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『ワンス・アポン・ア・塊魂』先行レビュー:そこに「なぜ?」は必要ない、だって“転がす”と楽しいから。ゲームのコア部分は変わらないので老若男女が楽しめる

文:電撃オンライン

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 バンダイナムコエンターテインメントは、『塊魂』シリーズ14年ぶりの家庭用完全新作『ワンス・アポン・ア・塊魂』を、Switch/PS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けに10月23日に発売します。今回はメディア向けに実施された先行体験会のプレイレビューをお届けします。

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家庭用最新作『ワンス・アポン・ア・塊魂』はいろんな面が進化しつつも、ゲーム体験の根本・楽しさは変わらない

 『塊魂』シリーズは2004年にPlayStation2向けに発売された『塊魂』を皮切りに、家庭用・アプリとこれまでにリリースされ続けてきました。長らく家庭用は新作が出ていませんでしたが、2025年に満を持して14年ぶりに発売されます。

 『塊魂』シリーズと言えば、塊を転がしてさまざまな物を巻き込んで大きくなっていく達成感、そして巻き込む瞬間の独特な爽快感、「なんでこんなものまで……!?」と思わずツッコミたくなるものまで巻き込んで塊にできてしまう独特のユニークさ、すさまじい没入感を演出してくれる楽曲が魅力の作品です。最新作の『ワンス・アポン・ア・塊魂』でもその気持ちよさは継承されていました。

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 歴代シリーズを何本かプレイした筆者ですが、本作を触ってみた感想をめちゃんこ簡単に言うと「楽しい」と「独特」。操作面は当時の家庭用作品と変わらず、あの頃の記憶のまま塊を思い通りに操作できました。

 スティックを使った転がし方はもちろん、スティック押し込みの“王子ターン”やスティックをガチャガチャする“王子ダッシュ”など、これまでのシリーズでできたアクションはそのまま実装されています。進化した点は、いくつかのアクションにショートカットボタンが用意されたこと。“王子ダッシュ”はワンボタンで出せるようになりました。

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 個人的にはスティックをガチャガチャ動かすのが癖になっているのであまり使えませんでしたが、本作から新たに始める人にとっては操作のハードルが低くなると思われます。

 ショートカット操作を追加しつつも従来の入力方法を削除しないでくれるので、シリーズを通して遊んでいるファンへの配慮を感じます。

 筆者はスティックをガチャガチャ動かすあのうるさい音も『塊魂』らしさの1つだと思っているので、またあの音と操作感を楽しめるのは嬉しいところ。

 ゲーム中のシステムについてはアイテムが追加され、より気持ちよく塊を転がせるようになりました。アイテムはステージの各所に落ちており、巻き込んで使用することで一定時間効果を発揮します。

 例えば、マグネットは一定範囲の物を吸引して自動で巻き込んでくれます。時計は時間を止めて動く対象を巻き込みやすくしたり、時間制限のカウントを止めたりできます。他にもさまざまなアイテムがあり、本作からはさらに効率よく、さらに気持ちよく塊を転がせるようになりました。

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 ファンの方々が期待している“『塊魂』らしい世界観”はそのまま。ステージ開始と終わりの王様のネチネチとしたトーク。時折発生するシュールなストーリームービー。現実ではありえないように散らかった街並みのステージなどを満喫できました。

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『ワンス・アポン・ア・塊魂』にはさまざまな時代をモチーフにしたステージが登場


 今回プレイできたのは、TGS2025で試遊として公開されるステージに加えて、特殊なギミックやルールのある2つ、合計3つのステージをプレイできました。

 TGS2025でもプレイ可能なステージは最初に転がすことになるスタンダードなステージ。今回の塊魂のコンセプトの1つに“和風”があり、それに因んでこのステージは昔の日本の田舎の風景が広がっています。

 ルールは時間内に目標の大きさまで塊を大きくすること。民家や城などの建造物が多い関係で塊が大きくなりやすく、“巻き込んで大きくする”という『塊魂』シリーズの持ち味の面白さを味わえるステージでした。

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 2つ目のステージは大海原に浮かぶ海賊船が舞台。まずは海賊船のステージから始まりますが、ここはステージの形が変化するギミックがあり、途中に登場するタコを巻き込むことでステージの変化が分岐します。

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 巻き込まなかった場合は、別の海賊船が攻めてきて船上が乱戦状態に。海賊の人数も増えてより船上の物が多くなります。

 一方でタコを巻き込むと大ダコが海賊船を襲撃。船が沈没して海底世界がステージになります。

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 分岐は本作からの新しい試みで、多くのステージに用意されているわけではないそうですが、これまでにない新鮮なステージ。『塊魂』のルール上、塊が大きくなりすぎると小さい物は巻き込めなくなるので、対象であるタコを塊が大きくなりすぎないうちに探す作業も新鮮でした。

 3つ目のステージは古代ギリシャ風の町が舞台で、有名な学者の名前のキャラクターを集めることが目標。塊を大きくすることがゴールではなく、特定のキャラクターを巻き込むために塊を大きくしていきます。

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 今回プレイできたのは3種類でしたが、本作のステージにはさまざまな“課題”が用意されており、同じステージでも異なる目標のために塊を転がせます。ステージ×課題の数だけプレイの幅が広がる作りになっていました。

メイツカスタマイズや対戦モードなどの新要素も


 今作からの新機能として、塊を転がす王子の見た目をカスタマイズできる“メイツカスタマイズ”も登場。ステージの各所に隠れている“メイツ”を巻き込むことで顔や体のカスタムパーツが獲得できます。

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 新モードとして、オンラインでも遊べる対戦モード“スポーツ塊”も実装。最大4人で塊を大きくしてポイント獲得を競う対戦ができます。

 『塊魂』の見どころの1つとして、ゲーム中のBGMは欠かせません。本作では、シリーズおなじみの松崎しげるさんをはじめ、こっちのけんとさん、さだまさしさん、『学園アイドルマスター』の花海咲季などがBGM歌唱に参加。豪華歌唱ゲストによる耳に残る素敵ソングがゲームをより盛り上げてくれます。

 BGMは各ステージ・課題ごとに設定可能。お気に入りの楽曲がある場合はそれをどのステージでも流すことも可能です。

 今回の先行プレイの総括としては、ファンが待ち望んでいたものをしっかりと用意してくれたという印象。さらに遊びやすく、楽しくなった部分はありつつも、根本的なゲーム性や操作性を変えることなく、ちゃんと『塊魂』しているので、シリーズ作品が好きなファンはきっと楽しめる作品でしょう。

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 では既存ファンだけに向けた作品か? と言えばそういう感じでもありません。『塊魂』自体が“塊を転がして大きくする”という、1分触ればプレイのコアとなる部分がわかるシンプルなコンセプトのため、世代を問わず誰でも楽しめる懐の深い作品です。

 ……「そもそも、ものを巻き込んで塊をつくるってどういうこと?」という疑問に筆者も久しぶりにブチ当たりましたが、まさに「考えるな、感じろ」というゲームとしての強い引力があり、実際に触ると問答無用で楽しいんですよね。

 今回新作が出るということで、既存ファンはもちろん、まだ遊んだことがない方にもぜひ手に取っていただきたいですね。

『ワンス・アポン・ア・塊魂』プレイ映像


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