漫画『キングダム』の最新73巻が9月19日に発売されました。今回は読み終えてみての感想記事をお届けします。
※記事内には『キングダム』のネタバレが含まれています。
索引
『キングダム』73巻感想(ネタバレあり):青歌軍と司馬尚の強さがヤバい。もはや言葉を失うレベルでヤバすぎるとしか言えない!
王翦(おうせん)を総大将とする秦軍と、李牧(りぼく)率いる趙軍の総力戦“番吾の戦い(はんごのたたかい)”。71巻で口火を切ったこの戦いは、この73巻で怒涛の結末を迎えることになりました。
前巻で、秦の本陣である王翦中央軍に真っ向から突撃を仕掛けてきた司馬尚(しばしょう)を総大将とする青歌軍。迎え撃つ王翦軍は第一将である亜光(あこう)や頭脳派の第三将・田里弥(でんりみ)、愛すべきバカップルであり戦闘力に秀でる倉央(そうおう)と糸凌(しりょう)など、そうそうたるメンツであり、“負けるわけがねえ!”……そう思っていた時期が僕にもありました。
いやもう、ひと言で言えばボッコボコでしたね。前巻の時点で完膚なきまでにやられていたなか、この73巻でどうやって巻き返してくれるのかとほのかに期待はしていたのですが。結果は“史実どおり”であり、ある意味では“史実以上”でございました。そりゃあそうよね、というのはあまりにも無粋な気がしますが、正直なところ史実から抱いた手ごたえとはまったく異なる絶望感ですよね。あの王翦軍がここまでやられるのかってレベル。
ホント、猛将たちが次々と討たれていく姿は衝撃的でした。未読の方のために誰が討たれたかまでは明記しませんが、これを“完敗”と言わずとしてなんと言う……。本当に言葉が見当たりません。
王翦を逃がすために奮闘する倉央が口にした「ああ…これが敗戦の光景か…」という言葉には、背中がゾッとしましたよ。過去、秦軍が負けたことは何度かありますが、王騎(おうき)しかり、桓騎(かんき)しかり、相手に何らかの傷跡は残しているわけで、秦がここまで見せ場なくやられたことはなかった気がします。まあ一応、糸凌が敵将のジ・アガを討ち果たしたとはいえ……。
結果的に、青歌という“隠し玉”に対応できなかったことが最大の敗因ではあるのでしょうが、これまでに大きな戦功を残してきた飛信隊や玉鳳軍が、李牧にしてやられて右翼で孤立していたことも大きかったように思います。ある意味“戦犯”に近いとさえ思えてしまいますし、本当に言葉どおりの“完敗”だったなあ、と……。
前巻で、秦の本陣である王翦中央軍に真っ向から突撃を仕掛けてきた司馬尚(しばしょう)を総大将とする青歌軍。迎え撃つ王翦軍は第一将である亜光(あこう)や頭脳派の第三将・田里弥(でんりみ)、愛すべきバカップルであり戦闘力に秀でる倉央(そうおう)と糸凌(しりょう)など、そうそうたるメンツであり、“負けるわけがねえ!”……そう思っていた時期が僕にもありました。
いやもう、ひと言で言えばボッコボコでしたね。前巻の時点で完膚なきまでにやられていたなか、この73巻でどうやって巻き返してくれるのかとほのかに期待はしていたのですが。結果は“史実どおり”であり、ある意味では“史実以上”でございました。そりゃあそうよね、というのはあまりにも無粋な気がしますが、正直なところ史実から抱いた手ごたえとはまったく異なる絶望感ですよね。あの王翦軍がここまでやられるのかってレベル。
ホント、猛将たちが次々と討たれていく姿は衝撃的でした。未読の方のために誰が討たれたかまでは明記しませんが、これを“完敗”と言わずとしてなんと言う……。本当に言葉が見当たりません。
王翦を逃がすために奮闘する倉央が口にした「ああ…これが敗戦の光景か…」という言葉には、背中がゾッとしましたよ。過去、秦軍が負けたことは何度かありますが、王騎(おうき)しかり、桓騎(かんき)しかり、相手に何らかの傷跡は残しているわけで、秦がここまで見せ場なくやられたことはなかった気がします。まあ一応、糸凌が敵将のジ・アガを討ち果たしたとはいえ……。
結果的に、青歌という“隠し玉”に対応できなかったことが最大の敗因ではあるのでしょうが、これまでに大きな戦功を残してきた飛信隊や玉鳳軍が、李牧にしてやられて右翼で孤立していたことも大きかったように思います。ある意味“戦犯”に近いとさえ思えてしまいますし、本当に言葉どおりの“完敗”だったなあ、と……。
ここからどう立て直すのか? いまだ心が折れない嬴政には頼もしさとともに恐ろしさも感じる……
ここからは今後の展開の予想なども交えつつですが。正直、一番気になったのは嬴政(えいせい)に関してでした。桓騎に続いて王翦も李牧の前に敗北し、この連敗でさすがの彼も意気消沈するのかなと、自分は思っていたんですよね。もちろんかなりガックリはしていましたが、それでも心が折れることはなく、軍の総司令である昌平君(しょうへいくん)を鼓舞して、中華統一のための道を残そうとする気概には頼もしさを覚えます。
その一方で、正直なところこの頑なさにちょっと底冷えのする恐ろしさも垣間見えた気がしたのは僕だけでしょうか? 昔の嬴政であれば、もうちょっと人間らしく弱さを見せた気がするんですけどね……。彼が歩もうとしている覇道がいかに血塗られているものなのか、あらためて察した気持ちもありつつ、このまま修羅になってしまうのも怖いなあ……そんな感情も抱いてしまいました。
小さな希望もなかったわけではないですよね。囚われの身であった壁(へき)がキタリによって救助され、無事に逃げおおせたことにはホッとしましたし、正直、倉央と糸凌の一幕については不覚にもちょっと涙ぐんでしまいました。最近、自分がちょっと涙もろくなってしまった部分はあるんですけど、それにつけても、このシーンには本当に心が救われた思い。まあ、この2人にとっては青歌とちょっとした因縁が生まれた形になるわけで、これが今後どんなことになるのか気になるところです。
そしてラストで語られる新展開! 中華統一のために負けられない秦軍は、新たな体制を敷いて激戦に身を投じることになります。番吾の戦いでは完全に蚊帳の外に置かれてしまった我らが主人公・李信と飛信隊にとっては大きな試練になりそうですが、はたしてどうなることやら? 自分としては、やはり戦場こそがキングダムの華だと思いますので、ここからの彼らの躍動に大きく期待してしまいますね。それでは今回はこのへんで!
その一方で、正直なところこの頑なさにちょっと底冷えのする恐ろしさも垣間見えた気がしたのは僕だけでしょうか? 昔の嬴政であれば、もうちょっと人間らしく弱さを見せた気がするんですけどね……。彼が歩もうとしている覇道がいかに血塗られているものなのか、あらためて察した気持ちもありつつ、このまま修羅になってしまうのも怖いなあ……そんな感情も抱いてしまいました。
小さな希望もなかったわけではないですよね。囚われの身であった壁(へき)がキタリによって救助され、無事に逃げおおせたことにはホッとしましたし、正直、倉央と糸凌の一幕については不覚にもちょっと涙ぐんでしまいました。最近、自分がちょっと涙もろくなってしまった部分はあるんですけど、それにつけても、このシーンには本当に心が救われた思い。まあ、この2人にとっては青歌とちょっとした因縁が生まれた形になるわけで、これが今後どんなことになるのか気になるところです。
そしてラストで語られる新展開! 中華統一のために負けられない秦軍は、新たな体制を敷いて激戦に身を投じることになります。番吾の戦いでは完全に蚊帳の外に置かれてしまった我らが主人公・李信と飛信隊にとっては大きな試練になりそうですが、はたしてどうなることやら? 自分としては、やはり戦場こそがキングダムの華だと思いますので、ここからの彼らの躍動に大きく期待してしまいますね。それでは今回はこのへんで!