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『フロントミッション サード:リメイク』PS5版レビュー:大人になった今だからぶっ刺さるシナリオ。そしてロマンを感じるメカ描写の数々

文:シュー

公開日時:

 2025年9月18日にNintendo Switch、1月30日にPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam/GOG/Epic Games Store)にてリリースされているドラマティックシミュレーションRPG『フロントミッション サード: リメイク』。

 この記事では『フロントミッション』シリーズ初体験のメカ好きライターが、往年のゲームならではの難易度に四苦八苦しながらプレイしたPS5版のレビュー記事をお届けします。

[IMAGE]※本記事はForever Entertainment S.A.の提供でお送りします。

流れるようなシナリオ導入【フロントミッション サード:リメイクレビュー】


 リメイク元となった『FRONT MISSION3』の発売が1999年。当時小学生だった自分には、硬派でドラマチックな大人のゲームという印象で、特撮やアニメ、映画の影響でロボとメカにロマンを感じる素質を持ちながらも手が出せない存在のゲームでした。それが回り回ってリメイク版が僕のもとに来たので、とてもとても楽しみながらプレイに励みました。

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 ゲームはオーソドックスなシミュレーションRPGと同じく会話パートと戦闘パートを繰り返しながらシナリオを進めていく方式。会話パートでの選択肢や行動でシナリオやルートが変化していくドラマティックな部分が本作の要です。

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 そんなストーリーを二極化する分岐シナリオという大切な要素なのですが、もちろん初プレイなのでゲームを始めて間もなくにシナリオが分岐していたことを知らず、あれよあれよという間に戦火に巻き込まれ、軍に追われ、戦う運命に翻弄されることとなりました。

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 その点は近年のような「どちらのシナリオを選びますか?」的なメタ要素を表示しない、あまりに自然にシナリオが分岐していく様はゲームへの没入感があっていいなと改めて感じましたね。さすが99年製のゲーム。しばらくない経験だったので新鮮さがありました。

 ちなみに、僕が選んだのはエマ編。物語はまるで往年のロボットアニメのようで、直情型で妹のことになると見境がなくなる主人公の武村和輝と、いい加減で女好きだけどやるときはやる草間亮五の2人を筆頭に軍が秘匿していた謎の兵器の秘密を知った主人公たちが追われる身となり、それを機に世界の命運を握る戦いへと拡大していくことに……といった内容。

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 ゲリラ屋との遭遇。主人公たちに送り込まれる謎の刺客。舞台も日本からシンガポール、台北などなどあちこちに飛んでいったりと目まぐるしい感じ、次々に起こる事件や内容に主人公が巻き込まれていく姿が昔のロボットアニメ感があっていいシナリオです。とくに妹絡みになるとちょっと暴走気味になる感じも90年とか00年代くらいの雰囲気をすごく感じてニヤニヤしてしまいます。

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ランダム性を戦略性で上回る楽しさ【フロントミッション サード:リメイクレビュー】


 戦闘は人型兵器ヴァンツァーを用いたターン制バトル。敵の全滅を基本とし、高低差や射程、障害物、バトルスキルなどさまざまな要素を加味して戦うかなりタクティカルなゲーム性です。

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 ヴァンツァーは胴体、右腕、左腕、脚部の4パーツで構成されており、胴体の耐久値がなくなるとほかのパーツが残っていても撃破されるルール。攻撃時にどのパーツに命中するかはランダムですが、武器によって全パーツに命中するものもあります。またパイロットの気絶や強制排出など、ヴァンツァーの破壊だけでなくパイロットへのステータス異常で機能停止に追い込むことも可能と戦略の幅がかなり広いです。

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 うまくいけば1回の攻撃で敵ヴァンツァーの胴体を破壊して撃破できますが、銃弾が各パーツにバラけたり、そもそも命中しないこともあるなど攻撃時の結果に確実性がなく、出た結果からどう動くかというリアルタイムに戦略を練っていく部分は難しさでもあり、同時にイレギュラーにこそやり応えを感じる部分でもあると思いました。

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 攻撃時のパーツ狙いがランダムだからこそテンションが上がる瞬間といえば、バトルスキルの連鎖。ヴァンツァーの各パーツにはバトルスキルが設定されており、条件を満たすとパイロットが習得していきます。このバトルスキルは戦闘時確率で発動するものですが、複数設定している場合は稀に連続発動してくれるので想定以上の大ダメージを与えて戦局が一変する瞬間はたまりませんね!! ランダムだからこその連続発動というギャンブル性が光って見えました。

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 同時に敵もバトルスキルを発動してきたり、パイロットが気絶して集中砲火を受けたりと想定外のこともよく起きます。このあたりのただ易しいだけじゃないバランスは、99年頃のシミュレーションの標準だったのかなと思うと納得もできますし、だからこそ負けていられないなと。実際、作戦がうまくいかなくて全滅したことが数回あり、そのときは武器を変えたり配置を変えて突破しましたね。

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 とはいえ、パーツに改造を施して命中率を上げたり障害物を挟んで敵の攻撃を回避したりとランダム性以外の部分で有利を確保するシミュレーションの基本戦略性はしっかり反映されるので、ヴァンツァーのカスタマイズやパイロットの育成に時間かけている瞬間が一番楽しいかもしれません。練りに練った部隊編成で出撃して、想定通りに盤面が進んでいく軍師的な楽しさこそが、シミュレーションの面白さの核だと思っているので。

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 ここからはメカ好きとしてグッときた描写について。まずは、ヴァンツァーがロボットとしては6mと想像以上に小さいことに驚きました。ですが、小さいからこそ市街地戦でのカメラワークが映える映える!! 6mのロボットというビルと比較した際に想像しやすい絶妙なサイズ感。また戦闘時、狙いのはずれた弾が近くの金網や木々を吹き飛ばす瞬間にもリアルがあって燃えますね。

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 また地に足の着いたロボットのためか地味に戦闘ヘリが脅威だったり、ヴァンツァーから生身の人間(パイロット)への攻撃が当たりにくかったりと性能やサイズ感を意識した部分も多く、ゲームのリアルを追求しているなぁと感心しました。

 全体的に鉄の塊感のある重たいヴァンツァーからはじまり、ローラーダッシュによる高速移動やホバー機の登場。そしてビームの登場とシナリオが進むにつれてスペックアップしていくさまもロボットアニメのお約束を踏んでいて非常にイイ。近接武器もマニピュレーターが壊れないようにするためかナックルガードのようなタイプだったり、よくあるブレードじゃなく警棒タイプにパイルバンカーといろいろなアニメの影響やこだわりを端々に感じられて、ついついニヤけてしまいました。

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設定の深さに脱帽!! 懐かしいサイトデザインにも注目【フロントミッション サード:リメイクレビュー】


 そのほか個人的に良いなと思ったのは架空の企業や組織などの設定の深さ。ゲーム内にはネットワークを通してさまざま企業や組織、警察などから情報収集ができるのですが、その設定が深い! 深すぎるくらいに! すべての存在が架空であるために、本作の世界を構築するためのものがこんなにあるのかと驚かずにはいられませんでした。全部がそうではなく、中には街の声とか学園祭のヒロインに投票とか、日常の肉付けがうまいなぁと思いましたね。

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 また、このネットワークで表示されるサイトのデザインがまた懐かしくて懐かしくて。個人サイトのような点滅文字やBBSという表記。ついついキリ番報告とか探しそうになりますが、怪しげなサイトに行くとデータ解析用のファイルが置いてあったり。パスワード入力に成功すると隠しページが見られたり。まだネットにアングラ感があったのを思い出させてくれます。元が99年製なのだからリアルで当然っちゃ当然なんですが。

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 このネットワーク自体は本編の進行には大きく関係しないようですが、設定を深堀りしたいとかちょっとした資金調達やシミュレーターの要素解放などに利用するもの。いろいろと探ってると◯◯重工とか◯◯エンタープライズとか、このへんの聞き馴染みのあるヴァンツァー関連の企業名もけっこう好きです。やっぱりヴァンツァーも特殊車両扱いなのかな?(笑)

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 PS版ならではのトロフィーは基本的にはシナリオに沿っていくと解放されていくものが多め。なかには戦闘フェーズ中に特定の行動が必要なものや、パイロットの育成が必要だったりとやり込みが必要なものもあるようです。本作には2つのシナリオが存在し周回要素もあるため、それらをじっくり堪能しながらじっくりとトロフィー獲得ができそうです。

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 歴史あるタイトルのリメイクである本作は、往年のシミュレーションならではの容赦ない戦略性を求められるバランスを保った良質な一作。当時は大人すぎて手が出せなかった自分のようなメカ好きにもオススメしたい、ドラマティックシミュレーションRPGをぜひこの機会にどうぞ。

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