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8月32日といえば『ぼくなつ』。開発者本人のコメントも話題に【メモリの無駄づかい:ぼくのなつやすみ】

文:ライターM

公開日時:

 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります!

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 さて、日々馬車馬の如く働く社会人のみなさんは、在りし日の夏休みを懐かしく思い出すこともあるでしょう。

 日が暮れてクタクタになるまで遊んで家に帰ると美味しい晩ご飯が待っていて、夜は親に怒られるほど遅くまでテレビを見たりゲームをしたり。そんなノスタルジックな少年・少女時代を描いた名作『ぼくのなつやすみ』の思い出を語っていきます。

今や本編よりも有名になってしまった“伝説の8月32日”は開発者も驚きの不具合だった!?


 みなさんは、PSの名作『ぼくのなつやすみ』内に8月32日が存在するというのをご存じですか? この手の“ゲームにまつわる都市伝説”と聞くと懐かしの『ノーライフキングの伝説』などを思い出してしまう筆者ですが、今回のお話はフィクションではなく実話です。

 当時、電撃PlayStationにて記事を書いていた筆者は、編集部内をザワつかせていたヤバ目の不具合を目撃しました。

 きっかけは「●●君、今時間ある? ちょっとコレ見てよ」と、満面の笑みを浮かべる『ぼくなつ』担当ライターさんのお誘いです。何かと思って撮影スペースに足を運ぶと、モニタには顔面モザイク状態で何かを訴えかけるような主人公が、身体が半分透けた家族と食卓を囲むという、およそほのぼのとは形容しがたいホラーシーンが繰り広げられておりました。

 一定時間自宅から外へ出られなかったり、文字化けして絶妙に意味ありげな怪文章と化したメッセージが流れたりと、それはもうガチのホラー。何よりも恐ろしいのは8月32日という日付でして、コツをつかめば進行フリーズを回避してゲームを進められたため、「終わらない夏休みってこんなにも恐ろしいんだ……」というのが正直な感想でした。

 参考までにやり方を書いておきますと……

  1. メニュー画面から「夏休みの思い出」か「途中から続ける」を選択。
  2. 赤文字で8月31日と表示されているクリア済みのデータを読み込む。
  3. 絵日記を開いて画面右下にある「戻る」にカーソルを合わせて十字ボタンの上を押して「おやすみ」を選ぶとさあ大変!
(※再現できるのはPS版のみです)

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 余談ですが、この8月32日(つまりは9月1日)というのは「ファミ通の日」(ファ:8、ミ:3、通:2の語呂合わせ)でもあったりします。今年は奇しくも9月1日が日曜日と言うこともあって、まるで夏休みのアディショナルタイムといったところ。

 なお、この一件は開発者である綾部和さんがご自身のXで2010年に
ポストされていて、なかなかに素敵なコメントを残されているので興味もある方はご一読を。


 また綾部和さんといえば、昨年スパイク・チュンソフトから夏休みをテーマに描いたゲーム『なつもん』をリリースされたことでもおなじみ。筆者も新潟まで取材に伺って先行プレイをさせて頂きつつ、作品に込められた熱い思いをお聞かせ頂いたことを思い出します。メーカーは違えど『ぼくのなつやすみ』で描かれたマインドは引き継がれていますので、『なつもん』未プレイの方はぜひ触れてみてください。

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