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【SAO】『Unanswered//butterfly』二見P&理名&加藤礼愛インタビュー。エミルンはオタクに優しい女子。イオリとララの関係性には意外な構想も?

文:米澤崇史

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 『Echoes of Aincrad(エコーズ オブ アインクラッド)』の長編プロモーションアニメ『Unanswered//butterfly(アンアンサード バタフライ)』を、映画館の巨大スクリーンで鑑賞できるスペシャルイベントが5月9日に開催されました。

 ここでは、イベント終了後に実施された『SAO』ゲーム総合プロデューサーの二見鷹介さん、理名さん、加藤礼愛さんのインタビューをお届けします。

■『Echoes of Aincrad』PS5通常版

 『Echoes of Aincrad』の長編プロモーションアニメ『Unanswered//butterfly』にて、イオリとララが歌う劇中歌『Reach for the Rainbow』。

 そのボーカルを担当するのが、小学生時代から“歌うまキッズ”として知られ、数多くのコンテストを制して活動の幅を広げている加藤礼愛さん(イオリ 歌唱役)と、ガールズロックバンド“トゲナシトゲアリ”のボーカルとして大活躍中の理名さん(ララ 歌唱役)です。

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▲画像左がイオリで、画像右がララ。加藤礼愛さんと理名さんは2人の歌声を担当します。
 イベント当日に実施された舞台挨拶にも出演し、松岡禎丞さんらキャスト陣ともトークを交わしたおふたりと、『ソードアート・オンライン(SAO)』ゲーム総合プロデューサーである二見鷹介さんにインタビューを実施。アニメ『Unanswered//butterfly』についての話題を中心に語っていただきました。

「気づけば2時間の長編になっていた」『Unanswered//butterfly』【Echoes of Aincrad】


――最初に、今回の舞台挨拶を終えていかがでしたか?

二見
めちゃくちゃ緊張しました! ……というのは冗談ですが(笑)、久々にお客さんと対面できて嬉しかったです。

 前のアニメの劇場版からは少し間が空いていたので、また皆さんに映像として『SAO』の世界を体験してもらう機会を作ることができたのは良かったと思います。

理名
『SAO』のファンの方にお会いするのは今回が初めてで、登壇者の方々もレジェンドばかりだったので最初は緊張していたんですが、皆さん温かく迎えてくださって。私の知らないアフレコの時のお話を聞いている時とかは、ただのいち『SAO』ファンになっていました。

 同時に「『Reach for the Rainbow』がもっと届けばいいな」という気持ちで登壇していたので、映像もゲームもたくさん遊んでもらいたいという想いが、皆さんの顔を見てより一層強まりました。すごく貴重な時間を過ごせたと思います。

加藤
もう“緊張”の2文字でいっぱいでした。

 でもその中でも印象に残っているのが、ステージでAimerさんの楽曲と共に発表された映像を見て、「私、こんなすごい作品に関わっているんだ」と改めて実感できたことです。楽しみにしてくださっているファンの方々と一緒に映像を見て、キャストの方々とお話しできる会に参加できたことを本当に嬉しく思っています。

――『Unanswered//butterfly』の制作の経緯を教えていただけますか。

二見
ストレートエッジ代表の三木一馬さんが『エコーズ オブ アインクラッド』の企画を持ってきた時に、「第1層から始めるなら、もうちょっとひねりが欲しいですね」「劇場型RPGとかいいですね」という話になったんです。

 そこで、劇場版に近い映像をつけて、壮大なアインクラッドの世界を楽しめるようなものを作りましょう、というところから企画が始まりました。実は、当初は4、50分くらいの映像になる予定だったんですけど、気づけば約2時間の長編になっていました。

 『SAO』は定期的に映像作品をやってきているシリーズで、ゲーム側からも何かサポートできないかなと以前から思っていたのもあって、今回は本格的な映像作品を作らせていただきました。

――二見さんもアニメの制作にがっつりと関わられているんですよね。

二見
そうですね。アニメの製作委員会はありますが、内容は僕とポリゴン・ピクチュアズさんが中心になって、ゼロから作っていった感じです。

――川原礫先生はどういった形で関わられているのでしょうか?

二見
川原先生にはシナリオや設定周りの監修をしていただいています。川原先生だけではなく、三木さんらストレートエッジにも原作サイドとして参加していただいています。

 他にも、これまで『SAO』の音楽に関わられている毛蟹さんや、音響の岩浪美和監督など、本編アニメに関わってきた方々にも入っていただいているので、しっかりと『SAO』らしさは担保できたんじゃないかと思っています。

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――理名さんと加藤さんは劇中歌という形で関わられましたが、オファーを受けた時はいかがでしたか?

理名
「本当に私でいいんでしょうか」というのが正直な気持ちでした。ソロ名義で歌わせていただくのが初めてだったのもありますし、すごく歴史がある大きな作品なので、作品のファンの方々からどんな反応をいただけるだろうかという不安もありました。

 収録は1年半くらい前だったんですが、その時は全然実感がなくて。こうして形になって皆さんと一緒に映像を見て、私自身も『SAO』という作品を作るチームの一員になれたんだなと、今日になってようやく実感できるようになった気がします。

加藤
私も、収録を終えて完成した音源をいただいた時に、「本当に大丈夫だったのかな……」と、今日まで不安でいっぱいでした。ただ、収録した時は、「私に決めていただいたからにはやってやるぞ」という気持ちで臨めていたので、きっと大丈夫だったんじゃないかと思います(笑)。

――劇中歌はイオリとララが歌う曲、という形になっていますね。

二見
実はそこについては僕がディレクションをして、「キャラの声を意識しなくてもいい」という話をしていました。キャラクターの設定は意識してもらいつつも、基本的にはおふたり自身の声で歌ってもらっています。

――発表された時の周囲の反応はいかがでしたか?

理名
私がふだん活動しているバンドのファンの方々からも「理名が『SAO』に!?」っていう驚きの反応をたくさんいただきました。サプライズみたいな感じで喜んでいただけたので、「やったぜ!」という気持ちになりました。

加藤
覚えているのが、発表された次の日に学校に行った時のことで、みんな言いづらかったのか、最初は誰にも触れられなかったんです。でも7時間目が終わったあとに友だちが集まってきて「『SAO』の歌、本当に歌ってるの!? すごいね!」って言ってくれて。すごく嬉しかったです。

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イオリとララの関係性には意外な構想も?【Echoes of Aincrad】


――『Unanswered//butterfly』をご覧になった感想はいかがでしたか?

二見
僕はダビングの時とかであらかじめ劇場サイズで何度か見ているんですが、その時から「これをちゃんとお客さんに届けたい」と思っていました。やっぱり劇場で観ると1.5~2倍くらいは臨場感が変わってくるので、今日来られたお客さんはラッキーだったんじゃないかなと思います。

――クオリティ的には、最初から劇場で流すのを前提に作ったんじゃないかと感じたくらいでした。

二見
実は、まだ劇場上映が決まっていなかったころから「流します!」と言って、劇場用の音源で作ってもらっていたんですよ。自分で言ったからには、なんとか実現しないといけないなと思っていたので、今回本当に公開できてよかったです(笑)。

――おふたりはご覧になられていかがでしたか?

理名
《アインクラッド》という広い世界で、キリトたち以外にも大勢の人がデスゲームに参加していて、それぞれが本当に生きているんだという、今まで見えていなかったものがこの映像で見られたような感覚がありました。

 エミルンとレックスの掛け合いの生々しさとか、緊張感や没入感はそのままに、新しい視点から描かれたストーリーが、『SAO』を初めて見た人にとっても面白い作品になっているなと感じました。

――理名さんは声優としてキャラクターを演じられることもありますが、今回のベテランのキャスト陣の演技はやはり凄みを感じましたか?

理名
もう、本当に凄すぎました……! 私自身、声優のお仕事もさせていただくようになってから、音楽だけでなくお芝居にも意識が向いているんですが、今回本当に鳥肌が立って……。本職の方々の技術の高さというのを、改めてものすごく思い知りました。

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――加藤さんはいかがでしたか?

加藤
私はゲームも好きなんですが、映画鑑賞も大好きで。なんか自分が関わっているということを忘れて、普通に1本の映画を見た気分になって感動してしまいました。展開が「うわ、こういうの待ってた!」みたいな感じで、すごく刺さりましたね。

――エミルンはかなり独特なキャラクターですが、どのように設定が固まっていったのでしょうか?

二見
エミルンは「オタクに優しい女子」ですね(笑)。アスナとは正反対のキャラにしつつ、“共依存”もテーマにしています。

 一見がむしゃらなタイプに見えて、実はレックスやルーシーといった年上に頼っていることが多いのですが、そもそも中学生や高校生ってそういうものだよねと。

 状況的にレックスがその依存先になっていますが、もしデスゲームに巻き込まれた別の知り合いがいたら、きっとそっちを頼っていたと思います。そこから成長して、エミルンが1つ大人になる、というのは今回のストーリーの軸になっていますね。

――現実世界のパートでも両親は登場していませんでしたが、エミルンって家族関係は良好なんでしょうか?

二見
両親は仕事でほとんどおらず、お金は持っていてタワーマンションに住んでいて、家庭教師をつけているという設定です。まっすぐ育っているというわけではないけど、グレていたり捻くれたりしているわけでもない、といったところですね。

――家庭教師であるレックスのことは、お兄ちゃん的な存在として見ているのでしょうか?

二見
これは僕と吉平“Tady”直弘監督で意見が違うところかもしれないのですが、僕の中ではエミルンって、背伸びしようとしている女の子みたいなイメージなんですよね。

 中高生くらいの時って同級生には興味なくて、先生みたいな年上の男性のほうが気になる――みたいな子もいるじゃないですか。それは恋心なのか、それともただの憧れなのか。本人にも分かっていないことが多いと思うんですけど、エミルンのレックスに対する感情もそれに近いものだと思っています。

――エミルンとレックスの関係性について、おふたりはどう感じましたか?

理名
今お話しされていた、“共依存”というテーマがすごくしっくりきました。ネタバレになるので言えないですけど、いろいろな意味で正反対のふたりで……個人的に、終盤のレックスのあるセリフに共感したりもしていましたね。

加藤
実は私も、私生活でも静かなほうであまりガツガツ行くようなタイプではないので、慎重なレックスに共感していました。突っ走っていくエミルンとレックスは正反対で、だからこそマッチしているふたりだなとも感じました。

二見
これは本編では描かれていないんですが、 実はイオリとララにも通じるところがあります。イオリは元アイドルで、ララはアイドルになりたかったけど諦めちゃった子なんですよ。

――確かに、それはララからすると複雑ですよね。

二見
本編の後は「なんでアイドル辞めたんだ」と本音をぶつけ合って殴り合いのキャットファイトをする構想もあるぐらいです(笑)。きっと階層が進むほどいろいろな内面が見えてくると思うので、作品が続くならそういう面も描きたいですね。

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挿入歌『Reach for the Rainbow』には、ふたりが歌う英語バージョンも【Echoes of Aincrad】


――『Reach for the Rainbow』を歌われてみての感想をお聞かせください。

理名
誰かとデュエットする経験が今までなかったので、全部が新鮮でした。収録は別々だったんですが、礼愛ちゃんの声を思い浮かべながらレコーディングして、完成した音源を聴いた時は、「ひとつの曲になっている!」とすごく感動しました。私にとって、これからずっと胸に残り続ける曲になると思います。

加藤
私は自分のオリジナル曲を持っていないので、収録した音源を聴いた時は、まず自分が歌った曲が存在することに感動しました。歌詞やメロディーも『SAO』の世界にぴったりだなと思いました。

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――『Reach for the Rainbow』には日本語・英語の両方のバージョンがあるんですよね。

二見
そうですね。『SAO』はアメリカなどでも人気なので、海外の方々にもおふたりの歌を聴いていただきたかったんです。

 実は今回、ゲーム本編でも『SAO』のゲームでは初めて英語ボイスを収録していて、日本語が分からない方も、あらゆる要素を楽しめるようになっています。

――ちなみにおふたりは英語については……?

加藤
好きか嫌いかで言ったら好きなんですけど、得意とまではいかないレベルです。発音とかにはいろいろと気を遣いましたね。

理名
大の苦手でございます(笑)。

――理名さんの英語での歌声は貴重だったり?

理名
そうですね。普段バンドで歌う曲には英語の歌詞はほぼないので、ファンの方にとっても新鮮なんじゃないかなと思います。話す場合もそうですが、英語と日本語だと声の出し方からガラッと変わってくるので、とてもいい経験をさせていただきました。

――もし《アインクラッド》のデスゲームに参加することになったら、どう過ごしますか?

理名
なんとか生き延びたいですよね。戦うゲームは結構好きなんですが、射程の長い武器を持って後衛にいることが多いので、できるだけ安全なところからチクチクやるかなと思います。

 あと、いち『SAO』ファンとして、大好きなキリトとアスナと会って話してみたいです(笑)。

加藤
私は、キリトとアスナに憧れるモブキャラでいいです(笑)。デスゲームなので、HPがなくなったら死んじゃうわけじゃないですか。一生“はじまりの街”にいるモブキャラとして、戦わずに過ごすと思います。

――聞いた話だと、二見さんは本当に《アインクラッド》にいるんですよね。

二見
そうですね。アニメにも登場する「生命の碑」がゲーム内にもあり、キャラクターの名前を入力できるようになっていて、死亡している場合は死因が分かるようになっているんですが、「Futami」と入れると「死因:毒」って書かれているんです。

――それは、何か他のプレイヤーから恨みを買って……?

二見
いや、道に迷って毒沼で死にました。決して毒殺されたわけではないです(笑)。

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――最後に読者に向けてのメッセージをお願いします。

二見
《アインクラッド》ではイオリとララの歌は希望であり、絶望の人たちを引っ張り上げる女神的な歌でもあります。

 『Unanswered//butterfly』でもふたりが歌っているシーンがありましたが、命がけの世界で、この歌がどういう位置づけで、なぜふたりが歌うことになったのかが、ゲームでは分かるようになっています。ぜひアニメと一緒に楽しんでいただければ嬉しいです。

理名
まず私自身が『SAO』という作品が大好きなのですが、この作品は私のようなファンはもちろん、『SAO』を知らない方にも楽しんでいただけるような内容になっていると思いました。

 その上で、『Reach for the Rainbow』は希望や勇気をくれる歌でもあるので、現実世界で悩んでいる時にもたくさん聴いてほしいです。

 また『Unanswered//butterfly』自体、1回目と2回目ではかなり見方が変わってくる作品でもあるので、ぜひ何度でも観ていただきたいです。

加藤
まず、『Unanswered//butterfly』は、何回でも見直して楽しめます! ……というのは私からも伝えておきたいです。

 エンドロールには私たちが歌った『Reach for the Rainbow』の英語版も流れるので、日本語版との歌詞や展開の違いにも注目しつつ、聴いていただけたら嬉しいです。
■『Echoes of Aincrad』PS5通常版
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担当者プロフィール

  • 米澤崇史

    米澤崇史

    ロボットアニメを愛するライター。 フリーランスの専業ライターとして10年以上活動。複数のアニメ・ゲーム系のWebメディアでコラムやインタビュー記事を担当し、書籍では主に攻略本・ムック本のライティングに多数関わる。ゲーム会社在籍時は企画・プランナーとしてゲーム開発にも参加。 幼少期からゲームに触れ、主にRPG・SRPG・アドベンチャーゲームを中心にプレイし、とくに好きなのは『テイルズ オブ』シリーズや『Fate』シリーズ。ガンダム系のゲームも好み、『スーパーロボット大戦』や『ジージェネレーション』シリーズはほぼ全作プレイ済の大のファンで、人生のベストゲームは『スーパーロボット大戦α』と『ジージェネレーションF』。

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