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その愛、猟奇的! 両手両足を切断されて監禁されるホラーゲーム『欠損失愛』レビュー。もちろん(?)初見殺しだらけ【電撃インディー#979】

文:ぎょにちむ

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、ザクロスケより2026年配信開始予定のPC(Steam)向けサイコホラーロマンスアドベンチャー『欠損失愛』の体験版レビューをお届けします。
※体験版は5月7日までの期間限定で配信中。

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 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!


四肢欠損のヒロイン(?)が挑む、監禁ホラーアドベンチャー【欠損失愛レビュー】


 本作は“Live2Dフルアニメーションדパラノマサイト”ライク”なポイントクリック型サイコホラーロマンスアドベンチャー。

 部屋の中を360度見渡せるパノラマ視点を駆使しながら、物語を進めるためのヒントを見つけ出していくこととなる。

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 プレイヤーは記憶喪失の主人公(ヒロイン?)となり、閉ざされた部屋からの脱出を試みる。

 本作の最大の特徴は、単なる監禁ではなく、四肢(両手両足)を欠損した状態で目覚めるという、極めて衝撃的なシチュエーションから物語が進んでいくというところにある。

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 このインパクト大のシチュエーションは好き嫌いが分かれそうだが、腕や足が満足に使えないからこその無力感や、もどかしさが、ホラーならではの緊張感を演出してくれる。

 会話や行動のひとつひとつに気を配らなければ、いつ、なにをされるかわからない。そんな恐怖感がプレイヤーをつねに襲い、精神的にダメージを与えてくるのだ。

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 なお、四肢欠損という設定は、なかなかのインパクトではあるものの、全体的にグロテスク表現やゴア表現は控え目なので、そういった類が苦手な方でもプレイしてみる価値はある。

 もちろん、グロ描写が苦手な方にも配慮されており、“モザイク”や“包帯”といった緩和表現設定も用意されているので、ぜひプレイの際は活用して欲しい。

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 またプレイヤーの分身となるヒロイン(?)は、主人公の名前や、一人称、簡易なキャラメイクができる。

 ヒロイン(?)の見た目も、中性的なビジュアルで、ぱっと見では性別はわからない。

 キャラメイク次第では、女性にも男性にも自由に設定可能なので、どんなシチュエーションで楽しみたいかは、プレイヤーに委ねられている。

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▲目つきや髪型など、簡単なキャラメイクが楽しめ、キャラメイク後は、画面上に常に登場する。
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▲一人称も選べるので、男の娘でも、ボクっ娘でもいける。

突如始まる監禁生活。密室で育まれるのは怒りか愛情か?【欠損失愛レビュー】


 物語は、ヒロイン(?)が見知らぬ部屋で目を覚ますところから始まる。

 ヒロイン(?)は記憶をなくしており、微かに思い出した名前も自分のものかどうかもわからない状態だ。

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 あたりを見渡してみるが、特に変わったものはない。

 しかし、自分の首には首輪がかけられており、監禁されていることに気づく。

 異常な状態に慄き、脱出を試みるが体は上手く動かない。

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 そこへやってきた謎の男。

 一見穏やかな態度を見せる男だが、状況を鑑みるに、この部屋に監禁した張本人だと思われる。

 彼は何者なのか、何の目的で監禁しているのか、真意は不明だ。

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 会話を進めていく中で、ヒロイン(?)は、自身の両手両足を失っていることに気づいてしまう。

 そう、この不自由さは首輪のせいだけではなく“四肢欠損”が最大の要因だったのだ。

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 四肢を切断したのが目の前にいる彼なのだとしたら……。

 ひとつでも選択を間違えれば、ヒロイン(?)の命の保証はない。

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 彼の正体は何なのか? 監禁の目的は?

 二人の間には、いったいどんな過去があるのか?

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 そして、ヒロイン(?)の運命は……?

 プレイヤーは散りばめられた謎を、彼との会話を通じて、解明していくこととなるようだ。

初見殺しも多数! 選択肢によるマルチエンディング【欠損失愛レビュー】


 本作のゲームシステムは大きくわけてふたつのパートに分けられる。

 まずひとつ目は、360度パノラマ視点を駆使した“探索パート”だ。

 マウスカーソルを動かすことで、部屋をぐるりと見回すことができる。

 ここでは視線を巡らせながら、隠された手がかりや脱出のヒント、相手を欺くための情報などを見つけ出すのが目的となる。

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 今回体験版で遊べたのは、窓やテレビ、ドアや監禁用ベッドがあるだけのシンプルな1部屋のみ。

 ヒロイン(?)は四肢欠損で自由に歩き回ることが不可能なため、探索する部屋はそこまで広くない。

 今後の展開によっては、新たな探索場所が増えるやもしれないが、限られた視界と情報の中で、どれだけ活路を見出せるかが問われる内容となっていそうだ。

 また、一度調べた場所でも再度調べられる場合もあるため、ゲーム進行のヒントになりそうな場所は、注意深く見ておこう。

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▲調べられる場所は青い枠で表示されるので逃すことはないだろう。しかし探す順番によっては調べる前にゲームが進行してしまいヒントを見逃してしまう場合も。

 ふたつめは、猟奇的な監禁犯との対話パートだ。

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 相手は、ヒロイン(?)の四肢を奪ったと思われる猟奇犯。

 思わず悪態をつきたくなる気持ちもわかるが、会話のひとつひとつに気を配らないと……

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 このようにたちまちゲームオーバーになってしまう。

 体験版でプレイできるDay1だけで、エンディングが8個(ほぼバッドエンド)用意されており、選択肢の節々に“初見殺し”が多く仕込まれている。そのため油断するとすぐにゲームオーバーに。

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 ただし、ゲームオーバーになっても、すぐ直前の選択肢に戻れる親切設計になっているため、「これは絶対ハズレだけどどうなるか選んでみたい!」といった選択肢もどんどんトライできるのは嬉しいポイントだ。

 またヒロイン(?)はひ弱な見た目をしているが、実は勝気なことを言うことも。

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 場合によっては、下手にでるだけではなく、暴力に訴えてみたり、反抗してみたり。

 相手の出方を読みながら、ときには強気な対応が功を奏す場合もありそうだ。

 彼との言葉での駆け引きで、彼との距離を縮めていくことが、現状打破につながるかもしれない。

愛か、狂気か。サイコホラーな恋愛ゲーム?【欠損失愛レビュー】


 ホラーロマンスアドベンチャーということで、一応は、乙女ゲーや恋愛ゲームにも分類されそうだが、この愛情表現はまさしく、人怖ホラーそのものであり、甘い言葉をかけられればかけられるほど恐怖を感じてしまう。

 しかしそんな彼も弱気な一面を見せることもあり、危うく絆されてしまうかもしれない、そんな魅力も感じられる。

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 極めてダークな世界観で展開する『欠損失愛』。

 アブノーマルなパートナーとの非日常空間を楽しみたいという方は、歪んだ愛が渦巻く監禁生活を始めてみてはいかがだろうか?

 今回の体験版は5月7日までの期間限定となるので、気になる方はお早めに。



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