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AIの心を本気で揺さぶってみたい――予想できない"絵ゴコロ”採点とお題に挑むAI×お絵描き×ノベル『愛よさらば』レビュー【電撃インディー】

文:電撃オンライン

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 ”絵を描く”ことが禁止された未来を舞台に、絵を武器に戦う――。そんな聞いただけで胸が高鳴る設定を持つのが、UZZ株式会社(ウズ)が手がける『愛よさらば(A Farewell to AI)』です。

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”AI×お絵描き×ノベル”という、ありそうでなかった組み合わせ。しかもプレイヤーが実際に絵を描き、それをAIが評価してくれるという、創作好きなら一度は夢見る仕組みになっています。

 今回は、クラウドファンディングの告知も兼ねて8月8日から配信されている無料バージョンをプレイ(クラウドファンディングの結果次第でマルチプラットフォーム版の展開もあるそうです)。普段は落書きレベルの絵しか描かない筆者ですが、”どうやら上手じゃなくてもいいらしい(?)”という噂を信じ、「それなら…ワンチャンあるかも」と半分は勢いで挑戦してみることにしました。


 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

AIが支配する世界と”絵描きたちの革命”【愛よさらばレビュー】


 物語の舞台は、AIが世界を統治するディストピアの未来。AIの出現によって世界は一時的に豊かになったものの、人類はその便利さに依存し、やがて支配される側へと転落していきます。

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 法律や思想までAIに管理され、”絵を描く”という行為は完全に禁忌。ペンは“違法物”として押収され、もし描けば現行犯逮捕――そんな息苦しい世界が広がっています。

 そんな中、プレイヤーはレジスタンス部隊の一員として、各時代の絵師たちの記憶を追体験しながら絵を描き、その魅力を解放していきます。

ペンで描いて進めるゲーム【愛よさらばレビュー】


 ゲームは
”ノベル+お絵描き”という形式で進行します。ストーリーの合間にお題が提示され、それに沿って実際に絵を描き、AIに採点されるという流れです。

 操作は指やペン、マウスに対応。iPadや液晶タブレットなら筆圧や細部まで描き込めるのでおすすめですが、スマホでも十分遊べます。

 筆者はお試しプレイということで、iPhoneと指のコンビで挑戦。サインの時点で予想以上にスラスラ描けて、
「あれ?自分…絵心あるのでは?」と一瞬だけ錯覚しました。(笑)

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 最初に選べるキャラクターは、アイ(難易度★★★)、ボクサイ(★★★★)、???(★★★★★)の3人。今回は初心者向けと思われるアイを選び、彼女と共に物語を進めていくことにしました。

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”仲間にしたい女性? もう一度? ”謎すぎるお題に苦戦【愛よさらばレビュー】


 お題は”昨日食べたもの”や”今一番欲しいもの”といったウォーミングアップ的なものからスタート。ところが油断していると、ステージが進むにつれて一気に難易度が跳ね上がります。

 なかでも印象的だったのが、
”仲間にしたい女性を! もう一度”というお題。
(このときは知りませんでしたが、“もう一度”というタイトルは、合格点に達することができずリトライになった場合、どのお題にもつきます。)

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「仲間にしたい女性? 誰の記憶を辿ってるんだ……?」と混乱しながら筆を走らせますが、背景や設定を汲み取らないと得点がまったく伸びません。

 ちなみにこの時の設定は、“お絵描きが禁じられた世界で絵を描ける世の中にするための革命に参加している”というものなので、このシナリオだと「仲間にしたい女性」のほか「倒したい警官」なども出題されます。

 さらにこのゲーム、再挑戦すると残り時間が前回の続きからになるため、失敗を重ねるたびにタイムがじわじわ削られていきます。

 このお題を突破できたのは、残り5秒を切ったギリギリの瞬間! 描き終えた直後は、もはや勝利の雄叫びをあげたい気分でした。

AIの採点基準は"絵ゴコロ”!? だからこそ燃える【愛よさらばレビュー】


 採点はAIが”絵のココロ”を読み取り、100点満点で評価します。何をどう見ているのかは明らかにされず、「え? これで高得点!?」という意外な判定もあれば、「これはイケる!」と思った一枚が低評価を食らうこともあります。

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 この不可解さが逆にやる気を引き出します。中には
”100点を取らないと開かないルート”も存在し、繰り返し挑戦するうちに自然と構図や色使いに工夫を凝らすようになっていました。

 ただ描くだけでは終わらない、この中毒性はなかなかのものです。

プレイして感じた『愛よさらば』の魅力

1:世界観の没入感


 AIが支配する近未来、命を懸けて描く江戸時代など、時代ごとに違う緊張感とドラマが楽しめます。

2:マルチデバイス対応


 タッチ、ペン、マウスなど環境を選ばず遊べます。特にApple Pencil対応はお絵描き好きには嬉しいポイントです。

3:創造力を試されるお題


 シンプルな絵ゴコロテストから、自分の内面を見つめないと描けない難題まで、発想力が試されます。

4:クラウドファンディング連動要素

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 プレイ中にCFの告知が挟まるなど、開発資金調達とプレイヤー参加型の仕組みがユニークです。

まとめ:”自分の絵心と向き合う旅”をはじめよう!【愛よさらばレビュー】


 『愛よさらば』は、単なる”絵を描くゲーム”ではありません。絵の力、創作の喜び、そしてそれを奪われた世界で抗う物語が絡み合い、プレイヤーはいつしか物語の一員になっています。

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 絵に自信がなくても、意外な高得点や思わぬ評価が待っており、「次はもっと上手く描けるはず」と自然に再挑戦したくなること間違いなし!

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 お絵描きが好きな方はもちろん、”自分の絵心を試したい”、”想像力を解放したい”という方にもおすすめです。

 次は難易度MAXの???で挑戦して、
AIの心を本気で揺さぶってみたい――そんな不思議な中毒性があるゲームでした。

 「開発の存続」をかけて革命中の『愛よさらば』は、クラウドファンディングで応援ができます。約1,000円からの応援もできるので、『愛よさらば』の将来性に期待する方は、ぜひ応援していきましょう! ちなみに電撃オンラインの編集長は、娘のイラストをグッズ化するために1.5万円コースで応援したそうです。
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『愛よさらば』ゲーム内容


 現在発売されているゲームタイトルは数万から数十万本を超えており、さまざまなジャンルのゲームを遊べる時代になりました。
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 そんななかでも、お絵描きにスポットを当てたゲームはかなり少なく、加えて「Apple Pencil」や「ペンタブレット」「液晶タブレット」対応のゲームソフトは世界的にもあまり例がありません。「マウス専用」ゲームも実はそんなに多くはありません。
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 『愛よさらば』が担います。お絵描きを更に楽しいエンターテインメントに!お絵描きの新しい未来へ一歩踏み出します。
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 【AI×お絵描き×ノベル】の3つの要素を併せ持つゲームがこの『愛よさらば』。あなたが描く絵の”絵ゴコロ”を独自のAIが判定。上手でも緻密でも無い”絵のココロ”をフシギに判定します。

 物語はあなたの絵を中心に進みます。描いた絵がストーリーを進める、今まさに進み始めた新たなテクノロジーを使った、新しい感覚が味わえるゲームが『愛よさらば』です。

  • タイトル名:愛よさらば
  • ジャンル:AI×お絵描き×ノベル
  • サービス開始日:
  • 価格:無料
  • 開発・運営:UZZ株式会社

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