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『かまいたちの夜2』22周年。亜希ちゃんは空中浮遊し、ネコのジェニーは人肉を欲する。そして、あんなに好きだった真理は…。自分の癖(へき)を歪ませた妄想篇!【メモリの無駄づかい】

文:カワチ

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 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、PS2に登場した『かまいたちの夜2』について紹介します。

[IMAGE]※この記事には『かまいたちの夜2』のネタバレが含まれています。

『かまいたちの夜』の続編がPS2で出るぞ!


 スーパーファミコンの傑作『かまいたちの夜』の続編で2002年にPS2で発売された『かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄』。筆者は本作の発売当時、ゲーム系の専門学校に通っていたものの、入学費やパソコン購入代といった初期費用で貯金が尽き、さらにその後の学校までの交通費などの支払いでカツカツな生活を送っており、まだPS2本体を購入していませんでした。専門学校生あるある!

 そんななか、同じ『かまいたちの夜』ファンのクラスメイトの友人からPS2で続編が発売されることを聞き、悶々とした日々を過ごすことに。そして『かまいたちの夜2』の発売日。まだPS2の購入に踏み切れない筆者は先にPS2本体と『かまいたちの夜2』を購入した友人の家でゲームを見せてもらうことにしたのですが……。いやぁ~、すごかったですね!

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 PS2の『かまいたちの夜』は!! グラフィックも音楽もめちゃくちゃパワーアップしていて、これが未来か!! と感じたものです。その友人には序盤だけゲームを見せてもらって、翌日にはPS2本体と『かまいたちの夜2』を購入。当分の間、昼食がパン1つやカップラーメンだけになりましたが、『かまいたちの夜2』が遊べたのですから、悔いはありません。

衝撃的だった“妄想篇”


 前作『かまいたちの夜』のストーリーが劇中劇だったことが明かされたりとメイン部分も衝撃だった『かまいたちの夜2』ですが、とくにインパクトに残ったのがサブシナリオ。本作は前作を手がけた我孫子武丸さんのほか、ホラーが得意な田中啓文さん、牧野修さんが参加しており、プレイした人の心にトラウマを残すような衝撃的な展開が多かったです。

 “みのむし”の謎が明かされ、“ミミミミミミミミミミミ……”が忘れられない“底蟲村篇”やホラー的な要素の強い“陰陽篇”などもおもしろいのですが、とくに忘れられないのは後半に“黒の栞”を手に入れると見ることができた“妄想篇”や“惨殺篇”。ここまで攻めた内容のシナリオをPS2でやってしまうのかと驚きました。

 妄想篇は物語がとぎれとぎれだったり、BGMがいびつだったりと、プレイしていてとても不安になる内容。全員が正座をして主人公の透を迎えてくれたり、彼らとかみ合わない会話をしたりするシーンはシュールなギャグっぽくもあるのですが、暴力好きの俊夫さんや仕事に誇りを持っていない美樹本さんなど、キャラクターのイメージを損なうような感じで描かれており、めっちゃダークな笑いでした。

 ただ、後半になって物語の仕掛けがわかると、なぜキャラクターがこう描かれているのか理解できる仕組みでしたね。うまい!

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 基本的に苦笑いするしかないキャラクターたちの愚痴ですが、宗教的なものを極めて(?)座禅しながら受けるようになった亜希ちゃんと、「人の肉が喰いたい」と言いだすネコのジェニファーは笑ってしまいました。というか、笑うしかない。

 なお、話しかけられる人物の中には我孫子武丸さんや中村光一さんも。我孫子武丸さんはめちゃくちゃ尊大な人物になっていて、「お前もか!」と画面に突っ込んでしまいました。こんな形では出会いたくなかった。(※)なお、我孫子武丸さんは舞台版の取材でインタビューさせていただきましたが、妄想篇に登場する愚民を馬鹿にする我孫子武丸とは異なりとてもいい方でした。

 詳しいオチなどはゲームをプレイして確認して欲しいのですが、この妄想篇はまさに“妄想”が生み出した世界……なのですが、この世界を生み出した原因がエグかったです。ヒロインの真理がトリガーなのですが、“かさこそかさこそ”の文字と効果音がショックでしたね~! 許せなくて、やるせないのですが、筆者はなぜかこの展開に興奮してしまい……。今ではそういうジャンルの作品を好んで観るようになってしまいました。

 さて、今日もネト●レの作品を漁るか……。(終)

カワチRPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

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