コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)より9月25日発売予定の『SILENT HILL f(サイレントヒル f)』の先行レビュー記事をお届け。この記事では、アクションや育成などのシステムにスポットを当てたレビューを掲載します。別途ストーリーにスポットをあてたレビュー記事も掲載中なので、合わせてご覧ください。
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全エンディングクリアまでプレイしてのレビューにはなりますが、ストーリーの核心的なネタバレなどはありません。
なお、電撃オンラインでは最新のプレイ動画を公開しています。雛子さんのさまざまなアクションをお楽しみください!
索引
閉じるゲーム概要:精神をエグるような恐怖演出や表・裏世界を行き来するゲームサイクルはシリーズと同様【サイレントヒル fレビュー】
本作のジャンルはサイコロジカルホラー。ナンバリングタイトルではないものの、探索しながら表世界と裏世界を行き来する基本的なゲームサイクルは従来の『サイレントヒル』シリーズと同様です。
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アクション要素が強くなってはいますが、いわゆる“死にゲー”やソウルライクのようなゲームデザインにはなっていません。登場人物の内面やトラウマに迫る作品全体のテーマ性も健在なので、感覚的には外伝的作品というよりは正当続編といった印象です。
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ホラーゲームとしての恐怖演出という点でもシリーズの魅力をしっかり引き継いでおり、ただ道を歩いているだけでも怖い! お馴染みの霧の演出もあり、さらに日本の60年代田舎町を舞台にしたジメっとした空気感が、BGMの効果も相まって見事に表現されています。
とはいえ、主人公の雛子が精神的にも肉体的にもたくましすぎるおかげでやや恐怖が緩和されていますね。ホラーゲームが苦手という人は、武器を構えた雛子の背中を見ていれば、恐怖がやわらぐかもしれません(笑)。
アクション難易度は高め! 1周目は“物語重視”を推奨
本作の難易度は、“物語重視”、“難関”、“五里霧中”の3段階。アクションと謎解きでそれぞれ難易度を選択可能で、アクションの“五里霧中”のみ、ゲームを1回クリアすると開放されます。
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3段階あるので“物語重視”がイージーにあたるものと考えがちですが、本作は基本的な難易度がけっこう高めとなっており、”物語重視”がノーマルに相当する難易度となっています。実はアクションゲームに慣れている人は一番下の難易度を選ぶのに抵抗があるとは思うものの……悪いことは言わないのでまずは“物語重視”を選ぶことをオススメします。
難易度を上げると、敵の耐久度自体はそこまで変わらないものの、敵からのダメージが大幅に増えるので、“難関”は初見ではなかなか厳しいバランスです。とくにボス戦が本当にきつい! さらにいわゆる必殺技ゲージにあたる“精神力”の回復にコストが必要になる点もシビア。
本作には2周目以降の引継ぎ要素もあるので、1周目は“物語重視”で挑みつつ、育成が進んでから“難関”に挑むのがいいでしょう。ちなみに何回かゲームオーバーになると難易度を下げることが可能ですが、逆に上げることはできません。
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それに対して、謎解きの難易度はそこまで劇的な変化はないので、お好みで決めてしまっても大丈夫。従来シリーズではシェイクスピアの作品知識などが必要となる場合もありましたが、本作ではそこまで理不尽さを感じる謎解きはありません。いわゆる“詰む”ようなことはないと思います。
パズル要素に自信があるなら、1周目から“難関” を選ぶのもアリ。難易度によっては、集める必要のあるヒントが増えたりすることもあるので、“物語重視“にするのもオススメ。ちなみにアクション難易度“物語重視”、謎解き難易度“難関”が、従来の『サイレントヒル』シリーズらしい難易度になっています。
周回要素ももちろんアリ! 周回を快適にする気遣いが超親切
従来シリーズと同様、周回要素ももちろんあります。能力強化や入手したお守り(スキルが発動する装備)などを引き継げるので、2周目以降はアクションの難易度が実質的に緩和されるでしょう。
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すでにメディア向け試遊会などで語られているように、本作はUFOエンドを含むマルチエンディングとなっており、周回プレイで各種エンディングを回収していく前提の作りとなっています。メディア向け試遊会では初回クリア時間は12~15時間と語られていましたが、筆者の場合もそのくらいの時間でした。ちなみに全エンドの回収は30時間前後といったところ。
1周目のエンディングは固定ですが、2周目以降は条件しだいでエンディングが分岐。ある意味、2周目以降が本番になるのは『サイレントヒル』らしいですね。
アクション:近接特化の戦闘は敵との駆け引きや攻撃の見極めが楽しくて爽快感がすごい【サイレントヒル fレビュー】
近接戦闘に特化したバトルシステムも本作の特徴。遠距離武器は存在せず、近接武器のみでバケモノたちと戦います。
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基本的な操作方法や操作感はリメイク版『サイレントヒル 2』に近いですが、より回避アクションが多彩になっており、テクニカルな操作感になっています。
いわゆるパリィはなく、防御も一部武器で限定的にできるのみですが、カウンターアクションとして“見切り回避(いわゆるジャスト回避)”や“見切り反撃(いわゆるジャストカウンター)”が存在。
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“見切り回避”はややタイミングがシビアで、成功しても持久力が回復するのみなので、あくまで回避時に発動したらラッキー! という感じ。
それに対して“見切り反撃”は成功すると敵の体勢を崩しつつ追撃できるので攻めの一手としても使えます。本作は敵の動きが比較的トリッキーなので、距離をとって敵の攻撃パターンを見極めつつ、“見切り反撃”を狙うのが手軽かつ安全そうですね。
序盤はカウンターアクションにシビアさを感じるかもしれませんが、慣れると敵の攻撃を完封するのも難しくないので、気持ちよく戦えるようになってきます。今までの『サイレントヒル』はあくまで戦闘は恐怖を演出するもの、という印象でしたが、本作はアクションゲーム好きでも楽しめるゲーム性になっていると感じます。
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リメイク版『サイレントヒル 2』と比べると、画面上にゲージが存在するのも特徴的。持久力=スタミナの概念は『サイレントヒル 3』でもあった一般的なものですが、“精神力”と呼ばれる必殺技ゲージのようなものは特徴的ですね。
L2ボタンで精神力を消費しながら“集中”状態になることで“見切り反撃”のタイミングを見極めやすくなり、さらにゲージをマックスまでためることで強力な武器固有の“渾身の一撃”が繰り出せます。精神力をうまく管理することで、戦闘で非常に優位に立てるように!
一見するとゲージが多いので複雑そうにも見えますが、各種ゲージの役割が分かりやすいのですぐに馴染めるかと思います。
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この精神力は、“集中”状態で攻撃を受けたり、“渾身の一撃”を繰り出したりすることで上限が減っていきます。難易度“難関”以上の場合は上限回復には祠(セーブポイント)で功徳(育成に必要なポイント)を消費する必要があるので、その点でも高難度はシビアですね。難易度“物語重視”の場合は祠で休むだけで上限が回復するので、気軽に精神力を消費する行動がとれます。
精神力はアイテムでも回復できますが、数が限られるので要注意。精神力がきれると“見切り反撃”のタイミングが難しくなったり、“渾身の一撃”でゴリ押しできなくなるので、一気に心細くなってきます。この“精神力の管理”という要素が、戦闘にほどよい緊張感を生んでいていい感じ! 祠が本当に癒し……。
武器はおおまかに分けて3系統! 重量武器は使いこなせると超強力
『サイレントヒル』シリーズお馴染みの鉄パイプ以外にも、本作には多彩な武器が登場。遠距離武器がないぶん、シリーズでも近接武器の種類は豊富ですね。
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ただし本作の武器には耐久度が存在しており、使い続けると壊れてなくなってしまいます。耐久度の管理はわりとシビアで、やみくもに攻撃するだけでは難易度“物語重視”でも全部の敵を倒すのは厳しいバランス。
基本的には避けられる戦闘は避けるのが推奨ですが、“見切り反撃”などを駆使して効率的に敵を倒していけばバケモノ全員を倒していくプレイも可能です。
武器は最大で3つまでしか持てないので、なるべく状態のいい武器をキープしておくのが理想的。ただ慣れてくると意外と武器は余るので、武器の耐久度を回復する“工具袋”は愛用したい武器に集中的に使うのがよさそうです。
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あくまで筆者の体感で、作中で明記されているわけではないですが、武器の種類はおおまかに下記のように3系統に分かれます。
■ザックリとした武器の分類
・バランスのいい武器(鉄パイプ、バット、バール)
攻撃力とリーチ、耐久度のバランスがいい
・軽い武器(包丁、鎌)
素早い攻撃ができて攻撃力も高いものの耐久度が低い
・重い武器(ハンマー、斧)
鈍重だが威力が高い。敵をひるませやすく防御も可能
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とくに特徴的なのは重い武器で、動きが遅くて使いにくいものの威力が高くて爽快感がバツグン!
“集中”状態をキープすることで防御も可能で、そこから“見切り反撃”からの追撃を決めていくのが最高に気持ちいいです。というか、ハンマーとか斧をわずかな反動で振り回すあたり、本当に本作の主人公である雛子さんの近接戦闘のポテンシャルは圧倒的ですね……。
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ちなみに裏世界では表世界と異なる武器を使うことになり、表世界での武器は使用できません。裏世界の武器は耐久度が無限になっています。ただし敵が一定時間で復活してしまう(防ぐ手段はあり)ので、なるべく戦闘を避けたほうがいいのは変わりません。
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なお、裏世界ではストーリーを進めると“獣の腕”という武器……といっていいかは分かりませんが、超強力な攻撃手段を使うことが可能になります。
詳細はネタバレになるので伏せますが、かなりダイナミックな動きが可能になるうえに見た目がすごい! もはや女子高生が鈍器を振り回したり、華麗な回避アクションを決めたりすることが霞むほどのインパクトです。
中盤までは裏世界はギミック中心で表世界と比べると爽快感が薄めでしたが、“獣の腕”解放後は戦闘が一気に楽しくなってきますね。とにかくイチイチ動きがカッコいいので必見です。
育成要素:お守りの効果的な組み合わせを考えるのが最高に楽しい!【サイレントヒル fレビュー】
本作には育成要素が存在するのも特徴。セーブポイントである祠では、体力、持久力、精神力、お守りの装備枠の上限を増やすことができます。
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強化に必要なのは、消費アイテムを“奉納”することで入手できる“功徳”および、道中で入手できる“祈願絵馬”。
各種能力の上限を増やすと戦闘が快適にはなります。とくに精神力は早めに増やしておくと、“見切り反撃”や“渾身の一撃”が使いやすくなるので快適。とはいえ各種能力の上限は攻撃力には直結しないので、劇的に強くなるような要素ではないです。
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火力面を伸ばしたい場合は“お守り”を装備する必要がありますが、それでも攻撃力を伸ばす効果は限定的です。“お守り”も祠で“功徳”を消費することでランダム入手できるので、“功徳”の使い道は悩みどころ。筆者は、少しだけ持久力や精神力を伸ばしたら、あとは“お守り”優先にしていましたが……少しは体力も伸ばしたほうがゲームオーバーにはなりにくい気がします。
敵撃破時に回復効果を得るものや、特定条件を満たすと攻撃力が上がるものなど、“お守り”の効果は実に多彩。
武器の耐久度が高いほどダメージが上がるお守り+武器の耐久度が下がりにくくなるお守りで火力をキープしやすくしたり、体力回復系のお守り+体力マックスでダメージ軽減のお守りで耐久力を上げたりと、お守り同士の相性を考えて組み合わせを考えるのが楽しい!
バケモノ:動きを見極める重要性はシリーズで随一!【サイレントヒル fレビュー】
本作では回避アクションが重要になるので、バケモノごとの“見切り反撃”を決められるタイミングを覚えるのがかなり重要。
刃物化した手足でバレリーナのように縦横無尽に動いたり、動きを妨害する咆哮を発生させたり、卵のようなものを生み出して別のバケモノを生みだしたりと、バケモノの行動パターンはバリエーション豊かです。
過去シリーズと比べても、敵の攻略法を考えるのが楽しくなっていますね。うまく敵のスキを見極めれば、カウンターで圧倒できて超気持ちいい!
まとめ:アクション性を高めながらも正当進化したサイコロジカルホラー!【サイレントヒル fレビュー】
初めて情報が公開されたときは、ナンバリングタイトルでないこともあってどんな進化を遂げているのかシリーズファンとしてはやや不安もあった『サイレントヒル f』。
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実際にプレイしてみると、アクションの気持ちよさを進化させた正統派の『サイレントヒル』といった印象でした。とにかくアクションが気持ちよく、うまくなっていく実感も味わえるので周回プレイが楽しいです。
とくに歯応えのあるホラーアクションゲームを求める人には刺さる作品だと思うので、ぜひプレイして雛子さんのたくましさを実感してみてください!