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【スパロボY参戦作品紹介】ゲッターロボ アーク:奇跡のアニメ化を果たした『ゲッターロボサーガ』最終章。アニメオリジナルゲッターやゲッター聖ドラゴンの扱いはどうなる?【スーパーロボット大戦Y】

文:米澤崇史

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 『スーパーロボット大戦Y(スパロボY)』に参戦する作品を紹介。連載第17回は『ゲッターロボ アーク』について語ります。

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 2025年8月28日にバンダイナムコエンターテインメントから発売予定の、シミュレーションRPG『スーパーロボット大戦』シリーズ最新作となる『スーパーロボット大戦Y』。機体のみのものも含め、21作品が本作に参戦します。


 『スーパーロボット大戦30』から数えると(間にDLCや追加ストーリーはありましたが)、4年弱ぶりのコンシューマ向け『スパロボ』ということで、久しぶりにワクワクしているシリーズファンも多いのではないでしょうか(もちろん筆者もその一人)。

 『スパロボ』でまったく知らない作品に触れる……というのも、もちろん立派な楽しみ方の一つではあるんですが、ある程度作品の知識があったり、原作を見たことがあれば、「こんなクロスオーバーを仕込んできたか」みたいな感動を得られたりするのも、『スパロボ』ならではの魅力。

 そこでこの連載では、『スパロボY』に向けての予習・復習を兼ねて、参戦作品についての大まかなあらすじや、『スパロボY』での注目ポイントを紹介していきます。

 なお、核心に触れるようなものは避けますが、
ある程度の作品のネタバレを含む内容となっているので、未視聴の場合はご注意ください。

『ゲッターロボ アーク』とは?【スパロボY参戦作品紹介】


 『ゲッターロボ アーク』は、2021年に放送されていた、石川賢先生による同名の漫画を原作としたTVアニメ。

 『ゲッターロボ』といえば流竜馬! という方も多いと思いますが、本作の主人公は彼の息子である流拓馬。

 拓馬はかつて自身の母親を殺害した仇を探して旅をする最中、共に旅する相棒の山岸獏、かつてゲッターに撃退されたハチュウ人類と人間のハーフであるカムイ・ショウと共に、早乙女研究所の現・所長を務める神隼人の元、ゲッターロボ アークのパイロットとして正体不明の侵略者との戦いに身を投じていくことになります。


 本作は『ゲッターロボサーガ』と呼ばれる『ゲッターロボ』の漫画シリーズの1作であり、ストーリーの背景設定は『ゲッターロボ號』のラストからの流れが踏襲された作品でもあります。

 原作の漫画は双葉社から刊行されていた、様々なロボットアニメや『スパロボ』シリーズを取り扱う雑誌『スーパーロボットマガジン』で連載されていたのですが、雑誌の休刊に伴い連載も打ち切りになってしまいます。

 単行本化にあたって雑誌未掲載のエピソードが追加されたものの、ストーリーとしては未完のまま。さらに2006年には石川賢先生が亡くなられ、続きは絶望的だったのもあって、TVアニメ化の初報が出た時は驚かされました。


 そういった経緯もあって、どのように映像化されるかに注目が集まっていたのですが、概ね原作の流れには沿いつつも、アニメオリジナルのゲッターロボの登場する、キャラクターの生死が変わるなど、多くのアレンジ要素が盛り込まれたアニメになっていました。

 こうした思い切ったアニメオリジナル要素は批判を集めがちですが、本作を手掛けたのは『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』や『新ゲッターロボ』など、多くの『ゲッターロボ』シリーズのアニメに携わってきた川越淳氏。

 その川越氏が再び監督を務めたのもあってか、アレンジについてもファンから好意的に受け入れられ、新たなゲッターが登場した放送当時は、「俺の知らないゲッターだと!?」という驚きの声がネットミームになるほどの盛り上がりでした。


 『ゲッターロボ アーク』は、あくまでも石川先生が展開した漫画版の世界観で、映像化されていた『ゲッターロボ』シリーズとは直接つながっているわけではないのですが、エンディングや挿入歌に、川越監督が手掛けたアニメ版『ゲッターロボ』シリーズのアレンジ楽曲が贅沢に使われ、過去作に登場していたキャラクターには、OVA版のオリジナルキャストが多数続投して出演していたり、とにかくファンサービスに溢れていたのが印象的な作品でしたね。

■『ゲッターロボ アーク』を見る

今回もエースとして活躍しそうなゲッターチーム。あのゲッターの登場にも期待【スパロボY参戦作品紹介】


 アプリの『スパロボDD』には参戦していましたが、家庭用『スパロボ』シリーズには『スパロボY』が初参戦となる『ゲッターロボ アーク』。

 楽しみなポイントはたくさんあるんですが、個人的に期待しているのがまずゲーム的なユニット性能の部分。

 『ゲッターロボ アーク』という作品自体は初参戦ではあるんですが、『ゲッターロボ』シリーズは『スパロボ』における“御三家”と呼ばれる常連中の常連の一角で、ほとんどの『スパロボ』に参戦しています。


 その上でゲッターがすごいのは、参戦した作品のほとんどでユニットとして強いこと。空中戦と必殺武器が強力なゲッター1、陸上での戦いと運動性や移動力に優れたゲッター2、水中戦が得意なゲッター3と状況に応じて性能を変えられることや、精神コマンドが3人分使えるというアドバンテージが『スパロボ』のシステムと相性抜群で、非常に使い勝手がいいです。

 個人的に、ゲッターが参戦した『スパロボ』で、ゲッターを使わなかったことって一度もないかもといえるレベルで毎回お世話になっています。

 今回のゲッターアークも変形可能で精神コマンド3人分という主な特徴は引き継いでいますし、既に試遊や体験版で拓馬たちが“ゲッターの申し子"という気力を条件に発動する強力なダメージアップ系の特殊技能を所持していることが明らかになっています。

 この手の特殊技能が『スパロボ』で弱かったケースはほとんどないので、メンバーは変わっても、今回もゲッターチームはボスキラーとして大活躍してくれるんじゃないかなと。


 あとはネタバレにも関わるので詳細な話は伏せますが、やはりアニメオリジナルとして登場した、あのゲッターロボの活躍は注目したいところ。

 とくに登場シーンで、アニメと同様にあの楽曲が掛かったらもうたまらないのですが、残念ながらプレミアムサウンドには収録されていませんでした。あとはゲームのオフボーカルアレンジ版が収録されていることを祈るのみです。

 PV第3弾では、アニメ内のある場面で登場する“ゲッター聖ドラゴン”が敵として存在していることも確認でき、原作を視聴済みの方は「あれと戦うのか……?」と誰もが思ったことでしょう。


 『ゲッターロボ アーク』は、今までの『ゲッターロボ』シリーズでもとくに話のスケールが大きい作品で、とくに終盤は『スパロボ』映えする展開が多いんですよね。

 名だたるスーパーロボットたちが集まっても太刀打ちできるのか不安になる圧倒的強さを持つ存在が登場する作品でもあるので、ケイサル・エフェスと戦った『第3次α』を思い出す、絶望感のある展開を味わえそうで楽しみです。

デリングと神隼人の絡みはあるか?【スパロボY参戦作品紹介】


 クロスオーバーでは、新規参戦の『SSSS.DYNAZENON』とは合体ロボ同士というつながりもありますし、ゲッターが過去に撃退した恐竜帝国の存在と考えると、恐竜がモチーフになっているダイナゼノンはいろいろ絡みがあるんじゃないかなと。

 かなり空気感にギャップのある作品同士ですが、ガウマに関してはゲッターチームに入っていても違和感がなさそうです。

 あとはちょっと面白いそうだと思っているのが、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のデリング・レンブランと神隼人の絡み。

 どちらも内田直哉さんが演じているという中の人ネタにはなるんですが、デリングは元軍人なので、本編よりも前に起こった恐竜帝国との戦いに軍人として参加して、隼人と面識があってもおかしくないんですね。

 デリングが搭乗者への危険性という面からGUNDフォーマットを徹底して排除しようとしていたことを考えると、ゲッターも相当にヤバい兵器なので、ゲッターも危険視しているというのは十分にありえそうだなと。


 また『機動武闘伝Gガンダム』との関わりも楽しみで、拓馬は幼い頃に母親から武道を習っているので、ガンダムファイトの勝者であるドモン・カッシュには一目置いてそうですし、母親を失い、その復讐を果たすためにロボットに乗っているという共通点もあります。

 『ゲッターロボ アーク』では、早乙女研究所内で生身の白兵戦になるエピソードもあったりするので、生身での戦闘力最強のガンダムファイターたちが拓馬たちと暴れ回るようなシーンも見てみたいですね。

『スパロボY』参戦作品紹介バックナンバー(第14回~第16回)


米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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