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『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』7話ネタバレあり感想。新たな運転士・魚虎テンがかわいすぎて新しい扉を開きかけた。アカネとリョータの間に挟まれるタイセイはちょっとかわいそう

文:米澤崇史

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 2024年5月19日(日)に放送された、『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』第7話“天才運転士”の感想記事をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』7話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。 [IMAGE]

ぴよりんが本当に食べたそうだったカドミチは実は甘いものに目がない?


 第7話では、いきなりN700Sのぞみの戦闘シーンからスタート。アンノウンの出現報告を聞いて出撃しようとしたタイセイたちでしたが、N700Sとその運転士である魚虎テンによって、出撃する前にアンノウンは撃破されていました。アンノウンのチェーンを掴んでぶん投げる、かなり荒々しい戦いをした後だったので、大人しそうなテンのキャラクターはなかなかギャップを感じられて良かったです。


 名古屋に向かう新幹線の中では、いつも以上にタイセイが絶好調。思い返すと、これまでも新幹線に乗って移動するシーンはありましたが、その時はリョータやアカネがシンカリオンの運転士になる前だったので、タイセイにとって友達と一緒に新幹線に乗るのは初めての経験なのでしょう。

 気になっていた駅弁を買えた嬉しさもあるでしょうけど、何より友達と一緒に遠出する時って無茶苦茶ワクワクしますし、そりゃあテンションも上がるよなと納得します。

 車両基地の話で、ちらっとドクターイエローの話も出てきましたが、『シンカリオン』のドクターイエローといえば、主人公機のE5はやぶさと合体する特別なシンカリオンでもあったので、本作の世界ではどういう存在になっているのかも少し気になりました。

 東海本部に到着するなり、約45度くらいの見事なお辞儀をしていたカドミチも印象的。東海本部の金城室長は大学の先輩という間柄のようですけど、大人になって大学時代の先輩にここまで畏まるのって、普通はなかなかないような気がしますよね。金城室長は温厚そうな雰囲気なのでそうは見えませんが、実はめちゃくちゃ上下関係が厳しい体育会系のサークルとかで一緒だったという可能性は結構ありそうだなと。

 その後には、冒頭で華麗な戦闘シーンを披露していたN700Sのぞみの運転士であるテンも登場。最初の壁に隠れてしまうシーンがかわいすぎて、あやうく新しい扉を開きかけるところでした。


 わざわざ並んでお土産を買ってきてくれるとかいい子っぷりもすごいんですが、「皆さんのおかげで勝てた」と言ってはいたものの、7話冒頭の戦いに関しては本当にタイセイたちは何もしてないんですよね。ちょっと気を使いすぎている印象も受けます。

 それはそうと、名古屋駅名物のぴよりん、実物を見るととんでもなく可愛くて、味も絶対美味しいと分かる組み合わせなので、これは人気になるのも頷けました。カドミチが妙に詳しいのは気になりましたが、実は甘いものに目がないというオチだったら、ちょっとカドミチへの見方が変わるかもしれません。

テンの本当の実力にいち早く気づく、アカネのベテラン運転士のような貫禄


 その後行われた模擬戦では、何しろ今回のタイトルが“天才運転士”なので、テンが圧倒的な成績を叩き出すのか……と予想していたんですが、結果は真逆でタイセイたち3人が圧勝する結果に。

 3人の中でアカネだけ、アンノウンが2体並んだ時に咄嗟に武器を切り替えて同時撃破したり、テンの動きの違和感にいち早く気づいていたりと、6話でも覗かせていたシンカリオンの運転士としてのセンスの高さを今回も感じられる描写になっていたのが良かったです。一番最後に運転士になったとは思えない貫禄がありますね。

 また、跳ね上げ橋やカウンターウェイトなど、テンがタイセイ以上に鉄道に詳しいのが意外でした(タイセイ並の鉄道オタクというパターンなのかと一瞬思いましたが)。橋の方に歩いていくリョータに、さり気なく手を繋いで止めるシーンもありましたが、個人的にちょっとここもドキっとしたシーンでしたね。

 テンが元々中性的な容姿なのもあって、リョータが美少女に手を繋がれているようにも見えて、「リョータお前、マイと言うものがありながら……」という感情がよぎったりもしました。リョータを演じる土屋さんもこのシーンがお気に入りの様子。


 そしてなにより驚いたのは、その後クラスメートと遭遇した時、テンがタイセイたちを子分として紹介したこと。それまでのテンの印象は、引っ込み事案で何か隠していることはありそうだけどめっちゃいい子そうだな……という感じだったので、いきなりの子分発言は、それまでに抱いていたイメージとかなりギャップがありました。

 リョータはテンが友達と喧嘩してしまったか、虐められているのではないかと心配しているようで、自分もほぼ同じ予想だったんですが、「別に友達を作らなくてもいい」というアカネのスタンスの違いは、グループ作りでぼっちになったことをあまり気にしてなさそうだった、マイペースなアカネらしさがあります。

 初めてできた後輩に世話を焼きたくなるリョータの気持ちも分かりますけど、まだテンのことを何も知らない状態なので、アカネくらいの距離感が個人的にはしっくり来ます。もっとも正反対のスタンスの二人の間に挟まれるタイセイはなかなか今後も気苦労がありそうですが……。


 そんなアカネの言葉を受けて、シンカリオン同士の模擬戦でテンの真の実力が見られるか!? と注目していたところ、テンが適正値不足でシンカリオンを動かせなくなるという予想外の展開に。これまでに適性値には心・技・体が影響しているとカドミチが説明をしていましたし、リョータの適性値が上がったのも気持ちが吹っ切れたときでしたから、逆にメンタルバランスを崩して適性値が下がってしまうというケースもあるのでしょう。

 そう考えると、シンカリオンを運用する上では運転士のメンタルケアもかなり重要そう。今までの『シンカリオン』シリーズは、超進化研究所の大人たちが子供たちのメンタル部分もある程度フォローしている印象だったのですが、今回は運転士チームの年齢が上がっていることもあってか、結構子どもたちを信頼して任せている部分がありそうで、その違いが面白いなと。先生ポジションのカドミチも、必要以上の干渉は避けている感じがします。

 今回はテンの回ではありましたが、あのクラスメートたちとの関係性は何なのか、なぜ跳ね上げ橋に思い入れがあったのか、なぜ訓練でタイセイたちに花をもたせるようなことをしたのかなど、残っている謎は多いです。次回は、それらの謎を解決しつつ、テンがどのように立ち直るかに期待したいですね。



米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。

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