーリー集をお届けします。
この記事では、第五章“天界の惑星”9話“第四の厄災”~“救済”を掲載します。
この記事では、第五章“天界の惑星”9話“第四の厄災”~“救済”を掲載します。
第五章 天界の惑星 9話
9話 第四の厄災
ラミエル:この辺で厄災が発生しているはずなんだけど……。
ロビンフッド:あのブロック状の敵がいねぇな。どっか物陰に隠れてる……にしては気配がしねぇ。
ザドキエル:二人とも、油断しないように。何があってもいいように、武器を準備しておいてください。
ロビンフッド:ま、それはたしかにそうなんだが、少なくともこの辺に危険はなさそうだぜ。
ザドキエル:何をのんきなことを……。
ロビンフッド:力を入れなくてもいい時まで肩に力入ってたら、眉間にシワが寄っちまうぞ、ってことだ。
ザドキエル:手を貸していただけるのはありがたいですが、もう少し、真面目に――
ロビンフッド:――待て。静かに。声がした。
ラミエル:声? べつに何も……。
ロビンフッド:こっちだ。ついて来い。
ザドキエル:あっ! ちょっと……!
ザドキエル:……もう! なんなんですか、あの男は!
ラミエル:置いてかれないよう、追いかけよっ! あの人、速い……!
ザドキエル:まるで野生児ですね……!
???:くっ……! これは、きりがないですね……!
???:……まずいっ! ――しまっ……!
???:これは……!?
ロビンフッド:大丈夫か? 余計なお世話だったかもしれないが、襲われているように見えたんでね。
???:いえ、ありがとうございます。どなたか知りませんが、助かりました。
ラミエル:……ガブリエルがいる! 無事で良かったぁ……!
ガブリエル:ラミエル。それにザドキエルも。二人とも、救援に来てくれたんですね。
ザドキエル:息災で何よりです。しかしここでいったい何が――。
ガブリエル:――下がって!
天使兵:……おお……お……お……!
ザドキエル:天使兵……!? いえ、これは……!
ロビンフッド:チッ……。見たことあるぜ。こういうやつら……!
ガブリエル:……死者です。この森では今、死んだ兵たちが徘徊してます。みなさん、気をつけて……!
死者の書
ラミエル:さあ、行って……! 羊の天使たち……!
ザドキエル:浄化の刃よ!
ロビンフッド:……すげぇな。あっという間だ。きっとあいつらも安らかに逝けてることだろうぜ。
ラミエル:……ありがとうございます。
ロビンフッド:しかしなんだってこの森はこんな厄介な事になっちまってるんだ? これが厄災ってやつか?
ザドキエル:死者が甦ることが厄災とは考えにくいですね。どちらかというと、これはシェリダーの仕業ではないかと……。
???:何かと思ったら、こんなにお客さんがいるなんて!
ザドキエル:何者です!
???:あら、驚かすつもりはなかったんですけど……。びっくりしちゃったならごめんなさい。
サクサクサリム:クリフォト様とシェリダー様に仕える司祭、サクサクサリムと申します。サリムって呼んでくださいね。
ラミエル:シェリダーの部下……!?
サクサクサリム:サリムは皆さんと争うつもりはありません。ここは穏便に済ませませんか?
ザドキエル:クリフォトを崇拝する者が、交渉を……?
サクサクサリム:はい! 話し合えば理解しあえると思うんです!
ロビンフッド:……おっと。それ以上こっちに近づくなよ。近づいたら撃つ。
サクサクサリム:ええっ!? そんなぁ! 皆さんを傷つける気はないのに……。
ザドキエル:ロビン・フッド! 交渉を望む相手に攻撃するのは……!
ロビンフッド:悪いが鼻は利くんでね。そこのお嬢ちゃんからは死人と嘘の匂いがぷんぷんしやがる。
サクサクサリム:……残念です。サリムとの対話に、応じていただけないのですね……。
ガブリエル:……一つ聞きます。
ガブリエル:ここにいた兵たちを殺したのはあなたですか?
サクサクサリム:そんな……殺したなんて……。
サクサクサリム:サリムはただ……皆さんを、救ってあげただけですよ? この世界のしがらみから、救済してあげたのです。
天使兵:…………。
ラミエル:また兵たちが……!
ガブリエル:やはりあなたが彼らを……!
サクサクサリム:皆さんとっても優しい方でした。とても強くて慈愛に溢れた――。
サクサクサリム:――なんて、愚かな人たち。
ガブリエル:……許せません……! みんな、みんな大切な……!
サクサクサリム:安心してください。みなさんもすぐに彼らの仲間になれますから。この死者の書の力でご案内してさしあげます。
サクサクサリム:――さあ、クリフォトの樹にその身を捧げなさい。あなたたちの持つ力……サリムが拒絶してあげましょう。
ザドキエル:……来ます! 皆さん、備えて!
救済のサクサクサリム
ザドキエル:はぁっ!
ザドキエル:くっ……! 一体一体浄化しても、きりがない……!
サクサクサリム:サリムの力は『浄化の拒絶』……。いくら浄化しても、そんな力なんてサリムがあっさりキャンセルしちゃいますよ。
サクサクサリム:……あはっ♪ じわじわなぶり殺すの、たーのし♪
ガブリエル:…………!
ガブリエル:……ラミエル、ザドキエル。聞いてください。
ザドキエル:……なんでしょう。
ガブリエル:浄化の力を私に分けて欲しいんです。
ザドキエル:……できますが、少しだけ時間が必要ですよ。
ガブリエル:その時間をラミエルに稼いで欲しいんですが……可能でしょうか?
ラミエル:……大丈夫です、頑張ります。
サクサクサリム:どの順番で死ぬか、話し合いは終わりましたかー? 決められないなら、サリムが決めちゃいますよ~?
ラミエル:お話は終わりましたけど、死ぬつもりなんて、ありません……!
ラミエル:みんな、お願い! 彼らを夢の世界に連れてって!
サクサクサリム:また召喚……でもいくら手駒を増やしたところで、サリムの兵隊は無限ですよ?
サクサクサリム:さあ……さあさあさあさあ! どんどん死が近づきます! 怖いですか? 楽しいですねー!
ザドキエル:浄化の輝きよ……! 神の慈悲を世界に届けたまえ……!
サクサクサリム:強い浄化の力……。でもいくら強い力だって、この数の前には……。
ザドキエル:――ガブリエル! 受け取ってください!
サクサクサリム:……えっ。味方に、浄化の力を……!?
ガブリエル:――聖告の天使の力を今ここに! 殉教の戦士たちに、浄化の福音を!
サクサクサリム:これは……!
ラミエル:浄化の力を受けた祝福が広がっていきます……! これが神の天啓を世界中に届ける、ガブリエルの力……!
ザドキエル:ガブリエルの剣が、死せる魂を浄化してそれを英霊として取り込んでいきます……!
サクサクサリム:こんなことが……!? けど何度浄化されたって死者の書の力で、またその魂を再び取り込んでやります!
サクサクサリム:死者よ! 今一度起き上がって、サリムを守りなさい!
潜伏
ガブリエル:――終わりの天啓を!
サクサクサリム:くぅ……! このままだと死者の復活が追いつきません……!
サクサクサリム:力を貯めてるあの眼鏡を集中攻撃するのです! ――ぶっ殺せぇー!!
ラミエル:ザドキエルに死者たちが群がって……!
ザドキエル:くっ……!?
サクサクサリム:まずは一人……!
???:この瞬間を……ずっと待っていた。
サクサクサリム:――え?
サクサクサリム:ぐっ……!? これは……矢……!?
ロビンフッド:死者たちを攻撃に回して……お前自身が無防備になる、この瞬間をな。
サクサクサリム:う……そ……。そん……な……。どこ……に……!
サクサクサリム:がっ……ぐぅっ……あ……。
ロビンフッド:――悪いな。お前のような相手には、手加減できない。
ザドキエル:……どうやら、倒せたようですね。
ガブリエル:ありがとうございます、ロビン・フッドさん。おかげで助かりました。
ロビンフッド:おう。途中で目配せした時、気づいてくれて助かったぜ。
ラミエル:……そういえば、さっきの作戦を練る前に一瞬、ガブリエルが森の奥を見てたような……。
ガブリエル:ええ。ロビンフッドさんが姿を潜めているのが見えたので。
ラミエル:……あ! あそこにリアクターがあるよ。
ザドキエル:良かった。ではさっそく、ビナー様の護符で……。
ザドキエル:これで、私たちの役目は――。
ビナー:――みなさん! ご無事ですか?
ザドキエル:ビナー様! ……それに他のみんなも……!
パンドラ:こっちも無事に終わったドラー!
メタトロン:任務完了なの。
ロビンフッド:どうやら他の場所でも作戦は成功したみたいだな!
ビナー:はい! 全ての厄災を封印することに成功しました……!
救済
ビナー:みなさんのおかげで多くの厄災の脅威を取り除くことができました。
ビナー:これによってクリフォトへ供給される力の大半は断たれ、残すはシェリダーの持ち去ったリアクターのみになったはずです。
ウリエル:なら、シェリダーを見つければ完全に供給を断てるのね。
ビナー:はい。それにシェリダーは、これまでの力を蓄えたクリフォトの苗木を守っているはずです。
サンダルフォン:詳しい位置はこれから調査する必要はあるけど……。
ウリエル:じゃあ早速その調査に――。
???:そう……は――。
サクサクサリム:――させませんよっ!
ガブリエル:サクサクサリム!?
ロビンフッド:まだ生きてやがったのか!
サクサクサリム:ざんね~ん! もう死んでま~す!
サクサクサリム:でもね! これは死者の書の呪いなの! そして祝福です! クリフォト様に魅入られ、それに命を捧げたサリムへの!
サクサクサリム:ああ――この最っ高の……プレゼント♪ シェリダー様にも、おすそ分けしてあげますね……!
ビナー:これは……! 不浄の力が――!
サクサクサリム:死者の書の呪いはサリムの全てを燃やして、集めた力と魂たちをクリフォト様へと転送するんです……!
サクサクサリム:魂も肉体も存在も! 全ての力を奪われ、吸い取られて……そしてサリムには完全なる死が訪れる……!
サクサクサリム:ああ……なんて……! なんて甘美な救いなのでしょう! こんな素敵なことを味わえないなんて……みんなと~っても可哀想!
サクサクサリム:そして私は……最高に……幸せ……! もっと……もっと世界に……きゅう、さい……を……!
ソロモン:……全ての力が枯渇し、吸い取られてる。今度こそ、復活することはないと思うけど……。
ザドキエル:……すみません、私がもっときちんと確認していれば。
ビナー:……いいえ。彼女の力は巧妙に隠されていました。
ビナー:おそらく最初から彼女はこのように使い捨てられる手はずだった。それがシェリダーの……ひいてはクリフォトの計画なのでしょう。
ビナー:幸い、今の大きな力の放出によって、シェリダーの位置が特定できました。
ビナー:いきましょう。そこに彼女はいます……!