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80年代アメリカの『刑事J.B.ハロルドの事件簿』と大正の名探偵『藤堂龍之介探偵日記』――アルティが贈る本格推理ADVの魅力とは?【G-MODEアーカイブス】

文:信濃川あずき

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 かつてのフィーチャーフォン向けゲームアプリを当時のまま忠実に再現し、Nintendo Switchで届ける復刻プロジェクト“G-MODEアーカイブス”。

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 本稿では、G-MODEアーカイブス+で展開中の『藤堂龍之介探偵日記』と、『刑事J.B.ハロルドの事件簿』両シリーズの魅力を紹介。さらに、2026年2月19日に配信開始された『刑事J.B.ハロルドの事件簿Vol.1マーダー・クラブ』のプレイレビューの2本だてでお届けします!
※本記事はジー・モードの提供でお送りします。

アルティが贈る2大本格推理アドベンチャーゲームシリーズ

色彩が彩る大正の推理劇『藤堂龍之介探偵日記』

 『藤堂龍之介探偵日記』は、リバーヒルソフトより1988年にPC向けゲームソフトとして誕生した推理アドベンチャーゲーム。その後、アルティが開発を引き継ぎ、2003年からは過去作の移植版および新作がフィーチャーフォンや携帯ゲーム機向けにリリースされました。

 シリーズ作品の舞台は大正時代の日本。主人公の私立探偵・藤堂龍之介が、毒殺や密室殺人といった難事件に挑みます。

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 ゲームはコマンド選択式のアドベンチャー。プレイヤーは龍之介の視点で邸宅や客船といった閉鎖的な舞台を移動し、関係者に話を聞いたり、コマンドで証拠品を捜索したりして事件を解き明かしていきます。

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 本シリーズのもうひとつの大きな特徴は、大正時代の空気感が丁寧に織り込まれた世界観。

 そしてタイトルには琥珀色、黄金、瑠璃色、亜鉛、泪色、柘榴、鈍色と、色や鉱物を冠した美しい事件名がつけられています。それぞれの色や鉱物が事件にどう絡んでくるのか、タイトルからすでにワクワクします。

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 シリーズの原点となる第1作『琥珀色の遺言~西洋骨牌連続殺人事件~』は、富豪が毒殺され遺言として残されたのは謎の西洋骨牌(タロットカード)のみ。主人公の龍之介は身分を小説家と偽って富豪の邸宅“琥珀館”に潜入。しかし、新たな殺人が……。

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 第2作『黄金の羅針盤~翔洋丸桑港航路殺人事件~』は豪華客船が舞台。龍之介が乗船している船の甲板の樽から白骨死体が発見されるという衝撃の幕開けです。続く悲劇、海の上の船、逃げ場はなし。張り詰めた船内で、事件解決に動きます。
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 第3作以降は孤島、断崖の屋敷、酒蔵、ホテルと舞台がますます多彩に。Vol.6とVol.7にはそれぞれ番外編も同時収録されています。限られた空間の中を歩き回り、住人たちの証言と手掛りから真相を暴く。作品ごとに雰囲気もがらりと変わる、それが本シリーズの醍醐味です。

 現在はG-MODEアーカイブス+にて、Vol.1~Vol.7の7作品がNintendo Switchで配信中です。

80年代アメリカの硬派な刑事モノ『刑事J.B.ハロルドの事件簿』

 もうひとつのシリーズ、『刑事J.B.ハロルドの事件簿』は、1986年にPC向けゲームソフトとして発売された推理アドベンチャーゲームです。

 本作の舞台は1980年代のアメリカ。プレイヤーは刑事J.B.ハロルドとなり、関係者の証言と証拠品を頼りに事件の真相を追います。

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 こちらは街を駆け回る“刑事の捜査”を体感するゲーム。各地の捜索地点を訪れ、関係者に聞き込みを行い、得られた証言や証拠品をもとに捜査を進めていきます。

 どういう順番でどこを訪ねるのか、すべてプレイヤー自身で決めます。自由度が高く、プレイヤーが刑事になりきれる、没入感の高い捜査こそが本シリーズならではの魅力です。

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 シリーズは第1作の『マーダー・クラブ』に始まり、ニューヨークを舞台にした『マンハッタン・レクイエム』、ワシントンD.C.を舞台にした『D.C.コネクション』、シカゴを舞台にした『ブルー・シカゴ・ブルース』など、アメリカ各地の都市で事件が展開。

 2006年以降はフィーチャーフォン向けにもエピソードが制作されるなど、長きにわたってファンに愛されてきました。

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 そんな本シリーズの原点『マーダー・クラブ』が、G-MODEアーカイブス+にて2月19日より配信開始。ここからは、筆者が実際に『マーダー・クラブ』をプレイした感想をお届けします!

『刑事J.B.ハロルドの事件簿Vol.1マーダー・クラブ』レビュー

誰かと話せば何かが出てくる


 アメリカの片田舎、リバティタウン。ハウリントン・カレッジの駐車場で、ロビンズ商会社長ビル・ロビンズが刺殺体となって発見されました。この事件はもともと前任者が追っていたのですが、身体を壊して入院。刑事J.B.ハロルドに解決を託したのです。

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 さっそく街へ飛び出して調査……といきたいところですが、まず刑事部屋のデスクにはさまざまな資料や前任者からの手紙が置かれています。引き継ぎは大事ですからね、目を通すことにしましょう。

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 被害者ビル・ロビンズの検死報告書やここまでの調査報告。人物名や地名など、重要なキーワードは文字色が異なるのですが……あっちこっちに重要キーワードが散らばっていて、この事件の複雑さを感じます。

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 事件の概要をうろ覚えながら無理矢理頭に叩き込んだら、まずは事件現場へ。

 意気込んで駆けつけたのですが、すでに数日が経過した現場はすでに清掃済み。これ以上ここから得られる情報はなさそうです。

 第一発見者である警備員さんが、走り去る怪しい車を見たと言いますが、現時点でこの情報が事件にどう絡むかは不明です。

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 次は、検死を担当した医師サイモン・レンデル氏のもとを訪ねると、気になる証言が。レンデル氏によれば、刺し傷は一撃ではなく、まるで力の弱い人物が何度も繰り返し刺したかのようだったというのです。

 この証言ひとつで、事件の見え方がぐっと変わります。

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 被害者のビルには、仕事一筋の父エドワード、すでに嫁いだ妹ケイト、弟のフレッド、そして妻のジャネット……といった親族たちがいますが、彼らに話を聞けば聞くほど、全員がどこかしら怪しく見えてきます。

 細かい反応を見逃さないように注意しつつ、つとめて先入観を持たないようにして話を聞きました。

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 捜査は家族だけでは終わりません。ひとりに話を聞くと、別の人物の名前が出てくる。その人物を訪ねるとまた新たな人名や訪ねるべき地名が浮かぶ……。捜査対象が連鎖して広がっていくのが、本作の醍醐味です。

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 被害者が立ち寄っていた店の関係者、ロビンズ家のメイド、大学教授に不動産屋。世間は狭いと言いますが、リバティタウンの住人たちには、意外と繋がりがあるようです。

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 そして、ひとりの人物に対して聞ける話題がいくつも用意されています。

 たとえば“本人について”、“被害者について”、“事件の夜の行動”など、話題が細かく用意されています。また、捜査が進展すると同じ人物から聞ける内容が変わることもあるのです。

 さらに、同じ質問を繰り返すことで、反応が変わることもあります。ドラマで刑事さんが「今の話、本当ですかねぇ?」と問い詰める感覚でしょうか。

もどかしくてリアルな令状取得

 捜査を進めていると、「この場所をもっと調べたい」という場面があるはずです。しかし本作では、J.B.ハロルドの独断で家宅捜索や逮捕はできません。署内の検事に許可を取る必要があるのです。

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 これがリアルでおもしろく、同時にもどかしい。怪しいと確信している場所があっても、充分な証拠や証言を集めていなければ検事は許可を出してくれません。とはいえ、それが現実的でもあります。検事から許可がおりたら家宅捜索を実行し、証拠品を押収します。

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 押収した証拠品は、鑑識課で検証してもらうことで詳細がわかります。このあたりもリアルな仕組みですね。地道な調査が実を結んで家宅捜索の許可を得て、見つけた証拠品を鑑識にまわし、新事実が発覚。この流れ、刑事ドラマの主人公になりきった達成感があります。

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 この、複数手順を踏む刑事体験のリアリティこそ、1986年に生まれた本作が今なお色褪せない理由ではないでしょうか。コツコツ積み上げた情報で、ピンとくる瞬間の快感は格別です。

 真相に近づいたと思ったら、さらにその奥に意外な事実が潜んでいることも……。足で稼ぐ刑事として、ぜひリバティタウンの真実を暴いてみてください!

『刑事J.B.ハロルドの事件簿 Vol.1「マーダー・クラブ」』商品概要


【タイトル】G-MODEアーカイブス+ 刑事J.B.ハロルドの事件簿 Vol.1「マーダー・クラブ」
【価格】800円(税込)
【ジャンル】推理アドベンチャー
【配信日】2026年2月19日
【ゲームプレイ人数】1人
【対応機種】Nintendo Switch
【対応言語】日本語

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