三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。
何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。
そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は2003年にニンテンドーゲームキューブで発売された『カービィのエアライド』を語ります。
何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。
そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は2003年にニンテンドーゲームキューブで発売された『カービィのエアライド』を語ります。
思い出コラムを読むレースゲームの皮を被った「バトルロイヤル」
『カービィのエアライド』には3つのモードがありますが、当時の小学生・中学生が親指の皮をすり減らして遊んだのは、間違いなく”シティトライアル”でしょう。
広い街を自由に駆け巡り、コンテナを破壊してステータス強化アイテムを回収。制限時間終了後のスタジアムに備えて自機を育成するモードです。自分の好きなマシンに乗り換え、好きな能力を伸ばす。その自由度の高さは、現代のオープンワールドゲームにも通じる楽しさがありました。
一見、平和な育成ゲームにも見えますが、あるアイテムの出現によって、血で血を洗う”対人サバイバル”へと変貌します。
そう、伝説のマシン”ドラグーン”と”ハイドラ”のパーツです。
赤いコンテナが開いた瞬間、全員が”指名手配犯”を狙う
シティトライアルでは、稀に「赤いコンテナ」が出現します。中に入っているのは基本的にノーマルアイテムですが、時には集めると最強のマシンが完成する”伝説のパーツ”が。
圧倒的な飛行能力を持つドラグーン、圧倒的な攻撃力を持つハイドラ。これらを完成させれば、最後のスタジアムでの勝利は約束されたようなもの。
だからこそ、誰かがパーツを1つでも拾った瞬間、そのプレイヤーは”優勝候補”ではなく”駆除対象”として認定されます。
“ピロリンッ♪(パーツ取得音)”この音が鳴った瞬間、各々でアイテム集めをしていたプレイヤーたちの目の色が変わります。
「あ、お前拾ったな?」「奪ってやる!」
ここから、パーツ所持者を全員で追いかけ回す「人間狩り」の始まりです。
4画面分割だからこその”合法的なカンニング”
現代のオンラインゲームであれば、敵の位置を知るにはレーダーを見たり、特殊なスキルを使ったりする必要があります。しかし、ゲームキューブ時代の我々には、もっと原始的で確実な索敵方法がありました。
それは、”隣のプレイヤーの画面を見ること”です。
テレビ画面は4分割されています。自分が左上にいても、右上の画面を見ればライバルの現在地は丸わかり。
「あ、今火山の火口に入ったな?」「地下通路逃げたぞ!」
プライバシーなど存在しません。追われる側は「画面見んなよ!」と叫びますが、見るなと言う方が無理な話。
この”画面の盗み見”こそが、シティトライアルにおける最強のメタスキルであり、最高に盛り上がるスパイスでした。
物理的に集まるからこそ生まれる”野次”と”結託”
パーツを持ったプレイヤーへの攻撃は苛烈を極めます。マリオカートのように甲羅を投げるのではありません。自分のマシンごと体当たりして、物理的に吹き飛ばすのです。『エアライド』は機体の接触判定が強く、勢いよくぶつかればパーツを弾き飛ばすことができます。
「よし! 落とした! パーツ落ちたぞ!」「俺がもらう! いや俺だ!」
さっきまで協力してパーツ持ちを襲っていたのに、パーツが地面に転がった瞬間、今度はそのパーツを巡って昨日の友を殴り合う。肩をぶつけ合い、リアルで「こっち来んな!」と野次を飛ばし合う、あの混沌とした空気。
最近のゲームはオンライン対戦が主流となり、非常に快適で公平な環境で遊べるようになりました。
ですが、友達の家にお菓子を持ち寄って、テレビの前で膝を突き合わせ、互いの画面を覗き見ながらギャーギャー騒ぐあの”密度の濃い時間”は、便利さと引き換えに失われてしまった魔法なのかもしれません。
2025年11月には、待望の新作『カービィのエアライダー』が発売。このようなリアルで集まるからこその雰囲気は失われてしまったかもしれませんが、プレイヤーの最大人数が16人になっただけに、奪い合いも熾烈に。
また誰かの脳のメモリが無駄づかいされる未来が見えます。でも、きっとそれでいいんです。
何十年経っても「あの時パーツ取った瞬間、マジで全員に狙われて笑った」って笑い話になる記憶こそ、ゲームが残してくれる最高の贈り物なのですから。