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『CATO(キャトー)』レビュー:ネコとバタートーストは無限の可能性を秘めている!? パズル以外も楽しめるパズルアクションゲーム【電撃インディー#997】

文:あまも

公開日時:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、Team Wollが開発し、PLAYISMがパブリッシングを担当する、Nintendo Switch版およびプレイステーション5版のパズルアクションゲーム『CATO(キャトー)』のレビューをお届けします。

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※レビュー内容および画像はSwitch版のものです


 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

ネコとバタートーストが合わさればパラドックスを生み出す!?【CATO(キャトー)】

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 本作は、ネコとバタートーストという不思議なコンビが、壊れた牛乳製造機の部品を探して冒険の旅に出るというパズルゲームです。


 このネコとバタートーストという組み合わせは、「バター猫のパラドックス」というネットミームから着想を得ており、“いつも4つの足で着地するネコ”と“いつもバターを塗った面で着地するバタートースト”を背中合わせにしたらパラドックスが生まれ、無限に浮遊する永久機関ができるのではないか? ……という発想をゲームデザインに取り込んでいます。

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 ゲーム内でネコとバタートーストが合体すると、クルクルと回転し無限にジャンプし続けることができます。これで地形だろうが毒だろうが無視してガンガン進める! 永久機関サイコー! なんて思っていましたが、流石にそうは問屋が卸してくれませんでした。

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▲合体時には床なんて関係なく、どんな高さでも上がれます。

 パラドックスの影響なのか、時折ステージには合体した状態だと通れない壁が出現し、分離を余儀なくされます。

 ただ、この壁すらもパズルを解く鍵になるため、単なるお邪魔要素というわけではありません。

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▲合体すると壁が実体化し、通れなくなります。

合体と分離、それぞれの動きを駆使するパズルアクション


 ネコとバタートーストが合体した際には無限にジャンプでき、無類の機動力を見せますが、それぞれが独立した際にも特徴的なアクションが用意されています。

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 ネコは十字ボタンで操作し、ジャンプができず左右に動くことしかできません。その代わりに、爪を立てて赤い壁を移動したり、細いパイプの中をスルスルと移動したりと、ネコらしいアクションが用意されています。特にパイプの中を移動している姿は、まさに“ネコは液体”状態でとてもかわいらしいです。

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▲爪を立てて壁をよじ登るネコ、天井も行けます。
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▲液状化してパイプを通る姿がかわいらしい。

 トーストはLRボタンで操作し、左右にジャンプすることで移動します。そのジャンプには強弱があったり、壁ジャンプができたりと立体的な動きができますが、これらのジャンプはバターの粘性を利用しているようで、ツルツルとした氷の上ではトーストは自力で動くことができなくなります。

 トーストらしいアクションかと言われれば疑問符が浮かびますが、特徴的なアクションであることには間違いありません。食べ物が床や壁に張り付くという部分には目をつむるしかないでしょう……。

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▲ジャンプには軌道が表示されます。
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▲壁に囲まれた環境では、壁ジャンプで高いところまで登れます。

 これら合体時と分離時、それぞれのアクションを駆使して、かわいさやユニークさに浸りながらパズルを解いていきます。

 また、片方がスイッチを操作しながらもう片方が移動するなど、2キャラを同時に動かすタイミングも存在し、ソロプレイ時にはそれを1人で操作するため、左右の手でまったく異なることをする脳トレっぽさも味わうことができました。

パズルだけじゃない! ボス戦やミニゲームなども楽しめる!


 本作のメインはもちろんパズルですが、それ以外にも味変や息抜き的に楽しめる要素が存在します。

 例えば、各エリアの最終ステージは特殊なステージになっていて、迫りくる障害物を避ける3Dのランニングゲームだったり、メトロイドヴァニアのようなボス戦が待ち受けていたりします。

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▲突如3Dになってランニングゲームが始まります。
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▲パズルのギミックを利用したボス戦もあります。

 さらにはそれぞれのキャラクターアクションにフィーチャーしたミニゲームや、ステージに隠されたアイテムを集めることで解放されていくスキンなども存在します。

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▲合体時の無限ジャンプで柱の隙間をくぐり続けるミニゲーム。
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▲各種スキンはステージに隠されています。

 パズルギミックの豊富さで楽しめるのはもちろんですが、このようにミニゲームや収集要素といったパズル以外の楽しみもあるのはうれしいポイントですよね。

 なかでも各エリアの最終ステージは、かなり毛色の異なる面白さが用意されており、次は何が待ち受けているのだろうと、パズル攻略のモチベーションをさらに高めてくれる一因になっていたため、かなりいい要素でした。

いろんな要素が楽しめるお手軽パズルアクションゲーム


 ユニークなテーマを落とし込んだパズルアクションに加えて、ミニゲームや収集要素、他ジャンルの遊びなどさまざまな要素が楽しめる本作。

 ただ、それぞれがシンプルにまとまっているため、ごちゃごちゃ感はなく、パズルゲームという軸から外れることはありません。

 また、ステージが細かく分かれていて中断しやすかったり、詰んでしまってもすぐにリセットできたりと、手軽に遊びやすいシステムも充実しています。

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▲ステージは選択式で、すぐに好きなステージをプレイできます。

 パズルゲームが好きな人はもちろん、久しぶりにパズルゲームをやりたいけど難しそうなのはちょっと……という方や、親子でパズルゲームを楽しみたいという方にもおすすめです!

 価格もお手頃なので、気になった方はプレイしてみてください。

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