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『ウィザードリィ 狂王の試練場』3Dリマスター版クリア後レビュー&攻略:フルリメイクされて遊びやすく進化。キャラメイクやバトルの調整点は?(ネタバレあり)

文:GO

公開日時:

 『Wizardry』シリーズ第1作をより遊びやすくしたフル3Dリマスター版『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord(ウィザードリィ 狂王の試練場)』のクリアレビューをお届けします。

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『ウィザードリィ 狂王の試練場』とは


 『ウィザードリィ 狂王の試練場』は、DIGITAL ECLIPSEよりNintendo Switch/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けにリリースた作品です。

 1981年、PC向けにシリーズ第1作としてオリジナル版がリリース。パーティ型ダンジョンクロールRPGの先駆けとして人気になり、以降複数のシリーズを重ねて来ました。とくに日本での人気が高く、『ウィザードリィ外伝』シリーズなど、日本製のシリーズ作品も数多く登場しています。

 今回のフルリマスター版は、オリジナル版のゲーム性はそのままに、グラフィックを強化。また、より遊びやすくなるよう、探索や呪文、戦闘の操作なども改良されています。

 これまでPCでアーリーアクセスが行われていましたが、5月23日にNintendo Switch/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S版がリリースとなりました。

 今回のレビューではPS5版を先行プレイ。ラスボスにあたるワードナを倒してクリアするまでをプレイしてのレビューとなります。

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 なお、この記事には、ゲームのネタバレが含まれますのでご注意下さい。

シリーズ第1作が令和の時代にフルリメイク!【ウィザードリィ 狂王の試練場】


 『ウィザードリィ』シリーズは本編以外に、その精神を受け継いだシリーズ作品が多数登場してきましたが、その中で『ウィザードリィ 狂王の試練場(以下、ウィズ)』がこの時代にリメイクされるのはまさに僥倖といえます。

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 そんなリメイク版『ウィズ』の画面を始めて見たときは、「ああ、ウィズだな」と素直に思えました。

 綺麗になったとはいえ、タイトルやリルガミンの全景は実に“らしい”画面ですし、戦闘画面も敵は激しく動くものの、味方は見えない一人称式と、基本に充実なリメイクをしていると感じます。

 今の時代にリメイクされたということは、画面が綺麗になるのは当たり前。問題は40年以上昔のゲームシステムをどうアレンジしているかです。

 日本でその名を知らしめたファミコン版の時点で、ゲーム性自体はかなり遊びやすく快適なものでした。

 ぶっちゃけこのファミコン版をそのまま綺麗にするだけで成り立つとは思っていたのですが、実際にプレイすると、遊びやすくなった部分と、『ウィズ』らしい不便な部分が絶妙に両立した、バランスのいい良リメイクとなっていました。

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お金の管理が楽になりました!


 遊びやすくなったポイントで、個人的にとくに嬉しかったのが、お金とキーアイテムが一括でシステム管理になったこと。これでもう“ブルーリボン誰が持つ問題”や、ボルタック商店に行くごとに“お金を集める”面倒さは必要ありません!

 このほか宿屋のシステムも簡単なものになったり、デュマピックの仕様が変わったりと、たくさんの改良点がありましたね。

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細かい話をする前に知っておきたいこと


 変更点はたくさんあるのですが、重要なのは、その多くはオプションで採用するかどうかを自分で選択できるということです。これらは“オールドスクール設定”というオプションで選択することができ、基本的にゲーム中いつでも変更可能です。

 オールドスクール設定で“クラシック”に一括設定すると、ほぼ当時のままのシステムで遊ぶことができます。古くからのファンも安心して下さい!

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 また、画面にはApple版を模した画面が動いていて、これを全面に表示することもできます。こちらの画面でも、行動がちゃんと反映されているので、昔の雰囲気を味わえますよ!

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町の施設の快適度が抜群にアップ


 冒険者の宿では、一括でHPを全回復できる制度になり、回復が簡単になりました。どれだけHPが減っていても、泊まるのは一週間で済みます。1人ごとに入る必要はありますが、呪文で回復⇒馬小屋でMP回復といった、序盤のルーティンはしなくても大丈夫!

 1回泊まるごとに1週間過ぎるので、およそ50回ごとに年を取ることになります。中盤以降はあまり宿屋は使わないので、それくらいなら問題ないかなといった感じ。

 年齢に関しても、キャラクターによって歳を取るスピードが違う問題を解決するため、オールドスクール設定で“活力”というパラメータに置き換えることもできます。

 年齢にこだわる人も多いですし(自分も常に10代でいたいタイプ)、年齢自体を無くしてしまうのはいい方法かも。もちろん、従来の部屋のランクを選択するタイプに変更もできます!

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 ギルガメッシュの酒場では、お金で冒険者を雇えるようになりました。自分のレベルに合わせたレベルの冒険者を雇えるようです。全滅したときの救援隊を出すには便利になりそうでしたね。

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 訓練場では、キャラクター作成時、ボーナスを従来通りにするか、固定値にするかを選択できます。従来通りだと、□ボタンで振りなおしできるので便利です。

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探索&戦闘にもうまい調整が!


 迷宮探索についてですが、まず大きいのは、自分の位置を知るデュマピックの仕様が変化。ミニマップは一応表示されています(オプションで消せます)が、ワープやトラップに対応できていないので、あまり役に立たないです。個人的にはここを見ていると、逆に迷いました(笑)。

 デュマピックでは、ここまで歩いたちゃんとしたマップが表示されるのですが、ここで表示した内容は、以降、MPなしでいつでも参照できます。

 ただ、前回唱えた状態のままなので、定期的に唱えて更新する必要があります。このあたりは、便利さと『ウィズ』らしい手間をうまく調整したかなという印象。

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 戦闘は、コマンド選択式で、呪文や罠の解除も選択式になっています。さすがにテキスト入力はありませんでした(笑)。罠の調査や解除で成功率が数字で見えるようになったのはいい感じ。

 戦闘演出はテキパキ進みますが、高速化もスキップもなく、一部アニメーションが長い敵もいて、ファミコン版に比べるとやや重めに。

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 また、“逃げる”の成功率が低く、まず逃げられなくなっています。玄室前で突入⇒逃走を繰り返し、倒せる敵が出るまで逃げまくるのは難しくなりました。

 とくにマーフィーズゴーストは攻撃アニメに気合が入っていて、倒すまでに時間がかかるようになっています。常に狩られてきた彼の、ささやかな反抗でしょうか(笑)。

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 ちなみに、最後の1人のコマンドを入力すると、1つ前に戻れない(最後の1人のコマンド入力を間違えたら、最初からやりなおし)のは、敢えてでしょうか。最後尾に魔術師を置いていると、結構間違えます(笑)。

新機能モンスター図鑑も楽しい!


 新しい機能として、遭遇した敵の情報が記録され、強さや弱点を確認できる“モンスター図鑑”が追加されています。

 現代ではよくある機能ですが、本作で自動的に追加されるのは基本情報のみ。詳細は、戦闘中のコマンド“調べる”でモンスターを調べ、成功するごとにデータが増えていく形になっています。

 これを埋めていく楽しさもあるのですが、“逃げる”と同様、序盤ではなかなか成功しないもどかしさも『ウィズ』らしいですね。先制攻撃をしたときに、後衛にもやることができたと思えばいいでしょう(笑)。

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当時と同じか、実際にワードナを倒すまでやってみる【ウィザードリィ 狂王の試練場】


 プレイは、新しい部分もしっかり見てみようということで、オールドスクールで基本最新要素マシマシの“リメイク”設定を採用。

 キャラクターを6人(戦士×2、侍、盗賊、僧侶、魔術師)作ったら、まずはデフォルトキャラの装備を剥いでお金にします(笑)。初期装備はそこまで大したお金にはなりませんが、序盤では重要です。

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▲作っては消してを繰り返して無限増殖もできそう。ただ、戦闘をした方が圧倒的に早いです(笑)。

 地下1階、まず周辺の玄室で経験値をため、レベル4くらいまで上げてマーフィーズゴーストのいる玄室へ。道のりは、指が覚えていました(笑)。

 マーフィーさん、豪華になって動きまくるのはいいですが、こんなに当たらなかったっけと思うほど苦戦します。相手のダメージが低い(こちらと同様、ほとんど当たらず、当たっても2ダメージ)のでなんとかなりますが、結構時間がかかりそう。

 と思いつつ、ここでレベル10まで上げました(笑)。マカニト覚えたのでモンスター配備センターにいきます。

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▲倒れるときの演出がなかなか死なない時代劇の斬られ役みたいな新生マーフィー。こちらの攻撃がなかなか当たらないので、レベル5くらいになってからがいいかも。

『ウィズ』の攻略手順を紹介


 唐突ですが、ここで『ウィズ』の攻略方法。まずマーフィーズゴーストでレベルを上げ、魔術師がマカニトを覚えたらエレベーターで地下4階のモンスター配備センターへ。

 ここで中ボス的な戦闘をして、ブルーリボンを手に入れたら、別のエレベーター地下9階へ。

 そこからシュートで10階へ降り、玄室を使ってレベル上げし、魔術師がティルトウェイトを覚えたあたりで、ワードナをしばいて終わり。

 そう、2~3階、4~9階は探索する必要がないのです。PC、FC、PSなどなど、時代が変わり、ハードが変わっても、親の仇のように通ったこの迷宮。まぁ手慣れたものですよ。今回もこの手順で行きます。

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▲地下10階は平均レベル10あればなんとか探索できます。地下5階から9階にイベントは一切ないので、いかなくても問題なしです。

偶然のテレポーターでブルーリボンゲット


 覚えている手順どおりに進めていったところ、地下4階のモンスター配備センターはエレベーターですぐ行けると思っていたのですが、なぜか部屋に入れない。どうやら鍵が必要な模様。

 あれ、記憶では必要なかったはずなのに……勘違いでしょうか。鍵というと、金の鍵のこと? なら地下2階にいかないと……と思って引き返そうとしていたら……。

 間違えて入った玄室で戦闘になり、倒して宝箱の罠(毒針かなんか)を解除しようとしたら、なんとテレポーター! 行きついた先は、まさかのモンスター配備センターの中(笑)!

 こんな偶然ありますか? もしかして本作ではこれが正式なやり方だったのかと思うくらい、出来過ぎた偶然。結果、例の戦闘を内側から侵入して行い、見事ブルーリボンをゲットしたのでした。

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▲金の鍵なしでブルーリボンをゲットしています。多分これは、正式なやり方では……ない(笑)。
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▲ちなみにモンスター配備センターの戦いで手に入る“死の指輪”は速攻で売却。HPマイナスの効果はなくなり、持ち帰りやすくなりましたが、入手は1回のみのようです。

 偶然ながらもブルーリボンをゲットできたので、もういきなり地下10階です。エレベーターで地下9階に降り、シュートで地下10階へ。

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▲親の顔より見た看板メッセージ“コントラ デクストラ アベニュー”。これは、意訳すると“左手に沿って進め”ってことらしいです。実際に左手沿いに進んだらどうなるかは、自分で確かめてみて下さい(笑)。

 レベル上げを地下10階で行うのは、地下10階では入り口に町に直接戻れるポイントがあり、各玄室ごとにその入り口に戻るワープがあるから。つまり、帰還が楽なのです。

 ワードナの玄室のある通路まで行くと戻れないので、そこへ行かないように気をつけておけば、1本道なので迷うこともなし。

 これまでは逃走を活用して敵を選んで倒していたのですが、本作ではまず逃げられないので、強敵が出ないよう祈りながら玄室巡り。ここからは宝箱からアイテムを集めることが主な目的なので、強い敵は避けます(リセット)。

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▲そうこうしているうちにカシナートの剣ゲット。これが前衛の第一目標ですかね。あとは極上の鎧とか支えの盾など。回復の指輪も欲しいところ。

ちょっと様子見のつもりが


 地下10階でアイテム探しをしていれば、レベルも自然に上がっていきます。魔術師がレベル13になれる状態になったら、宿屋前で祈りながらレベル上げ。

 ここでティルトウェイトを覚えるかどうかでかなり変わってくるので、正直覚えなかったらやり直し(リセット)です。

 今回は見事覚えてくれたので、ちょっくらワードナをしばきに行ってきましょうか! マハマンは覚えられなかったので、最終手段(マハマンで敵をテレポートさせて勝つ)は使えませんが、なんとかなるでしょう。

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▲はい、きましたワードナの玄室。先制さえできれば勝率はぐんとアップします。エナジードレインに怯えながら前衛で集中攻撃し、ティルトウェイトでザコ一掃を願います。

 ……あっさり倒せました。何人か犠牲は出ましたが、これくらいで済んだのならむしろ幸運です。護符を手にし、いざ帰還! すると……。(次の写真、ネタバレ注意!!)

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▲経験値・お金と引き換えに、護符を含め、装備をすべて没収! いやいや、この仕様は厳しいって!

という、夢を見たのさ(リセット)


 装備品の一部は余剰分がボルタック商店にあるけど、カシナート2本失うのは厳しすぎる。ということで、ワードナをしばく前にタイムリープしました。

 今回は不意を突かれた(!?)だけで、装備消失については、レベルを上げて裸でワードナを倒すとか、城に戻る前に誰かに装備預けるとか、いくらでもやりようはありそうです。

 ここでちょっと何度か出てきたリセットについて。本作はオートセーブで、戦闘中も頻繁にセーブされるので、結構リセットのタイミングは厳しいです。

 セーブのタイミングは画面左上にアイコンが表示されるのでわかりますが、もちろん表示されてからでは遅いわけで(笑)。

 ただ、セーブスロットが複数あり、データ自体を複製することができます。つまりバックアップを取っておけるんですね。セーブデータのバックアップは、リセットより嫌う人が多いとは思いますが、自分は結構活用しています。

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▲便利ではあるのですが、最新データを古いデータで上書きしてしまうミスだけは注意。

これからが本番だ!【ウィザードリィ 狂王の試練場】


 というわけで、ざっとクリアまでをレポート(!?)してみましたが、このゲームはこれからが本番です。

 あとはただひたすらレベルを上げ、村正を始めとするレアアイテムの収集が始まるのですが、面白いのはここからといっても過言ではありません。『ウィズ』ならではの中毒性はバッチリ継承しているので、今後もガンガン遊んでいくつもり。

 グラフィックが豪華になって、全体的なテンポはファミコン版より弱冠重くなってはいますが、ダンジョン探索の面白さはしっかり担保されています。

 『ウィズ』のファンなら、当時の沼っぷりを思い起こせる“ちょうどいい”リメイクになっているので、確実に楽しめると思います! 本作を知らない若い世代のゲーマーも、ぜひこの古いけど新しい『ウィズ』最新作に挑戦して欲しいです!

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