Epic Gamesは、Epic Games Storeのモバイル版を日本を含めた世界中のAndroid向けにリリースしました(EU 圏内ではiOS向けにもリリース)。『フォートナイト(Fortnite)』、『ロケットリーグ サイドスワイプ(Rocket League Sideswipe)』、『フォールガイズ(Fall Guys)』が登場し、今後サードパーティも含めた各種ゲームが配信される予定です。
また、本日の欧州圏のAltStoreでの配信を皮切りに、今後Epic Gamesのタイトルはさまざまな独立系ストアで配信されます。
また、本日の欧州圏のAltStoreでの配信を皮切りに、今後Epic Gamesのタイトルはさまざまな独立系ストアで配信されます。
この新たなストア展開について、Epic Games CEOのTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏、Epic Games StoreジェネラルマネージャーのSteve Allison(スティーブ・アリソン)氏、Altstore共同創業者のRiley Testut(ライリー・テストゥ)氏とShane Gill(シェーン・ギル)氏、Aptoide CEOのPaulo Trezentos(パウロ・トレゼントス)によるメディア向けのプレゼンテーション及びインタビューが実施されました。
DMA制定によりサードパーティストアに大きな変化
まず、AltStoreの成り立ちについてですが、10年前にApp Storeに『Delta』というアプリをリリースしたところ、Appleによりビデオゲームエミュレーターとみなされリジェクトされたのが発端とのこと。
この『Delta』などをユーザーに提供する目的のもと、5年前に『AltStore』をオープンソースでリリースしており、これがDMA(デジタル市場法)についての判決により公式のアプリとして認められ『AltStore PAL』という名称で配信されているというのが現在までの経緯です。
AltStoreでは『Delta』をはじめとした、過去にiOSでリジェクトされたアプリが配信されており、今後もサードパーティのiOSでリジェクトされたアプリなどを配信する手助けをしていきたいとのことです。
Epic Games StoreもDMAの制定を受けて、App StoreやGoogle Playでの配信をスタートさせるとのこと。Epic Gamesはかねてより、App StoreやGoogle Playのロイヤリティが非常に高額であると考えており、サードパーティがモバイル版Epic Games Storeでタイトルを配信する際には、ディベロッパーがより多くの収益を得られるようないくつかの仕組みを設けるようです。
また、iOSとAndroidでEpic Games Storeをダウンロードする際に現状では非常に多くの手順が設けられており、かつユーザーにダウンロードすることを不安にさせるような警告画面などがあることにも言及。これらの煩雑な手順は意図的であり、DMAに反しているとの見解のもとEpic Gamesは今後も異議をとなえていくとのことです。
■Android版Epic Games Storeダウンロード手順(全12行程)
なお、モバイル版Epic Games Storeには、まずファーストパーティのコンテンツから投入していき、第4決算期末に向けてサードパーティのタイトルも順次配信されていくとのことです。
プレゼンに続くインタビューでまず、質問としてあがったのは「Epic GamesとAltStoreなどの連携はどのようなきっかけで行われたのか?」という点。
これについてはEpic Gamesはディベロッパーであり、Unreal Engineを開発しており、(PC版)Epic Games Storeの提供も行っているとさまざまな側面があり、ディベロッパーの視点としては、よい条件でゲームを提供したいという考えから今回の連携を行っているとのこと。また、AltStoreとEpic Games Storeはストアとしては競合関係にありつつも、できるだけ多くのストアにゲームを置きたいという考えもあるそうです。
また、これらの展開を行ってもApp StoreやGoogle Playがモバイルでゲームを遊ぶ際の一般的な入口であることを変えるのは難しいという点は認識しているとのこと。
ただ、ダウンロードの手順が非常に煩雑なままであり“こちら”側に立っていないとも改めて言及。今回のEpic Gamesの展開はAppleやGoogleと自分たちの立場が違うことへのの表明でもあるとのことです。
「Epic Games Storeでゲームをリリースすることでサードパーティにはどんなメリットがあるか?」という点については、1月から250のディベロッパーと相談しており、今後どのように展開していくかが決まっていくとのこと。
ディベロッパーとしてはApp StoreやGoogle Playと比較して自分たちに入る利益が増えるEpic Game Storeでの展開は望ましいもの。一方でゲーム内ショップの有償コンテンツなど、ゲームを購入してもらうこと以外で利益を得たいディベロッパーもあり、現時点では断言できないもののこういった形で利益を得る仕組みもEpic Games Storeで提供できるはずだそうです。
また「Epic Games Storeは“得”をすることができるストアという印象が強いがモバイルでも得になる施策は行われるのか?」という質問については、PCで集めたリワードなどをモバイルで使用することはでき、逆にモバイルで得たリワードをPCに使うことも可能と回答。さらに今後サードパーティのゲームも配信していくなかで、PC版Epic Games Storeと同様の施策も行っていきたいとのことでした。
「Epic Games Storeでの独占配信はモバイルでも行われるのか?」という質問に対しては(PC版Epic Games Storeを発表した)2018年の規模ほどではないものの、Epic Games Storeで最初に楽しめるコンテンツの提供は行われるとのことでした。
また、「モバイル版の『フォートナイト』は2020年の配信停止以来の復活となるが、ユーザーが戻ってくる魅力もあるのか?」という質問には、戻ってこれるいろんな施策を用意していると回答しています。
続けて「『フォートナイト』は子どもに人気のタイトルでありつつ、現在のエピックはステップが多く親が子供に使わせにくい点についての対策は?」という質問には、改めてAppleとGoogleがゲームをインストールするまでのプロセスを複雑にしていることに触れつつ、Epic Gamesは両社から与えられた環境のなかで自分たちのコンテンツが安全であると説明しており、今の状況がベストだと考えているとのこと。
また、ペアレンタルコントロールについてはSwitch版で設定すればPCにも適用されるなどよいものを提供できていると実感できているそうです。
そしてモバイルで各種タイトルが遊べることによる「既存のPC版とのクロスプレイなどはあるかやモバイル版だけの特別な体験が提供されるのか?」という点については、『フォートナイト』をはじめとしたタイトルは、既にPCやコンソール機でのクロスプレイが可能であり、モバイル版も同様に各種ハードなどとのクロスプレイが可能とのこと。
また、どのデバイスで遊んでも同じ体験をしてほしいとの考え方から、モバイル版だけの独自の体験は用意されていないとのことです。
なお、冒頭で書いたとおり現時点ではiOS版Epic Games StoreはEU圏内のみでの展開となっています。ただ、日本では6月に“スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律”が可決され、これをiOS版Epic Games Storeと『フォートナイト』が2025年後半に登場することが告知されています。
iOSでの展開もそう遠くないかもしれません。
モバイルゲーマーと開発者のみなさん、朗報です!
— フォートナイト (@FortniteJP) June 12, 2024
新たな法案が日本政府・国会により可決され、2025年後半に日本でEpic Games ストアとフォートナイトがiOSに登場します!🥳 pic.twitter.com/auvw5K0v6c
Epic Games Storeのモバイル版について(公式ブログより)
『フォートナイト』、『Fall Guys』、『Rocket League Sideswipe』がiPhone版とAndroid版のEpic Games Storeで入手可能になるほか、さらにAltStoreにも登場
本日より、Epic Games StoreがiPhone版は欧州連合で、Android版は全世界でダウンロード可能となります。 Epic Games Storeは『フォートナイト』、『Rocket League Sideswipe』、新登場のモバイル版『Fall Guys』とともにリリースされます。将来的には、すべてのデベロッパーがEpic Games Storeを通じて、ゲームやアプリをリリースできるよう取り組んでいます。 さらに、本日配信を開始するAltStoreを皮切りに、今後当社のゲームは独立系モバイルストアでも提供されます。
iPhone版Epic Games Storeが欧州連合で、Android版Epic Games Storeは全世界で入手可能に
ファーストパーティゲームの詳細については、『フォートナイト』、『Fall Guys』、『Rocket League Sideswipe』のブログをご覧ください。「フォートナイト バトルロイヤル」のチャプター5 シーズン4: アブソリュート・ドゥームは本日配信ですのでお忘れなく。こちらはモバイルと他の全プラットフォームでお楽しみいただけます。
デジタル市場法の恩恵により、iOS版Epic Games Storeは欧州連合でリリースされますが、ヨーロッパ以外のiOSユーザーに関しては、AppleによってiOS版の『フォートナイト』とEpic Games Storeへのアクセスがブロックされています。
現時点でiOSとAndroidにEpic Games Storeをインストールする場合、AppleとGoogleが、多数の手順、ややこしいデバイス設定、警告画面などで、意図的に複雑で分かりづらいインストール体験を作り出しているため、長いプロセスになっています。 Epicは、AppleやGoogleがデベロッパーと消費者に課す反競争的条件に対して法廷で粘り強く異議を唱え、誰にとってもより優れたストア体験を生み出すことを目標に、世界中の規制当局と協力してこれらの制限を撤廃するよう取り組んでいます。
『フォートナイト』、『Rocket League Sideswipe』、『Fall Guys』がサードパーティのアプリストアに登場
私たちは、デベロッパーに有利な条件を提供するあらゆるマーケットプレイスでゲームを配信できるように、サードパーティのモバイルアプリストアと提携しています。本日より、欧州連合のiOSユーザー向けにAltStoreでゲームの提供が開始されます。また、AptoideのiOSストア(欧州連合のみ)とAndroid向けのONE storeでも、ゲームが追加される予定です。今後も、世界中のより多くのストアに拡大していくことが期待されます。
「潮目は変わりつつあり、モバイルエコシステムはついに競争に開放されつつあります。 Epic Games Storeをリリースし、欧州連合のiOSユーザーに当社のゲームを提供することを可能にした欧州委員会に感謝しています。 これにより、現在は欧州のiOSユーザーと全世界のAndroidユーザーが、PCやMacといったオープンプラットフォームと同じように、当社のストアとゲームにアクセスできます。 戦いはまだ終わっていませんが、これはデベロッパーと消費者にとって大きな前進であり、競合製品と選択肢の拡大による恩恵を受けることができます」とEpic GamesのCEO兼創立者であるティム・スウィーニーは述べています。
Androidまたは欧州連合内のiOSデバイスからさっそくこちらのウェブサイトにアクセスし、Epic Games Storeをダウンロードして、『Fall Guys』、『Rocket League Sideswipe』、『フォートナイト』のプレイを始めましょう。