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今さら聞けない“しぐれうい”。1億再生の楽曲に200万人に迫る登録者、クリエイターの可能性を拡張した新時代型"個人勢"の軌跡

文:こひき庵

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 “ういママ”の愛称で親しまれるフリーランスのイラストレーター、“しぐれうい”さん。そんな彼女は唯一無二のキャリアを刻むことで、クリエイターカルチャーの可能性を拡張したVTuberでもあります。

 ここでは、そんな軌跡をあらためて振り返ってみたいと思います。

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 しぐれういさんは2015年、美術大学の在学中に『かんきつパンチ!』(まんがタイムきららミラク・芳文社)にて、漫画家としてデビューされました。

 そして、美大卒業後にゲーム会社へ勤務された後、2018年からフリーのイラストレーターとしての活動を開始されました。7月には『不死者と暗殺者のデスゲーム製作活動』(麻宮楓著・電撃文庫)にてイラストを担当。瑞々しさと快活さが両立している絵柄が、当時から際立っていたのがわかりますね。
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 その後もライトノベルに多くのイラストを提供されており、アニメ化もされた人気シリーズ『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』(二丸修一著・電撃文庫)も担当されました。
 これだけなら単に素晴らしいイラストレーターが世に出て来たという話なのですが、しぐれういさんの活躍はそうした既存の枠に留まることはありませんでした。

 その切っ掛けは、“ういママ”になったこと。つまり2018年8月(Youtubeでの初配信は9月)にホロライブ2期生・大空スバルさんを“ママ”として「産み出した」ことにあります。
いわゆる"初期スバル"ですね

"ういママ"として

 こうしてVTuberの世界に片足を突っ込むことになった"ういママ"は、精力的に"愛娘"の活動をサポート。その様子をスバルさんが積極的に発信し、さらにスバルさんによる生配信に自身も声で登場するようになったことで、"ういママ"の存在はファンの間で認知されるようになります。

 このとき、現在の姿に通じるイラストの雛形も誕生させています。当時から「声が可愛い」という評も広くありました。そして、2019年に「母ちゃんにも動いてほしい」という"娘"の願いを受ける形で、“しぐれうい(16歳)”のLive2Dのボディも実装。同年5月には、ついにYouTubeでの
初配信を行いました。

 この最初の配信から後に"しぐれうい名物"となる『マシュマロ』トークも見られるなど、その個性は早くも際立つものがあります。

 その後もスバルさんだけでなく、幅広いVTuberと縁を結んでおり、さまざまなコラボ配信に登場。“イラストレーター・しぐれうい”を知らなかった層にまで認知されるようになっていきます。
その名を知られるようになったコラボの一例
 ただ、「VTuberとしての配信はあくまで趣味」というスタンスは崩さず、本業に支障のない範囲でという形は今日まで貫徹されてもいます。“愛娘”スバルさんとの関係は変わらないどころかより深まるようになり、2021年8月には初めての歌ってみた動画をスバルさんとのコラボでアップされます。
 元気いっぱいのスバルさんと、可愛く優しげなしぐれういさんの歌声の噛み合わせは抜群で大きな話題を呼び、あらためて“しぐれういの歌”への需要が大きく高まる契機ともなりました。

非凡な歌い手として

 2022年1月には3Dデビュー。動く"ういママ"の存在感は絶大なものがあり、自身が世に出せるパフォーマンス可能性をさらに拡張することとなりました。
 歌需要の高まりは目覚ましく、歌ってみたの他にオリジナル曲もリリースしており、5月には初のオリジナルアルバム『まだ雨はやまない』を発表し、初のリアルイベントも開催されました。
 アルバムのジャケットは自身が担当(強い)。美しく可愛らしい歌声で魅せる曲が多く揃えられた中で、この6番目に収録された楽曲が、後々になって大きなムーブメントを起こすことになります。

 YouTubeでの伸びも順調で、2023年9月には100万登録も達成。これはいわゆる"個人勢"のVTuberとしては初めての快挙でした。

 このタイミングで、半ばジョーク交じりに投稿された“しぐれうい(9さい)”による『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』のミュージックビデオが、ポップな曲調とユーモラスな歌詞、切れ味鋭いアニメーションで空前の話題曲となり、大きなムーブメントを生むことに。公開から17日で1千万再生を達成し、2024年6月には1億再生に達する異例のヒットとなりました。
 “ロリうい”はそれまでもネタで登場してきた一種のファンサービスのような存在でしたが、この大ヒットのサポートを得て(?)特異な立ち位置を獲得することとなりました。

 9月にはセカンドアルバムも発売予定ですが、また新たな伝説が生まれるかもしれませんね。

切り開いた新たな地平

 イラストレーターとして世に出て来て、VTuberの“ママ”になり、そして自らもVTuberとしてデビューし、配信や歌でも“魅せる”存在になっていく。

 今日、さまざまなイラストレーターが配信や歌に力を入れるようになっていますが、そうした環境が生まれたのは間違いなく“しぐれうい”というムーブメントがあったからこそでしょう。

 また、VTuberとして活動の幅を広げていくだけでなく、イラストレーターとしてもさらなる活躍をされています。2024年には、大空スバルさん以来となる"第2子"として、“ぶいすぽっ!”所属・千燈ゆうひさんのデザインを手がけています。

 また8月30日から9月22日にかけて、
個展『雨を手繰る』も六本木ヒルズにて開催されます。

 そして、こんな美しい絵を世に魅せている夏に、こういう謎なグッズも同時に公式から出てくるのも"うい先生らしさ"な気もします。「俺がしぐれういだ!」。
 明るく楽しく瑞々しく、そして可愛らしい“しぐれういワールド”は今後も様々な形で拡がっていくことでしょう。
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