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『ドラクエ8』20周年。ヒロインは馬車を引く馬。魔物に変えられたトロデ王の予想を裏切る本来の姿は……【メモリの無駄づかい ドラゴンクエストVIII】

文:電撃オンライン

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 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ(私)、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、PS2で2004年11月27日に発売されたRPG『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』について語らせていただきます。

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呪いにかけられた王と姫。2人を守る近衛兵が主人公の物語


 『ドラゴンクエスト8』の主人公はトロデーン王国の近衛兵の青年です。幼い頃に記憶を失くし、辿り着いたトロデーン王国に身を寄せ、同い年の王女・ミーティア姫と幼馴染のように育っています。

 ところが、ドルマゲスという道化師により王国は呪いをかけられてしまい、なぜかどんな呪いにもかからない主人公を除いて住人はいばらに、王は醜い魔物に、姫は馬へと姿を変えられてしまったのです。主人公一行は、呪いを解くためにドルマゲスを追う旅の途中…というのが、物語の始まりです。

小出しにされる本来の姿。トロデ王は自分も娘も美形だと言うけれど…


 物語開始時点で呪われた姿のため、王は「ドラゴンクエスト」シリーズに登場するモンスター“ハエまどう”をたらこ唇にして茶色の服を着せたような見た目。姫は気品がありつつも力強さを感じる体躯の、艶やかなたてがみを持つ美しい白馬の姿です。

 2人の本来の姿は、肖像画はいばらで、回想シーンではカメラアングルで巧妙に隠されており、後ろ姿以外はトロデ王の言葉などからしか情報が入って来ません。チラリズムは人の好奇心をくすぐるもの。気になってしまいます。

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 トロデ王は自らをハンサムだと言っていますが、回想シーンに登場する後ろ姿はずんぐりした体形。どう考えても嘘やん……。ミーティア姫のことも褒めちぎっていますが、溺愛している娘なので信じて良いのか? と疑ってしまいます。馬の姿でも可愛らしいのですが……。さらに本作に登場するサザンビークのチャゴス王子も、服装と色味以外は別人のイケメン肖像画を描かせていたし、トロデ王の言葉を信じて良いものか。

 姫については「彼女の姿を見るだけでも、トロデーン城に行く価値がある」と本棚から見つかる書物に書かれていたりと、美しさへの期待感がどんどん上がっていくのですが……。なんと、物語途中に訪れる泉の水を飲むことで、一時的にミーティア姫本来の姿に戻ることができるようになるんです。話せるようになったミーティア姫に、ときどきは泉を訪れて欲しいと頼まれますが、また来るかどうかはプレイヤーに委ねられます。

 姫の姿は判明しますが、トロデ王の姿はゲームクリアまで伏せられたまま。ヒロイン以上に秘匿される愛すべきおっさん王の真の姿は果たして!? ちなみに筆者は、プチット族(今でいうならプクリポ)のような可愛らしくてとぼけ顔のおじさんor体形は丸いけど顔のパーツはハンサム、のどちらかかと予想してプレイしていました。

馬となり馬車を引くけなげなヒロインと、愛娘に馬車を引かせる父王


 そんな王様とお姫様ですが、姿が姿なので作中の扱いが不憫です。王様は魔物だと石を投げられ、お姫様なのに馬車馬としてみんなを乗せて旅をします。そしてお腹が空けばそのへんの草を食べます。姫なのに。主人公が町に入っても、王と姫は町の外で待機。宿屋も使えないのです。

 ちなみに、馬車を引かせる御者はトロデ王。やむなくとはいえ、愛娘に馬車を引かせるのは良いのか……。鞭は打たないでしょうけど、なんかこう……絵的に……。

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▲なかまコマンドで話す時は、トロデ王とミーティア姫も一緒です。ミーティアは喋れませんが、王様はヤンガスとコンビ漫才を組めそうな軽快な会話をよくしています。ヤンガスの特技“おっさん呼び”でもトロデ王が呼び出されるし。仲良し!

 ミーティア姫はその後も盗まれたあとに1,000ゴールドで売られたり、婚約者のチャゴス王子に鞭で打たれたりと、馬の姿がゆえに散々な目に遭うのですが、泉で人間に戻った時も泣き言ひとつ言わず、主人公や父の役に立てて嬉しく思うと言ってくれるのです。大天使すぎる。

 本作には戦闘パーティーの紅一点・ゼシカも登場します。彼女も魅力モリモリなキャラなのですが、やはり最初から最後まで馬車を引いて冒険に貢献してくれたミーティア姫が、プレイヤーを支え続けてくれたヒロインとして相応しいと個人的には思います。小間使いの主人公を近衛兵に引き上げてくれたのも、ミーティア姫ですし。幼い頃から一緒に過ごした主人公に好意を抱いていたと考えると、思いが通じると良いなと思ってしまいます。

 ミーティア姫の思いの行方は、ゲームクリア後のやりこみで到達する、もう一つのエンディングで見届ける事ができます。主人公が何故呪いにかからないかも、こちらで判明します。とにかくミーティアがけなげで、チャゴス王子がいろいろとひどかったから、せめてミーティアを自由に! そんな思いで辿り着いたエンディングなので、大満足でした。

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 現在はスマホ版をプレイする事ができますが、やはり8の“見渡す限りの世界”は大画面でプレイしたいもの。いつかリメイクかリマスター版が遊べたらいいな…と思ってやみません。

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