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『Copa City』サッカー試合開催のために都市をマネジメントする異色のシミュレーションゲーム【先行プレイレビュー】

文:片岡龍一

公開日時:

最終更新:

 選手になったり、監督になったりするサッカーゲームは数多くプレイしてきましたが、主催者になるのは初めてかもしれません。今回紹介する『Copa City』は、サッカーの試合を運営する側に着目したシミュレーションゲームです。PS5/Xbox Series X|S/PC(Steam/Epic Games Store)のマルチプラットフォームで展開。PS5パッケージ版は松竹ゲームズが担当します。

 今回は、そんな世にも珍しい本作を試遊する機会をいただきました。具体的にどんなゲームであるのかなど、約60分の先行プレイを通じて得たインプレッションをお伝えしていきます。

サポーターの満足度を向上させる施設建設


 『Copa City』におけるプレイヤーの目標は、サッカーの試合を開催することです。イベントの主催者になるサッカーゲームは斬新であり、都市のインフラやスタジアムを整備してサポーターに満足度の高い観戦体験を提供していく独特なプレイフィールとなっています。スタジアムに訪れる人のために街作りをしていく本作は、いわばサッカー版『シムシティ』といえるでしょう。

 サッカーの試合を運営する側からすれば、やるべきことは沢山あります。試合開催の2週間前からファンのニーズに応える施設を設置していくほか、サポーターの動線確保やスタジアムの座席などを細かく決めていきます。2週間で膨大なタスクをこなしていくと聞けば難しく感じるかもしれませんが、チュートリアルを兼ねたモードでは提示された目標に沿って進めていくことでテンポよく進行することができました。

 都市を訪れるサポーターのために、「ファンゾーン」と呼ばれる区画にそれぞれのニーズに応えたモジュールを設置していきます。食事を提供する施設をはじめ、試合への高揚感を高める施設やサポーターの安全を確保する施設などをファンゾーンに設置していくことになり、数値で明示される、ファンが求める水準をクリアしていくことが重要です。ファンゾーンのスペースには限りがあるため、設置するモジュールの数をプレイヤーが選別しなければなりません。また、各モジュールには電力が必要となり電源ユニットを隣接させる必要があります。さらに、道路を敷いてファンゾーンの入り口から各モジュールへの動線を確保することも必須となってきます。


 スタジアムの周辺には複数の地区が存在し、それぞれの場所でファンのニーズに応えることで満足度が上がっていきます。満足度が0%のままだと試合を開催することができませんので、序盤はとにかくニーズに応じたモジュールを設置していくことがカギとなるでしょう。ひとつのファンゾーンが手狭になってきたら、新たに土地を購入してモジュールを充実させていくこともできます。

 試遊でとくに印象に残ったモジュールは、ボランティアセンターでした。このモジュールを設置することで、試合運営を助けてくれるボランティアスタッフを募集することができます。募集してからボランティアスタッフが来てくれるまでにある程度の時間がかかるため、早い段階で設置しておきたいモジュールのひとつです。現実のサッカーでも、試合運営にボランティアスタッフの存在は欠かせません。本作においても、一部の施設を稼働するためにボランティアスタッフが必要となってきます。現実を反映したモジュールとして、ボランティアセンターは存在感が際立っていました。

サポーターをスタジアムへ導く都市管理と宣伝


 今回の試遊はイングランドのアーセナルFCとトルコのベシクタシュJKがポーランドのワルシャワで試合をするというイベントでした。ファンゾーンを整備してサポーターの満足度を高めたあとは、都市に訪れた人々をどのようにスタジアムへ誘導するかを考えていくことになります。複数の地区を結び合わせることで、サポーターをある地区から別の地区へと移動させることが可能です。

 アーセナルFCのサポーターをどの地区に移動させるのか、またベシクタシュJKのファンをどの地区に移動させるのかといった細かな設定も可能です。ファンの数によってその地区におけるチームの優勢が決まることもあり、各種の条件を満たせば特定の地区が特定のチームによる「地区制圧」を達成することができます。地区制圧はその都市を舞台にした陣取りゲームのようで、それをどのように管理するかはイベント主催者であるプレイヤーにかかっています。


 プレイヤーの目標は試合イベントを成功させることですので、どちらかのクラブに肩入れしすぎるのはよくありません。大切なことは、対戦する両方のクラブのサポーターを満足させることで十分な数のチケットを売り上げることです。理事会からは目標のチケット販売枚数が指定されるため、それを達成できるようにするのがプレイヤーの腕の見せどころとなります。

 スタジアムにサポーターを呼び込むのに重要となるのが、試合の宣伝です。開催都市の外からスタジアムに数多くのサポーターが足を運んでくれるように、スペシャリストを使って宣伝を行います。宣伝を実施するワールドマップは宇宙から地球を見下ろしたようなビジュアルとなっており、サッカーが世界的なスポーツであることを思い出させます。

ファン層に応じた座席設定も可能なスタジアム管理


 施設を設置しサポーターをスタジアムへ呼び込む手段を整えたら、いよいよスタジアム内部の管理へと移行します。スタジアムの管理はスタンドとピッチに分かれており、プレイヤーはその両方を管理しなければなりません。チケットを販売するためには、スタンドの各セクターに対象となるサポーターのカテゴリを定める必要があります。

 対戦するアーセナルFCとベシクタシュJKのサポーター席をそれぞれ分けるのは当然ですが、サポーターの層によって異なる座席を用意するのはリアルだと感じました。サポーターの層は、「家族」、「コア」、「ウルトラス」の3つに分かれています。気軽に試合を楽しみたい家族層と情熱的にクラブを応援するウルトラスを同じ席にすることはふさわしくなく、そのあたりの配分をプレイヤーが考えていくのは独特です。サポーターの満足度を高めるために、観戦しに行く人の気持ちに寄り添う運営側の苦労を垣間見ることができたように思います。


 スタジアムの外ではファンゾーンにモジュールを設置することで、サポーターのニーズに応えてきました。それはスタジアム内部でも同じことで、プレイヤーはスタンドの各エリアでサポーターからの要望を叶えていくことになります。具体的にはスタジアム内部での飲食の提供や安全性を高めることです。対戦する両クラブの要望を満たすことで試合を開催できるようになりました。

 試遊を振り返ると、サッカーの試合を運営するという硬派な視点でありながらもテンポよく進めていけるシミュレーションゲームといった印象をうけました。サポーターの動線確保や施設の設置などかなり細かな判断が求められますが、究極的にはスタジアムを訪れる人々の満足度を高めるという目標は首尾一貫しています。そうしたところに『Copa City』のこだわりがあらわれていると同時に、現実のサッカーに通じるリアリティを感じました。本作を通じて運営側の苦労や喜びを学ぶことで、サッカーというものをより深く知ることができるのかもしれません。選手や監督ではない立場からサッカーに関わることのできるゲームとして、本作は極めて斬新なプレイフィールとなっています。


 『Copa City』は2026年6月17日に発売予定。本作はPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam/Epic Games Store)のマルチプラットフォームで展開され、国内PS5パッケージ版のパブリッシャーは松竹ゲームズになります。本作はポーランドのスタジオであるTriple Espressoが手がける作品ですが、日本語にも対応しています。

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