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「コレって怪異?」を判定『奇天烈相談ダイヤル』レビュー。オペレーターになって会話の矛盾を見抜く怪異判断アドベンチャー【電撃インディー#1203】

文:滑川けいと

公開日時:

最終更新:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。

 今回は、法螺会が開発しケムコから12月12日にPS5/PS4/Switch版が発売される怪異判定アドベンチャーゲーム『奇天烈相談ダイヤル』のレビューをお届けします。

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※記事内の画像はSwitch版のものです。
 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

コールセンターの大変さもわかる『奇天烈相談ダイヤル』


 「パソコンが何もしていないのに壊れた」、「買ったばかりの家電の設定の仕方がわからない」……そんなとき、多くの方はコールセンターに連絡して相談をすると思います。

 もし怪異が実在し、遭遇することが当たり前になっていたとしたらどうでしょうか? ……はい、そうです。怪異と出会ったなと思ったら、落ち着いて怪異専門のコールセンターへ連絡しましょう。

 そんな怪異専門のコールセンターで働けるのが、本作『奇天烈相談ダイヤル』です。1994年の日本を舞台に、無料電話相談サービス“奇天烈お悩み相談室”の新人相談員ミサコとなって、相談者の悩みが怪異によるものかどうかを判定していきます。

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▲先輩スタッフのノブ子さん。いろいろなことを教えてくれます。
 本作で行うのは“相談者の話を聞き取り”と“怪異かどうかを判定する”という2点。

 ただ、相談者は自分の話を自動でしてくれるわけではありません。まずは名前や年齢などの基本情報を聞き出します。

 その後、どんな怪異なのか、どこで遭遇したのか、どういった特徴があったのかなどを質問項目から選んで情報を集めていくのです。

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▲用意されている質問項目は複数あります。
 話を聞いても、それが正しいか間違っているかなんてわからないじゃないか! という方もご安心を。プレイヤーは怪異の専門家ではなくコールセンターで働くスタッフです。あなたの手元には、働くためのマニュアルや怪異の情報がまとめられた資料が用意されています。

 相談者の証言と資料の内容に矛盾がなければ本物の怪異、矛盾がひとつでもあれば怪異ではない、と判定できるわけです。

 矛盾なんて結構簡単に見つかるかなと思いながらはじめたのですが、これが思った以上に難しい! 的外れな質問をするとペナルティを受けますし、間違った判定をしてもペナルティを受けてしまいます。

 また、相談者とはテレビ通話で話すのですが、資料ばかり見ていると「こちらを見てくれない」と相談者から不満を言われることも……。勤務時間内にノルマの人数をこなすという制限時間もあり、まるで本当のコールセンター業務をしているかのような緊張感がありました。

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▲ペナルティを受けると、ハートが減ります。
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▲資料は画面右側に表示されるので、話を聞きながら矛盾を見つけ出しやすくなっています。
 本作には制限時間やハート(ライフ)などがあるのですが、これらは細かく設定できます。

 最初は時間制限をゆるめに、メモ機能も自動にしてプレイしてみました。資料を確認や情報の整理もしやすく、制限時間も気にせずに遊べたので、難易度的にはイージーといったところでしょうか。

 慣れてきたら徐々に設定をいじって難易度を上げていく……という遊び方ができるのがうれしいですね。

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▲1日の業務が終わると、その日のスコアが表示。難易度を上げるとスコアにボーナスがつきます。
 相談者の証言から怪異の名前を推測し、資料で確認して質問を絞り込んでいく……この一連の流れが実に楽しい!

 「ん? ここは何だかおかしいぞ……」と証言と資料を見比べて、正解したときのうれしさは格別。まるで探偵になったかのような気分も味わえます。

 また、相談者や話す内容はランダムになっているのもポイント。プレイするたびに異なる相談が舞い込むため、飽きることなく何度も挑戦したくなります。

 「次はどんな怪異がくるんだろう」、「今度はもっとはやく判定したい」と、気づけば時間を忘れてプレイしていました。相談を受けた怪異は実績として登録されるため、コンプリートを目指すやりこみ要素もあり、長く遊べる作りになっています。

怪異の資料集としても大活躍の『奇天烈相談ダイヤル』


 オカルトや都市伝説が好きな方には、特におすすめしたい『奇天烈相談ダイヤル』。

 というのも、本作に登場する怪異は100体以上。怪異の判定のために、それぞれの怪異について詳細な資料が用意されています。怪異の特徴や出現場所、召喚方法などを読んでいるだけでも楽しめます。

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▲類似した怪異ものもまとめられていて、読み応えもバッチリ!
 資料はプレイを通じて読み込んでいくことになるため、自然と怪異の知識が身についていくのはおもしろい点。「この怪異はこういう特徴があるんだ」、「こんな都市伝説もあったのか」と新しい発見があります。今はまだ資料を見ながらの判定ですが、いつかは資料を見ずに判定できるようになりたいですね……!

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▲判定結果は翌日の出勤時にオカルト新聞に掲載され、確認できます。失敗していると感謝どころか悲劇の結果になることも。
 シンプルながら奥深いゲームシステム、100体以上の怪異情報、プレイヤーに合わせた難易度調整……。どれをとっても、魅力的な要素ばかりでした。

 1回のプレイ(怪異の判定)にかかる時間はそれほど長くないので、ちょっとしたあいまにプレイしやすいのもよいですね。「一風変わったゲームがしたい」「オカルトや都市伝説が好き」という方には、ぜひともプレイしてもらいたい一作です。


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