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自分が五条悟でも、相手が五条悟でも、圧倒的な強さを実感できる! ボードゲーム『呪術廻戦 呪霊逃走 -渋谷事変-』レビュー

文:カワチ

公開日時:

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 集英社ゲームズのボードゲームブランド“マンガボドゲ”より5月23日に発売された『呪術廻戦 呪霊逃走 -渋谷事変-』のプレイレポートをお届けします。
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五条悟のチート級な強さを実感できる!

  『呪術廻戦 呪霊逃走 -渋谷事変-』は芥見下々さんが手掛けるバトル漫画『呪術廻戦』の“渋谷事変”をモチーフにしたボードゲーム。プレイヤーは、特級呪霊の漏瑚、花御、真人または五条悟となって勝負する形に。呪霊側は五条から祓われないように逃げ回り、呪詛師の夏油傑と名乗る人物が“獄門疆”で五条を封印するまでの時間を稼ぐことになります。

 また、五条側でプレイする場合は強力な術式をガンガン使って呪霊たちを蹂躙するプレイが楽しめます。こまかいプレイレポートをお伝えする前に、まずお伝えしたいのはパッケージを含むコンポーネントの豪華さ。
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 パッケージのサイズは単行本に合わせたものになっているので、単行本と一緒に飾っておけるようになっています。また、ゲームのボードも最初は折りたたまれた状態が“帳(とばり)”になっており、開いていく作業が“渋谷事変”のはじまりを予感させられ、ワクワクします。
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 また、こまかいところまでこだわっており、パッケージを開けると五条が“呪霊鏖殺”を繰り出しているカードと、他の呪霊たちが五条に祓われたカードが表面になって現れます。

 言われないと気付かれないような、だけど気付く人ならニヤリとできる部分にこだわりを感じます。ボドゲの制作陣も『呪術廻戦』が好きなことが伝わってきてうれしくなります。

 コンポーネントもどれもしっかりした素材で高級感もありますし、カードやコマに描かれているイラストもすべて原作のものが使用されているので、『呪術廻戦』のグッズのひとつとして手元に置いておきたい作品になっています。
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 実際にゲームを遊ばせていただきましたが、ボドゲとしてのクオリティも申し分なし。原作における五条悟の強さを再現しつつもゲームバランスはしっかり取られており、どちらが勝つのか分からないものになっています。ゲーム自体は3人または4人で遊ぶものとなっており、大まかなルールは変わりません。
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 ゲームは上の階と下の階に分かれている渋谷のマップを行き来しながら五条と呪霊たちで鬼ごっこをするというもの。ゲームはラウンド制で、7ラウンドが終了するまでに五条が2体以上の呪霊を祓うことができると五条が勝利。逃げ切ると呪霊の勝利となります。また、マップにいる人間が全員いなくなった場合は“無量空処”が発動し、五条の勝利です。
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 各ラウンドは時計回りに1周していき、最後は五条のラウンドになります。ただ、五条は誰よりも早く動ける“術式順転”「蒼」のカードを持っているので、各ラウンドの最初に五条のプレイヤーは「“術式順転”「蒼」であるかどうか」を伝え、“術式順転”「蒼」のカードではなかったときには呪霊側から行動していくことになります。“術式順転”「蒼」は呪霊が居る場所に瞬間移動できるというもので、ラウンドの終わりに五条と同じエリアにいる呪霊は祓われてしまうため、とても強力なカードです。
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 いちど使ったカードは直後のラウンドでは使用することができなくなる(その次のラウンドでは使用可能に)ので、どのタイミングでカードを使うのかが重要になりますね。

 呪霊側は、五条と同じエリアにいると祓われてしまうので、基本アクションの“いどう”や“かいだん”で五条から逃げることになります。“いどう”と“かいだん”のほかに“とどまる”というその場にとどまるカードがあり、このカードを使うことで“呪力”というチップをひとつ入手できます。なお、マップには人間が存在しており、アクション終了時に食べるかどうか選択できます。

 食べた場合は人間をボードから取り除き、呪力を受け取ることができます。ただし、五条は人間のいないボードにいる呪霊を即座に祓う“虚式”「茈」を使えるので、人間を食べるのはリスキーでもあります。五条はエリアにいる人間を救うことができ、ボードから取り除くことができるので、基本的にはゲームが進むほど五条が有利になります。
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 また、五条は“術式反転”「赫」というエリア間の壁を壊して、同じエリアにするという能力も持っています。呪霊側はこんなチート級の強さを持っている五条からいかに7ラウンド逃げるのかといったことを考えるのが楽しいです。
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 呪霊は“呪力”を消費することで基本アクションとは異なる“術式アクション”を使用可能。それぞれ違う能力がありますが、五条悟が同じエリアにいても祓われないようにする“領域展延”のカードはどの呪霊も持っています。

 漏瑚であれば“高速移動”で、階段を含むふたつのエリアを一気に移動したり、花御であれば五条が“いどう”か“かいだん”を選んだときに無効にしたりと異なる能力を持っており、呪霊たちで協力するのが大事です。
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 とくに真人の“無為転変”は、祓われてしまったほかの呪霊を復活させることができるのでとても強力です。また、もうひとつの“人間落下”は、ボード上の好きなエリアに人間のチップをひとつ置くことができるものになっています。

 すべての人間のチップがなくなると“無量空処”が発動して五条の勝利となるので人間をボードに残しておくのも本作では大事。真人の能力は戦況を大きく変えるので、ほかの呪霊以上に祓われないようにしましょう。
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 なお、3人で遊ぶときは真人の“無為転変”は使用できません。誰かが祓われてしまったときは残った呪霊のコマを好きな場所に置いて再開することができます。

 また、3人プレイでは五条のお助けキャラとなる“メカ丸”も登場。メカ丸は3ラウンド目から使用でき、五条サイドのプレイヤーがサイコロを振り、出た目の場所にいる人間を救出することができるというものになっています。今回は4人プレイと3人プレイの両方をプレイしましたが、3人プレイのほうもバランスがしっかり取られていると感じました。
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 呪霊側と五条側のどちらでプレイしても、最後まで結末が分からないヒリヒリした対戦が楽しめます。1回のプレイも平均して20分程度になっており、何度も遊びたくなるような魅力があります。

 こうしたキャラクターものって、結局ゲーム内容が……なんて思っている人がいたらぜひ一度遊んでもらいたいゲームです。それくらいゲーム部分のつくりもしっかりとしていますし、読み合いも楽しめました。

 繰り返しになりますが、コンポーネントのクオリティもとても高いですし、『呪術廻戦』のファンアイテムとしても持っておきたい1作になっていると感じました。ぜひチェックしてみてほしいです!

カワチRPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

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