2024年に原作20周年を迎えた『とある魔術の禁書目録』。それを記念した書籍『とある超百科』が発売中です。
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「とある」シリーズのコアファンだけでなく、改めて楽しみたい人にオススメのアイテム。それが『とある超百科』
『とある超百科』は、『とある魔術の禁書目録(インデックス)』に加えて、スピンオフ作品『とある科学の超電磁砲(レールガン)』『とある科学の一方通行(アクセラレータ)』などのアニメシリーズを網羅しています。
加えて、上条当麻役・阿部敦さんと御坂美琴役・佐藤利奈さんのスペシャルインタビュー、「とある」シリーズの原作者・鎌池和馬先生のインタビューも掲載されており、改めて本シリーズを知りたい方、原作を読んでいるコアファン、そして今は休眠中のファンにもオススメの内容となっています。
この記事では、そんな本書のオススメポイントを大きく3つにわけて紹介していきます。
加えて、上条当麻役・阿部敦さんと御坂美琴役・佐藤利奈さんのスペシャルインタビュー、「とある」シリーズの原作者・鎌池和馬先生のインタビューも掲載されており、改めて本シリーズを知りたい方、原作を読んでいるコアファン、そして今は休眠中のファンにもオススメの内容となっています。
この記事では、そんな本書のオススメポイントを大きく3つにわけて紹介していきます。
その1:「とある」シリーズのアニメ全作品をこれ1冊で振り返り可能
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「とある」シリーズは作品知名度は非常に高い反面、歴史も非常に長い作品です(電撃文庫の原作小説が2004年刊行開始、アニメ『とある魔術の禁書目録』第1期が2008年放送)。
そのため、「シリーズすべてを網羅しているよ」という方もいる一方で「知っているけれど部分的にしか見ていない」「昔は追いかけていたけれど最近は見ていない」という方も多いかと思います。そういった方に共通するのが、原作はもちろんアニメも長期にわたって放送されてきたため、見るだけでも一苦労、なかなか手が出しづらいという認識ではないでしょうか。
『とある魔術の禁書目録』だけでも1期から3期までの74話。それに『とある科学の超電磁砲』『とある科学の一方通行』も含むとなると、数日かけても見切れないほどのボリュームです。
そんなボリュームの「とある」シリーズの要点を絞ってまとめたのがこの1冊。本書には『とある魔術の禁書目録』『とある科学の超電磁砲』『とある科学の一方通行』のシリーズのエピソードを数ページに渡って一気に見返せるのです。
クリティカルなネタバレであるストーリーの結末部分などは、本書では明確な形では触れられていませんので、まだアニメを見ていない方の楽しみを奪ってしまうことはありません。このシリーズガイダンスを見て気になった部分のエピソードを配信プラットフォームで見るなど、本書を活用してアニメを振り返る、興味を持つという楽しみ方がオススメです。
また、この記事が掲載された時点(2025年4月現在)でアニメ化が発表されている『とある暗部の少女共棲(アイテム)』&『とある科学の超電磁砲』第4期などの新作の予習にも最適です。「とある」シリーズのストーリーや人間関係、そしてさまざまな設定の基礎知識などは、本書を読んでおけばある程度は押さえられます。
個人的な感想ですが、場面カットのチョイスがかなり良いなと感じました。アニメを見ている人であれば「ああ、このシーンあったな」と思う場面カットがしっかりと押さえられており、それに付随して記憶がぶわっとよみがえる感覚を味わえました。「もう一度あのシーンを見てみようかな」と何度も思いました。
歴代オープニング・エンディングの音楽と映像についても触れられているのも非常にいい点ですね。『Shadow is the Light』とか、脳裏に一方通行の不敵な笑みや、あのサウンドが一気に呼び起こされましたもの。
アニメの内容は覚えているという人にとっても、ここまでコンパクトかつ綺麗にアニメのエピソードや、主要キャラの人間関係がまとまっている書籍は補完資料としての価値があると思います。シリーズを見ていない人に布教するにもピッタリなので、ファンは復習のみならず布教のためにも持っておいて損なしです。
個人的な体験を持ち出してしまい恐縮ですが、同じ作品のファンと話すときに、こうした資料があるとなしとでは、話の弾み具合がまったく違ったんですよね。今なら「スマホがあれば別に……」なんて人もいると思いますが、実際にやってみるとかなり違うと思いますよ。スマホの小さな画面だとわかりづらいし、URLを共有しても見ている部分が違うこともあるなど。“話題の共有強度”って、なんだかんだ紙の書籍のほうが圧倒的に上な場合が多かったです。これ、もしも機会があったら試してみてください。
その2:阿部敦さん&佐藤利奈さん、鎌池先生の“今”を伝えるインタビューはコアファンも必見
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『とある超百科』の2つ目の見どころが、本書だけでしか読めない上条当麻役の阿部敦さんと御坂美琴役の佐藤利奈さんのスペシャルインタビューと、原作者の鎌池和馬先生のインタビューです。
詳しい内容についてはぜひご購入いただいたうえで読んでほしいのですが、阿部敦さんと佐藤利奈さんが出演している作品を追いかけ続けているファンほど「うんうん」とうなずきたくなるお話や「そうだったんだ……」と思わされるくだりが満載です。
一部を取り上げると、『とある魔術の禁書目録』アニメ第1期が放送された当時の2008年のお2人はまだ声優としては駆け出し時代。その2人がオーディションや収録に臨んだ際の気持ちを語っており、それを聞いたうえで今の「とある」シリーズの展開やお2人の活躍ぶりを見ると、感慨深い気持ちにならざるを得ません。
逆に、駆け出しの頃に演じて現在に至るまで続いているからこそ、キャラクターの印象を変えないように気をつけつつ、自身の演技の幅の変化を加えているなど、15年以上付き合ってきたキャラクターだからこそ、“今”はこういう心境なんだろうなと思わされるお話もありました。
現実世界の時間ではアニメ放送から15年以上が経過していますが、作中の世界ではまだ1年が経過していないわけですから、その差とどう向き合っているのかは気になるところですよね。
お2人にはご自身の演じるキャラクターの印象について語っていただいていますが、他にもお2人の口からは他のキャラクターの名前も多く出ており、彼ら彼女らについて熱く魅力を語る様子が載っています。長らく主人公とシリーズを代表するヒロイン(かつ作品によっては主人公)の1人を演じているだけあって、インタビューを読んでいるとお2人の作品愛が存分に伝わってきます。
鎌池和馬先生のインタビューでは、編集者の三木一馬さんとイラスト担当のはいむらきよたか先生の関わりや、当時の電撃文庫に関するトークなど、長く電撃文庫で小説を出し続けている鎌池先生ならではのお話が伺えます。
また、鎌池先生は執筆量とスピードが異質であることは有名ですが、続々と生まれる新キャラクターの生み出し方や、『ヘヴィーオブジェクト』や『インテリビレッジの座敷童』との同時執筆をどうやって行ったかなど、鎌池先生の思考を知ることができるめったにないインタビューです。
インタビューを読んでいると超スピードで執筆をしつつ、その作業の中でロジカルに設定を練っていることがわかり、改めて鎌池先生の執筆センスに驚かされることでしょう。
他にも、原作小説で付けられているナンバリングである“新約”“創約”についても触れており、アニメだけでなく原作小説を追いかけているコアファン必見の濃い内容となっています。
その3:イラスト集や大辞典など資料としての要素も満載
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冒頭でも場面カットには触れましたが、本書には多くのイラストを掲載している画集的な側面もあり、冒頭にはさまざまメディアで使用されたイラストが一気に掲載されています。
ファンにとっては印象深いものもあれば、アニメ情報誌でしか載っていなかったレアなものまで載っており「こんなビジュアルもあったのか!」と新たな出会いもあるはず。
後半には、まるで辞書のように作中で登場する用語とキャラクターの紹介が行われています。「とある」シリーズはキャラクターも物名も独特の読み方が多いのが特徴。筆者は能力名などある程度フリガナを見ずに読めますが、改めてこうして一覧で見るとこれらの文字を読めるのはもはや1つの能力では……?とさえ思ってしまいます。
また、このページを活用すれば「とある」シリーズの難読クイズのようなものも作れるかも……? 作品理解を高めるだけでなく、いろいろな活用方法ができそうなページです。
「とある」シリーズの見どころがギュッと詰まった本書。前述の紹介ポイントではこれから見る人、追いかけているコアファンの人と2分割しましたが、一時は熱量を持って追いかけ続けていて今はライトに楽しんでいるという休憩中のファンもいるのではないでしょうか。実は筆者もそのうちの1人だったりします。
どの層にもオススメできる1冊ですが、個人的には筆者のように休憩中のファンにこそ、本書はかなり刺さる内容なのではないかと思いました。
アニメのエピソードや用語集、イラストまとめを見て懐かしさに浸りつつ、阿部敦さん、佐藤利奈さん、鎌池和馬先生のインタビューで作品愛を再熱させてくれる。そして、TVアニメ化される『とある暗部の少女共棲』と『とある科学の超電磁砲』第4期に備えつつ、熱が高まった方は原作小説を再び手に取ってみる。そんなきっかけになる一冊だと感じます。
自宅に置いておけば折を見て「とある」シリーズの魅力を何度もかみしめられることでしょう。「とある」シリーズへの熱意があらたに起きた際には、絶対に役立つこと間違いなしです。一度でも「とある」シリーズの魅力に取りつかれたことがある人、興味を持ったことがある人は、読むだけできっとワクワクできるので、ぜひ買ってほしい……いや、一緒に買いましょう! そう強くお伝えしたいです。