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新作サイコロジカルホラーゲーム『BrokenLore: FOLLOW』プレイ感想:リアルタイムで変化する部屋の恐怖を体験。前作未プレイでも一気に引き込まれる極上の心理サスペンス【おすすめ度:8点/電撃インディー#1407】

文:sexy隊長

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最終更新:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、Serafini Productionsより、6月1日にPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam/Epic Games Store)で配信された一人称サイコロジカルホラーゲーム『BrokenLore:FOLLOW(ブロークンロア:フォロー)』のレビューをお届けします。


 なお、電撃オンラインでは尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!


『BrokenLore:FOLLOW』は現代の闇と人間の内なる狂気へ。心理ホラーの傑作【おすすめ度:8点】


 SNSのダークサイドを痛烈に描き、多くのプレイヤーにトラウマ級の衝撃を与えた心理ホラー『BrokenLore: UNFOLLOW(アンフォロー)』。その狂気と悲劇の原点へと迫る前日譚『BrokenLore: FOLLOW』が、ついに登場しました。

 本作は、自己受容や無価値感に苦しむ若い女性“アン”の原点を描く、強烈な心理描写が特徴の一人称視点(サイコロジカル)ホラー作品です。

 単に驚かせるだけのホラーゲームとは一線を画し、現代人が抱える生々しい苦悩へとプレイヤーを誘う本作の魅力を、PS5版のプレイ感想を中心にじっくりとお届けします。

精神をダイレクトに蝕む。本作が描く重厚で繊細なテーマ【BrokenLore: FOLLOW】


 本作のもっとも特筆すべき点は、恐怖のベクトルが「お化け屋敷的」なジャンプスケア要素だけではなく、人間の精神の奥底にある「生々しい苦悩」に向けられていることです。

 主人公のアンは、奔放な性格の母親との複雑な関係に悩み、学校では同級生から残酷ないじめに遭っていました。その結果として、彼女の心は自己受容の喪失、摂食障害、身体醜形障害、そして深い無価値感という、現代社会の闇を凝縮したような困難に苛まれています。


 プレイヤーはアンの視点を通して、彼女の辛い過去や、彼女を執拗に追いかける“内なる悪魔”を追体験していくことになります。非常にデリケートで重いテーマですが、超現実的な不気味さと見事に融合しており、プレイヤーの精神にダイレクトに訴えかけてきます。

 ただ怖いキャラクターに追いかけられるのではなく、なぜアンはこんな恐怖を見ているのか? という背景に深く感情移入できるため、物語が進むほどに胸を締め付けられるような、身体の中からジワジワと攻めてくる恐怖を味わえました。

 紆余曲折に満ちた物語の構成は実に見事で、気がつけばアンの運命から目が離せなくなっています……。

変化する構造と五感を刺激する演出がもたらす恐怖【BrokenLore: FOLLOW】


 不穏な家中を探索し、さまざまな謎を解き明かしながら、アンの物語の断片を紡ぎ直していくのが本作の流れになります。この探索要素が非常に秀逸。


 プレイヤーが歩みを進めるたびに、建物の構造がリアルタイムでどんどん変わっていきます。現実と悪夢の境界線が曖昧になるかのように、「さっきまで壁だった場所に扉がある」「知っているはずの部屋なのに、何かが決定的に違う」といった現象が頻発します。


 この知っている場所が未知の恐怖へと塗り替えられていく感覚は、プレイヤーの心理的な安全地帯を完全に奪い去り、一瞬たりとも油断できない緊張感を生み出しています。

 さらに、本作を語る上で欠かせないのが“音楽と演出”の圧倒的なクオリティです。

 薄暗い空間に響く環境音や、精神を不安に陥れる劇伴の使い方がとにかく恐ろしく、ヘッドホン推奨と言わざるを得ない臨場感。

 今回はPS5でプレイしたのですが、主人公のアンが1歩歩くたびに、コントローラー(DualSense)が微細に振動する演出には脱帽しました。

 アンの張り詰めた緊張感、早鐘を打つような心臓の鼓動が、手元を通じてダイレクトにプレイヤーへと伝わってきます。


 視覚と聴覚だけでなく、触覚までも恐怖に支配される没入感は、まさに新時代のホラー体験と呼ぶにふさわしい仕上がりです。暗闇から現れる恐ろしいナニカから必死に逃げ惑うシーンでは、コントローラーを握る手に自然と汗がにじんでいました。

前作未プレイでも問題なし!シリーズの根幹に迫る物語【BrokenLore: FOLLOW】


 前述の通り、本作は『BrokenLore: UNFOLLOW』の前日譚という位置づけですが、前作をプレイしていなくても全く問題なく、1本の独立したホラーゲームとして充分に楽しむことができます。

 もちろん、前作をプレイしていれば「あの事件の裏にはこんな背景があったのか!」という驚きや、散りばめられた伏線にニヤリとできることは間違いありません。

 しかし、本作『FOLLOW』を最初にプレイし、アンの原点を見届けてから、地続きとなる『UNFOLLOW』の世界へと足を踏み入れるというルートも、物語の新しい見え方ができて非常に魅力的な体験になるはずです。どちらから始めても極上のホラーストーリーが体験できます。


 開発元からも『BrokenLore』シリーズは全体を通して強い繋がりがあると示唆されていますが、本作はその巨大なサーガが本格的に、そして大きく動き出す重要なターニングポイントとなっています。

 ネタバレになるため多くは語れませんが、シリーズの繋がりが明確に示唆される展開や発見は、シリーズのファンであれば鳥肌が立つこと必至です!

『BrokenLore: FOLLOW』は、サイコロジカルホラーの傑作!


 『BrokenLore: FOLLOW』は、洗練されたビジュアルと最先端の演出技術によって、人間の内なる闇をこれでもかと描き出したサイコロジカルホラーの傑作です。

 建物の構造が変わるトリッキーな探索や、パズル、クリーチャーからの脱出といったゲームとしての面白さはもちろん、何より主人公アンという一人の少女の苦悩に徹底的に寄り添ったシナリオが、プレイヤーの心に深い爪痕を残します。PS5ならではのコントローラーの振動演出も、恐怖を何倍にも増幅させていました。


 グロテスクな恐怖だけでなく、心にジワジワと染み込んでくるような、深く重厚なホラーを求めているゲーマーには間違いなく刺さる一作です。

 アンの物語の結末、そして『BrokenLore』シリーズが紡ぐ奇妙で魅力的な世界の裏話を、ぜひご自身の目で確かめてみてください。


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