10月23日に発売予定のSwitch/PS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けソフト『ワンス・アポン・ア・塊魂』。『塊魂』シリーズ14年ぶりの家庭用完全新作となる本作について、バンダイナムコエンターテインメントの石田僚プロデューサーにインタビューを行いました。
本作のコンセプトや制作過程で意識した部分、そしてタイトル初出時にも話題になった豪華ゲスト陣についていろいろなお話をお伺いしました。
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14年ぶりの家庭用最新作『ワンス・アポン・ア・塊魂』で進化したポイントは?
――本作は14年ぶりとなる『塊魂』の家庭用最新作とのことですが、かなり久しぶりの再起動ですね。
石田さん
実は、シリーズとしてはアプリ版などを継続的にリリースしており、今年の4月には『塊魂 Rolling LIVE』もリリースしています。14年ぶりというのはあくまで“家庭用としては”となります。ですが、長い期間を経たうえでの家庭用新作となるので、そこは強くアピールしています。
――進化したポイントなどをお伺いしたいです。
――進化したポイントなどをお伺いしたいです。
石田さん
家庭用の久しぶりの新作ということで、世界観をまるまる一新していることがひとつめ。ただし、その上で『塊魂』シリーズの基本的な操作性やゲーム性は変えないようにしました。
ゲームの手触りにつながるコアの部分は変えていませんが、各所で塊を転がして巻き込む際の爽快感を増す機能を追加しています。そこが進化した部分の2つめです。
――具体的にどのような部分で爽快感をアップさせているのでしょうか。
ゲームの手触りにつながるコアの部分は変えていませんが、各所で塊を転がして巻き込む際の爽快感を増す機能を追加しています。そこが進化した部分の2つめです。
――具体的にどのような部分で爽快感をアップさせているのでしょうか。
石田さん
連続してものを巻き込むとプチプチ、プチプチと音が鳴るのですが、それが気持ちよさの要因の1つになっています。それを倍増させるために、より多くのものを素早く巻き込めるアイテムを追加しました。周囲のものを引き寄せる“マグネット”や、塊の移動速度が早くなる“ロケット”ですね。それらを使ってもっと多くのものを一気に巻き込んで、その瞬間の気持ちよさがより感じられるように意識しています。
アイテムの使いどころとしては「この辺は細かいものがいっぱいあるからマグネットで一気に集めよう」「ある程度大きくなったらスピードが上がるロケットを使おう」といった具合に、ステージの中でも各個人の戦略を立てながら遊んでもらいたいです。
アイテムの使いどころとしては「この辺は細かいものがいっぱいあるからマグネットで一気に集めよう」「ある程度大きくなったらスピードが上がるロケットを使おう」といった具合に、ステージの中でも各個人の戦略を立てながら遊んでもらいたいです。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/dengeki/52453/a8e6537af6d8460c19311c3a3caaf16dd.jpg?x=1280)
――世界観についてもお聞かせください。いろいろな時代に行けるような作りになっていますが、コンセプトのようなものはありますか。
石田さん
もともと『塊魂』はいろんな場所で塊を転がすゲームで、基本は日本のステージを転がしていました。シリーズによっては南の島などが舞台になることはありましたが、1つの作品の中でいろいろな場所に行くコンセプト自体はあまりありませんでした。
昔の日本やギリシャをモチーフにしていますが、忠実な再現ではなくそれぞれの時代、場所の“らしさ”を感じられるようにゲーム内に落とし込んだ形です。その時代ごとのイメージが『塊魂』らしい世界観になってステージになっている部分は本作のおもしろさを感じてもらえるポイントだと思います。
――時代ごと、場所ごとに巻き込めるものにも特徴があるのでしょうか。
昔の日本やギリシャをモチーフにしていますが、忠実な再現ではなくそれぞれの時代、場所の“らしさ”を感じられるようにゲーム内に落とし込んだ形です。その時代ごとのイメージが『塊魂』らしい世界観になってステージになっている部分は本作のおもしろさを感じてもらえるポイントだと思います。
――時代ごと、場所ごとに巻き込めるものにも特徴があるのでしょうか。
石田さん
そうですね。ただし厳密に「古代ギリシャの何時代」とは決めておらず、あくまで“古代ギリシャらしさがある”形です。この時代のこの場所ならこういうものがありそうだから巻き込んでもらうと楽しいだろう、といったぐあいにどういうオブジェクトが適切かを考えました。
――まれにその時代に適さない服装をしている人やものがあったり、あえてずらしているのかな? と思わせる部分もありました。
――まれにその時代に適さない服装をしている人やものがあったり、あえてずらしているのかな? と思わせる部分もありました。
石田さん
そういった部分をツッコミながら楽しんでもらうのも、『塊魂』シリーズのよさとして踏襲しているポイントですね。
――王様の衣装が今回は和風でしたが、それもコンセプトの一環なのでしょうか。
――王様の衣装が今回は和風でしたが、それもコンセプトの一環なのでしょうか。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/dengeki/52453/a9d8b988518fced37b7e820e78eeb1cff.jpg?x=1280)
石田さん
本作のプロローグは、「王様が掃除中に見つけた巻物で遊んでいて、王妃にカッコつけようと決めポーズをして巻物を投げたら、それが星々を破壊してしまって……」というものになっています。ですのでキーアイテムの1つになっているのが巻物で、最初に転がす場所も日本の江戸時代をモチーフにしたステージです。そしてそこからいろんな世界に足を伸ばして……という流れで進んでいきます。王様の衣装が和風になっているのも、そうした部分に通じるところですね。
――ゲームのルールもさまざまなものがありました。体験できた以外にも豊富なルールを用意しているのでしょうか。
――ゲームのルールもさまざまなものがありました。体験できた以外にも豊富なルールを用意しているのでしょうか。
石田さん
最初にお話ししたように、基本的には“塊を転がし大きくするコンセプト”は変えていません。そこに新しいルールをいくつか入れています。特殊ルールの部分にはこだわって作ったので、そのバリエーションも楽しんでもらえる部分だと思います。
――海賊船のステージは分岐がありましたが、あれも新しい試みですよね。
――海賊船のステージは分岐がありましたが、あれも新しい試みですよね。
石田さん
そうですね。実は分岐のあるステージはたくさんあるわけではないのですが、そういったギミックもあるとおもしろいかなと思って取り入れました。
――ステージごとに異なるルールが複数あり、トータルで挑戦できる課題の数はどのくらいになるのでしょうか。
――ステージごとに異なるルールが複数あり、トータルで挑戦できる課題の数はどのくらいになるのでしょうか。
石田さん
プレイする際にはステージに応じたキャラクターに話しかけて挑戦するのですが、その際にどの課題に挑戦するのかを選択します。トータルの課題数だけで言うと50種類以上の課題でプレイできます。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/dengeki/52453/a91a5078ccf6ec507b93f9b360c435133.jpg?x=1280)
――『塊魂』は巻き込めるオブジェクトの種類も豊富かと思いますが、今作ではどのくらいの数のオブジェクトを用意しているのでしょうか。
石田さん
もちろん今作から追加したものもありますが、歴代作品から継続して登場しているものも多いので、数えきれないくらいの量になっていますね。コレクションの数もかなり多くなっています。全部が一新されたわけではありませんが、新しいものも多く追加しているので、プレイしていて目新しいものはすぐに見つかると思います。
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――メインとなるプレイモード以外にも本作には他のモードや遊べる要素がありますが、教えてください。
石田さん
本筋となるのは課題をクリアしていくことになりますが、新機能のカスタマイズや、ステージクリアでもらえる王様メダルを使ってガチャを回せる“王様石像”があります。他にもオンラインでもオフラインでも遊べる“スポーツ塊”という、専用のルールで遊ぶ対戦モードがあります。
――対戦モードはどのようなルールで遊ぶのでしょうか。
――対戦モードはどのようなルールで遊ぶのでしょうか。
石田さん
いろいろなものを巻き込んで大きくする根幹の部分は変わりませんが、一定時間で移動するポイント変換エリアが現れます。塊を大きくしてそのポイントに行くと、大きくした分のポイントが入り、その代わりに塊が元のサイズに戻っていきます。最終的にそのポイントを1番多く貯めた人の勝利です。
――対戦モードらしくお互いのプレイヤーが干渉する箇所はどこになるのでしょうか。
――対戦モードらしくお互いのプレイヤーが干渉する箇所はどこになるのでしょうか。
石田さん
お互いに動かしているのは塊なので、相手と大きさの差ができると相手の塊に巻き込まれてしまいます。そうなると一定時間操作できず、その後にリスポーンとなりますが、その分のロスが発生します。
――このルールにした経緯などはありますか。
――このルールにした経緯などはありますか。
石田さん
当初は塊を大きくしていってどこまで大きくするかを競うものにしようかと思っていたのですが、それだと4人でやっている意味がなくなってしまう。そうなるとマルチプレイである意味がないという話になりました。そうならないために、4人が集まれる場所を作った上で、ごちゃごちゃカオスな空間を作った方がおもしろいという結論になり、今のルールになりました。
『ワンス・アポン・ア・塊魂』の音楽はこうして作られていった
――続いて音楽についてお聞かせください。『塊魂』シリーズといえば、楽曲についても非常にユニークで、ユーザーにとっては印象深いポイントでもあります。『ワンス・アポン・ア・塊魂』でも多くの著名アーティストが参加していますが、オファーする際の基準などはあったのでしょうか。
石田さん
楽曲をオーダーする段階からテーマ自体は決まっていて、今回はいろんな時代をタイムトラベルしていくゲームコンセプトだったので、いろいろな曲のジャンルを入れたいと話していました。それに加えて、久々の家庭用新作ということで、過去作でも人気があった楽曲に肩を並べられるラインナップにしたいとも考えていました。それを踏まえて、これまでにもお願いしている松崎しげるさんをはじめ、「この人だ」と思う方々にお声がけしました。
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――音楽関係では、歴代作品で人気があった楽曲などの再実装やリメイクなどはあるのでしょうか。
石田さん
今回は過去楽曲に関してはDLCとして販売することにしました。発売日と同時に上・下巻で発売します。今回は歌唱ありの楽曲全64曲を作品ごとに収録しております。上巻が『塊魂』『みんな大好き塊魂』『僕の私の塊魂』。下巻が『ビューティフル塊魂』『塊魂TRIBUTE』『塊魂 ノ・ビ~タ』の楽曲を収録しています。
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――それだけの数を収録し直すのは大変だったかと思います。
石田さん
大変か大変じゃないかで言うと大変でしたね(笑)。
――全曲収録に至った経緯はどのようなものだったのでしょうか。
――全曲収録に至った経緯はどのようなものだったのでしょうか。
石田さん
『みんな大好き塊魂』で一度楽曲をDLCとして発売していたこともあり、今作でもどこまでDLCにするかを話し合っていました。昨今はサブスクでもシリーズの楽曲が配信されていてみなさん聞いてくださっているので、できる限りの種類をお届けしたいということになり、莫大な数を入れるに至りました。
――他にもDLCを発売する予定はあるのでしょうか。
――他にもDLCを発売する予定はあるのでしょうか。
石田さん
現状は楽曲パック2種類のみの予定ですが、その楽曲パックの中に歴代シリーズのプレゼントが入っており、同時に獲得できるようになっています。バリエーションの話にはなりますが、デジタル版はデジタルデラックスエディションもあり、DLC2つと本編がセットになって少しお買い得になっています。
――操作性についてはほとんど手を加えていないとのことですが、その中でも調整した部分はあるのでしょうか?
――操作性についてはほとんど手を加えていないとのことですが、その中でも調整した部分はあるのでしょうか?
石田さん
手を加えた部分で言えば、塊を転がす際の転がしやすさを向上させました。例えば“王子ダッシュ”についてはレバーをガチャガチャと操作しなければいけなかった部分をワンボタンで出せるようにしました。それでも従来の操作を残すなど、マイナー調整はしています。
あとはカメラアングルの調整ですね。以前までは塊が大きくなっていくとカメラのアングルが変わって、上から真下を覗き込む形でした。それを今作では、上からではなく後ろに引く形にして前を見やすくしました。
あとはカメラアングルの調整ですね。以前までは塊が大きくなっていくとカメラのアングルが変わって、上から真下を覗き込む形でした。それを今作では、上からではなく後ろに引く形にして前を見やすくしました。
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――そのアングルのほうが見やすいのでしょうか。
石田さん
そうですね。塊を転がしていく過程で、進行方向の遠くが見えた方が次に何をしようか考えやすくなります。逆に手前が見えないというデメリットもありますが、周りが見えた方が転がしているときに楽しいだろうと考えました。画面酔いのしにくさを考えた影響もありますし、塊が大きくなった実感も湧きますし、いろいろな理由があります。
――他にも調整した箇所はあるのでしょうか。
――他にも調整した箇所はあるのでしょうか。
石田さん
大きく操作自体は変えていないんですけど、細かい部分でできるだけ遊びやすくなるように各所微調整は加えています。
――塊の形が凸凹になると転がした際に安定しなかったり、大きく動いた際の揺れなど、ゲーム性として転がしにくくなるような要素はそのままなのでしょうか。
――塊の形が凸凹になると転がした際に安定しなかったり、大きく動いた際の揺れなど、ゲーム性として転がしにくくなるような要素はそのままなのでしょうか。
石田さん
段差や小さいものを超える際に起こるエフェクトなどはそのまま残してありますが、カメラの揺れを抑える調整はしています。
――最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
――最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
石田さん
ずっと昔から塊を転がしてきてくださった方も、『塊魂アンコール』から転がし始めた方も、作品を知っているけど遊んだことがない人も、あらゆる人が最初から楽しめるゲームが作れたと思っています。その中でも要所で新作らしい新しい部分や見たことない要素もあり、「なんでこんなところにこれが!?」みたいな笑えるポイントを散りばめています。ぜひ遊んで楽しんでいただければと思います。
『ワンス・アポン・ア・塊魂』プレイ映像
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