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『タイズオブトゥモロー』クリア後ネタバレ感想。空から降る一億のBBA。。。もぅマヂ無理。。。オーゼン吸ぉ。。。。【ほぼ週刊電撃スタッフコラム:オッシー】

文:電撃オンライン

公開日時:

※この記事には『タイズオブトゥモロー』の重大なネタバレがありますので、ご注意ください。

 みなさんこんにちは。ついにゴールデンウィーク! ゲームやるのは変わらないし、どこも混むからどこにも出かけないけど、なんか嬉しいGW!

 ゲームはクリアしまくっているけど、レビュー全然書けてないので、宣言します。GW中に3本書き溜める。でもいつ掲載するとは言ってない。こちらがその気なら掲載は来年ということも可能⋯⋯! 利根川オッシーがコラム43回目をお送りします。


 このコラムでは、狂ったようにプレイしている日々のゲーム体験や、ゲーム以外の趣味である映画鑑賞などで摂取したエンタメコンテンツを、短文レビュー形式でお送りしています。今回は先行プレイなので超ネタバレ注意

俺の屍を越えてゆけ(何一つ残さないけどなwww)【タイズオブトゥモロー】


タイトル:『タイズ オブ トゥモロー』
プレイ状況:PS5版、クリア済み(治療薬散布エンド)

 国境脱出群像劇ADVの傑作『Road96』の制作陣の新作が遂に発売!


 いやー、『Road96』はめたんこ面白かった。最初は『ライフイズストレンジ2』みたいなロード・ムービー風のアドベンチャーかと思ったんだけど、次々と操作キャラが変わるし、行き着く先で不穏な殺し屋の影がチラつくしで、頭の中が“???”で埋め尽くされつつプレイしていったら、最後に国境脱出云々の話になって、ようやく合点が行った。

 このゲームは、タイトルにもなっている、国道96号線にまつわる群像劇ドラマなんよ。なので、途中でリタイアする人とかもいるんだけど(プレイヤーの選択次第で)、次の操作キャラになって淡々と進む。ゲームオーバーはない。ただ単に『Road96』にまつわるドラマを眺めるだけ。

 つまり主人公はRoad96という国道そのもの。国道視点でそこを通る人々をただただ見つめるだけ、という構成が非常に良かった。もちろん、個別のキャラクターたちのドラマも良かった!(ただ、その後に出たスピンオフも面白かったんだけど、ゾーイという特定のキャラの話になっていたので、個人的には群像劇の無印のが好み)

 そんな名作を開発した制作陣の新作が今作『Tides of Tomorrow(ToT)』。(ToT)ってなんか泣いている顔文字みたいやな。


 前作も、プレイヤーが取った行動で、その後にRoad96を通るキャラクターに影響を与えるって要素はあったのよ。でもあくまで、プレイヤーの中での影響だから、まあ言ってしまうとゲーム的な要素の一環レベルではあったと思う。(このキャラは余裕あるから、次のキャラクターの為に物資残しておくか、みたいなね)

 ところが今回は、群像劇ではない。主人公は一人だけ。あたし以外あたしじゃないの。

 ただ、その代わりに今作は“フォロー/フォロワー”という概念がある。SNSのそれではなく、文字通りの“追従/被追従”ってことね。

 主人公は“タイドウォーカー”という存在で、物語上の謎でもあるんだけど、普通の人間とはちょっと異質な存在だったりする。タイドウォーカーは複数人いて、それぞれがみんなプレイヤーなのよ。

 『エルデンリング』でいうところの“褪せ人”みたいな感じだけど、褪せ人はNPC褪せ人もいたのに対し、タイドウォーカーはNPCはいない(と思う)。すべて肉入りプレイヤーのキャラ。

 ただし、だからといって他のタイドウォーカーとマルチプレイをするわけではない。非同期のマルチプレイって感じ。その点でも『エルデンリング』のサインに似てたりはするけど、こちらはもっと直接的に関わってくる。

 プレイを始めると、まずは誰をフォローするか選ばされる。フレンドとかじゃなくて、知らないIDがバーって並んでるのから、なんとなく一人を選ぶ。そうすると、その先行したプレイヤーをフォロー(追いかける)形になるのだ。

 タイドウォーカーの特徴として、“幻視”という能力もある。それは、フォローしているタイドウォーカーの行動が見られる能力だ。


 これが面白くて、例えば門番が邪魔をして通れない道があるとすると、フォローしているプレイヤーが“どうやって通ったか”が見られるのだ。そこで、フォローしているプレイヤーが合言葉を言っていたとすると、プレイヤーはそれを真似して同じ合言葉を言うことで簡単に通れたりするわけ。

 一方、良い影響ばかりではなかったりもする。上記の例だと、前のプレイヤーが合言葉で入った結果、中で狼藉を働いたとする(施設を壊したり、宝物を盗んだりね)。そうすると、「(あんなやつ)合言葉で通しちゃ駄目!」となってセキュリティが強化されるのだ。そうすると同じ合言葉では通れず、別の方法で侵入する必要が出てくる。

 なのでプレイヤーは常にフォローしているタイドウォーカーの影響を受けつつ、さらに自分の行動は後から付いてくるフォロワーに多大な影響を与えるのだ!

 ちなみに、タイドウォーカー同士は近くに寄ると具合が悪くなるドッペルゲンガー的な存在なので、同時に行動するというのはほぼない。その為、顔も知らない(厳密には幻視で知ってるけど)前任のプレイヤーを追いかけて、一喜一憂しながらプレイしていくことになる。


 このシステムが理解できると、『Road96』以上に面白いゲームプレイ感覚が得られた。だって『Road96』では、アイテムが狩られ尽くしていても、あくまでそれをやったのはプレイヤー自身なので、恨むのは自分になる。でも『ToT』は他のプレイヤーなわけ。そして非同期だから直接文句を言ったり攻撃したりもできない。


 そうするとどうなるか⋯⋯。映画『ペイ・フォワード』のように、善行で利益を受けたら他の人(フォロワー)に返そうと善行するし、逆に悪行でヒドい目に遭ったら、フォロワーにも腹いせに何か悪いことをする、みたいになるわけ。負の連鎖、人生の縮図やんけ。

 ここからはスーパー言い訳なんだけど、筆者のフォローしていたプレイヤーはそんなに悪人ではなかった。割と常識的に行動したり、人の為に行動したりしてたのよ。なので、筆者も最初は、後輩に色々残してあげようとか思ってたわけ。最初はね⋯⋯。

世紀末にはいい奴だけが死んでいく。ヒャッハーそれはオレのオーゼンだ!【タイズオブトゥモロー】


 言い訳の続き! このゲームの舞台は、世紀末なのよ。異常気象で地球上の大半が水没した世界。映画『ウォーターワールド』みたいな感じ。そんでその大半を占める海は、人間が排出したプラスチックで埋め尽くされている。


 現実世界でも問題になっている、自然界で分解されないプラスチックゴミの廃棄問題がそのまま反映されているのよ。

 そんでさらに、そのプラスチックが原因の疫病が流行っている。それが“プラステミア”という病気。ただでさえ異常気象で陸地がなくなり、激減した人類は、その“プラステミア”で絶望の淵に瀕していた。

 “プラステミア”の治療法はなく、対症療法で症状を遅らせる方法は“オーゼン”という気体を吸うことだけ。

 あとは分かるな⋯⋯? 高値で取引されるオーゼンを管理して支配する勢力や、オーゼンを生成する方法を独占する宗教団体、オーゼンを奪う盗賊など、世紀末あるあるな群雄割拠な世界が広がっているわけよ。

 主人公であるタイドウォーカーもご多分に漏れずプラステミアに罹患しており、オーゼンなしでは行動できない仕様。行く先々でオーゼンを調達しながら話を進めていくことに。

 そんでさ、オーゼンがまた全然手に入らないのよ! 拾ったスクラップ(この世界のお金)で買うのもいいけど、大抵の店は売っていても一個だし、そもそも高い。盗んだりもできるけど、著しく評判は下がるし、なんならオーゼン管理組織から袋叩きにされたりする。


 プラステミアゲージがあって、それがどんどん減っていってなくなると死ぬ(ゲームオーバーではないんだが、エンディングが限定されちゃう)システムなんだけど、一拠点を探索するのに2ゲージ減るのよ。

 一方、1オーゼンで回復するのは1ゲージ。つまり探索するのに2オーゼンを稼がないと、収支マイナスでどんどん死に近づくわけ。そんなシビアなシステムなのに、上述の通りオーゼンが全然手に入らない。世紀末ツラすぎワロエナイ⋯⋯。

 オーゼンの入手方法は、お店で買ったりは基本なんだけど、イベントで手に入ったりもする。でも大体は他の用途があるオーゼン。

 例えば「死にそうな友人にオーゼンを届けてほしい」みたいなね。ただ、正直にこれを届けなくてもいい。ネコババしちゃえば自分のモノにできたりする。その代わり、届ける先の人は後で行くと死んでたりするけど⋯⋯。


 また、道中に“募金箱”が設置してある。これはタイドウォーカーしか開けられないスグレモノで、中にアイテムが入れられる。具体的には、オーゼンやクレジット。入れておくと、フォロー/フォロワーだけじゃなくて別のプレイヤーも取れるっぽい。

 そこに、運よく前の心あるプレイヤーが残したオーゼンが入ってたりするわけ。でもそこで取って使っちゃうと、もちろん他のプレイヤーは空の募金箱を眺めるだけになっちゃうのよ。

 ⋯⋯つまり、良心の呵責にさえ耐えられれば、オーゼンを手に入れる方法は結構あるのだ。良心の呵責にさえ耐えられれば⋯⋯。

 ヒャッハー! そんなこと知るか! どけ、こちとらタイドウォーカー様やぞ!

 ⋯⋯とまでは行かなかったけど、こっそりバレないようにオーゼンくすねたりはするよね。だって死にたくないじゃん。世界を救うという崇高な目的を持っている(と勝手に思い込んでいる)自分は、そこらへんの物乞いより価値あるじゃん? そんなミーがオーゼン使うのは当然じゃん?


 ということで、店先のオーゼンを買い占め、募金箱はカラにしまくった不良タイドウォーカーが誕生したのであった⋯⋯。マジでワイのフォロワープレイヤーごめん。一応、良心の呵責に耐えかねて募金箱をカラにした後に15クレジット(最低金額)だけ募金箱に戻しておいたよ。(オーゼンと100近くあったクレジットは根こそぎ頂いたけどね!)

 こんなに人間性が出るゲームってドカポンくらいしか知らんで。ドカポンなら友達だからまだ手加減できるけど、見たこともない他人には、人間ってとことん利己的になれるんだなって⋯⋯これがニンゲンのサガか。(献身的にアイテムを残してくれた先達タイドウォーカーのことは無視しながら)

ストーリーは最高! 大いなる力には大いなる犠牲が伴うよね。暴君とBBAは逝ってヨシ。【タイズオブトゥモロー】


 メインストーリーは結構長いんだけど、かいつまむと三勢力の話。ちゃんと勢力ごとにヒロイン的なのがいる。

 1つ目は、組織化された軍隊的な勢力マローダー。暴君が暴力と資源(オーゼン)独占で牛耳っている。ヒロインはカス。暴君の娘。出自は関係なく名前がカス。控えめに言ってカス。いや、めっちゃいい奴なんだけどね。オーゼンを無償で困った人に配ったり。でもカス。


 2つ目はミスティックという宗教団体。過去文明の技術を神格化して崇める集団。研究機関の側面もある。オーゼンを生成できる技術を唯一持っており、マローダーと取引している。

 宗教団体といえど、軍隊チックな集団を抱えており、戦闘力も高い。教祖はBBAで、娘のナーエがヒロイン。あとナーエのお兄ちゃんのエフォドというサブヒロイン(?)もいる。


 3つ目はその他というか、上記2つ以外の生存者たちのリクレイマー。虐げられていてしんどい民。ヒロインはエイラ。まあエイラはリクレイマーのヒロインっつーか自然界のヒロインだけど。


 この世界にはメレイドっていう見た目がイルカみたいなケルピーの生き物がいるのよ。これが超重要生命体で、食用にも使えるし、実はオーゼンの原料にもなるし、最終的には卵(いくら)がプラステミアの治療薬になるというスーパー生物。

 なので、人間に狩られまくって絶滅寸前。それを憂いたエイラが色々と解放活動とかするポジション。


 この三勢力を渡り歩いて、調和を取ったり敵対したりしながらオーゼンをゲットしてサバイブしたり、世界の謎を解いていく感じ。

 そもそも、旧時代の文明が滅びた後の世界だから、旧時代の超技術が残っている世界観。で、プラステミアは旧時代から悩みのタネだったので、実は治療法が発見されていたりする。それを解き明かしていく展開は『フォールアウト』好きには大好物な感じだった。

 最終的に判明するんだけど、タイドウォーカーは旧文明の遺物的な感じなのよね。なので、旧文明の超技術にもアクセスできたりする。


 そして、プラステミアの治療法も判明するんだけど、なんとその方法が、“メイルシュトロム”というスーパーマシンで治療薬を地球上すべてに散布するという超展開。フォールアウトでも似たようなのあったな。

 そんでその治療薬は、メレイドの卵からしか生成できず、人類の救済のためにメレイドを狩り尽くすか⋯⋯みたいな選択を迫られる。

 また、治療薬散布の他に、“浄化”という方法もあって、なんならメイルシュトロムはその為に作られた設定。その浄化は、薬剤を世界中に散布するのは同じなんだけど、プラステミア罹患者は全滅するんだよね。その代わり、世界に蔓延るプラスチックもすべて分解されるというトンデモ酵素。

 なので、大まかに分けると、
  1. 治療薬を散布して罹患者を治療。プラスチック公害はそのまま。メレイドは絶滅寸前。
  2. 浄化酵素を散布して、罹患者ごと全滅。プラスチックは消え去り、罹患していない生き残りで新しい文明を築けるかどうか。メレイドはそのまま。
  3. プラスチックを撒き散らした人類は絶滅してどうぞ! 地球はメレイドやほかの生命体で使いますわ。(そういえば『宇宙ヒッチハイクガイド』もイルカに地球乗っ取られてたな。)

 筆者は自分(プラステミア罹患タイドウォーカー)が助かることしか考えていないので、即決で1を選びました。メレイドは絶滅寸前で、さらに卵が足りねーからメレイドのクイーン的な雌リーダーも犠牲にした! プレスチック汚染もそのままだけど、生きてるだけで丸儲けやろがいの精神。


 なお、治療薬散布マシンを起動した後に、ミスティックの教祖BBA(既にこの時点では娘のナーエが新たな教祖になっている)がこの世を儚んで散布マシンにダイブする。瞬時に分子レベルまで分解されるんだけど、つまり全人類に降り注ぐ治療薬は実質BBAの分子ってコト⋯⋯? いや、BBAは完全に悪役ポジションだから身投げエンドは別にいいんだけど、BBAエキスはなんかちょっと嫌なんだが⋯⋯?

総評:世界観やシステムが理解できるとめちゃ面白い良ゲー【タイズオブトゥモロー】


 プレイする前は実はちょっと不安だったんだよね。

 『Road96』が面白かったけど、あれは世界観が分かりやすいというか、現実にもありそうな難民問題を取り扱っているので、すっと入っていけたのよ。人間ドラマも、よくある家族だったり恋人だったりと分かりやすかったし、感情移入しやすかったからね。

 でも『ToT』はもうビジュアルからして世紀末なわけ。プラステミアの影響で体色もビビッドな感じになってるし。設定も、世界崩壊後の生き残った人類、って感じのフォールアウト設定だから、個人的には大好物だけど、とっつきづらさは正直あった。

 あとシステムも、“行動が他者に影響を及ぼす”というのはオンラインゲームならよくあるし、行動が見えるのも『エルデンリング』系でよくあるし、いまいちウリにはならないと思っていた。

 ところが、ちゃんとその辺りを理解してプレイをしていくと、ちゃんとそういったシステムとストーリーが密接に絡み合っていて、この設定だからできたストーリー、このストーリーだからできたシステム、という風に美しい連環になっていることが分かってくる。

 オーゼンの圧倒的な少なさも、最初は「どうせゲームオーバーないんだからもっと簡単にオーゼン手に入るようにしとけよ」と思ったけど、実はこのくらい入手難易度を上げることで、“法を侵して手に入れるか”、“良心の呵責を無視して奪うか”といった選択に重みが出てくるような設計になっているのが分かってくる。


 さすが『Road96』制作陣だけあって、期待を裏切らない良作でした!

 ぜひみんなもプレイして、フォロワーの為にオーゼンを募金箱に入れてあげてください。ワイはそれを横から根こそぎ奪いますんでね!(2周目)

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