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感想:ローグライク新作『カラテローグ』を空手経験者が遊んだら…引き手の再限度の高さ、掌底の強さなど空手愛強すぎ。さすが『空手バカ異世界』作者のゲーム!【電撃インディー#1214】

文:電撃オンライン

公開日時:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、terry-do GAMESより配信予定の、ローグライク・格闘・ダンジョンクローラーRPG『KARATE ROGUE(カラテローグ)』の体験版レビューをお届けします。

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 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!


カラテ(空手)の使い手として過酷なダンジョンを攻略していくローグライクRPG【カラテローグ】

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 本作は、凶暴なモンスターが巣食うダンジョンを探検していくローグライク形式のRPGです。

 特徴的なのは、プレイヤーの分身たる主人公が“カラテ(空手)”を使う武術家であること。“正拳突き”、“後ろ回し蹴り”といった現代人にも馴染みのある空手技で、ミノタウロスやハーピーのようなファンタジーな怪物をなぎ倒していくギャップが持ち味のゲームです。

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 戦闘はコマンドを選択するターン制バトルになっています。“構え”→“技”の順番で行動を選んで敵を攻撃し、全滅させれば勝ちです。

 行動には“ACT”と呼ばれるリソースを消費するため、限られた行動回数で作戦を構築する戦略性がカギになってきます。

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▲フィニッシュの大技は特殊演出でド派手に炸裂します。

 ボスキャラとの戦いでは、特別な大技でトドメを刺す演出も。怪物の頭に飛び乗って拳を叩きつける“下段岩石割り”は迫力満点で、シンプルなグラフィックだからこそ想像力が掻き立てられます。

 単純な腕力では敵わないモンスターを空手という技術で倒すカタルシスがたまりません。

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 戦闘に勝つと、ランダムなスキルから1つだけ覚えられるローグライク定番の育成要素も、しっかり押さえています。

 “突きに特化した空手家”、“蹴り技が強烈な空手家”など、自分好みにビルドしていけるので、何度も周回して理想の空手家をめざすのも面白い遊び方です。

 ちなみに装備アイテムや魔法スキルもあり、剣や斧で戦うスタイルも選べます。

 武器は素手と比べて通常攻撃が強くなる一方、技が一部制限されるので要注意です。

 筆者は徒手空拳にこだわりたかったので、初見プレイではあえて武器&魔法縛りに挑戦してみました。自分なりの空手家を追求しながら楽しめるゲームです。

『空手バカ異世界』の作者ゆえの空手こだわりポイントが満載! 空手経験者の筆者が唸ったポイントはココ!【カラテローグ】

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 本作でもっとも注目したいのが、空手への並々ならぬこだわりです。制作者の輝井さんは、空手家が異世界に転移してバトルをくり広げる小説『空手バカ異世界』の作者でもあるのですが、それも納得なポイントが随所にちりばめられています。

 かくいう筆者も小学生の頃は空手教室に通い、技を決まった順番で出していく演武、通称“型”を中心に学んでいました。その経験を元に、本作で「おっ!」と思ったポイントを紹介していきます!

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▲正拳突きのモーション。左手で突き、右手は脇を締めながら引いているように見えます。

 まず感じたのが、戦闘モーションの再現度です。特に、空手の王道“正拳突き”のモーションでは、“引き手”をしっかり行っています。

 例えば、左手で正拳突きをするなら、逆の右手を思いきり体の後ろ側へ引く動作を引き手と言うのですが、筆者は空手の先生から「突く手より引き手に力を入れなさい」、「右手で突こうとするのではなく、左手を引いた反動で右手を出しなさい」と何度も教えられました。それぐらい、空手の突きにおいて引き手は大切な動きです。

 ほんの一瞬の戦闘モーションに引き手を丁寧に盛り込んでいるこだわりは、個人的にかなり好感触でした。よく見ると引き手の脇をギュッと締めているように見えて、経験者としては感動ものです。

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 また、“掌底”が強いのもぐっときました。掌底とは、手を開いて手首と掌の境目の硬い部分を相手に叩きつける空手の技で、空手教室では生徒から特に人気の技でした。

 というのも、正拳突きでミットを叩くと拳がヒリヒリと痛くなるのですが、掌の硬い部分を叩きつける掌底では全く痛くなりません。

 力も入れやすく、筆者含めほとんどの生徒は掌底のほうが「バン!」と、いい音を出してミットを叩けていました。

 拳の使い方をしっかり学んだ上級者ならまた違うのですが、筆者にとって掌底はとても馴染み深い技です。

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 話を『カラテローグ』に戻しますが、本作の掌底は“破心掌底”という名前で正拳突きより威力が高く、防御無視の特性もついている強い技です。

 掌底が好きで何度も練習した経験者としては納得のバランスですし、なんだか嬉しくなりました。

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▲「礼に始まり礼に終わる」の格言はモンスターとの殺し合いにも通ずる!

 そして、一番「おっ!」と思ったのは、敵に勝利した主人公が必ず一礼することです。

 空手では稽古でも試合でも、あらゆる場面の区切りに「よろしくお願いします」、「ありがとうございました」の気持ちを込めて礼をします。

 平時の道場ならばともかく、自分を殺そうと襲ってくるモンスターにも礼儀を欠かさない精神は、とても崇高ではないでしょうか。抽象的なピクトグラムで描かれた主人公の一礼から、空手家の気高さすら感じられました。なお、ピクトグラムスタイルのアバター以外のキャラも選択可能です。

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▲エルフやバーバリアンといったキャラも選択できるようです。
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▲体験版は1~2時間でクリア可能です。

 子どもの頃に習った程度の筆者でも、作者の熱意をひしひしと感じられるほど空手へのこだわりが盛り込まれた『カラテローグ』。ローグライクとしてもよくできており、来春完成予定の製品版が今から楽しみな作品です。


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