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『バーチャルガール@ワールドエンド』先行プレイレビュー。終末系ながら世界設定と配信者の心理描写がリアル。ビジュアルとBGMの表現も素晴らしく物語に引き込まれる【バチャガ】

文:sexy隊長

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 ブシロードゲームズが贈る、6月12日発売予定のNintendo Switch/PC(Steam/Windows)向け終末系ビジュアルノベルゲーム『VIRTUAL GIRL @ WORLD’S END(バーチャルガール@ワールドエンド/バチャガ)』。

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 今回、『バチャガ』を先行でプレイすることができましたので、ネタバレを極力避けてレビューをお届けします!


『VIRTUAL GIRL @ WORLD’S END(バーチャルガール@ワールドエンド/バチャガ)』とは

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●ビジュアルノベル史上最高レベルの描き込みがされた超美麗イラスト!
 全世界2000万DLのゲームアプリ『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』のアートディレクター信澤収氏による、表情豊かな美少女イラスト。その点数はなんと40点以上!

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●実力派新人声優起用! ヒロインはフルボイス!!
 数百名によるオーディションを勝ち抜いた新人声優の橘杏咲さん、立花日菜さん、橘めいさんがヒロイン3名を担当。フルボイスで命を吹き込みます。また、個性豊かなサブキャラクターには鈴木愛奈さん、大西亜玖璃さんなど人気声優を抜擢!

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●ゲーム内でライブパフォーマンス! ミュージックビデオでライブを没入体験!!
 3名のヒロインがそれぞれ持ち歌を歌唱するシーンがあり、ミュージックビデオが再生されます。華やかな配信者による豪華なライブパフォーマンスに没入することができます。

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あらすじ


 “絶望で、かがやけ――”

 2055年、東京。戦争、資源の枯渇、人口減少。絶望に溢れかえったこの場所で、ライブ配信を行う少女たち。カラフルな新しい衣装と髪型で、今日の配信が始まる。

 値踏みされ、順位をつけられ、空っぽになっていく少女たち。世界を見るその瞳だけが、黒く濁っていった。

 色のない、暗い世界で、ひとりの少女が目覚める。

 HELLO WORLD! Vstarの《アイ》です!

 少女はうたう。世界中の笑顔のために。どんな闇の中でも、うたいつづける。世界が終わるその日まで。

リアルに描かれた終末的な世界観を堪能して欲しい【バーチャルガール@ワールドエンド/バチャガ】


 『バチャガ』の最大の魅力は、絶望的な終末世界を舞台にした重厚な世界観と、そこに織り込まれた深いテーマ性になります。

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 2055年の東京は、戦争や資源の枯渇、人口減少によって荒廃し、人々が希望を見失った暗い場所として描かれています。そんな中で、バーチャルライバー“Vstar”たちがライブ配信を通じて人々に娯楽を提供し、輝きを求め続ける姿が物語の中心となって展開していきます。

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 現実世界のエンターテインメントやSNS文化をベースに構成された設定になっており、現代社会で身近になった“見られること”や“消費されること”の意味を深く考えさせられる内容になっているのが特徴です。

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 公式のキャッチコピー「絶望で、かがやけ――」が示すように、闇の中での光の探求が本作のテーマであり、“Vstar”が過酷な環境で自己表現を続ける意味や絶望の中で希望を見出す過程に感情移入してしまい、心にグッとくるものがありました。

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 戦争や資源問題といった設定は「あれ? これ現実でも起きるんじゃない?」と感じてしまい、フィクションながらリアリティを感じさせる他の作品では味わえないような要素となっています。

 重い設定をベースにしながら、少女たちの個性や絆を通じて絶望から希望の光を見せる内容にギャップが発生し、実際に彼女たちが輝いて見えるので、ぜひプレイして体感してもらいたいです!

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世界に輝く超絶美麗なグラフィック【バーチャルガール@ワールドエンド/バチャガ】


 本作は、『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』のアートディレクターである信澤収氏が原案とキャラクターデザイン、アートディレクションを担当。信澤収氏が描くビジュアルが本当に最高なことを先にお伝えしたいです!

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 『ガルパ』でも魅力的だった色彩豊かなキャラクターが終末世界の暗いトーンと対比になっており、彼女たちは“特別な存在”、配信者として“見られる存在”を強調しつつ、“かがやく希望的存在”というのをビジュアルで表現しきっています。

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 信澤収氏は表情豊かなキャラクターデザインに定評があります。本作では、細かい表情や瞳の輝きの表現ひとつで一人ひとりの背景や感情や内面を表現するという、ビジュアルノベルでしか味わえない体験を信澤収氏が魅せてくれます。

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▲このように何でもない会話の中にも表情豊かな表現を魅せてくれる。
 緻密で美しいアートワークはもちろん、背景やUIデザインといった全体のトーンが統一されているのもポイント。ストーリーとビジュアル全てが一体となっており、作品全体としての美しさが際立ち、他作品では味わえない没入感が味わえます。

リアリティを感じるバーチャルライバー“Vstar”の魅力【バーチャルガール@ワールドエンド/バチャガ】


 本作を語る上で外せないのがバーチャルライバー“Vstar”の存在。2055年の東京では、ライブ配信が数少ない娯楽として機能し、少女たちはVstarとして活動することで注目を集めます。

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 実際、外出もまともにできなかった絶望のコロナ禍時代に“VTuber”人気が大爆発して、様々な人に希望を与えた現実とリンクする設定になっています。

 本作はこういった華やかな一面を描くだけでなく、彼女たちが「値踏みされ、順位をつけられ、空っぽになっていく」といった、配信者として消費される立場に置かれた少女たちの心理や葛藤が丁寧に描かれており、過酷な現実にも焦点を当てているのが特徴です。

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 ヒロインのアイ、そしてリンカが歌い続ける姿には、自己犠牲と使命感が常につきまとうなどリアルな心理を描写。現実のVTuberが抱える喜びと苦しみを反映したようなVstarの描き方は、未来の世界でありつつ現代的なテーマも融合させた本作ならではの魅力になっています。

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物語に深みを与えてくれるBGM【バーチャルガール@ワールドエンド/バチャガ】


 BGMが単なる背景音に留まらず、ビジュアルと共に物語の感情的な深さと終末的な世界観を見事に引き立てる設計になっているのも特徴です。

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 終末世界の静寂を表現するピアノの旋律、緊張感を煽るストリングス、ヒロインたちが配信している場面ではアップテンポでポップな曲が流れるなど、シーンごとの感情の変化をより際立たせる役割があります。

 それだけではなく、BGMが鳴るタイミングからSEのタイミングまでも完璧と言いますか、プレイしていてとても気持ちよいタイミング鳴ってくれます。そのためストーリーとビジュアルとBGMの一体感が没入感を強化してくれます。

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 ブシロードが『ガルパ』などで培った音楽とストーリーの融合のノウハウが、本作にも活かされていることが容易に想像できます。ヒロインはフルボイスで演じているので、ボイスとBGMを楽しむためにも、ぜひともイヤホンやヘッドホンでプレイすることをオススメします!

シナリオ分岐がないからストーリーに集中できる【バーチャルガール@ワールドエンド/バチャガ】


 ビジュアルノベルだとマルチエンド形式が多いですが、本作は選択肢がなく、最初から最後まで一本でつながったストーリーになっているのも特徴です。

 ヒロインのアイがなぜ記憶を失っているのか? から始まり、少しずつ記憶を思い出していく流れ、そして未来はどうなるのかといったストーリーを、シナリオが分岐しない分、余計な思考を働かせず没入できるメリットがあります。

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 終末世界の重厚なストーリー、信澤収氏の美しいビジュアル、リアルな“Vstar”の存在、BGMの高い表現力、ビジュアルノベルファンだけでなく、新たな体験を求めるプレイヤーにも強く心に響く作品になると思います。

 2025年6月の発売が今から待ち遠しい作品です。

描きおろしタペストリーなど同梱の『バチャガ』限定版『ファミ通DXパック』予約受付中


 エビテンにて、『バチャガ』の限定版『ファミ通DXパック 3Dクリスタルセット』が予約受付中。

 限定版に同梱される『信澤収氏描き下ろし特製抱き枕カバー(アイver)』『サウンドトラックCD』に加え、ファミ通DXパックのみの『描きおろしB2タペストリー』や『3Dクリスタル「アイ」』などもついてくる超豪華な内容となっています!

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