スクウェア・エニックスが運営するオンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV(以下、FF14)』。本企画では、ヒカセン兼ライターが膨大なプレイ時間をかけて旅する中で出会った、『FF14』の“好きなクエスト”や“好きな台詞”を振り返りつつ紹介していきます。

第5回の『FF14』振り返り記事では、『蒼天のイシュガルド』のクロニクルクエスト“シャドウ・オブ・マハ”を特集します。
空賊団“レッドビル”と出会い、お宝を求める大冒険へ! お頭“レオファード”の快男児っぷりよ
パッチ3.3といえば、“イシュガルド”で1000年続いた“竜詩戦争”に決着がついた後のことです。
『新生エオルゼア』、『蒼天のイシュガルド』と続けて世界を救った光の戦士は、誰もが認める英雄様。そんな中で開放されるクロニクルクエスト“シャドウ・オブ・マハ”は、光の戦士を予期せぬ冒険へと連れて行った物語です。


青い空に浮かぶ“キャンプ・クラウドトップ”でトラブルに巻き込まれた光の戦士は、空賊団“レッドビル”のお頭・レオファードと出会います。
彼は空賊ではありますが、無辜の市民を襲う略奪を「下衆なやり方」と嫌い、空賊に“自由”と“冒険”を求めていると豪語しました。なんとも気持ちのいい男です。
そんなレオファードは、クラウドトップで目撃される“雲海の幽霊船”に眠っているであろうお宝を狙い、光の戦士を仲間に誘います。
ですが、彼の本当の目的はお宝そのものではありません。
“乗り込んだ者は帰ってこない”と噂される幽霊船に待ち受けているであろうスリルとロマン……それこそが、レオファードの目的であり、彼が求める“冒険”そのもの。


「お前に極上の冒険と、そして危険を約束しよう」
レオファードの口説き文句に、光の戦士は笑顔で応えます。
“蒼天”のイシュガルドのクロニクルクエストにふさわしい、青い大空を股に掛けた大冒険はこうして幕を開けるのです。
救うのは“世界”ではなく“自由な空”。自己中心的? いや、それが空賊だ!


幽霊船こと“魔航船ヴォイドアーク”を制覇したレッドビル一行は、突如現れた妖異(※)に襲われ、これまたいきなり参上したしゃべるネコ“ケット・シー”とともに脱出するハメに。
せっかく見つけたお宝もパァです。

ケット・シーによると、幽霊船は1500年前の魔法都市“マハ”が第六霊災から生き延びるために造ったもので、ケット・シーの主“クェーサル”によって1000を超える妖異が封印されていました。
その封印が解ければ、魔王級の大妖異“スカアハ”を含む妖異たちが目覚めてしまいます。しかも、幽霊船の妖異“ディアボロス”は、妖異の復活を企んでいると言うのです。
「このままでは、世界が危機にさらされる!」
ディアボロスの野望を阻止してくれ、と頼むケット・シー。
我らがお頭レオファードの答えは……


「あんな連中に、空の自由が侵されるのはガマンならねぇからなあ!」
世界ではなく、彼がこよなく愛する“自由な空”を守るために妖異を追う、と宣言。
これにケット・シーは「なんと、自己中心的な!」と驚きますが、レオファードはあくまで空賊。他人の願いを背負って戦う英雄とは正反対ですが、自身の欲望をどこまでも貫くアウトローな生き様もまた、とても眩しいものです。
光の戦士はもちろんほかのメンバーも賛同し、レッドビルは“自由な空を守る大冒険”へと突入していきます。
空を愛する空賊はアウトローでも気のいい奴ばかり! ケット・シーの活躍も見どころだった
レッドビルの大冒険は“禁忌都市マハ”、“影の国ダン・スカー”と舞台を変えながら加熱していきます。
その中心にいるレオファードが目立ちがちな“シャドウ・オブ・マハ”ですが、ほかのキャラも個性的で忘れられません。


レオファードの過去をよく知り、口やかましくとも彼を心配するスタシア。
優秀な技術師で、ケット・シーをもふもふと愛でるのが好きなウタタ。
2人ともレッドビルを支える、大事な存在です。

いつもはレオファードと敵対している女空賊“ラドリア”も憎めないキャラですよね。
“禁忌都市マハ”ではレッドビルを出し抜こうとした結果、多くの部下を死なせる大損害を受けます。一度は失意に沈んだラドリアでしたが、のちにレッドビルのアジトが妖異に襲撃された時は、援軍を伴って駆けつけてくれました。
普段はいがみあっていても、空を愛する気持ちは同じ。アウトローなりの奇妙な絆が感じられる一幕でした。

最初は「自己中心的な!」と驚いたケット・シーも、空賊の生き方に徐々に感化されていきます。
生真面目なケット・シーはレオファードと意見が合わず、よく衝突していました。今は亡き主の意志を果たしたい一心なのですから、一見いい加減なレオファードにイラつくのも無理はありません。
ですが、ともに死線を潜る中でケット・シーはレッドビルに馴染んでいき、やがて仲間として互いを認め合います。なんとも爽やかな友情です。

気のいい空賊に、生真面目なしゃべるネコ。
妖異との激しい戦いが続く“シャドウ・オブ・マハ”ですが、こうして振り返った時に清々しさが勝っているのは、彼らのおかげなのかもしれません。
光の戦士が“英雄”ではなく“一介の冒険者”になれたのがひたすらに嬉しい……。

レオファードは光の戦士を誘う際、彼/彼女を“英雄”ではなく“冒険者”として勧誘しました。
些細な違いかもしれませんが、私はとても大きな意味があると思います。
『新生エオルゼア』でも『蒼天のイシュガルド』でも光の戦士はずっと誰かに願われて戦ってきました。蛮神やガレマール帝国、アシエンに邪竜ニーズヘッグと多くの強敵を倒し続けいたら、いつの間にか英雄と呼ばれるようになったわけです。
それはすばらしい行いですが、英雄になったせいで光の戦士が味わった苦難や悲哀は数知れません。
ウルダハの政治闘争に巻き込まれた“イシュガルド戦勝祝賀会”や、オルシュファンを失った“ただ盟友のため”(どちらもメインクエスト)は、その最たる例でしょう。


「他人の願いばかりではなく、自分自身も楽しんでほしい……」個人的にそう思ったりしていたのですが、そんな気持ちを満たしてくれたのが“シャドウ・オブ・マハ”でした。
英雄の重荷をちょっとだけ降ろし、自分勝手な空賊たちと一介の冒険者として空を駆けた日々は、彼/彼女にとってとても貴重ですごく楽しい機会だったと思います。
しかし残念ながら、そんな楽しい冒険の時間も、いつまでもは続きません。
“影の国ダン・スカー”攻略によって自由な空を守る大冒険は幕を閉じ、レッドビルと光の戦士は別々の道を行きます。


「とっておきの冒険を見つけたら、何処にいようと連れ出すぜ」

最後のクエスト“ひとつの冒険の終わり”の報酬は、レッドビルの仲間の証“レッドビルスカーフ”。またレッドビルに誘われた時は、このスカーフを巻いて冒険に出かけたい。そのいつかを、私は今も待っています。
電撃オンラインでは、好きなクエストや名言などにフォーカスした『FF14』に関する企画記事をこれからも不定期で展開していく予定です。次回もお楽しみに!