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『戦場のフーガ3』松山洋インタビュー。ソウルキャノンシステムは、一番プレイヤーにとって嫌なのはなんだろう、という悪魔的思考から生まれた

文:電撃オンライン

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 サイバーコネクトツーの『戦場のフーガ』シリーズ最新作にして完結編の『戦場のフーガ3』が5月29日発売予定。

 本記事では『戦場のフーガ』シリーズ開発総指揮の松山洋氏に、『戦場のフーガ3』についてはもちろん、シリーズ全体についていろいろとお聞きしたインタビューをお届けします。

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 なお『戦場のフーガ3』の発売時には、パッケージ版3本と豪華グッズがセットになったトリロジーボックスも同時発売されます。

 下記6点がセットとなったエビテン限定セットのファミ通DXパックも予約受付中です。

・ゲームソフト『戦場のフーガ1・2・3 トリロジーボックス』
(①戦場のフーガ1・2・3 ②書き下ろし小説3冊セット ③トリロジーアートブック ④トリロジーサウンドトラック ⑤タラニスメタルフィギュア)
・「戦場のフーガ1」LINEスタンプマグカップ
・「戦場のフーガ2」2層アクリルパネル
・「戦場のフーガ3」キャラクター缶バッジ12個セット
・インターミッションスチル:カレンダー風ポストカード12枚セット
・3Dクリスタル:マルト

設立20周年に自社パブリッシングでオリジナルタイトルを!【戦場のフーガ】


――あらためて、そもそも『戦場のフーガ』シリーズを開発することになったきっかけや、目指したコンセプトについて教えてください。

 サイバーコネクトツーが設立20周年を迎えた2016年のタイミングで「自社パブリッシングでオリジナルタイトルを開発してリリースしよう!」ということを決めました。

 その際に、サイバーコネクトツーの原点はやはり1998年に発売された『テイルコンチェルト』というアクションアドベンチャーであり、『リトルテイルブロンクス』という世界観こそがウチの源流だと考えて、同一世界から新たなRPGを制作することに決めました。

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 まぁ、サイバーコネクトツーではなんでも初めてのことは全部私から発案してスタートすることが多かったので、『戦場のフーガ』も同様に企画の骨子は私が決めました。

 12人の子どもたちが戦車に乗って旅をするRPGであること、ソウルキャノンという子どもの命で発射する恐ろしい兵器が搭載されていること、撃てば勝てるとわかってはいても子どもは絶対に犠牲にはしたくない、そういったジレンマを抱えた設計などは最初から決まっていましたね。

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 あとは物語自体にもペテンがあって王道少年漫画としてのストーリーラインで構成していくことも当初から決まっていました。
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一番プレイヤーにとって嫌なのはなんだろう、という悪魔的思考から新システムが生まれた【戦場のフーガ】


――ソウルキャノンというシステムの狙いや導入意図、シリーズにおける進化や改良点について教えてください。特に『3』における、コミュニケーション不足の仲間が自発的に犠牲になる覚悟を決めてしまうという、心を揺さぶる鬼仕様にいたった部分についてコメントをお願いします。

 これはシリーズ物に必ず付き纏う「え? 前作と全く同じなの?」と思われないための新しいシステムの提案を社内で検討している時に話し合って生まれました。

 『1』ではプレイヤー自身に誰をソウルキャノンに入れるのかを選ばせるというジレンマ。『2』ではハクスというAIキャラクターに無慈悲に選出されてしまうというジレンマ。

▲ちなみに『戦場のフーガ』のユニーク性&ソウルキャノンの辛さがわかりやすく解説されているのが、この動画。あわせて、ヨコオタロウさんのやばさも確認できます(笑)。

 そして『3』では子どもたちが自ら犠牲となってチャンバー室に入っていくという最も残酷なジレンマを設計しました。

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▲仲間の危機を察し、犠牲となる覚悟を決めて自らソウルキャノンチャンバーへ……。
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▲仲間の存在が……。ソウルキャノンが最悪の進化を遂げました。ひどすぎる。

 シリーズで三回も同じことは出来ないですし、一番プレイヤーにとって嫌だと思われることってなんだろう、という悪魔的思考からこのシステムになりました。発案者は、はい、私ですね。

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▲『戦場のフーガ3』には、全員の命を懸けるメガソウルキャノンも……。ほんと、心を削りに来るゲームです。
――ソウルキャノンに限りませんが、『1』から順を追って要素を増やしていき、ユーザーが混乱しないようにガイドをしているような印象を受けました。このあたりは3部作を意識して、あえて段階的に要素を増やしていったのでしょうか?

 それぞれのナンバリングを開発している最中は「これがベスト!」という考え方で制作を行っているのですが、次のタイトルの開発をスタートする時点で「さぁ、前回のベストを上回るアイデアを捻りだそうか」というミーティングを経て全くのゼロからアイデアを出し合って決めてきました。

――ユーザーの使用率を分析して調整している部分などもあるのでしょうか? 『2』でのマーナガルム(体力を消耗するが死亡はしない)は、ソウルキャノンをあえて使わない人が多すぎるので、少し使用のハードルを下げたようにも感じました

 それはおっしゃる通りです。社内外のモニタープレイをいつも4段階くらい実施していて、その時のデータを参考に設計をしています。
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漫画版はゲームのその先までを描いていく【戦場のフーガ】


――ファミ通.comで連載中の開発者ブログではさまざまな開発裏話が明かされていますが、特に反響が大きかったことや印象に残っているエピソードがありましたら教えてください。

 やはり
お金(予算)に関する話には皆さんわかりやすく反応されますね。あ、おかげさまで『戦場のフーガ』の開発予算である3億2千万円はしっかりと回収することが出来ました。『2』と『3』に関してはこれからです。

――ファミ通.comで連載中の漫画『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』では、マエストロが『1』時点で登場するなど、ゲームファンにとって熱い展開が多かったです。いよいよ『3』の物語も描かれ始めますが、コミック版の今後の見どころについて教えてください。

 漫画版のシリーズ構成は私自身が手掛けていますので、常に「漫画として面白くするためにどうするか?」という思考で制作を進めています。なので『1』の段階では全く存在していなかったはずのマエストロやアッシュを登場させたのは漫画的な戦略です。

 これから始まる第三部はかなりゲーム版とは構成が異なりますし、ゲームのさらにその先までを漫画では描いていく予定なので楽しみにしていてください。

シリーズとしての物語の結末は『1』の段階から構想していた【戦場のフーガ】


――『3』はPVの時点で熱い情報だらけですが、この物語の結末は『1』時点から想定していたものだったのでしょうか。それとも、3部作を開発していくなかで連載漫画的に考えていった部分もあるのでしょうか。

 シリーズとしての物語の結末は『1』の段階から構想していたものです、私の中では、全部。


 けど、開発スタッフには一切伝えていませんでしたので「え? マルトって長男じゃなかったの!?」って普通に驚いていましたね。作りながら。これは今の目の前の開発に集中してもらうために意図的に伝えなかった部分です。

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――PVの時点でタラニスが飛んだり、ラスボスっぽい巨大な敵に突撃したり、●まで行っちゃったりするようなネタバレをあえて気にしないくらいの情報盛りだくさんなものとなっていて驚きました。発売前にあれだけ見せてしまっても、まだまだすごいシーンだらけという自信の現れでしょうか?
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▲エアリアルモードで空を駆ける、究極の完全体タラニス・Ω。こんなの最初から見せちゃっていいの!?

 はい、『3』はシリーズの完結作であり集大成でもありますので、とにかく要素が多すぎるのでPVに出ている内容以上に盛りだくさんなのでぜひ期待してください。

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▲エンディングはシリーズ最多の8種類。クリア後には19種のシークレットイベントが解禁され、キャラたちのさまざまな秘密が……。って、ハンナが出産しているような!?

ファストモード(反応弾)はディレクター新里氏への無茶ぶりから生まれた【戦場のフーガ】


――RPGの常識を破壊するようなファストモード(反応弾)の存在に驚きました。このシステムの狙いや導入意図について教えてください。スタッフ内からの反対などもあったのでしょうか?

 「三部作をゼロから始めるときにいちいち戦闘やるのってかったるいよね、正直。なんかさ、プレイヤーのプライドを傷つけることもなくすんなりと物語だけをさくっと進められる新システムを考えようよ」という無茶ぶりにディレクターの新里が応えてくれました。

 システムのアイデアを聞いた時には「天才かよ」と思わず口にしちゃいましたね。一部の開発スタッフからは「これって、自分たちが作っているRPGというゲーム自体を否定する行為になりませんか?」という心配の声もあがりましたが、「うん、大丈夫、やろう」と説得したら納得してくれました。だから大丈夫です。
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ぶっちゃけてしまうと『3』からでも楽しめるけど、やっぱり『1』から遊んで欲しい【戦場のフーガ】


――あえてお聞きします。『3』から遊んでも楽しめますか?

 ぶっちゃけてしまうと『3』からでも楽しめますよ。タイトル画面の完全ネタバレの『1』と『2』のあらすじムービーを置いてますからね。

 それを見てからプレイすればだいたいわかります。まぁ開発者としては『1』から遊んでほしいですけどね。そのためにファストモードも入れたんだから。

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▲Switchでは『1』~『3』のパッケージ版がセットになったトリロジーボックスが登場。ファストモードでさくさくと『1』『2』の物語を振り返るのもあり!

パッケージソフトに付随する書き下ろし小説は完全にネタバレ小説なので、クリアしてからのお楽しみに!【戦場のフーガ】


――ファン待望のパッケージ版が発売されることが決まり、ファンとしてはうれしい限りです。トリロジーボックスに同梱されるグッズについて、思い入れやアピールポイント、実現するのに苦労した部分などがありましたら教えてください。

 これも最初から、という話になって来るのですが、『3』が発売するタイミングでパッケージ版を発売することは決めていました。

 『1』と『2』は自社でデジタル(ダウンロード)販売を行い稼ぎつつも、この期間自体をプロモーションの時間という位置づけにして認知拡大を行いつつ『3』のタイミングで一気に3本パッケージで出そう! という考えです。

 なので本当にお待たせしました。改めまして『戦場のフーガ』シリーズをよろしくお願いします。

 「トリロジーボックス」に関しては本当に欲しいと思えるものを詰め込みました。特に戦車タラニスのメタルフィギュアはかなりいい出来になっていますよ。ちょうど手のひらに収まるサイズ感が凄くいい。デスクとかにも飾れます。

 ファミ通DXパックはもうエビテンのチームが狂った提案をしてきたので全部お任せしました。3Dクリスタルのマルトがめちゃくちゃカッコいいですよ。


 あ、あとパッケージソフトに付随する書き下ろし小説ですが、完全にネタバレ小説なのでそれぞれをクリアしてから読んでくださいね。そこだけ注意です。
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――最後に『戦場のフーガ3』を楽しみしている読者にメッセージをお願いします。

 サイバーコネクトツーにとっては足掛け10年近いプロジェクトになってしまいましたが、ようやく全くのゼロから始まった自社オリジナルタイトル『戦場のフーガ』シリーズが完結します。

 これまでお付き合いいただいたファンの方々には「絶対に期待を裏切らない最高の作品になりました、けど、予想はきっと裏切ることになると思うので覚悟してくださいね」とお伝えさせてください。

 これから初めてシリーズをプレイされるお客様には「初めまして、地獄へようこそ、彼らを救う準備と覚悟は出来ましたか? では一緒に行きましょう」とお伝えさせていただきます。さぁ、共に行きましょう!

戦争×復讐×ケモノ『戦場のフーガ』シリーズ3部作がついに完結


 爽快感と戦術性を両立した新バトルシステム、タラニス育成要素が大幅アップしたインターミッション、戦略要素がさらに増加したルート進行・イベントバトルなど、シリーズ集大成となる『戦場のフーガ3』。

 今作ですべての"絶望"の意味がついに明かされます。

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▲『戦場のフーガ3』Steamページも公開中。ウィッシュリストに登録して最新情報をチェック。

待望のNintendo Switch パッケージ版が登場!


 以前から多くの要望があったパッケージ版が、ついにNintendo Switch版として登場します。
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 また、『戦場のフーガ』と『戦場のフーガ2』は新価格になって同時発売決定。各パッケージ版には描き下ろしエピソードの小説が初回特典として付属され、パッケージ版3本と豪華グッズがセットになったトリロジーボックスも発売されます。
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『戦場のフーガ3』概要

発売日

2025年5月29日

ダウンロード版:プラットフォーム、価格、限定版セット内容など

【プラットフォーム】PlayStation®4, PlayStation®5, Nintendo Switch , Steam®, Epic
Games Store, Xbox One, Xbox Series X|S
・『戦場のフーガ3』通常版: 4,180円(税込)
・デラックスエディションアップグレードパック:2,200円(税込)
・デラックスエディション:6,380円(税込)
∟セット内容:
・『戦場のフーガ3』デジタルアートブック(P80)
・『戦場のフーガ3』デジタルサウンドトラック(全15曲)
・『戦場のフーガ3』ゲーム内特典
1サッカーコスチュームチェンジ(12キャラ分:インターミッション・探索モードで使用可能)
2ソウルキャノン用ダミーソウル(1回だけ子どもの犠牲なしにソウルキャノンが使える)
3アイテムセット

パッケージ版:プラットフォーム、価格、限定版セット内容など

【プラットフォーム】Nintendo Switch
・『戦場のフーガ3』通常版: 4,180円(税込)
・戦場のフーガ1・2・3 トリロジーボックス:15,180円(税込)
∟セット内容:
・戦場のフーガ Nintendo Switch パッケージ
・戦場のフーガ2 Nintendo Switch パッケージ
・戦場のフーガ3 Nintendo Switch パッケージ
・タラニスメタルフィギュア
・トリロジーアートブック
・トリロジーサウンドトラック
・初回特典 書き下ろし小説3冊セット
<『戦場のフーガ』、『戦場のフーガ2』パッケージ通常版も同時発売!>
・『戦場のフーガ』通常版 : 新価格3,828円(税込)
・『戦場のフーガ2』通常版: 新価格3,828円(税込)
※『戦場のフーガ』、『戦場のフーガ2』のダウンロード版も4月に同程度の金額に改定予定(日本円のみ)。

プレイ人数

1人

ジャンル

ドラマティックシミュレーションRPG

対応言語

ローンチ時:日本語・英語・フランス語 / 追加予定:繁体字・簡体字

開発・発売

CyberConnect2 Co., Ltd.

『戦場のフーガ』とは? 全滅エンドもありうるシビアな世界観・システムも大きな魅力


 『戦場のフーガ』は、サイバーコネクトツー設立25周年にして初パブリッシングタイトルとなるドラマティックシミュレーションRPG。“戦争×復讐×ケモノ”をテーマにした、濃厚なストーリーと高い戦略性が求められる作品で、3部作として展開。完結作となる『3』がいよいよ本格的に動き出したことになります。

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 同社が開発したPS『テイルコンチェルト』、ニンテンドーDS『Solatorobo それからCODAへ』で描かれてきた、イヌヒト、ネコヒトたちが生活する世界観“リトルテイルブロンクス”の最新プロジェクト。PS4/PS5/Switch/Steam/Xbox One/Xbox Series X|S/Epic Games Storeというマルチハードで展開されるところも特徴です。

 ソウルキャノンという特殊な武器が用意されており、子どもの命を犠牲にした強力な威力を振るうかどうかの決断を迫られる部分も大きな特徴です。特に『2』では、ピンチになると勝手に子どもが選ばれてソウルキャノンが強制発射されてしまうという悲しい展開も……! 過去シリーズでは、ソウルキャノンを打ちすぎると仲間が全滅して全員死亡エンドなども用意されていました。かわいい見た目に反してシビアな世界観・システムが用意されていることも、『戦場のフーガ』シリーズの大きな魅力となります。

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