三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。
何年、何十年たっても、「なんでオレ(私)、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。
そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、ニンテンドーDSで発売された『SDガンダム ジージェネレーション DS』(以下、『ジージェネDS』)について語らせていただきます。
何年、何十年たっても、「なんでオレ(私)、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。
そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、ニンテンドーDSで発売された『SDガンダム ジージェネレーション DS』(以下、『ジージェネDS』)について語らせていただきます。
『SDガンダム ジージェネレーションDS』とは
『SDガンダム ジージェネレーション DS』は、2005年5月26日にバンダイ(現:バンダイナムコエンターテインメント)からニンテンドーDS向けに発売されたシミュレーションRPG。
歴代の『ガンダム』作品が一同に介する『SDガンダム ジージェネレーション』シリーズの一作であり、ワンダースワンで展開されていた『ジージェネレーション ギャザービート』シリーズの流れをくんだ作品でもあります。
いわゆる『ギャザービート』系の『ジージェネ』は、さまざまな歴代『ガンダム』シリーズの作品の物語が入り混じって展開するクロスオーバーストーリーが特徴。原作再現型の『ジージェネ』とはかなり作風が異なっていて、クロスオーバーによって原作と異なるIFストーリーを楽しむことができる点は、『スーパーロボット大戦』シリーズとも通じる魅力を持っているシリーズです。
ライバルルートでは、綺麗なオルガ・クロト・シャニの3人の活躍も必見【SDガンダム ジージェネレーション DSの思い出】
その中でも、とくにプレイヤーから高い評価を受けているのがこの『ジージェネDS』なんですが、その要因となっているのが、とにかくストーリーが面白く、従来の『ジージェネ』や『スパロボ』で見たことがない、斬新なIF展開が多数用意されていた点です。
本作には複数のルートが存在し、序盤が終わると『Z』や『ZZ』が中心になる宇宙世紀ルート、『SEED』や『W』が中心の平成ガンダムルートの2つに分岐します。この両方をクリアすると、第3のルートであるライバルルートが解放されるんですが、このライバルルートがとにかくスゴイ。
ライバルルートに分岐するのは、『機動戦士ガンダム』のア・バオア・クー戦にあたるステージでなんですが、条件を満たすとなんとアムロが死亡。最終的にはホワイトベースとシャアが協力してギレンを打倒するという富野監督が執筆した小説版『機動戦士ガンダム』のクライマックスをもとにした展開に発展します。
もうこの時点でも十分ぶっ飛んでるんですが、ライバルルートの真価はこのあとで、その後は時間が飛んで自軍が『機動戦士ガンダムSEED』のドミニオンを中心とした部隊に変化。
メンバーも、ナタル・バジルールやブーステッドマンの3人組はもちろんのこと、ティターンズに雇われた『0083』のシーマ・ガラハウ(既にデラーズが死んでいるのでデラーズ紛争が起きていない)、『Z』のジェリド・メサ、『W』のゼクス・マーキスといった、主に敵側サイドのキャラが中心となります。
中でもいい味を出しているのが、ライバルルートの実質的な主人公といっても過言ではないナタルとシーマのコンビで、上層部に使い捨てされ、海賊として生きてきたシーマと、典型的な軍人でエリート家系のナタルはまさに正反対の存在。
そんなシーマからの助言を受け、非道な命令を繰り返すムルタ・アズラエルに、ナタルが反旗を翻すという展開は本当に熱かった……! 原作でもシーマがやってきた「故あれば寝返る」というスタンスが、ある種肯定的に描かれたような形になっているのがまた良いんです。
ムラサメ研の最初の強化人間であるゼロ・ムラサメの説得で、アズラエル側についていたオルガ、クロト、シャニの3人が正式加入する展開も最高で、綺麗になったあの3人が見られる『ガンダム』ゲームは本作くらいじゃないかなと。
また、発売時は『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』が放送中で、ゲスト参戦に近い形で『SEED』の時間軸にシン、ステラ、アウル、スティングの4人も登場し、ライバルルートなら全員を加入させられます。最終的にはエターナルとも合流して、キラやアスランも自軍入りするので、『SEED』時代のキラとアスランに、シンとブーステッドマン&エクステンデッドトリオが共闘するという、『SEED』ファンにとってのドリームチームと呼ぶべき部隊が完成するんですね。
『SEED』以外にも、ターンXにシーマやジェリド、ゼクスが認められてパイロットになる(未プレイの方は何を言っているのかわからないと思いますが)という、おそらく今後二度と見られないであろうぶっ飛んだクロスオーバーもあったり、このライバルルートのためだけでもプレイする価値があります。
『ギャザービート』系の『ジージェネ』は、長らく新作がリリースされていないので、名作と名高い本作の移植やリメイク、はたまた完全新作でも、とにかくなんでもいいのでなんらかの展開に期待したいところ。あの系列の『ジージェネ』からしか接種できない栄養素があるんです……!
米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。