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新作パズルアドベンチャー『D-topia』レビュー。清潔感あふれる楽園が、一瞬で“ネズミの這う機械室”へと変貌する恐怖を体験せよ【電撃インディー#1380】

文:宮本デン

公開日時:

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はMarumittu Games開発のパズルアドベンチャーゲーム『D-topia』のデモ版レビューをお届けします。


 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

『D-topia』公式ページはこちら
※本記事はAnnapurna Interactiveの提供でお送りします。

AIに管理された楽園を舞台に繰り広げられるパズルアドベンチャー【D-topia】


 “最大多数の最大幸福”――18世紀のイギリス人哲学者ジェレミー・ベンサムが提唱した功利主義の原則です。現代社会を取り扱う学校の授業において、目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

 “社会全体の幸福を最大化する方針や行為こそが正しい行いである”、という考え方なのですが、人間が世界を管理する社会においてはどうしてもそれだけでは割り切れないのも事実です。しかし、AIが世界を管理する社会であれば、これほどまでに単純明快かつわかりやすい指標もないでしょう。

 そしてそんな世界を実現したのが、本作の舞台となるD-topiaという楽園です。

主人公に与えられた役割は“施設整備士”


 ゲームが始まると、主人公(シロー)の遺伝子情報に則り、“施設整備士”の職業を与えられて居住地:D地区(D-topia)へ送られます。

 楽園D-topiaは、AIによってあらゆる物事が管理されており、職業や一日の生活スケジュールはもちろん、食事などもAIに管理されています。しかし、AIによる強制的な管理ではなく、すべては遺伝子情報にもとづいた計算結果によるものだそうで、みなさん幸せに暮らせているようです。


 主人公に与えられた職業“施設整備士”は、その名の通り施設を整備・修理したり、施設内で困っている人の問題を解決する役目を請け負っています。

 施設のメンテナンスや住民の問題解決なんて、それこそAI側で解決してくれよ! と思ってしまいますが、こうして“職業”を与えられるのには理由があるようです。

論理パズルを解いてストーリーを進める


 まず、朝起きて外に出ようとすると“システムと健康チェック”が行われます。いったい何をされるのかと思いきや、表示されたのは簡単なパズルでした。

▲遺伝子の二重螺旋構造みたいなのが健康チェックの項目かな。

 『D-topia』では、このように随所にパズルが表示されるようです。健康チェックのほか、労働や施設整備でもこのパズルを解くことでゲームを進めることができます。

 デモ版ではまだまだ難易度は低めのパズルのみですが、トレーラーを見る限り、ゲームを進めるにつれてパズルも難しくなりそうです。しかも色々な種類のパズルが出てきそうなので、すべてをクリアするのも結構骨が折れるかもしれませんね。

解放感と清潔感のある施設の中で、健康的な生活を送る【D-topia】


 D-topiaは白を基調とした美しい建物で、採光も十分で明るい雰囲気です。“ホーム”と呼ばれる居住部屋の中は統一感のあるインテリアでまとめられており、窓からは空も見ることができます。


 ホームの外に出ると、人々がD-topiaの朝を謳歌しています。D-topiaの人々も完璧で清廉潔白なのかと思いきや、意外と個性的なことを話してくれる方が多いので、一人ひとり話を聞くと楽しいかもしれません。

▲こういうの、つい全員に話しかけてしまいます。
▲なんか変な消火器があるなあ。

 D-topiaに暮らす人々は、午前中は労働、午後は自由時間と一日のスケジュールが決められているようです。AIに管理されているのであれば、人間が働く必要はないのでは? と先ほど書きましたが、人間には“堕落しすぎないように”簡単な労働の義務が課せられているとのことでした。

 労働するとD-topia内で使える通貨・Uポイントを手に入れることができます。これを消費することで買い食いしたり、インテリアを買ったり、人にプレゼントしたりいろいろなことが出来るそうです。

 人間を労働によって堕落させないことと、労働に対する報酬がきちんと支払われる仕組みをセットにすることこそが、“最大多数の最大幸福”に繋がる、という判断なのでしょうね。何か書いてて心が苦しい……。

▲旧時代の人間に100000のダメージ!

 午前中の労働が終わり、自由を謳歌しようとファクトリー(労働を行う場所)を出ると、ある人物と出会います。その人物が落としていったメモリを届けに行くと、いよいよストーリーの始まりです。

▲ちょっと人間らしいキャラクターが出てきて一安心。
▲なにやら怪しい人物も。

トラブル発生! 目に見えるものは“真実”か?【D-topia】


 メモリを届けた先で、なにやら大きい音を聞いた主人公は音の出元へと向かいます。すると、“トット”という人物からショップトロイド(お店のスタッフをしているアンドロイド)が壊れてしまったので直してほしいと依頼されました。人の困りごとを解決するのも、“施設整備士”の仕事の一つのため、もちろん快諾します。


 主人公の職業“施設整備士”は、その役割ゆえにシステムの裏側へアクセスすることができます。実は今見えている白く美しいD-topia自体が、そう見えるようにシステムで“最適化”されているだけであり、修理するためには実体へアクセス可能な“ブロックサイド”に切り替えなければいけません。

 “ブロックサイド”に切り替えると、D-topiaは一気に重苦しい空間へと変化します。これ、本当にさっきまでいたあの美しく明るい場所?


 けたたましい音を鳴らすものものしい機械に囲まれ、薄暗い空間には青白い色をした照明のみ、そしてネズミまでいます。D-topiaのキラキラした明るい雰囲気って、もしかしてこの埃っぽい空間に舞う塵が光を反射してるだけ……?

 美しい楽園で最高の生活を送ることができていると“思わされている”だけで、実際にはこんな薄暗い場所で日々生活しているのです。私たちは“AIによって最適化された幻”のなかで暮らしているわけです。

不穏な雰囲気が漂い続ける楽園の謎【D-topia】


 主人公は“ブロックサイド”へアクセスしたことにより、今後調査対象に入ることが示唆されました。職務を全うしただけなのに!

 しかしこうなってくると、これまで見えていた景色がすべて信じられなくなります。空は本当に空なのか、部屋はどうなっているのか……食べ物は本当に食べ物なのか?

 もしこんなものを見てしまったら、目に見えるものすべてを信用できなくなってしまいます。というか、めちゃくちゃ怖い! もうあの美しく清潔な建物を見ても、実際は薄暗くけたたましい音を鳴らす機械たちに囲まれていると思うと耐えられません。

 あの真実の姿を住民が知る日は来るのか? それとも“最大多数の最大幸福”のために、目の前にあるものだけを現実と信じ込み、幸福を享受するという歪さを受け入れるのか……このデモ版で、ストーリーやD-topiaの景色への期待度がグッと高まりました。

 主人公は楽園D-topiaでどのような生活を送るのか。『D-topia』本リリースの7月14日が待ち遠しいです。

電撃ゲームライブに『D-topia』が登場


 5月28日19:00より配信する“【ゲームプレゼント企画あり】最新インディーゲームの魅力を実機プレイ中心に徹底解説! 25年26年のジャンル別ベストゲームも発表します【電撃ゲームライブ/東城咲耶子、中島由貴、吉宮るり】”で、『D-topia』を紹介します。

 実機プレイを交え、その魅力をお届けする予定なので、ぜひチェックしてみてください!


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